*B部門入選作発表*

兼題「鬼」「天使」*全44投句(入選34句)


【特選】

一席
●子の描きし寄り目の鬼面春うらら=雪絵


◎葱、ス、メ○夏、砂、久、百△男、二=19点
(葱:癒し系の俳句になりました! ス:子どもの絵はみなピカソですね!? 夏:思わず微笑んでしまいました。 百:目に浮かぶ。 男:鬼の目がかわいくなった? 入:瞳が必ずかちゃくっちゃになってしまうのがいい。 )

二席
●春動く大鬼跨ぐ志賀と能古=五六二三斎


◎香○喋、水、雪、二、ス△男=14点
(香:スケールの大きな句、「春動く」がいいですね。 水:大きい! 雪:ダイナミックですね〜。ガリバーを思い出しました。 ス:大きな景が見えました! 男:壮大な春ですね。 葱:どちらか一つの島に絞ったら三光でした。)

三席
●山覚むる邪鬼踏んまへし四天王=夏海


◎入、雪○久、香△資、小、百=13点
(入:中句がゴツゴツしてるのがいい。字余りではないのに寝起きの悪さが程よいです。 雪:「鬼」の兼題で、これ以上のものはないと思いました。しかも「山覚むる」がとても新鮮! 久:山と邪気と四天王の取り合わせが躍動感を感じさせます。邪気を押さえつけないといかん。この世の中は。 百:”踏んまへし”がいい。)


【入選】

●鬼ヶ島鬼追ふ凧を揚げてをり=夏海 
○砂、小、香、二△喋、雪、百、君=12点
(夏:壱岐に「鬼ヶ島」の異名。 百:この凧には思い出がありますので。)

●はなうらに梅は少しの鬼をもつ=入鈴
◎百○雪、ス△五、夏、水=10点
(百:模様か何か? 雪:言われればそんな気がする句です。 ス:そうなんですかあ?! 五:そう言われるならそうなんでしょうね?断定調にすべきです。「鬼の顔梅のはなうら見えにけり」とかいかがでしょうか? 夏:花の裏側を見る視点が面白い。 水:「はなうら」は花の裏ですか?)

●春月の雫をふふむ天使たち=スライトリ・マッド
◎喋○五、水△雪、澄=9点
(五:ふふむがメルヘン的。よろしい。惜しむらくは季語。まだ、いい候補がありそうです。 水:きれい きれい過ぎるくらい。 雪:絵に見る天使の頬のふくらみは、月の雫かぁ。)

●鬼やらひ南無三宝と父が逃げ=砂太
◎資○入△葱、喋、水=8点
(入:遠いことのように思うのですが。 葱:「南無三宝」という古い言い回しがなんか、ほのぼのとしていていいな。 水:南無三宝って言うのがおもしろい。)

●青鬼の哀れ園児の追儺かな=砂太
◎君△久、資、水、香=7点
(君:"哀れ”が愉快です。 久:いじめがちょっと入っているのかな? 水:もみくちゃにされたんでしょうね。)

●鬼触れし岩に手の形雪解風=スライトリ・マッド
○五、水△葱、入、二=7点
(五:もしかすると、岩手県の由来は、鬼の触れた岩の手形のことでしょうか?鬼と伝説は切り離せません。佳句です。「鬼触れし岩の手形や雪解風」 の方が自然か? 水:手形が残っているんですか。 入:このクオリアがなんとも言えない。 葱:「雪解風」が、ちょっといいかな。)

●嬌声の鬼や芸妓の節分会=水音
◎久○葱、君=7点
(久:鬼と芸妓ではないのですね。鬼やで切れるんだと思ったら新鮮なんだ。 葱:いいよね!色っぽいしね!)

●巫女走る雨の兆せし追儺かな=砂太
◎夏、二△ス=7点
(夏:駆け出す巫女に目を止めた作者の目線が素晴らしい。 ス:私の間違いかもしれませんが、中七の「兆せし」の活用形に引っかかって・・。)

●鬼ごっこひとり残され梅香る=君不去
○澄△久、男、入、百=6点
(澄:梅の香素敵ですね。 久:みんな帰っちゃったのかもしれない。梅の香かあ、ちと淋しい。 男:なんとなく響きがよかった。 入:情景と雫の音まで、、、。 百:うーん、類句はあるかもしれないけど好きです。)

●流氷の天使連れ来る風の音=夏海
◎砂△五、小、澄=6点
(五:ついつい見たことのない風景への憧れが出る。当たり前すぎるので感動を挿入してほしい。 入:クオリネに弱い。が全体がおおらか過ぎて採りませんでした。)

●貝寄風や鬼界が島の写経石=スライトリ・マッド
○百△葱、夏、資=5点
(百:”貝寄風”(かいよせ)ね。やっぱ歳時記で勉強します。 葱:「俊寛が流された島はここだ、と名乗りをあげている島は、3つ、いず れも九州地方にある。1つめは、俊寛が晩年を過ごしたという『俊寛堂』が復元され、当地で中村勘九郎による歌舞伎『平家女護島』が演じられた硫黄島(鹿児島県)。2つめ は、俊寛のものと伝えられる墓が残り、その墓の調査により俊寛のものと推定される人骨 と木管、装飾具が発見されたという喜界島(鹿児島県)。そして3つめは、同じく俊寛の 墓があり、当地を訪れた北原白秋が俊寛を憐れんで詠んだ歌碑の残る伊王島(長崎県)で ある。」ということらしいです。 夏:「鬼界が島」ですかぁ、なるほど。)

●東風吹くや観世音寺の鬼瓦=資料官
○夏△砂、入、ス=5点
(夏:立派な鬼瓦ですよね! 入:歴史の風格を感じます。 ス:整ったお句。)

●終電の鬼の宴や凍ゆるむ=入鈴
○君、ス△小=5点
(ス:ペーソスありますね。葱:感じ、分かる。)

●春心や白河夜舟鬼と寝る=葱男
◎五○資=5点
(五:幻想的でよい。春心の季語も動かない。 久:白河夜舟は京都の諺らしい。)

●春の風惑ふ天使の吐息かな=雪絵
◎男△砂、メ=5点
(男:とにかく春らしい感じでした。)

●うららけし矢羽を舐める天使達=葱男
○喋△雪、メ=4点
(雪:まるでメルヘンの世界!)

●春雷に窓辺の天使庇乞ふ=久郎兎
○澄△五、香=4点
(五:天使はマドンナのことか?今、傘に誘ってあげたら?決まりかな? 香:私にはない発想でした。)

●浅春の天使や光る沖ノ島=五六二三斎
○男△砂、メ=4点
(男:春の光に浮かぶ島ですね。)

●オーロラや光る天使の舞踊り=メゴチ
◎澄=3点
(澄:とってもきれい!)

●鬼はどこ福はいずこに菜種梅雨=喋九厘
◎小=3点
(小:うっとうしい日々だったのでしょうか?)

●春哀や天使にゆだねしおくりびと=君不去
○メ△澄=3点

●わが身とて福はそこそこ鬼は外=資料官
○小△君=3点

●鬼ごころ見えも隠れも君子蘭=雪絵
○資=2点

●鬼嫁の手料理嬉し梅二月=資料官
○葱=2点 (葱:俳諧味で戴きました。)

●入試日に天使の居場所探し座す=久郎兎
△夏、香=2点
(夏:天使の居場所、見つけられた人はラッキー。 香:おもしろいです!ご本人は必死でしょうが。)

●春天使同じ笑みして便り読む=香久夜
○入=2点
(入:赤毛のアンに出てきそうな老姉妹?アルカイークスマイルなら、少々ナルシストかな?)

●巫女の説く春屋台なる般若かな=君不去
△喋、二=2点
(君:飛騨高山 桜山八幡宮高山祭屋台会館にて。)

●夜寒には天使の誘惑強き酒=メゴチ
○男=2点
(男:これに勝るものなし。)

●鬼の背の堅き憂ひや杉花粉=水音
△メ=1点

●春雨に蛇の目お迎え鬼女の息=久郎兎
△君=1点

●マンションの廊下に聞こえし鬼は外=男剣士
△久=1点
(久:廊下は通路のことかな? 入:今の生活感覚って詠み難い。挑戦していきたいです。)


B部門入選作

創刊号 2号 3号 4号 5号 6号 7号 8号 9号 10号 11号 12号 13号 14号 15号 16号 17号 18号 19号 20号 21号 22号 23号 24号 25号 26号 27号 28号 29号 30号 31号 32号 33号 34号 35号 36号 37号 38号 39号 40号 41号 42号 43号 44号 45号 46号 47号 48号 49号 50号 51号 52号 53号 54号