*B部門入選作発表*

兼題「盆」「秋の草」*全46投句(入選36句)

【特選】

一席
●街道の曲がる角度や草の花=水音


◎資、ス○男、砂、二△前、久、五=15点
(ス:昔ながらの道なのでしょうか? 男:見えにくい先を草が教えてくれるんですね。 五:街道というと、朝倉街道が思い出されます。どこの街道でしょうね?)

二席
●揺るるままわたしはここに草の花=君不去


◎百、久○水、喋、資△二=13点
(百:あるがまま。 久::なるほど盆ですね。草の花という表現が気持ちをくすぐります。 水:自然体であるのか、心の揺れを表しているのか?或いは諦念なのかも。気になる句。)

三席
●石文の文字読み難し草の花=雪絵


◎木○砂、二△葱、前、君、メ=11点
(葱:「尋ね来し〜」とかなり共通する心象風景を想います。どちらかひとつで、こっち。)

三席
●露草や詩の輪郭をざつと描く=葱男


◎水○木、雪、ス△入、砂=11点
(水:友禅の下絵に使うという露草と、「書く」ではなく「描く」としたことが呼応し合っている感じ。 雪:露草から一つの詩が生まれるんですね〜。「詩の輪郭」という言葉に惹かれました。 ス:露草と詩、合ってますね!! 入:露草にはむしろ生活の癒しを感じるので、新鮮な句。)


【入選】

●精霊の後のわびしき船溜まり=男剣士
◎香、二△百、君、メ=9点
(百:見てみたい精霊流し。)

●草の穂の向きそれぞれに鳥の影=水音
○葱、木、入△五、ス=8点
(葱:イメージでは吾亦紅が浮かびました。 入:よくわからないのですが、草の穂も鳥も好きだからいただきました。 五:視点がいい。 ス:草の穂にも意思があるのかな?)

●応へばやころころ茄子の馬の出来=入鈴
○百、雪△木、夏、資、砂=8点
(百:そういうお盆の経験はないのですが・・・。 夏:その気持ち、よく分かります。 雪:で、どんな出来でしょうか?情景が見えてきます。)

●たばこ屋のとなりは米屋草の花=スライトリ・マッド
◎葱○百△水、夏、雪=8点
(葱:こんなん好きです。ありそうでない、当たり前みたいで当たり前じゃない。 百:懐かしい日本の原風景。 水:三丁目の夕日の世界を想像しました。 夏:これは懐かしい故郷の風景でしょうか?最近では街角のたばこ屋さんも米屋さんも数が減って、寂しいことですね。 雪:昔はこんな商店街ばかりでしたよね。)

●父の部屋カーテン揺らす盆の風=五六二三斎
◎メ○前△久、入、ス=8点
(メ:亡き父を想いだした。 ス:カーテン揺らすのは風でもあるしお盆に帰ってきたご先祖さまみたいな感じもしました。)

●亡き人と見まがふ背中墓参り=水音
◎雪○君△百、久=7点
(雪:親戚が集まった時など、ふと思うことがありますよね。巧い表現ですね! 百:亡き人を想ってるから。)

●爆音に空破られて草の花=香久夜
◎夏○入△雪、君=7点
(夏:爆音とは何でしょう?花火? 中七が新鮮。空から地上へ目を転じているところに惹かれます。 入:平和な草の花の地上と、空の戦争の翳りの対比。新鮮でした。 雪:沖縄嘉手納基地?耳も壊れます。)

●秋草や駒込川の蛇行する=入鈴
◎五○夏△水=6点
(五:多分、東京のあの方の句でしょうか?いい句ですね。 夏:駒込川を知りませんが、川の風景が見えるように思いました。 水:青森の川ですか?護岸工事がされていない自然を残した川なのでしょうね。。)

●シスターは沖縄の人秋の草=五六二三斎
○夏、ス△喋、二=6点
(夏:教会の風景でしょうか?シスターと秋草との取り合わせが面白い。 ス:沖縄が効いてて平和を祈る感じが出ていいと思いました。 葱:何か物語がありそうで惹かれました。戴きたかったところ。)

●盆帰り草抜く畑の土黒し=香久夜
◎入○五△資=6点
(五:いい句ですね。田舎の実家でしょうか?)

●盆路や集落十に寺二つ=夏海
○資、久△水、五=6点
(水:数字が二つで心地よいリズム。 五:寺がつき過ぎで残念。)

●きっぱりと糊効かせたり盆用意=夏海
◎砂○久=5点
(入:茶事、仏事にその心持よくわかります。きっぱり、糊効かす、重複かなと。)

●尋ね来し分校の門草の絮=雪絵
○男△夏、百、喋=5点
(男:少子化の波が。 夏:山の分校でしょうか?懐かしさを感じます。 百:分校は草深そう。 葱:「石文の〜」とどちらを採るか、迷いました。)

●舗装路の何やら光り猫じゃらし=夏海
◎男○水=5点
(男:ネコジャラシをどう詠もうかと毎日見ながら考えてました。 水:夏に落とした夢の欠片が光っているとか?)

●いらつしやいかもめ食堂盆の花=スライトリ・マッド
○葱、五=4点
(葱:映画は観てませんが、北欧が舞台ということなら「盆の花」の取り合わせが面白い。 五:何とも面白い取り合わせ!)

●貫禄の女社長や盆提灯=資料官
○君△葱、男=4点
(葱:揃いの法被を着せたいところ! 男:今ぞとばかり、大きな身体を動かしているんでしょう。)

●白玉に想いは遙か盆の祖母=ひら百合
◎喋△香=4点

●蓮葉(はちすば)の傘さしかけて水涼し=ひら百合
◎前△メ=4点

●盆用意表札のなき家に入り=雪絵
◎君△葱=4点
(君:色々なドラマが想起されました。 葱:解釈が違うかもしれませんが、すでに亡くなって、今は誰も住んでいない父母の実家に兄弟、親戚が集まったのでしょうか?)

●辻風や足並そろふ草の花=入鈴
○前△木=3点

●泣きじゃくる十八ありし秋の草=五六二三斎
△喋、入、ス=3点
(入:過去形でよかった。秋の草にぴったりのノスタルジア。 ス:18歳は泣いたり笑ったりですね。)

●子が育ち家族揃わぬ盆もあり=男剣士
○香=2点

●雑草と 暑気去るを待つ 青き萩=久郎兎
○メ=2点

●突然のうり坊二匹秋の草=前鰤
△木、男=2点
(男:向こうもビックリしたのでは。 葱:ほんまかいな、びっくり! 入:作者はどこさ住んでるの?)

●盆帰りこちよぐりあいこいたしましよ=葱男
○喋=2点

●盆休み洞窟の闇遊びけり=木陰
○香=2点

●万灯会石段登るさんざめき=木陰
○メ=2点
(メ:さんざめきにひかれて。)

●水色の袴の宮司草の市=スライトリ・マッド
△雪、香=2点
(雪:私も水色の袴に、はっとした覚えがあります。 葱:「水色の袴」がいいですね!  大豊の宮司のくれし月鈴子。)

●一年の無沙汰わびつつ墓洗ふ=君不去
△前=1点

●草の実に刺されて我はハリネズミ=木陰
△男=1点 (男:ハリネズミになって困った姿が分かります。)

●背を押され 輪を広げるや 盆踊り=久郎兎
△二=1点

●ニノ・ロータ茄子の馬とともに聴く=葱男
△砂=1点

●バチ軽し 河内音頭で 終う盆=久郎兎
△香=1点


【無選】

●ふるさとへ土産はひよこ盆帰省
(葱:ひよこが東京土産にもなってるとは・・・。)


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