*B部門入選作発表*

兼題「夏の料理と遊び」*全43投句(入選34句)

【特選】

一席
●片恋といふ白玉のごときもの=水音


◎夏、資、百○香、ス△砂、君=15点
(夏:もしかして類想はあるのかも、ですが「白玉」の白さとヒンヤリ・フワフワ感に捉まりました。 百:白玉好きなんです。 ス:つるり、ひんやり、おいしいが恋の味かな? 葱:好きな句なんですが、「ごときもの」と曖昧にしたのがちょっとずるい。)

二席
●明け易き基地ある街の恋文屋=夏海


◎二○水、ス△葱、砂、雪=10点
(水:翻訳する商売があるんですね。明るい恋の予感。 ス:基地の街には今もあるのかもしれませんね。 葱:日本列島は北へ行くほど「明け易き」、「基地」から何処の基地を連想するか? 実際の地名を出してもいいかも。 雪:恋文屋、って?興味があってとりました。)

三席
●愛すこし揚羽はもつれ高むなり=砂太


○前、資、五、メ△百=9点
(資:これは蝶に造詣が深い方の作。 五:チョウ採集者として、よく観察してるなと感心しました。揚羽は求愛中に昇天していくかに見えます。 百:アゲハで高むは着き過ぎなのか?なんとなく選びました。 葱:正統派の諷詠、ただ、類句はありそう。)

三席
●片思い振るラケットに蜃気楼=ひら百合


◎久、砂○メ△前=9点
(久:お題の夏の恋が赤裸々に溢れ出てていいですね。)

三席
●人恋ふてとりとめもなき火取虫=夏海


◎ス○資、百、君=9点
(ス:恋のもつ曖昧さ、危うさが感じられます。 資:田舎の駅にはいろいろな色の夜蛾が集まってきたことを思い出す。 百:「火取虫」か・・・。)


【入選】

●蝉しぐれ千万恋の歌と聞け=香久夜
○水△久、雪、喋、ス、二、メ=8点
(水:あれは恋の歌だったんですか。命令形が効いている。 雪:恋歌と思えばうるさくもないのでしょうが・・。 ス:あー、あれは恋の歌だったのですか?!)

●ヒロシマの少女の戀や晩夏光=スライトリ・マッド
◎五○夏、喋△香=8点
(五:ヒロシマと書かれていて、原爆に遭った少女の戀のことかなと思いました。悲恋物語ですか?いいです。 夏:ドラマがありそう。 葱:「晩夏光」があまりに辛い。)

●空蝉の転がり愛は遠くなる=砂太
◎水○五△久、二=7点
(水:抜け殻を転がしてしまうとは!素晴らしい発想。 五:今回は、日本恋愛昆虫記みたいですね。恋も虫も命はかなしか。)

●底紅や四十年の片想ひ=葱男
◎前○夏△水、五=7点
(葱:「底紅」は秋の季語でした! あんまりそこいら中に咲いているもんで、初歩的なミスをしてしまった! 前:今回の選句は、その人がどういう恋をし、今どうなのかを告白するようなもんじゃないですか。恥ずかしいじゃないですか。 夏:凄い! 水:15の年から、ちろちろと炎を絶やさずにいたなんて素晴らしい。 五:まだ、あの初恋のことかい?高校一年生!もう、時間は戻らないのだ!それではよくないのだ!)

●恋薊貴様の男らしきこと=五六二三斎
◎葱、君=6点
(葱:「貴様」に恋いするものの強い心が伝わります。それがそのまま俳句にとって一番重要な「断定」に繋がっています。 君:薊、貴様、男、決まり過ぎかな? ですが、キッパリ感に惹かれて。)

●ソーダ水隣り合はせに席をとり=雪絵
○香、二△水、喋=6点
(水:若い頃の恥じらいを思い出しました。)

●夏の恋シュワッとラムネのあわわわゎ=君不去
◎喋○砂△夏=6点
(夏:面白い!!)

●風鈴の音に助け乞ふプロポーズ=久郎兎
○葱、前△五、メ=6点
(葱:面白い!! トレンディードラマの脚本に使えそう! 五:わからんでもないですが、プロポーズを後押しする何かは必要ですかね?)

●いろは橋有為にからます指涼し=葱男
◎香△夏、百=5点
(香:初恋の頃を思い出します。 夏:恋句は熱く(暑く)なりがちなので、「涼し」がいいなあ。 百:情緒があるような・・。)

●流れくる旧き恋歌夏の果=夏海
◎雪○百=5点
(雪:歌は昔の出来事を鮮明によみがえらせます。 百:そのときを思い出す曲ってのがあるもんですよね。)

●クマゼミや朝一番の夏の恋=喋九厘
◎メ△君=4点

●見送りのプラットホームや夏果てぬ=資料官
○雪△百、香=4点
(雪:列車も人も、夏までも去って行くんですね。 百:「や」は、なくてもいいかも。香:帰省も終わり、東京へ戻っていく彼?)

●今ならば言へる寂しさ晩夏光=雪絵
△水、前、資=3点
(水:ですね。)

●恋してる少年ひとり花火する=スライトリ・マッド
○砂△君=3点

●始まりも終りも熱射病の恋=君不去
△夏、前、五=3点
(夏:「熱射病」に思わずニヤリと。 五:私と違うのは、ずっと熱いことかな?)

●踏み出せど縮まらぬ距離蟹の恋=水音
○葱△香=3点
(葱:こういうアイデアを突然思い付いた時が俳人の一番楽しい時です。「してやったり!」の発見です。 香:蟹をみて昔の恋を思い出した?いや、失礼、今の恋ですか?)

●山笠の赤手拭や夏の恋=メゴチ
○二△砂=3点

●仰ぎ見る芝生の上の雲の峰=ひら百合
○雪=2点
(雪:青春!って感じですね〜。)

●縁頼む精霊流し舟二つ=久郎兎
○喋=2点

●眺めたり眺められたり月見草=五六二三斎
△葱、ス=2点
(葱:よろしいなあ〜。シチュエーションもバッチリ! ス:艶っぽさがあって、いい感じがしました。)

●夏の恋森も冷や汗蝉時雨=喋九厘
○久=2点
(久:昆虫の恋か若しくは人の恋か。人ならもう少し切り込みが欲しいところ。)

●はしゃぎ行くふたり浴衣の藍の色=君不去
△久、メ=2点

●はまなすやひとりぼっちの連絡船=資料官
△喋、二=2点

●百年ののちの恋人曼荼羅華=スライトリ・マッド
○君=2点

●マドンナへ一筆箋のハイビスカス=資料官
△葱、雪=2点
(資:昭和55年 男はつらいよ第25作。 葱:郷愁もあり、ロマンもあり、作者が想像できた句でした。笑。 雪:憧れのマドンナ?一筆箋がいいですね。)

●麦わらの黄色恋しき小豆島=ひら百合
○久=2点
(久:色をわざわざ入れているところが想像を掻き立たせます。小豆島が一番似合うのかも知れませんね。)

●合宿の花火越し見る好きな顔=久郎兎
△ス=1点
(ス:花火越しの彼(女)はステキに見えたのでしょうね。 葱:経験者ならみんな共感できる句でしょうね。)

●砂浜の足あと乱れ雲の峰=水音
△資=1点

●待たすより待つことが好きさくらんぼ=雪絵
△資=1点
(葱:澄子の「さくらんぼ」に対抗!!)


【無選】

●上京の理由白靴の痩せ細る
(葱:上京の理由が分かりません、白靴との因果関係をしりたいなあ〜。)

●水蜜桃十月(とつき)の恋や待ちこがる
(葱:赤ん坊を受胎した女性にしか分からない「恋」でしょうか?)

●照りゴチの太さに恋するメゴチかな
(水:面白いっ。採りたかったんだけど、季語がよく分からなくて。)


B部門入選作

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