*B部門入選作発表*


兼題「猫」・「弥生」*全45投句(入選43句)

【特選】

一席
●拾われてやよひとふ名の猫になる=月下村


◎五、男○夏、水、ス、二、百△澄、砂、メ、香=20点
(五:兼題2つを盛り込んだところを評価した。詠み慣れた方の句とわかる。 男:よかったね。ほっとしたね。 夏:「やよひという名の猫」に参った!上手い!! 水:さもありそうな・・。 澄:やよひちゃんよかったね。 ス:よかったね。いい人に拾われて、弥生ちゃん。 メ:ちょっと苦しいけど、こういうの好きです。 百:なるほど。 香:元気になれよ。)


二席
●恋の猫孤高の姿捨ててをり=水音


◎木、入○月、メ、香=12点
(月:どんなお偉いさんでも一旦恋に落ちちゃうと、これが情けないぐらいに繊細になっちゃって、阿呆可愛いもんです、とほほ。 入:いいよねえ。 メ:恋で落ち着きがなくなる猫の姿かな。 香:猫が身近にいる人は、いい句がたくさんできますね。)


三席
●オイラーの公式またぐ猫のそり=ひら百合


◎月、ス○香△澄、喋、二=11点
((月註:オイラーの公式:eiθ=cosθ+isinθ。 月:完全なる調和。猫と自然の摂理。この公式をじーっと眺めてるとθが猫目に見えてきます。それでもって無季ではあるが◎です。 資:面白いが,おいらの公式の意味なんだったっけ? ス:オイラーの公式知りませんが、ネコバウワーか? 香:オイラーなんて知らないけど、なるほど。)


三席
●猫の子ね 春見て見るは 猫の子ね=メゴチ


◎ア△月、五、喋、夏、里、資、ス、二=11点
(メ:回文にしてみました。 ア:心地よい響きがすーーっと心に入ってきました。 月:回文の楽しさと、猫の可愛さがよくマッチしてます。春やし・・・。 五:回文俳句というだけでなく、句の出来佳! 夏:回文にビックリ。面白い。 資:努力賞。歴史に残す。 ス:俳味はさておいて面白いので。)


【入選】

●オムライスふんわりと咲く花見月=スライトリ・マッド
◎夏○月、入△喋、砂、二=10点
(夏:「オムライス」→「ふんわり」→「咲く」→「花」、言葉のロンドのよう。 月:われらが完全栄養食品「玉子」。中がふんわりいてるのが最高に旨いんだなあ〜。 入:オムレツがうまくいったときの最高の表現。)

●櫻月母のウテナの化粧水=月下村
◎二○砂、ス△入、水、君=10点
(入:櫻月と合うラベル?香り?なつかしいです。 ス:ウテナ化粧品ありましたね。懐かしい。蓮のうてなも連想させ、いい感じ。)

●パステルに想いも染める弥生かな=木笛
◎里、資○メ△前=9点
(資:弥生の色彩を詠んだ良い句と思います。)

●内海に光乱舞す弥生かな=水音
◎澄○資、女△男=8点
(資:錦江湾かなとも思いつつ,暖かな情景を感じました。 男:ドンヨリとした空に明るい光が満ちて、さあ今から元気を出して。)

●猫の尾が先立ち動く春の恋=五里
◎百、香○砂=8点
(百:しっぽに表情がありますよね。 香:鋭い観察力。)

●弦楽のアダージョに酔う春の宵=ひら百合
○澄△夏、砂、前、女=6点
(夏:弦楽のアダージョに弱いなぁ。 月:いい感じやけど、これって兼題、満たしてる?)

●花束を抱え行く人弥生尽=五六二三斎
◎砂△夏、資、二=6点
(夏:お別れの行事の多い時期。〈弥生尽〉が効いている。)

●春日傘小物屋で遭ふ猫や猫=月下村
◎喋○百△ス=6点
(ス:昼下がり、小物屋、ネコよく合いますね。 百:招き猫とか・・・。)

●村の春おばあの背中ネコ隠れ=喋九厘
○五、里、水=6点
(五:ユーモアありの句で、こんな句も春にはありかな? 水:村の春とおばあそれに猫 見事な三点セット。)

●野良猫の腹ばいなりし弥生かな=資料官
○入、男△水=5点
(入:コンクリートが暖かくなってくる弥生。 男:寒い冬が過ぎて野良も安堵の気持ちがいっぱい。 水:地面も暖まりのんびりと。)

●花見月 子も旅立たん一人路=前鰤
◎女○男=5点
(男:入学、就職、春の優しさも一方では子離れ、親離れの寂しさが。)

●縁側の陽だまり猫のあくびかな=男剣士
◎メ△資=4点 (メ:一緒にまどろみたい。)

●川水流の子猫の散歩レール道=喋九厘
◎君△月=4点
(君:可愛くてのんびりしてて、でもどこかしら寂しい・・・。 月:「高千穂鉄道」の写真集、出版間近!! 見たもんね、ゲラ刷り原稿。 資:高千穂鉄道を詠んだ句として採りたかったが,無季?→月註:「子猫」=春の季語です。)

●恋猫やゆき過ぎてのちみゃあと呼び=入鈴
◎水△男=4点
(男:面と向かってなかなか言い出せないのは人も同じ。)

●だんだらの想い走りて猫の恋=スライトリ・マッド
○夏、君=4点
(夏:「だんだらの」がユーモラスで惹かれる。)

●猫の恋関所となりし塀の上=五六二三斎
○里△入、百=4点
(入:うるさいときは、よく箒ではたいたものです。 百:関所ってのがちょっと引っかかる。)

●野良猫と共にやどりす春の雷=君不去
○喋、資=4点

●水溜り映す花影や溢れ見ゆ=入鈴
○女△澄、前=4点

●恋猫も 桜吹雪に 惑わされ=メゴチ
○ア△男=3点 (男:儚い恋は、儚い桜と一緒にどこかへ。)

●恋猫や寄り添う野辺に光ふる=木笛
○前△メ=3点

●桜月花は気持たせ紅を刷く=夏海
◎前=3点

●肩の荷の軽くなりけり三月尽=資料官
△君、ス=2点
(月:決算期のサラリーマン、自営の確定申告、書類提出すると心からほっとします。 ス:うなずける感じがして。)

●五時すぎの 小径かろやか 弥生かな=香久夜
△百、女=2点
(百:明るくなってきた夕暮れ時ね。)

●出発のベル鳴るやよい空重し=水音
○五=2点 (五:出張おじさんの句か?プロの句か?いずれにせよ、おじさんの哀愁が感じられた。)

●過ぎし日の弥生のなみだ浮かびくる=五六二三斎
ア:=2点

●セーラーや夢の随(まにま)の桜月=スライトリ・マッド
○喋=2点

●猫の子の肉球庫裏をかけ巡る=入鈴
△君、香=2点
(香:元気な姿が目に浮かびます。)

●花弥生 若木色まで ふくらみぬ=香久夜
○澄=2点

●母の忌やカナメの芽赤き弥生かな=夏海
△里、二=2点

●春の夜に虚空を追う猫の怪=五里
○前=2点

●見えたのか見えぬか一輪弥生空=ひら百合
○君=2点

●雨の打つ弥生の丘は寂しかり=木笛
△五=1点
(五:丘句に反応!)

●猫の目やくるりまわりて春の宵=君不去
△五=1点
(五:猫句の典型かな?)

●花枝持つ美少年をり弥生尽=君不去
△月=1点
(月:「美少年」っていう銘柄の日本酒も結構、女性に人気みたいですよ。)

●春来たり 猫なで声の昼寝かな=前鰤
△メ=1点

●春の猫カラスと声音競いおり=夏海
△入=1点 (入:残念ながら、カラスのほうが賢いです。)

●まぶしくも鋭き風の弥生かな=資料官
△里=1点

●溝の猫 春日さへぎる 烏をり=香久夜
△水=1点


■雑感
雑詠の部で初参加の夏海さんが、兼題ではズブの素人から出発したメゴチさんが特選に輝いた。
おめでとうございま〜〜す\(^O^)/
会員数も増え、益々盛会の「丘ふみ游俳倶楽部」である。
常に女性上位なのが、倶楽部存続の秘訣なのかもしれません。(^o−)m
夏海さんは以前から俳句に馴染んでおられたのではないですか? 部長もびっくりの自在な修辞でした。メゴチさんのチャレンジ精神はテニスやゴルフに通じるところがあるのでしょう、回文、ナ〜イスショットでしたね。
砂太先生からもあと7回分の原稿を戴いております。季節に合わせておいおいC部門に発表していきますのでみなさん、乞う、御期待!

 

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