*B部門入選作発表*

兼題「遠足」「柳」*全47投句(入選29句)

【特選】

一席
●遠足子乗り来て電車膨れけり=夏海


◎喋、水、砂○葱、入、メ、百、雪△二、前、男、資、君=24点
(水:熱気と歓声とでまさしく膨れるって感じがします。 葱:満員なのに息苦しくないのは小さい子供達の集団なら、車内も上半分は広く空間が空いているからかも。 メ:「膨れけり」の表現がぴったり。 百:遠足って楽しいものですよね、特に電車の中は。 雪:今の遠足は電車やバスに乗ったり、昔と様変わりです。 男:そしてよく喋るんです。 資:類想あるも納得感あり。)

二席
●遠足や列ののびたりちぢんだり=スライトリ・マッド


◎前、夏、雪○二、木、男、メ、水△葱、五=21点
(雪:まさにこのとおりの光景ですね!特に低学年は。 男:列の伸び縮みに目がいくとは。 メ:「のびたりちぢんだり」の列が浮かびます。 水:先生が「急げ〜」と叫んでいるのが見えるよう。 葱:観察したままを素直に表現しているのがいいと思います。 五:遠足句は付き過ぎが多いですが、仕方ないですね。一番観察として面白い句を頂きました。)

三席
●トランペット聴きて柳の揺れ加減=夏海


◎資、君○久、前、入、ス△二、葱、木=17点
(資:まさに目にする光景ですが,揺れる柳は音が色々。サキソホーンだとまた色々思い出す。 ス:ジャズのトランペットとも合うなあ! 入:季節は違うけれど、大濠の浮きみ堂? 葱:よく河畔で楽器の練習をしている光景を目にしますね、他の楽器ではなく、「トランペット」との取り合わせが面白い。)


【入選】

●糸柳背中が二つ見え隠れ=水音
○喋、君、香△木、雪、ス、五、砂=11点
(香:風に揺れる柳が見えてきます。 葱:別段当人達は顔を隠している訳でもないのかもしれませんが、「柳」にはそんな「密会」のイメージが湧いてしまいます。 ス:恋人たち?おしゃべりしてる女学生?想像がふくらみます。 五:なかなか艶っぽくていいですね。)

●遠足や先ず駄菓子屋で始まれり=水音
○夏、砂△久、入、喋、メ、香、百=10点
(メ:「遠足」で最初に浮かんだのが駄菓子屋でした。 香:前日のお菓子買いがたのしみだったよね、途中から、スーパーができて得したような気分。 百:これも共感。 入:そうでした、そうでした。)

●やなぎかげけふみちならぬかよひみち=葱男
◎ス、五○砂△資=9点
(ス:出た〜!ひらがな句でついつい・・。 五:ひらがな路線の好きな方は、確か私以外に二人いて、どちらかの方の作でしょう。)

●雨の音聞いているだけ青柳=五六二三斎
○資、雪、ス△木、砂=8点
(資:「トランペット〜」句もそうだが揺れる柳には何かの音が伴っていて、それがいい。 葱:心が落ち着いてくるような句。 雪:こんな時間が欲しい! ス:雨と柳、合いますね!)

●糸柳内緒ばなしの小さき鳥=スライトリ・マッド
○葱、夏、五△男=7点
(葱:「糸柳」と来るので、「小さき鳥」は若いカップルと置き換えても詠めそう。 五:二句一章になってますね。付き過ぎでもなく、離れ過ぎでもない。 男:安らぎを感じます。)

●遠足子堤に沿ふて光呼ぶ=入鈴
◎葱、木△雪=7点
(葱:春の光はまんべんなく地上を照らしているのでしょうが、こども達が遠足で並んで歩いている堤のあたりは特別、光が集まっているように感じられました。)

●城橋を守る柳の花ひそか=夏海
◎入○木△久、君=7点
(入:古風だけれど。作者は藤沢周平のファン?)

●舟をこぎゆるりとくぐる柳影=木陰
◎メ○久△夏、ス=7点
(メ:ゆるりとした気持ちになりました。 ス:柳川の川下りみたいね?)

●遠足に苦き思いのありと言ふ=君不去
◎男△水、百=5点
(男:好きな人の隣りになって・・・。 水:思い切って告白したのに振られたという話がよくありました。 百:これは同感の句。)

●遠足の空初めての塩味チョコ=葱男
◎二△夏、雪=5点
(雪:塩味チョコに興味津々!)

●不可思議なおやつ選びの遠足日=ひら百合
○二、君△葱=5点
(葱:現代っ子はミスマッチの変てこな味がお好みのようで。)

●坊さんの放屁も楽し遠足子=葱男
◎百△喋、資=5点
(百:どんなことでも楽しくてしょうがない気分がでてます。 資:面白い。)

●池の面や戯る柳とさざ波と=君不去
○男△久、メ=4点
(男:同じ感覚でした。 メ:柳の揺れがさざ波を起こすのか、さざ波が柳を揺らすのか。)

●写し絵に風さえ渡る柳糸かな=君不去 
○資、香=4点
(君:資料官殿の写真を眺めつつ。 資:ありがとうね。良い句ですね! 香:私もあの写真で刺激されましたが、句までに至らず・・・。)

●仕切る人多き遠足老人会=水音
○百△香、砂=4点
(百:老人会の遠足という着眼点。 香:先生?も仕切り役のお一人では?)

●遠足や山頂の見え隠れする=五六二三斎
△二、水、ス=3点
(水:登山遠足は苦手でしたが山頂に立ったときの嬉しさは忘れられません。 ス:ゴールは近づいたり遠ざかったり、それでも歩くのね!)

●たそがれて銀座の柳淡き夢=資料官
△前、喋、水=3点
(男:どんな夢もって銀座に行ったのか。)

●猫柳ボロセーターではしゃいだ日=前鰤
○喋△入=3点
(入:猫柳もセーターも今回の節気に合わないかも。でも襤褸、はしゃぐといっしょくたで、なんか良かあ。 資:猫柳の芽は好きだけど,4月の句としては・・・・ゴメン。)

●堀端の風揺れにける柳かな=雪絵
○前△男=3点
(前:風に揺れける」ではなく「風揺れにける」で、主語は「柳」から「風」になったのですね。 男:同じ場所を詠んだのかな。)

●遠足の朝一番に起きにけり=雪絵
○水=2点
(水:遠足は本当に楽しみだった。 メ:就学旅行の河口湖で朝早く起きたのを思い出しました。)

●遠足の子の日焼け顔眠りこけ=スライトリ・マッド
△前、夏=2点

●身をよじり泣きくずれそな嬌柳=木陰
○五=2点
(五:江戸時代にタイムスリップしたような気になりました。)

●遠足日登校の子ら声弾む=雪絵
△メ=1点
(メ:弾む声が聞こえて来そうです。)

●大濠の水や柳に気象台=入鈴
△百=1点
(百:見慣れた風景を思い出させて頂きました。)

●バナナ買いガム噛んでいざ遠足へ=メゴチ
△君=1点
(君:そうでした! ん十年前の遠足風景。 男:遠足定番一本バナナ。 資:予算50円で迷ったことを思い出す。)

●母と行く 最後の遠足 青葉なる=久郎兎
△入=1点
(入:青葉なるの結句に、たくさんの思いが込められていて、いいお句だと思いました。)


【無選】

●遠足はくたびれるものとのみおもふ
(男:よく歩かされたものです。)

●遠足も遠くになりし五十代
(資:むしろ大人の遠足真っ盛りの時世だと思いますが、寂しいこと言わんで。)

●団塊の遠足門司港レトロかな
(葱:喋九厘殿展示会、成功を祈ります。)

●水に映ゆ柳描きたしモネ真似て
(葱:絵心をくすぐる、爽やかな一番いい季節です。)


B部門入選作

創刊号 第二号 第三号 第四号 第五号 第六号・新年号 第七号 第八号 第九号 第十号 第十一号 第十二号 第十三号 第十四号 第十五号 第十六号 第十七号 第十八号 第十九号 第二十号 第二十一号 第二十二号 第二十三号 第二十四号 第二十五号 第二十六号 第二十七号 第二十八号 第二十九号 第三十号 第三十一号 第三十二号