*B部門入選作発表*


兼題「月」・「踊り」*全42投句(入選32句)

【特選】

一席
●地に人の天に仏の阿波踊=五六二三斎


◎香○砂、メ、里、前、水、資、二、喋△木、夏、百=22点
(香:盆踊りとはこういうものなんですね。 メ:この発想はすばらしい。 水:踊らずにはいられないんですね。 資:仏にも見る阿呆がおはしますのか。 夏:阿波踊り、仏様より、きっと人間の方が楽しんでいますネッ。 百:念仏踊りだとはねえ。 入:なるほど! こんな気持ちで盆踊りしてみたい。)


二席
●青瓢くびれ踊れる湾の風 (あをふくべ)=入鈴


◎五○男、メ、君、二△夏、資=13点
(五:詠み慣れた方の句である。あをふくべを花瓶にでもしているのであろうか?とにかくきれいで情を感じる。この時の季語は青瓢と理解。踊りは盆踊りに限定すべきであろう。 男:鮮やかな情景が目に浮かびます。 メ:くびれた瓢箪が揺れている様が浮かびます。 夏:揺れる瓢箪に目をつけたところが偉い。 香:おもしろい風景ですが季重なり?と、あおびょうたんと読んだ方が、音としてはすんなりいくのでは? ス:潮風が匂ってきそうな感じ。)


二席
●キジムナー踊るアダンの島の月=スライトリ・マッド


◎水、二○葱、夏△木、里、前=13点
(水:一村の絵の中に悪戯好きなキジムナーが跳ねてるような情景が浮かんで、この句に目が吸い付いて離れない。 葱:僕に見えなくても君には見える! 木:語音が、リズミカルで踊っているよう。 夏:絵本の1ページのようです。 前:「踊る」はどの言葉とつながっているのですか?キジムナー?アダン?島?月?)


二席
●斬れそうな月かな二胡(にこ)を聴いており=夏海


◎葱○木、香、水、君△メ、喋=13点
(葱:遠のきつふと二胡に問ふ月の音:風悟。 木:”斬れそうな”が、新鮮です。 香:こんな情緒ある夜を過ごす方がおられるとは。 メ:月のこういう表現もあるんですね。)


【入選】

●響きあう心のありかや胸の月=君不去
◎里、ス○夏、入△葱、資=12点
(夏:上手い!納得の1句。 ス:なんかいいです。 入:秋の月はそういう月だと思います。 葱:たちまち、いまち、ふしまち、かな?)

●笑み灯す山鹿踊りの童女(わらべ)かな=喋九厘
○五、百、入△葱、里、香、君、二=11点
(五:笑み灯すという言い方が気に入った。山鹿の灯籠は熱いだろうけど、童女の笑みは素敵。 男:この響きも好きでした。 百:山鹿灯籠には郷愁をそそられる。 葱:ほっぺたあかい? 入:山鹿燈籠よりもルクス大でしょう。 香:笑み灯す、がいいですね。)

●月明かり届かぬ街のピエロかな=水音
◎前、君○葱、資△五、入=9点
(前:物語がありそうな雰囲気。 君:絵画を見ているようですね。 葱:いつも片目では泣いてるピエロ。 五:もの悲しいペーソスが伝わってくる。ピエロはいつも孤独なのだ。 水:ルオーのピエロの絵を見た時、こういう風景の中に哀しいピエロがいるような気がして。 入:2の欠けゆく月の作者でしょうか?心配。 )

●沈む陽に月の盃傾けむ=前鰤
◎メ、夏△喋=7点
(夏:「月の盃」メルヘンですね。 メ:隣には愛しい人がいてほしいなあ。 香:とれなかったけど、すきな句です。)

●鈴の音やねぶた跳人も家路かな=資料官
◎入△砂、ス、百、君=7点
(入:ちろちろと、名残惜しい音です。 ス:祭りの後のわびしさが・・。 百:「はねと」ってのにもひっかかりました。)

●無限宇宙刹那の吾が身月出づる=夏海
◎資○ス△百=6点
(ス: 宇宙の中でヒトなんてまさに刹那。 香:難しい表現だけど、なるほど宇宙では一瞬のこと。 百:あまり新しい発想でもないけれど・・・。)

●唄の無き踊太鼓のロンドかな=入鈴
◎砂△男、前=5点
(男:太鼓のリズムをロンドに例えたのに恐れ入り。)

●故郷で友を探して盆踊り=メゴチ
◎百△男、入=5点
(百:なんだかほっとするような。 男:見つけた友人と懐かしい昔話を・・・でしょう。 入:そういう時代もありました。 葱:誰と会えるのかちょっとわくわく。)

●星月夜ほむらの島のしづけさや=スライトリ・マッド
○里△メ、水、木=5点
(メ:泡盛の「ほむら」の島なら星月夜もきれいでしょう。 水:私はなぜか南の島の句に惹かれます。 木:語音がきれい。)

●盆踊り代名詞から接続詞=葱男
◎喋△メ、夏=5点
(メ:接続詞というのに惹かれました。解説希望します。 夏:「代名詞」「接続詞」ユニークな取り合わせで面白い。 百:このなぞなぞの答えはナーニ?)

●あの街で日ごと欠けゆく月を見し=水音
○木、ス=4点
(木:この句から短編小説が、書けそうです。 ちなみに、私は小説家志望です。 ス:どの街? 入:過去形で良かったです。)

●姫島の新人狐 照れ踊り=喋九厘
○男△砂、入=4点
(男:伝統のキツネ踊りも初めてでは照れるでしょうね。 入:その光景が、手に取るようです。)

●昼のごとその影濃くて月冴えて=ひら百合
◎木△男=4点
(木:音の響き、情景がすばらしい。一遍の詩を読んでるような深みがある。私もこんな句をつくりたい。憧れの句です。 男:つきの艶やかな色が目に浮かびます。)

●盆の月ふたごのひまごおのめのこ=葱男
○喋△水、二=4点
(水:よく意味分からないけど何か調子が良くて。 夏:お盆に親族が集って和気あいあいの中心に可愛い男女の双子ちゃん!ほのぼのですね。 ス:言葉遊びみたいでおもしろい。)

●踊り込むぞめきのリズム藍場浜=葱男
○百△ス=3点
(百:「ぞめき」「藍場浜」なんだろう?とひっかかりました。 ス:ぞめきのリズムの語感がいいな。)

●踊浴衣恋文と云ふ帯清し=スライトリ・マッド
○五△二=3点
(五:なまめかしいけど、清清しい。)

●上弦の月見て想う旅の宿=メゴチ
◎男=3点
(男:ゆっくりと入る露天風呂からでしょうか。)

●母踊る八十路を忘れ夏祭り=五里
△水、君、喋=3点
(水:あっぱれ。)

●人揺れてちょうちん踊る組み櫓=君不去
○香△ス=3点
(香:人が踊ってちょうちんが揺れてるのに、おもしろい表現で、すんなり入ってきました。 ス:竿灯かな? 夏:人=>揺れる、ちょうちん=>踊る、逆転が面白い。 入:踊りまくってます。)

●よさこいの浜へ流れて盆の月=五六二三斎
○砂△香=3点
(香:旅の句ですね。いい思い出になりますね。 入:気持ちの好いお句だと思います。)

●一年をねぶたで跳ねる為に生き=資料官
△五、香=2点
(五:ねぶたも見たことがない。日本の祭りを見る旅に出てみたいな。さすれば、跳ねる意味も理解できるかな? 入:えこひいき。ねぶたの跳人を還暦にしでみでっ。)

●知り染めてそぞろ歩きの三日月夜=木陰
△前、資=2点
(ス:ロマンチックやね。)

●月昇り針葉樹の森太古に帰る=木陰
△葱、資=2点
(葱:以前、京都の美山町で見た、土葬の風習が残る山の墓場に綺麗な月が登って、それはそれは幻想的で太古の情景を彷佛とした事を思い出しました。)

●乗り出してねぶた跳人の鈴拾う=資料官
○前=2点
(入:これこれ!そだごと中学生までだっきゃあ。)

●かわさきの手足おくれて踊る盆=香久夜
△五=1点
(五:本当は季重なりで採りたくなかった。でも、かわさきとは何か?川の崎?ちょっと興味を惹く句であった。 メ:かわさき踊りって郡上踊りのことを言っているのか川崎市の盆踊り(?)のことを言っているのか解説がほしいです。)

●春駒やふすま取り去り踊りの輪=香久夜
△里=1点

●盆踊り団地の広場黄昏れる=ひら百合
△砂=1点


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