*B部門入選作発表*

兼題「炎」「夏」*全43投句(入選32句)

【特選】

一席
●江ノ電に忘れし帽子夏終わる=雪絵


◎男、五、メ○資△葱、水、喋、砂、君、香、ス=18点
(男:夏といえばエノデンでしょう。 五:夏の思い出は忘れた帽子とともに終る。 メ:あの帽子はどこに行ってしまったんでしょうか。 資:江ノ電というのはこれだけで夏の季語のような気がする。忘れたのは帽子だけでなく・・・・。 葱:なぜか「江ノ電」に憧れてしまいます。サザンの曲が好きだからかなあ〜? 水:いつか見た光景って感じ。映画を観ているみたい。 ス:麦わら帽かな?)

二席
●泣き声のぐらぐらと沸き夏の夕=水音


◎夏、喋、君、百△前=13点
(夏:暑い時の泣き声、確かに「ぐらぐら湧く」感じ。何故か幼児は夕方によく泣きます。子育ての実感があり、季語「夏の夕」が動かない。 百:似た句があったのですが「ぐらぐら」に暑さが沸騰。)

三席
●炎天に石の教会静まれり=木陰

○葱、夏△砂、香、百、前、ス、雪=10点
(葱:「静まれり」にひんやりとした温度まで感じられて。 夏:一読で、石の教会が目の前に! 百:静かな暑さ。 ス:暑い日射しと石が合ってますね。 雪:地中海あたりの真っ白な石造りの教会を、勝手に想像しました。)

三席
●甲斐信濃今なほ遠き夏の海=五六二三斎


◎水○木、砂、香△男=10点
(水:暑さから一歩引いた感じが良くて◎に。 男:海への期待があるんですね。)


【入選】

●朱夏という背伸びしていた時もあり=水音
○喋、資、香△五、君=8点
(資:30代のことでしょうか。そうして白秋に花咲くか,はたまた玄冬に結実するか。。 五:よくわかりませんが、夏の背伸び?丘女はハイヒールサンダル好き?)

●体温の透明人間炎暑かな=五六二三斎
◎木○前、ス△資=8点
(ス:わかるわかる!37〜8度の猛暑日が10日以上南九州は続きましたもん。)

●逝く夏のひとり動ける製氷機=夏海
◎二、砂△資、ス=8点
(資:これって,かき氷を作る機械かしら。手で回していたけど自動のものもありましたし。  ス:夏の終りにふさわしい感じがしました。)

●セルロイド面のがちんこ夏祭=五六二三斎
○葱、二、夏△雪=7点
(葱:面白い! 夏:幼い頃を思い出します。縁日のお面って魅力的でした。)

●千代紙の鶴傾きて冷ゆる夏=水音
○二、男、夏△砂=7点
(男:クーラーですかね団扇ですかね。 夏:取り合わせが面白い。)

●炎天や真っ赤な広告電車来し=資料官
○雪、砂△水、夏=6点
(雪:暑さに益々、追い討ちをかけられてしまいそう〜。 水:うわっ 電車が燃え上がる! 夏:暑さが増幅されますね。)

●夏霧にまた溶け入りぬロープウェイ=夏海
○五、木、ス=6点
(五:この光景はどこかで経験したような?箱根?赤城山?{こちらはリフト}でもありました。 葱:いかにも涼しそうな情景ですね。 資:溶けるように霧の中に入っていく風景ですね。 ス:幻想的な風景ですね。どこでしょう?)

●縁側に風が息づく夏の夕=木陰
◎資○百=5点
(資:見るからに涼しげであります。 百:「縁側」には思い入れあり。)

●炎暑なる土蔵の陰に涼ひとつ=喋九厘
△木、君、メ、百、前=5点
(メ:土蔵というだけで涼やかな雰囲気。 葱:土蔵ってちょっとゾッとするような、ほんとに涼し気な場所ですね! 百:その対比。)

●炎帝へ拳振り上ぐバケット車=夏海
○水、君△葱=5点
(水:いかにも怒りをぶつけている感じがとっても暑いです。 葱:暑そお〜〜〜!)

●大仏の緑青痛し夏の雨=雪絵
○五、喋△葱=5点
(雪:鎌倉にて。 五:錆に酸性雨は効くでしょうね?大仏様への作者のやさしさが伝わってきました。 葱:酸性雨が大仏に降り注ぐ、大袈裟に言えば現代の地獄絵図かもしれません。)

●炎昼やテーチ木染の釜ぐらら=スライトリ・マッド
△二、夏、喋、香=4点
(夏:作業場、暑そう!大島紬ですね。伝統の手業は凄い。)

●子らの声カーテン揺らす夏盛り=香久夜
◎雪△水=4点
(雪:暑い日は子供も家の中。元気さだけはあり余ってるんですよね! 水:子どもが騒いで暑いのを通り越してるのに、のんびりとカーテンが揺れてるなぁとは余裕あり。)

●桜島炎暑の海に浮かびけり=資料官
△男、雪、木、喋=4点
(男:ゆっくりとした熱い煙と夏の暑さが。)

●泣き顔の兄妹げんくわ真夏の夜=スライトリ・マッド
○男△メ、百=4点
(男:蚊帳の中でよくケンカしたもんです。 メ:幼いころの夏休みを思い出しました。)

●炎天下初戦のキックオフまぢか=葱男
○雪△五=3点
(雪:さあ、今からどんなドラマが始まるか、わくわくどきどきの瞬間ですね! 五:アジアカップ、日本戦すべて観戦しました。)

●炎天に白ライン引く幻視あり=ひら百合
◎香=3点
(香:陸上部の思い出でしょうか、毎日炎天下でこつこつとやってましたねえ。運動部、耐えることだけは身につきました。)

●炎天のゆらゆらのティー ファーーーー=前鰤
◎葱=3点
(葱:下五の「ファーーーー」に参りました。こんなん初めて! 資:ゴルフの風景。芝を歩いていても視野がゆらゆらして脱水症状で死にそうになる。)

●水田の脇を家路へ夏の月=木陰
◎ス=3点
(ス:きれい〜!!)

●夏山やたゆまぬ君の後を追う=ひら百合
◎前=3点

●のどごしの渓流すべる夏料理=葱男
○前△資=3点
(資:そうめん流しを想像しました。)

●炎天と予報士の言う明日は現場(そと)=前鰤
○百=2点
(百:言外のいやだなあいう思いがよくわかる。 資:お姉さん予報士がすまなそうに明日も炎天ですというと我慢できる気がする。)

●炎昼や鹿児島県庁展望階=資料官
○水=2点
(水:街も海も桜島も熱気でゆらめく感じ。これが石川県庁ならあまりしっくり来ないかも。)

●ふあいとおの声高くして夏の雲=葱男
○メ=2点
(メ:夏合宿の思い出。)

●炎揺れ 涼やかに舞 焚能=久郎兎
○メ=2点
(メ:焚能、観てみたいものです。)

●まだら雲 夏の夕暮れ 何故悲し=久郎兎
△男、木=2点
(男:何となくそんな気もしますね。)

●炎天に泣きじゃくる顔球児かな=雪絵
△五=1点
(五:スポーツものについつい反応。)

●炎天の雲なき空に安堵かな=香久夜
△メ=1点
(メ:大雨続きの地方には恵みの空か。)


【無選】

●炎天の祖霊殿にも千の風
(葱:原爆忌に「千の風〜」の歌声が重なり・・・。)


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