*B部門入選作発表*

兼題「白」・「梅」*全24投句(入選22句)

【特選】
一席
24●結わえ手の みくじに笑みし 梅一輪=久郎兎

◎白、入、前○二△月、五、君、喋、平=16点
 
(入:一茶の句を想います、中吉だった? 月:大吉を籤するほどの末の吉。 平:そういう感じがしたのかなあ。 五:作者も太宰府天満宮を思い出しているのでしょう!太宰府市民の句ではないと信じて!)

二席
07●紅梅や白きまつげの艶めかし=資料官

◎月○五、喋△久、二、君、入=11点

(月:めしべが白いのですね?脂粉漂うとはこういう風情か? 五:白きまつげがいいですね!紅と白の対比もよい! 久:紅梅は白梅より句を作りにくいけど、おしべめしべの妙な白さを詠んだのはGOODです。 入:私には黄色に見え、あでやかと映りますが、それぞれの感じ方なのですね。)

二席
10●去りゆくは一人二人と梅の先=喋九厘

◎五○入、資、前△久、二=11点

(五:どういう状況なのか?梅見が終われば、さっさとみんな帰っていってるのかな?梅見と桜見の違いも表わしていていいですね!寒いし、梅を愛でるのはみんな苦手かな? 入:水仙ではなく辛夷の先でもない、梅の先。 久:梅の盛りを待たずに逝ってしまったという残念な気持ちが読み取れます。)

二席
22●古き梅ちろりちろりと咲きにけり=入鈴

◎久、喋○月、君△二=11点

(久:「ちろりちろり」に負けました。老木が全精力で咲かせる花だけど、でも弱々しさが残るという情景、いいですね。 月:古き=ちろりのオノマトペの感覚が好き。 君:ちろりちろり が泣かせますね。)


【入選】
09●咲きぬれど少しはにかむ小梅かな=月下村
◎平○五、澄、資△君=10点
(平:小梅ってどんな花なんだろう、食べたことはあるけど。 五:少しはにかむがいいですね!つつましい句ですね!)

12●白魚の腹噛みにけり少年兵=月下村
◎ス、君○二、入=10点
(君:ガンと一撃の句 ス:なんかインパクトがある。 入:私達の世代で発露ありかな?その波紋に加担したい。)

04●梅が枝の白き円盤飛び発たん=入鈴
◎澄○月△喋=6点
(月:梅を見てる視線に童心有り。)

20●針供養何やらさびし白き塊=君不去
◎資○ス△前=6点
(君:針よりも、台にされている豆腐に目がいってしまいます。 ス:白き塊ってひょっとしてトウフ?!いっぱい刺されて痛いだろうな。)

06●恩師逝く白木蓮は蕾なり=資料官
○二△久、澄、ス=5点
(久:白木蓮が咲くまで、いやもっとお元気で、という気持ちが感じられます。 ス:いつもにこにこした優しそうな先生だった、でも私は数学がきらいだった。)

08●凍え指 白砂に消ゆる 故国の字=久郎兎
◎二○ス=5点
(ス:何という字を書いたのでしょう?)

11●白魚も網も川面も踊りけり=五六二三斎
○久△月、澄、前=5点
(月:春の光と自然の躍動感。 久:三者三様に春のまばゆい光を放ち、それらの光が乱舞する様が伝わってきます。)

21●春の人白きうなじのにほひけり=君不去
○喋△月、二、五=5点
(月:きもの美人を想像しました。五:薄着になってきたんで、うなじが見えるようになってきたのかな?春だ〜!)

23●ブルトレや梅が香連れて散りにけり=君不去
○平、前△資=5点
(君:喋九厘殿、資料官殿にひきずられ。 平:今回はこれがテーマ。 資:ウーン最後は鉄道マニアのお祭りだった。)

16●名残り雪梅ヶ枝餅や蕾にも=喋九厘
○平△二、澄=4点
(平:わかりやすくていい。)

03●一直線落下する雲の白き筋=スライトリ・マッド
○澄△喋=3点

05●梅は白 白こそ梅と頑固者=前鰤
○君、資=3点
(君:紅梅も好きだけど。 月:味のある川柳かも。)

13●白梅や隣の庭の老夫婦=スライトリ・マッド
△二、平、入=3点
(平:なんか絵になり過ぎ。 入:白梅って渋い味わいですもんね。)

17●葉擦れの木々の音にも梅は凛=五六二三斎
○久、△資=3点
(久:葉を残している木々に目もくれないで、花から先につけるという梅の頑固さを表したものか。)

14●ちはやぶる告白の門卒業歌=月下村
△五、ス=2点
(五:枕詞を入れたところが、面白いし、告白を強く印象づけている。 ス:青春だね。)

02●安息の素足サッシに梅光る=五六二三斎
△入=1点
(入:視点が面白く新鮮でした。 月:「素足」は夏の季語なんで御注意!)

18●白銀に 主役替え待ち 早春雨=久郎兎
△前=1点

19●浜玉や白淡雪の砂に溶け=入鈴
△ス=1点
(ス:キレイ。)

■雑感

前鰤さんから連絡あり、今回週末出張で遅くなるから選句パスさせて下さいとの事でした。その言葉は彼のみんなに対する思いやりの発露だと解釈し、申し出に甘えることにしようと思いました。彼の気持ちが美しく感じられたからです。
結局のところぎりぎりで選句する時間がとれてめでたく全員の点盛りとあいなりました。よかった、よかった。

今月は、辛口「二六斎」からA部門に8句、B部門には10句の点盛りがありました。素晴らしい!!
その昔、梅の花から櫻の花へと美意識を洗練させていった古(いにしへ)のやまとびと。
2005年に立つわれらの生存に、新たなるポエジーは残されているのだろうか?
物語の中に生きることができなくなった時、人はゆっくりと、そして確実に狂い始める。
物語の本質には自己コントロール、つまり自縄自縛による愉楽の秘密が隠されている。それは個人史の中で創造された美意識の発露であり、コンセプトの表象である。
ルールや行儀を無視する事に快楽など存在しない。
われわれはもう少し真顔になって俳諧し、五・七・五のリズムと法を極めねばなるまい。
(丘ふみ游俳倶楽部編集長 月下村。)

B部門入選作

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