*B部門入選作発表*


兼題『季語:祭』『漢字:光』=全90投句(入選61句)

【特選】

一席
●捕虫網午後の光を掻き混ぜて=秀子


◎朱、久、茶、し、ま○や、資、香、秋△ラ、水、雪、葱=27点
(茶:風景が、ストローでグラスの氷をかき混ぜるたように、パンアップされました。 朱:少し既視感はあるけれど光の文字を詠む甘い句が多い中で良い「光」だと思った。 光を掻き混ぜるなんてとても詩的な表現で素敵です。 秋:捕虫網が虫を追って八の字に舞う様が、空気を掻き混ぜるそんな風にも見えますね。 香:光を掻き混ぜると表現したのが良かったです。 水:元気な少年 や:虫にも飽きて泥鰌に変更。 資:虫を取る子等の活発な動き。 ラ:光ばかり捕れて、虫はちっとも捕れなくて(笑) 葱:大串章の特選、間違いなし!)


二席
●切り火浴び祭の衆になりにけり=智雪


◎や、雪、秋○葱、ま△朱、秀、し、ぼ、入=18点
(や:命は祭りだいざやわが夏。 葱:キリッとしてて気持ち良い、余計な修辞がない! 秋:火の粉を浴びながら俄かに緊張や高揚感の高まっていく様がよく見えます。密がダメと言われたらこれからのお祭りはどうなっていくんでしょう? 秀:時代劇みたいですが、祭りの時はするんでしょうか。 し:さあ祭りが始まるぞ〜という意気込み感じます。 朱:祭りに飛び出す勢いを感じる。 ぼ:さあ、祭だ、祭だ!)


三席
●ほどけゆく新茶の針に光あり=秋波


◎水、五○十、茶、修、喋△香=15点
(水:スローモーションのような時間の光を見つめる。 五:新茶の針、茶柱がお湯で膨らんでゆく。「ほどけゆく」の表現が秀逸。 十:動きもあり写生の効いた一句。 茶:お茶の針とスチールの針との重ね合わせかなと。光の意味合いも広がりますね。 修:美しい映像と香り、すばらしい表現力。 香:緑の針のようです。)


【入選】

●手のひらのベビーシューズや新樹光=まさこ
◎秀○雪、智△久、水、資、裕、香、メ=13点
(秀:季語がやや近い気もしますが 水:希望とか未来とか晴れやかさを感じますね。 智:新樹光が未来を祝福しています。 資:小さいが瑞々しい。 香:新樹光で、赤ちゃんの健康や幸せを願う気持ちが眩しいです。)

●どの顔も祭の顔となりにけり=やんま
◎清○子、し、紅△始、葱、秋=12点
(清一:簡潔な句で祭の様子を端的に表現。 し:祭の顔がいいですね。高揚感が高まっていく様子が良く分かります。 葱:簡潔に祭の本質を詠んでいる。 秋:祭りというだけである種高揚感に包まれる。その人々の表情の変化をシンプルに切り取った。 紅:高揚感が伝わってきます。)

●総武線祭りの上を走りけり=資料官
◎十、裕○喋、紅△葱=11点
(十:万太郎の「神田川句」のオマージュとして「祭りの上を」が面白い。 紅:アングルが面白いです。 裕:総武線は下町のイメージ、東京ではこの時期そこここでお祭りのはず。早くいつもの景色に戻ってほしい。 葱:高架下で祭りが行われているところがいい。)

●はだければ神輿の瘤の光りけり=十志夫
◎砂、ぼ○し、メ△入=11点
(し:祭り男のカッコ良さですね!! ぼ:兼題二つとも折り込んで、内容的にも味あり。お見事です。)

●ビリジャンに光を溶いて青葉色=智雪
◎ス、メ○始、五=10点
(五:絵のことは分からないが、上手い俳句だ。)

●おはじきの中の光や夏めきて=スライトリ・マッド
○始、智△久、清、や、十、喋=9点
(智:キラキラと夏の色。 清一:おはじきが様々な色の光を放つ、それに見とれる詠者。 十:微細な把握。 や:いつの間に来ている夏に驚く。)

●カステラに家紋の光る子どもの日=ラスカル
○朱、裕△十、茶、し、メ、紅=9点
(朱:こういうカステラあるらしいですね、如何にも特別感が盛り上がる。 裕:じいじとばあばの孫を見る笑顔が見えます 十:今どきはこんな特注をする家もあるのかという驚き。 茶:カステラに家紋まで入れて祝う。少子化ならでは商魂ならではでしょうか。時勢ですね。 し:なんとも豪華なカステラ!カステラ大好き!! 紅:初節句の内祝いに配られたカステラでしょうか。)

●上賀茂の草を食みける祭牛=清一
◎子、香○遊△修=9点
(遊:雅です。 修:祭牛ののんびり感がおもしろい。 香:葵祭の舞台裏を詠むとはおもしろいです。)

●親子してつむじの二つ祭髪=紅椿
○朱△雪、裕、香、ま、喋、智=8点
(朱:可愛らしい視点。 香:髪を結って初めて発見したんですね。 智:つむじ二つが微笑ましい。)

●月蝕の光もらさぬ梅雨の雲=修一
○久、清、子△ス=7点
(清一:生憎の曇空、月蝕が見られない悔しさ。)

●太鼓打つ背に見惚れをり祭髪=秋波
◎遊△清、資、ぼ、紅=7点
(遊:男と女・聖と俗。 清一:力強い太鼓打ちに見惚れる、祭髪の季語が効いている。 ぼ:いい男といい女。ハッピーエンドの予感。 紅:「無法松」みたいな人なのでしょう。)

●糸の雨祭囃子は終はりなく=朱河
○水、五△子、喋=6点
(水:白黒の昔の映画のシーンのよう。 五:一抹の寂しさが伝わってくる。)

●四股踏みしジムの片隅薄暑光=裕
○や、秀△砂、遊=6点
(や:密かな努力を積み重ねゆく。 秀:若いころの思い出なんですね。 遊:土埃や汗しぶきまで見えそう。)

●待つことを祝祭として五月尽=遊歩
◎葱○十△秋=6点
(葱:この時期に詠むことによって、句に深い鎮魂が宿ります。 十:「待つこと」の意味は、「コロナの終息」「接種日」など人それそれ。 秋:コロナ禍で正に自粛期間が明けるのをひたすら待つ5月でした。)

●老鶯やカーブミラーの反射光=紅椿
◎ラ△修、裕、智=6点
(ラ:老に対しての光。作者の優しさが感じられます。 修:円熟した一声が聞こえてきます。 智:何故カーブミラーなのか分かりませんが、惹かれます。)

●芍薬の前のめりなる光りかな=十志夫
○ぼ、入△始=5点
(ぼ:中七お見事です。きっと手練れの句。)

●ひめぢよん夕日に光る村の墓=修一
○茶、水△ま=5点
(茶:なんということもない風景ですが、上五が恭しさを引き出しています。 水:静かな山の斜面。)

●山ぢゆうの光集めて滴れり=秀子
○ス、裕△ぼ=5点
(裕:さわやかな夏の朝を感じます。 ぼ:俳句はデフォルメ。いいね!)

●鯵はねて銀の光を返しをり=雪絵
○久△や、秀=4点
(や:命の旬の真に眩しき。 秀:河口近くで魚が跳ねているのは見たことがあります)

●雨ふれば湯気立つ神田祭かな=裕
○資、入=4点
(資:残念ながら熱い江戸の華も2年連続中止。)

●潮の香の祭提灯門々に=まさこ
△朱、葱、入、紅=4点
(葱:海辺の街でしょうか? 情緒がありますね! 朱:海と祭り取合せで生き生きとしかも夜のしっとりとした景色も見える。 紅:スッキリした佳句だと思います。)

●新緑の光を纏ふ能楽堂=雪絵
○ラ、ま=4点
(ラ:「纏ふ」という措辞がぴたりと決まりました。)

●初デート父に内緒の祭髪=智雪
◎始△遊=4点
(遊:そっか・・・)

●初夏の光吹き込む硝子玉=スライトリ・マッド
○ラ△し、秋=4点
(ラ:とても美しい「ぽっぺん」が出来そうな予感♪ し:夏の光を感じる綺麗な句ですね。 秋:「吹き込む」がどういう意味か分かりにくいと思いましたが、もしこれが工房で息を吹き込みながらガラスを膨らませているところだとすると綺麗だと思いました。)

●窓といふ窓開け放ち祭笛=紅椿
○雪△資、ス=4点
(資:祭が中止になっても聞こえてくる)

●結葉の手印光を囲みけり=葱男
○遊△始、茶=4点
(遊:ありがたや・・ 茶:「手印」とした措辞がいいと思いました。神々しい自然の瞬きですね。)

●豌豆の蔓を払ひて畝光る=久郎兎
○香△五=3点
(香:畑仕事をやってないと生まれない句ですね。 五:観察の光る句である。)

●眼光の泉のごとし狂言師=葱男
◎智=3点
(智:泉のごとしが秀逸。)

●金泥の眼光仄か夏の月=しゃが
◎喋=3点

●サックスに宿る光や薄暑来る=茶輪子
◎資=3点
(資:サックスの音が効果的に)

●新緑や光こぼれて地図開く=メゴチ
○清△葱=3点
(清一:ハイキングの途中道に迷ったか地図を開く詠者。 葱:緑の中に入り込む時のワクワク感と喜びが伝わってきます。)

●清流は子供の世界夏光る=砂太
◎修=3点
(修:そう子どものときは、否老いてなお。)

●タレントの殿の御成りや夏祭=水音
△砂、茶、紅=3点
(紅:イケメンのタレントさんんが謙信や政宗になったりしてますね。中七が好きです。 茶:議員にタレント、夏祭も人気集めのイベントに。それでも早く楽しめるようになりたいですね。)

●テークアウトの売り子の声や薄暑光=裕
○修△ラ=3点
(修:あらためて、生活することとは? ラ:コロナ禍ならではの句。実感がこもっています。)

●天光を七つに分けて虹の橋=白馬
○砂△メ=3点

●鉢植えの小さきトマトの実の微光=水音
◎紅=3点
(紅:実際に育てている人だからの、発見や喜びを感じます。)

●花みかん光源氏のいる気配=水音
○葱△智=3点
(葱:思いがけない展開で、不意に歴史的ロマンの世界に誘われます。 智:御所に夏蜜柑の実を見た事があります。光源氏がその木の下に居るようです。)

●噴水の頂点光る刹那かな=ラスカル
○メ△五=3点
(五:噴水の頂点に光を当てた。動と静の極地。)

●星の種宿す眸や夏祭=葱男
○ス△遊=3点
(遊:ドキドキ・・・)

●水馬の跳ねて破船の水光る=やんま
○砂=2点

●里思ふ首都の祭りの切れの良さ=久郎兎
○秋=2点
(秋:歯切れのよい江戸弁や人々の熱気が飛び交う祭を見物しながらの感慨。昔、三社祭いのち!という人の話を聞いたことがあります。その熱心さに押されながらふと自分の地元と引き比べていました。)

●泣いてゐるお祭り男手酌酒=五六二三斎
△ラ、秀=2点
(ラ:祭という題で「お祭り男」という言葉を引き出した点がユニーク。 秀:お祭り男は、熱い男なんですね)

●初夏の光飛び散る万華鏡=ラスカル
△清、水=2点
(清一:初夏の光と万華鏡の組み合せが良い。 水:元気いっぱい。)

●孫の写真廻る食卓夏祭=砂太
○ぼ=2点
(ぼ:敢えて孫句に挑戦して成功。お祭で親族が集まっている情景が眼に浮かびます。)

●祭じゃー新緑透かしてピー匕ャララ=喋九厘
△子、砂=2点

●祭には再た来るからと別れけり=ぼくる
○秀=2点
(秀:演歌ですよね。切れも欲しいし。でもね、ぐっと来てしまいました。)

●村祭教頭先生踊りだす=修一
△子、雪=2点

●賀茂の森葵祭の蟻の列=久郎兎
△ス=1点

●木漏れ日の光と影と苔の花=やんま
△ま=1点

●擦り傷の祭男や雨止まず=入鈴
△久=1点 ●善光寺ヘゆるき坂道街薄暑=資料官
△朱=1点
(朱:善光寺門前通りは坂道だったかな?と思いながら詩的なのびやかさを感じます。)

●躁と鬱あふるる展示五月祭=十志夫
△五=1点
(五:五月祭というと東大の学園祭だろうか?コロナ禍で学園祭は行われたのだろうか?)

●でで虫や光陰を這ふゆるやかに=清一
△し=1点
(し:光陰を這ふがかっこいい。でで虫が優雅に這ってゆく。)

●母の日に光る真鯛の造りかな=香久夜
△修=1点
(修:文句なく、目出鯛です。失礼しました。)

●光る道つき従うは影法師=喋九厘
△十=1点
(十:確かに従うのは影法師だけ。無季なので上5を「新樹光」としたらどうか?)

●祭りなき参道静か雨の音=メゴチ
△十=1点
(十:あらゆる祭が中止となり、雨音がより静寂を伝えてくる。)

●夜光虫コンビナートの夜の顔=秋波
△清=1点
(清一:コンビナートの風景に溶け込む夜光虫、現代の神秘的な風景でもある。)

●寄道や小さき祭のヴィオロン弾き=入鈴
△や=1点
(や: 胸いっぱいを満たす音色ぞ。)


B部門入選作〈back number〉

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