*B部門入選作発表*

兼題「水・関連」*全47投句(入選37句)


【特選】

一席
●この夜を眠らぬ滝に月の虹=夏海


◎香、メ、喋、君、前○葱、澄△入、二=21点
(香:夜を眠らぬ という表現がぐっときました。 メ:きれいな句だあ。 君:音と光と、しかも静謐感のある幻想的な世界が17文字で! 葱:「滝」という瞬間的属性に「時間軸」をうまく持ち込んでポエジーを生み出しました。 入:夜の滝をこんなに美しく。ため息。)

二席
●公園の蛇口上向く梅雨晴間=水音


◎五、砂、ス、雪○百、小△夏、資、入、二=20点
(五:ちょっとした、さりげない観察に、よき俳句は生まれる。バーチャルでない小さな発見にこそ俳句あり。 ス:誰か飲んだのですね?!何でもない景色をよく切り取っていい感じ。 雪:鋭い観察!晴れると暑いですよね。 百:なんかデジャブなんだけど。 夏:暑い!のが良く判る。晴れ間を逃さず、子供達が元気に遊んでいるんでしょう 。)

三席
●梔子やどうやら今日も雨女=葱男


◎夏、水、入○砂、ス、喋△五、君=17点
(夏:上手いなあ!!苦笑いしている明るい諦観。「どうやら今日も」で、雨はこれから降るらしい。 水:お気の毒! ス:私は晴れ女です! 五:梔子はかく詠むべしか?私も詠んでみたかったのですが、歌謡曲のイメージからなかなか脱却できませんでした。)


【入選】

●やはらかくやはらかく水分けて鮎=水音
◎葱、小○メ、資、入△百、ス=14点
(葱:感性の勝利ですね、とてもいい! メ:水の流れと鮎が見える見える。 百:鮎の動きがでてます。 ス:山頭火みたいっ!)

●伝えたきことあり滝の音充ちて=入鈴
◎資○百、雪、香△砂、小=11点
(百:切ない溢れる思いってとこでしょうか。 雪:告白でしょうか?)

●念仏のスローモーション那智の滝=五六二三斎
○砂、二△葱、ス、雪=7点
(葱:スローモーションに思えるぐらい落差があるんですね。 ス:霊験あらたかな感じがしていいなあと。 雪:滝の流れって、大きいほどスローモーションに見えますね!)

●ボタ山の三つ水田に映りけり=スライトリ・マッド
○五△葱、夏、雪、香、入=7点
(五:筑豊の風景。結局、農業が我々を生かしてくれている。工業で我々は生きてゆけないのです。 葱:地味ながらノスタルジアのある句。 夏:筑豊でしょうか?風景が見えてくるようです。)

●ゆふいんの森は濃緑ソーダ水=資料官
○五、水、喋△澄=7点
(五:何とも夏らしい俳句。飾らず素直。ゆふいんの森は、特急のことであっても、実際の森のことであっても構わない。 水:色鮮やかで涼しげ。)

●打ち水の夕暮れ昭和の大通り=香久夜
○久、資△砂、メ=6点

●炎天の水道水にかぶりつく=香久夜
○夏、二△久、前=6点
(夏:「かぶりつく」に実感がありますね。学生時代の部活風景?当時スポーツドリンクなど無かったし。)

●ガタリンピック夏の童心沸騰す=夏海 
○葱、君△砂、二=6点
(※有明海干潟。 葱:いいなあ、夏らしい! 入:新聞のトピックの写真の横に、ぴったりでしょうね。)

●同心の恋生まれ消え水馬=五六二三斎
◎二○入△葱=6点
(葱:やや甘いけど、オ・マ・ケ。)

●屋根鼓む雨にも夏のリズムあり=前鰤
◎久○ス△小=6点
(久:トタン屋根の雨を詠もうと試みたこともありますが、むずかしいっ。いい句です。 ス:シンコペーションがきいているかな?!「つづむ」って動詞あり?)

●湧水に踊る小石や変拍子=君不去
◎澄○前△メ=6点
(メ:浮いては落ち浮いては落ち、厭きない眺め。)

●菅公の影見ゆるかに菖蒲池=雪絵
○水、小△香=5点
(水:菅公も散歩したんでしょうかねぇ そんな気がしてきた。)

●夏至の夜は煎茶冷やして鎮めける=香久夜
○君△百、久、喋=5点
(百:鎮まりそうな気がします。)

●噴水に寝転ぶ子らの空大き=君不去
○雪、前=4点
(雪:噴水で水遊び。子供の特権ですね。)

●青梅雨やページ繰る音のみの昼=水音
○夏△五=3点
(夏:静かさが伝わってきます。 五:句またがりが面白いし、晴耕雨読の現代梅雨奥様版ですか?)

●古伊万里の心地良き風日向水=五六二三斎
○メ△澄=3点

●瀬を巡りめぐりて倦きぬ鬼やんま=砂太
◎百=3点
(百:ホント何回も戻ってくるのよ。 入:昆虫の得体の知れぬエネルギーを感じます。)

●黒鯛(チヌ)釣りや眠気はじける水の音=メゴチ
△澄、香、君=3点
(香:やっと釣れましたね!うれしそう。 君:”眠気はじける”でイキのいい黒鯛が目に浮かびます。)

●唐臼の水落つ深み花空木=砂太
△水、資=2点

●塩トマト水に浮かべてソソラソドシ=スライトリ・マッド
△五、喋=2点
(五:破調ながら、楽しい感じ。皆さん、トマトは今さらですが健康にいいですよ。 葱:ハッピーバースデートゥーユウ。)

●田植え待ち北谷染むる水鏡=喋九厘
○澄=2点

●尽きもせぬ阿蘇の清水や御茶屋跡=夏海
△水、資=2点
   (夏:阿蘇・的石〈まといし〉。)

●流されて浮きてひと呑みゲリラ雨=久郎兎
△君、前=2点

●降りそうな空当てせずと水撒けり=ひら百合
○久=2点

●見送りのデッキ濡らせし半夏雨=雪絵
○香=2点

●六月の雨の曲がりて町の中=君不去
△夏、喋=2点
(夏:激しい雨脚が町を駆け抜けている様子が見えました。)

●紫陽花や水の器におたきさん=資料官
△二=1点 (資:Hydrangea Otaksa. 葱:「おたきさん」が分からない、市松人形かなんか? )

●磐の苔滴るを聞く水琴窟=久郎兎
△水=1点

●植田水高原列車の影映し=資料官
△メ=1点
(メ:う〜ん涼しそう。)

●光陰やプールを叩く通り雨=葱男
△雪=1点
(雪:こんな経験ありますね〜。)

●沢ガニや誰待つ夏の夫婦滝=喋九厘
△前=1点

●懐かしき雷雨響ける空の闇=ひら百合
△ス=1点
(ス:雷雨はこわいんですが、なんだか昔なつかしい感じもします。)

●また雨かまた蚊遣火の渦の果て=葱男
△久=1点

●水豊か花アカシアのそそと紅=入鈴
△小=1点

●湧水に鮎の流れの藻の棲みか=久郎兎
△百=1点
(百:リズム感があって調子がいい句。)


B部門入選作

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