*B部門入選作発表*

兼題「風邪」「年」*全50投句(入選35句)

【特選】

一席
●風邪籠りぱりりと割るる昼の月=水音


◎木、五、夏○雪△二、澄、君=14点
(五:風邪籠りの季語がよいし、あとの続きもよい。 夏:中七が上手い!風邪で寝込んでいるからこそ、昼の半月が目に入るんですね。 雪:「ぱりり」と「割るる」月の表現がおもしろいですねぇ。)

一席
●年女年の数ほど隠し味=水音


◎入、澄○木、喋△雪、香、資、メ=14点
(入:いいなああ。出がらしには絶対なりたくない。 澄:同感です! 雪:こんな風に年を重ねたいです。 香:年ごとに味を増す女性になりたいです。 資:年の功ですね,年女も季語なんだ!)

三席
●塗り盆の箸置の色年迎ふ=夏海


◎資、メ○久、ス△二、水=12点
(資:正月らしい色の配置が目に浮かびました。 メ:年を経るごとに味が出てくる。 ス:ニッポンのお正月ですね。 水:黒漆に朱の箸置?イマイチ情景が浮かばない。)


【入選】

●一間に桐の天井風邪の床=五六二三斎
○久、木、ス、資、メ△葱=11点
(ス:子どものころ風邪引いて寝てると、天井が怖かったこと思い出しました。 資:最近は横になるとすぐ瞼が閉じるから天井の模様が懐かしいです。 メ:ぐるぐる回ると重症。 葱:一間ってのは「床の間」かな? よく分からないけど、其処ばっかり見てるんですね。)

●風邪ごゑでありがとうねをうつさるる=葱男
◎香、喋○砂△夏、前、メ=11点
(香:面白い表現でグー! 夏:分かる分かる、レジ係の人が風邪声だと不安になったりしますよねぇ 。)

●今朝の春少年院より笑ひ声=砂太
◎葱、ス○男、雪△入=11点
(葱:俳趣とはこのようなものぞ!という見本のような句ですね。 ス:寂しさの中にも明るさが感じられます。 男:なんとなく笑い声に。 雪:何故かほっとします。 入:良い一年であれ、としか。)

●年を経て鳥が喜ぶ庭となる=木陰
◎久、君○香△男=9点
(久:季語がよくわからないが、鳥が喜ぶとのことで春としようか。 香:丹精された庭、鳥が来てくれるのが嬉しいですね。 男:いい庭になったんですね。 入:なんとなく魅力の句ですが、季語とかない?)

●風邪の子へ缶の水飴一掬=夏海
◎雪○入、資△五=8点
(雪:子供の頃、病気をすると特別なものを一つもらえたものです。 入:優しく懐かしい句。これって今でも?、私らの年代まででしょう? 資:水あめの一すくいが昔を思い出して懐かしい。 五:なつかしい気がしました。)

●シーサーと目が合ひました風邪癒ゆる=スライトリ・マッド
○葱、水△木、二、夏、砂=8点
(葱:これまた愉快、愉快! 水:シーザーににらまれたら風邪も退散でしょう。 夏:台詞遣いが面白いし、シーサーとの取り合わせが良い!)

●捨てられぬもの引つ提げて年歩む=雪絵
◎砂○入△男、ス、夏=8点
(入:暗かネー!けど採択。 男:なぜか捨てきれないんです。 ス:そう、そう! 夏:はい、同感。)

●細枝に隠る子年(ねどし)の蕾かな=香久夜
○澄、喋、君△木=7点

●風邪薬貰ひし数の憂ひかな=雪絵
○五、砂、前=6点
(五:どっさり薬もらうと、嬉しいようで悲しいもの。)

●風邪ごこち山口小夜子のページ閉づ=葱男
○夏△五、澄、資、君=6点
(夏:取り合わせの意外性!! 山口小夜子さん、亡くなるには早すぎて残念。 五:風邪ごこちがよい。)

●屠蘇の座にある少年の笑ひかな=砂太
○葱、水△五、香=6点
(葱:子供の頃の記憶をくすぐられました。 水:少年が笑っているのはどういう理由か?どういう理由でも笑うのは良い事ですよね。 五:正月でお屠蘇飲めるので喜んでいる少年の風景? 香:子供もお屠蘇だけは例外。嬉しそうな顔が見えます。)

●寒風に風邪引きし夜は母の夢=久郎兎
◎男○夏=5点
(男:辛い風邪のときがありました。 夏:「母」ものには弱いんです。)

●きり火して一天照らす今年かな=スライトリ・マッド
◎水○五=5点
(水:きり火を一度したいと思っていた。新年は期待感の持てる句でスタートです。 五:風流ですね。 入:言葉一つ一つきりっとして良いのだけれど、景がはっきりしないのが、惜しいような。)

●大福茶二千八年回しけり=スライトリ・マッド
△葱、木、二、水=4点
(葱:「回しけり」が「大福茶」とうまく呼応している。 水:大福茶を飲んだこと無いけど回すものですか? 入:縁起が良さそう。)

●年の夜やよろよろ暮らすちちははと=資料官
○香△喋、君=4点
(香:ほんとにどこも、老いの二人暮し。こちらのできることが少なくて…。)

●風邪の子やパンダマスクで目が四っつ=君不去
○澄△喋=3点
(澄:かわゆいです〜。 夏:素材、すごく面白い。)

●山陰の母や富山の風邪薬=水音
△久、ス、雪=3点
(ス:お義母さまでしょうか? 雪:富山は置き薬の原点ですよね。)

●新年のつなぎ迷ひて綱渡り=喋九厘
○君△久=3点
(入:これは川柳?でも良いのですよね。)

●高坏(つき)に四方紅広ぐ年新た=入鈴
△水、喋、資=3点
(水:情景がイマイチ判らないけど、おめでたい感じがして。)

●年上に年下になり雪女郎=五六二三斎
◎前=3点
(前:化け物に歳無し。)

●年女はしゃいだ母が床に臥す=木陰
○男△入=3点
(男:70超えると突然ですもん。 入:お元気な証拠。)

●年一夜離縁せしもの百いくつ=葱男
○前△香=3点
(前:得たものは? 香:消しても消しても、また溜まるんですよね。)

●年も日も月も変わりて嫁が君=ひら百合
○メ=2点
(メ:語感がいいですね。)

●のらくらと謹賀新年初お詫び=喋九厘
△入、砂=2点
(入:この作者は私の分身さんですか?)

●ばらいろのゆび野天湯に風邪を引く=入鈴
△葱、澄=2点
(葱:「ばらいろのゆび」にやられて戴きましたが、風邪は引かなくてもいいと思うけど。)

●雪の朝風邪見舞いやら薬売り=久郎兎
△男、前=2点
(男:そういう光景もあるんでしょうね。)

●風邪誘う鼻よりもなお吾は喉=前鰤
△久、二=2点

●幾度目の風邪か歳月覚ゆ春=久郎兎
△メ=1点

●風邪声にゴッホの農婦わのほめへ=入鈴
△ス=1点
(ス:???)

●年玉や甥っ子姪っ子従兄の子=資料官
△雪=1点
(雪:それでもこの頃は少なくなりました。)

●ナイスロブ風邪にも負けず風を切る=メゴチ
△前=1点
(前:ゴルフネタは選句しなければ・・・。 入:元気出る。中句の風と風邪をかけてる?ロブって切るもの?)

●流行風邪コホンコホンと近寄りぬ=雪絵
△砂=1点


【無選】

●風邪の子に添ひて寝し夜や朝待たる
(入:回想の句で共感を呼びます。中句がや切れの割には、少しだらけて朝が待ち遠しい、という気持ちのほうを、打ち出したほうが。)

●年始酒金粉沈めて振る舞へり
(葱:「て」はなくてもいいかも。)

●行く年や想い巡りて茶をすすり
(入:お蕎麦でもなく酒でもなく、お茶{お薄?}というのがいい。)


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