*B部門入選作発表*

兼題「寒」「葱」*全47投句(入選36句)

【特選】

一席
●寒泉やクレソン農夫の鋤に湧く=入鈴


◎香、ス、水○夏、五、木、砂△二、前=19点
(香:清らかな泉なんでしょうね。クレソンの句なんてめずらしい。 ス:静謐な感じがいい。クレソンの苦味はきれいな水が作るんですよね! 水:清冽な冷たい水とクレソンの香りまで感じます。 夏:「鋤に湧く」、情景が目の前に浮かぶ言葉ですね、「クレソン」は春の季語だけど、季節の境目ですからOKですよね? 五:冬の清流の冷たさが、農夫の鋤の金属の冷たさとなって伝わってきますね。 葱:見た事ないけど、クレソンは鋤で収穫するんですか?)

二席
●あをあをと手足放てや葱畑=入鈴


◎喋○香、木、水、メ、君△葱、男、砂=16点
(香:手足と表現、かわいいです。 メ:葱ののびやかさがよく出ている葱:あっちゃこっちゃ、青い足が伸びたり折れたり、忽ちに成長する草なんだね、「葱」は。)

三席
●焙り葱一日(ひとひ)小さく満つること=夏海


◎百、入○水、砂△葱、二、前=13点
(百:しみじみとした幸せ。 入:小さいけれど、冬のある一日には欠かせない食のこと。 水:しみじみと美味しい。 葱:なかなか香ばしい一日でごじゃりました。)

三席
●団塊の奪ひしトライ寒の水=五六二三斎


◎葱、二○夏、ス△資、入、砂=13点
(葱:「寒の水」が効いています。命の水、活力の、神の水です。 夏:実際の試合ですか?、、、もしかしてどこかの知事さんの事?でも、頑張っている人にはエールを贈りたい。 ス:寒の水が力水に!がんばれ団塊世代!次は私たちだ。 入:団塊の世代は少しにくにくしいですが、あっぱれですね。)


【入選】

●寒の雨落つる音色の黒鍵や=スライトリ・マッド
○香、二、メ△資、喋、木、百=10点
(香:ピアノの句。黒鍵、、、寒い雨も何かフラットな気分にしてくれる句。 メ:音色を黒鍵に見立てたのがすばらしい。 百:黒鍵の暗い音の感じがうまい。)

●冬葱や父直伝の空威張り=葱男
◎夏○雪、入△五、香、ス=10点
(夏:「空威張り」を「直伝」とはユーモラス。 雪:こういう男性、今は少なくなりました。 五:冬葱の強さが伝わってきます。 入:冬葱と空威張りが不思議とぴったりです。 ス:長ネギの太く真っ直ぐなとこが合ってて。 資:てなわけで,No41を採りましたご免なさい。先月暢気さは母親譲りという句がありましたが,対比すると面白かった。 香:何だかわかる雰囲気。白葱のツルッと中身がとれちゃったみたいな・・・。)

●頬紅きトビの少年寒厳し=水音
◎君○男△夏、五、二、入=9点
(君:Aの少女、Bの少年がとても印象的です。 男:働く姿が美しい。 夏:働く少年、頑張って! 五:見落とすところでした。季語は変えてもよいように思いました。寒厳しでは、つき過ぎかも? 入:厳しい労働と想像されるが、頬の赤い少年のイメージで押し通すのがいいなあと。)

●寒たまごまんまるになっていようかな=君不去
◎砂○葱△雪、水、二=8点
(葱:胎児や二つ巴の形になって眠りましょ! 雪:とってもかわいらしい句。でもいろんな解釈ができますね。 水:寒いからかな? 入:可愛らしい、暖かで。)

●葱ありて鍋の相手をさがしをり=葱男
◎男○百△雪、君、砂=8点
(男:一人鍋はさびしいもので。 百:そういうことあります。 雪:鍋大好き!いつでもお相手を! 入:A部門の白葱さん?鴨男さんはだめですかね?)

●寒月の蒼き光に衿を立て=男剣士
◎木、メ=6点
(メ:妖しい寒さが身に沁みる。)

●寒月に清められ行く山路かな=君不去
○雪、喋△夏=5点
(雪:私の心も清めて欲しー! 夏:夜のドライブですか?冴え冴えとした月光で清められる感じ共感しました。 入:影がくっきり、静謐そのもの。)

●さつま富士蔭を黄に染め寒咲菜(かんざきな)=夏海
○百、前△資=5点
(夏:寒咲菜=早咲き菜の花。 百:蔭を黄色く染める視点が新鮮。 資:指宿枕崎線西大山駅を想像しました。寒咲菜という言葉が本当にあるのかどうか知りませんでした。)

●一文字や風呂敷頭巾参上す=葱男
◎雪△二、入=5点
(雪:古き良き時代。ちなみに私は風呂敷お姫様でした! 入:ふざけてそんなこともやりかねない中年男が思い浮かびますが。)

●ああ上野駅から八分寒牡丹=資料官
○五、二=4点
(五:井沢八郎のヒット曲に因む句のようで、ついつい頂きました。当時の集団就職の皆さんは、東京であるいは故郷でどうしておられますか?東京は皆さんを幸せにしたでしょうか?)

●白葱のまろみに鯛のほほ染める=香久夜
◎資△喋=4点
(資:万太郎の句のようですね。)

●艶やかな白肌まぶし葱をむく=水音
◎五△木=4点
(五:迷いましたが、艶やかさに負けて特選に!まさか、葱男部長を讃える句?)

●冬葱や大正生まれの底力=雪絵
○資△喋、水=4点
(資:No42と通じるのでしょうか。大正生まれもすでに80代と90代。昭和をしっかりと生きてきた力強さを感じます。 水:42と迷ったのですが父を思い出したので。)

●霰雲グツグツ煮込む葱一本=喋九厘
○男△君=3点
(男:冬は鍋です。)

●おむすびの中に葱味噌昼チャイム=スライトリ・マッド
○資△雪=3点
(雪:愛妻おにぎりでしょうか?)

●傷つけしちゃんばらごっこ寒鴉=五六二三斎
○君△二=3点
(葱:昔はそこらへんの木の枝とかを刀にしてたから、すぐにかすり傷を創るんですよね!)

●悔やみ状宛名迷いて寒の友=ひら百合
◎前=3点
(入:悔、迷、寒とくると少し風穴が欲しいです。)

●若冲の猛虎動けり寒の舞=スライトリ・マッド
○喋△君=3点

●狭き庭何をついばむ寒雀=男剣士
○ス△メ=3点
(ス:ご近所の庭に紅い実あったんですが、全部食べられちゃいました! メ:暖かい部屋から覗いている気がします。)

●葱坊主天をくすぐる冬日かな=喋九厘
○葱△ス=3点
(ス:くすぐるにくすぐられました。 葱:よーく見ると雄しべみたいなのがいっぱい頭にくっついてて、くすぐったい感じなんやよね。)

●文鳥を葬むる朝や寒すずめ=男剣士
○入△二=3点
(入:パピの亡骸を土に埋めるとき、まわりの鳥の声は耳に入らなかった経験が あります。寒雀の生命力に救われますよね。)

●墨色の鐘の響きや寒牡丹=資料官
△木、メ、百=3点
(メ:墨色が気になるけど、調子がいいので。 百:鐘の響きが墨色ってのがありそうで、やられたって感じ。 入:寒牡丹の花と、なぜか墨色は合います。)

●寒夕焼涙の二乗溢れくる=雪絵
△香、メ=2点
(香:涙で悲しみを洗い流せたらね。 メ:涙の二乗の表現が気にいりました。 葱:涙そうそう、ですね!)

●寒き朝フロントガラスにやかんの湯=前鰤
△男、百=2点
(男:冬の阿蘇ドライブがそうでした。 百:体験あり。)

●釣り宿や温もり一杯寒蜆=メゴチ
△葱、水=2点
(葱:寒蜆がなんとも肝臓にも心にも良さそうで。)

●寒椿気づけばいつも落ちにけり=メゴチ
△男=1点
(男:桜の散り際と違うもんで。)

●焦げしほどいよいよ甘き焼葱や=君不去
△香=1点
(香:直火で焼いたことない、今度やってみよう。)

●下仁田に負けじとグツグツ深谷葱=メゴチ
△夏=1点
(夏:煮えている葱、いかにも美味しそう。)

●鈍色の空キャンバスや寒椿=雪絵
△前=1点

●葱のごと名脇役になりたくて=木陰
△五=1点
(五:まさか、葱男部長句?あなたは、いつも主役ですよ!)

●ひともじやつながっているほそいいと=五六二三斎
△ス=1点
(ス:挨拶句とも!葱組俳句でつながっている私たち!)

●店先の根深艶めき客を呼ぶ=木陰
△前=1点


【無選】

●オセロかな葱と鮪のせめぎあい
(葱:名付けて白黒鍋。)

●具だくさん湯気の上からコート葱
(葱:コート葱っちゃあ、どんな葱?)


B部門入選作

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