*B部門入選作発表*

兼題「五」・「輪」*全26投句(入選22句)

【特選】
一席●月の輪の半分透けて 草ひばり=入鈴
◎喋、木◯月、資=10点
(月:草ひばりなんて乙な名前の秋の虫、一度お目にかかりたいな。)

二席●はからずも輪島で遇いし月の海=五六二三斎 
◎康、ス◯木△澄=9点
(康:いいな、私も遇いたい。こだわりの「遇う」かな?)

三席●秋の夜長 音の輪紡ぎ 時流れ=木笛 
◎五、資◯澄=8点
(五:「秋の夜長」を「あきのよる」と読んでくれればという条件で◎。私は575になってないと、どうも取れません。もし、そう読むのであれば、本当にいい句!)



【入選】
●奏でるは テイクファイブかフルムーン=月下村
◎澄◯平△入、ス=7点
(平:やられた! 入:秋の夜長はこれでなくては。)
●求め来し指輪渡せず別れ蚊帳=五六二三斎
◯久、資△月、入、ス=7点
(久:まいったなあ、大人の句だあ。この句の奥にある情景が自分の中で広がりすぎて、さてどうしよう。 月:「別れ蚊帳」なんて風情のある季語やなあ〜、結局別れが来たのでしょうが、残る痛みもすずめ蜂じゃなくてよかったね!  入:先回の可哀想な恋歌と同じ作者かな?)
●わが夕餉 さんま七輪 かゆ五徳=久郎兎
◎平、前△木=7点
(平:嘘でしょう、といいたいが、うまく使ったなあと、感心。)
●秋風に 五線紙ひらり そよぐ葉音=木笛
◯喋、資△久、前=6点
(久:さわやかなものの集合ですね。秋風が五線紙を見て葉っぱを擦り合わせている情景。)
●五分でも 苦肉の句作 悠久の時=平百合
◎入◯久△資=6点
(入:これぞ俳句の境地。 久:今までに短い時間、例えば五分で作った句は推敲なしでした。人生振り返ってみれば、ここで俳句を練っている時が充実していて、大切なものかも。)
●秋風や 桔梗一輪 凛と咲く=スライトリ・マッド
◯澄△喋、久、前=5点
(久:桔梗って、しっかりした花だと以前から思っていました。輪と凛がリンリンで音的にいいですね)
●不来方城啄木十五我五十=資料官
◯康、ス△平=5点
(資:「不来方のお城の草に寝転びて空に吸はれし十五の心」啄木の碑を見て。 平:「空に吸われし五十の心」か。 康:何と五七五になってる。おもしろい。 月:いつまでたっても大きな人間になれへんなあ、阿吽、とため息。)
●午前五時 朝が鼓動す さくらじま=スライトリ・マッド
◎月△平、喋=5点
(月:山にも女にも、同じ自然のエネルギーがある。 平:ホントの話?おちおち寝てられませんね。)
●水見舞い 五穀の米に 野の民に=月下村
◎久△前、ス=5点
(久:水に浸かっちゃうとダメージがひどいという事を最近知った。実はこの前の台風21号で若干浸かりました。海抜80mなのに。野の民って人間だけじゃないと思ったけど。)
●秋雨に 静寂の音 法輪寺=木笛
◯ス△五、澄=4点
(五:法輪寺がどんな寺か知りませんが、いい感じ!でも、7の部分はもう一工夫できないものか?)
●枝もみじ 鮭茸五目 輪っぱめし=久郎兎
◯平、前=4点
(平:食欲の秋ですね、うーん、おいしそう。)
●ミカン剥きつ 知恵の輪からむ 五本指=久郎兎
◯前△平、喋=4点
(平:五徳に続き、これもでっちあげだろうと思うけど、その支離滅裂な所がおかしい。)
●彼の声や 輪に拡がりし 幾重にも=スライトリ・マッド
◯月△資=3点
(月:ときめきの鼓動が拡がる、人を恋ふるに理由はな〜い。)
●菊開く 愛した人に 五、六輪=前鰤
◯五、△澄=3点
(五:愛した人は、誰?親?恋人?でも、もう今は居ないように思えました。)
●子規の忌に 五里も霧中の野球界=月下村
◯五△久=3点
(月:日本野球の草分け的存在、正岡子規の命日9.19に、古田敦也選手会長は敢然と立ち上がった。 五:子規が野球の名選手であったことをご存知のなかなか通の句ですね。 久:子規・松山・四国・・・・・四国各県に独立の野球チームが出来るらしい。今までとは違う何かが。)
●輪唱をさせてくれないか 半月夜=入鈴
◯喋△月=3点
(月:一緒に唄いましょ?半分くらいの声で。)
●後悔は 留守番夜中の リング(輪)ビデオ=平百合
◯入=2点
(入:めったに感想なんか言わない息子が、憑かれたように多弁となったことを、思い出します。あほやん。)
●日輪の 鈴虫五重合唱隊=喋九厘
◯入=2点
(入:オリンピックの表彰台のシーンは明け方ですよね。少しは涼しい朝風でも吹いてきましたか?)
●誰でもが おもいつくだろ 五輪の書=平百合
△入=1点
(入:そう言はれちゃうと、なんだけど、、、。)

■雑感
入鈴、第二号に続くA部門「一席」獲得です(なんとB部門も一席です)。それも23点という二位以下をぶっちぎりの金メダル。競馬でいうなら10馬身差の逃げ切りというところか? しかも、今回も前回に続いての『露』入り(本人は意識してないだろうけどね!)。
これは、本来ならばりっぱな「部長賞」ものの快挙としなければならないところです。が、が、ちょっと待て!ここは我慢だ。この入鈴攻勢はこれにとどまるとは思えない。(こちらの懐具合もありますもんね。)というわけで今回は「部長賞」、見送りにしました。でも、第4号はもう、ごまかしきれませんぞ!もし、三秋続けて『露』入りの一席に輝くようなことになれば、これは「雪紫」の大吟醸1本ぐらいではすまされません。(部長も覚悟は決めております。)
次ぎに特筆すべきは「五六二三斎」の驚くべきグレードアップでしょう。努力家というだけでは解釈できないこの成長はやはり、お祖父さまと父上が俳句に堪能であったという、まさに血統のなせる技か?木更津さんの強制連衆とともに、今後が楽しみなふたりであります。
でも、いろんな意見もあると思うけど、めっちゃ面白いなあ〜「丘ふみ」俳句って!育った土壌が同じで多くの共鳴、共感できるってこと、誰の句だか分かりそうで分かんなかったりして、ほんと楽しい倶楽部だなあ〜っ!。最後に一言。
”Yuhime! Please come back!!” (丘ふみ游俳倶楽部編集長 月下村。)

B部門入選作

創刊号 第二号