*B部門入選作発表*

兼題「夏の料理と遊び」*全41投句(入選33句)

【特選】

一席
●床上げの人と語らふ水羊羹=資料官


◎夏、入○葱、久、雪、メ、君、百△喋、水、ス、香=22点
(夏:病が癒え、周りの人もホッとした感じが「水羊羹」の和みに出ています。 入:水羊羹がぴったりです。 葱:お見舞いでいっぱいもらった「水羊羹」なんですかね。 久:さりげなさがいいですね。 雪:うれしいひとときですね〜。 水:水羊羹のゆるいところに、病み上がりの人の雰囲気が。 ス:作者の優しさが伝わってきました。 香:ゆったりとした静な時間を感じます。)

二席
●相客は長法被なる心太=夏海


◎喋、雪、水○入、ス、メ△二、君=17点
(雪:山笠始まりましたね。博多ではこの時期、長法被を見かけます。 水:山笠が始まりましたね。心太で涼やかさを感じます。 入:山笠ののぼせもんが心太とは。 葱:「心太」は何と取り合わせてもどうにかなる、不思議な季語ですね。 ス:静かなユーモアを感じました。)

三席
●補虫網いざ出陣の幟かな=雪絵


◎久、男○五、香△葱、夏、砂、資、百=15点
(久:普通の情景なのに巧があるね。 男:分かるよその気持ち。 五:蝶採集を趣味としていた者には、受けました。 香:おもしろい!ほんとにそう見えますね。 葱:そんな気分になるんでしょうね、昆虫少年たちは。 夏:「いざ出陣」の意気込み方が可愛い! 資:40年前を思い出す4段つなぎの捕虫網,のぼりだったんだぁ。)


【入選】

●琉球の空開けたり夏料理=五六二三斎
◎葱、ス○資△入、雪、砂=11点
(葱:スカッと一本勝ちです! ス:爽快感にあふれ五感を刺激する句ですね。入:豪快な料理の具体名が知りたいです。 雪:沖縄は梅雨も明け、夏本番!)

●はぎ取れぬ熱もろともに胡瓜もむ=水音
◎前○雪、砂、百△五=10点
(雪:体調の悪い時の食事の支度、こんな気分です。 五:どういう状況なのか?よく判りませんが、胡瓜の漬け物に暑さを吹き飛ばす清涼感を感じました。)

●息を吐きプールの底に寝てみたり=葱男
◎百○男、喋、前=9点
(男:やりました。 入:どうしてもできない憧れの句。)

●物理学教授の好物ミニトマト=葱男
○夏、砂△五、雪、ス=7点
(夏:難しい学問と向き合っている人と、ミニトマトの対比が微笑ましい。 五:今回は、AB両部門から、教授句を頂くことにしました。いずれも、字余りが気にはなりましたが、バランス感覚を大切にしました。イリノイ物理学句に対しては、フクオカ生物学句で締めます。「象と蚊の写真学生頷けり」【め組遊俳クラブ、俳人の高橋比呂子女史より、佳選】 ス:おもしろい取り合わせ!)

●行く畔を心遮る群れ蛍=久郎兎
◎資○澄、喋=7点

●釣り人を程よく待たせ鮎かかる=水音
◎砂○澄△二=6点

●紅待ちの流しソーメン子ら競ふ=久郎兎
◎メ○入△君=6点
(メ:色付きが流れてくると何故か涼しさが増す。 入:懐かしい、今紅い糸を見かけませんね。)

●水かさの増しゆく夕べ鮎の宿=五六二三斎
○君△澄、久、水、メ=6点
(君:時間の経過が感じられて。 水:山あいの小さな宿でしょうか、水かさを心配しながら暮れてゆく風情を楽しんでいるような。)

●朝の香を作りなす日や胡瓜揉む=君不去
◎香△喋、メ=5点
(香:ぬか漬けの胡瓜ですね。実家に帰ると毎日大変なんです。でも、一番おいしいから。)

●鮎鮨や球磨の流れの右左=資料官
○ス△男、砂、前=5点
(ス:びしょ濡れになった球磨川下りを思い出しました。 男:やってみたいんです川下り。)

●馬上より風紺碧に夏帽子=香久夜
○五△久、入、君=5点
(五:颯爽とした句ですね。 入:かっこいい!)

●豆飯の湯気で描くや恐山=喋九厘
◎五△ス、資=5点
(五:古風な感じでよい。恐山というと、亡き人と語り合えることを思い出します。何か関係あるのか?知りたいところです。 ス:ふつうの豆ご飯だったら5月くらいかな?でも湯気で恐山がユニーク! 葱:「恐山」では岩原で豆の飯を炊いているような人がたくさんいるのでしょうか。)

●おきうとを売る声想ふ今昔=君不去
○久△男、百=4点
(久:なつかしい!昔、もやし屋さんってのがあったけど、右田君は元気にしてるかな? 男:トント聞きません最近は。)

●蝸牛競う速さに子らの声=メゴチ
○男、香=4点
(男:結構盛り上がるんです。 入:夏の遊びをよく見つけましたね。)

●古代蓮咲きて葉に酌む酒の興=夏海
◎君△前=4点
(君:どういう面々の酒席なのか興味津々。 入:一筆描きのようにわかりやすい。)

●友鮎を放ち孤高の銀の舟=久郎兎
○資△夏、男=4点
(夏:鮎釣りをした経験は無いですが、情景が見えるようで。)

●噴水のしぶき掴まん子ら踊る=君不去
○メ△入、香=4点
(メ:夏の水遊びって楽しかったなあ。)

●三十年のアニバーサリーや冷奴=雪絵
○水、前=4点
(水:結婚30周年?冷奴に成熟した関係を想像させます。 葱:ちと寂しいような、それでいいような・・・)

●大南風シーカヤックで海すべる=スライトリ・マッド
◎澄=3点
(澄:気持ちよさそう!)

●ゴーヤ・セロリ男所帯の夏料理=喋九厘
○水△葱=3点
(水:いかにも切ればそのまま食べられると言うのがいい。 葱:僕ならセロリより「豚バラ」にするけど。)

●初にしん仰ぎほうばる駅屋台=ひら百合
△澄、前、資=3点

●海原にパイナップルもバーベキュー=香久夜
△夏、喋=2点
(夏:浜辺のバーベキューに魚介類は勿論だけど、パイナップル「も」凄く美味しそう。)

●海の家焼そばそーす濃くてあれ=入鈴
○葱=2点
(葱:なんか分かる気がする。泳ぎ疲れて腹を減らした若者達のための「海の家」なのだ。)

●玖珠川の友呼ぶ三隈鵜飼かな=喋九厘
△澄、夏=2点
(夏:鵜飼にはドラマがありますよね。)

●箸の合ふ鱧の冷製パスタかな=葱男
△雪、香=2点
(雪:豪華パスタ!箸が嬉しいですね。 香:お箸で食べるんですね。鱧のパスタはまだ食べたことないです。)

●色つきの冷麦おいしかつたよな==スライトリ・マッド
△百=1点
(夏:同感!取りたかったのですが、もう手持ちの票が無く残念。)

●甘すぎず友の手になる杏ジャム=入鈴
△久=1点

●意気込みてカヌー漕ぐ海まだ浅瀬=香久夜
△葱=1点 (葱:実感の句。)

(水:冷たいガスパチョが食欲をそそります。)

●梅雨晴間フラフープもう置き去りに=雪絵
△五=1点
(五:昔の梅雨のワンシーンにフラッシュバックした感じですね。)


【無選】

●イサキ釣り大物狙いは上のタナ
(葱:口語体俳句はアイデアが勝負、どこかで「ほほう〜」と言わせたい。)

●ホワイトをアスパラガスを探す旅
(葱:「ホワイト」とは???)


B部門入選作

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