*B部門入選作発表*

兼題「音楽」*全41投句(入選37句)


【特選】

一席
●寡黙なる子の鼻歌や寒椿=雪絵


◎夏、喋○水、香、資、君△百、男、入=17点
(夏:見守る作者の目が温かい。 水:何かとっても嬉しいことがあったんでしょうね。 香:結構頭の中は音楽で満たされているんですよね。 君:絶対に男の子! 百:耳をすます親。 葱:佳作。「寒椿」の季語が動かないか、どうか。 )

二席
●テルミンや古刹の堂の冴えざえと=夏海


◎入○資、砂、君△葱、香、雪=12点
(夏:テルミン=最古の電子楽器。 葱:偶然ですが私もテルミンの音を初めて聴いたのは法然院の本堂でした。楽器も不思議なら、演奏する女性の振りもなんだか卑弥呼のようでした。 雪:テルミン、どんな音するんでしょうね〜。よくご存知!)

三席
●紙鍵盤奏づるバッハ月冴ゆる=スライトリ・マッド


◎水、香、君△久、メ=11点
(ス:三声のシンフォニア第2番BWV788。 水:紙のペラリと薄いところと、冬の月のパリンと割れそうに薄そうなところがバッハの旋律をよりクリアにしてる。 香:カッコいいなぁ。 君:幻想的で美しい・・・。 久:紙鍵盤を大人が触っていたら、少し狂気を感じるんですが。)

三席
●素囃子の聞こえさふなる宝舟=水音


◎男○夏、ス△二、小、砂、君=11点
(男:聞こえないかもしれないところが…。 夏:上手いなあ! ス:なんだかおめでたい。)


【入選】

●雪晴れや鉄道唱歌のアナウンス=資料官
◎久○喋△葱、水、雪、男、小=10点
(久:鉄道とお題の音楽が組合わさってヒットですね。線路にすぐ降りられそうな高さのない古いプラットホームに雪がところどころある情景を思い出させます。 葱:なかなかレトロな演出でよろしいのでは。 水:寒くても旅心をそそられます。)

●「ふるさと」の流れて炬燵立ちがたし=香久夜
○久、小△百、雪、入、砂、メ=9点
(久:ふるさとを離れ難いと言う気持ちが表われています。ちなみに五木のふるさとかな? 百:心にしみる歌詞、あらためて聞き入ってしまうということもあり。)

●ホーミーの渡る草原春便り=夏海
◎澄、砂○メ△小=9点 
(夏:ホーミー=モンゴルの喉歌。 澄:壮大かつ爽快ですね! 葱:モンゴル回帰現象がそのうち巻き起こるのでは。 とりあえず大相撲モンゴル場所を制定しよう!)

●CDのするりと吐かる女正月=水音
○夏、百、五△葱、二=8点
(夏:見慣れた風景なのに、とても新鮮な印象を受けました。こういう句を詠みたいものだと憧れます。 百:「吐く」という表現に一票。 五:面白い。CDの中身は何のジャンルか? 葱:「女正月」あたりは主婦にも少し時間のゆとりが・・・、好きな音楽を聴いてスムーズな心模様。)

●ゴスペルの百人百様寒の星=雪絵
◎資△水、澄、夏、入=7点
(水:星の輝きと同様いろんな人がいるんでしょうね。 夏:面白い!)

●寒鴉ロックバンドの子守唄=メゴチ
○水、雪△喋、ス=6点
(水:すやすやとは寝られそうにないような・・でも楽しいような。 雪:眠れるのかな??鴉とロックがピッタリ! ス:ジョンレノンの"BEAUTIFUL BOY"を思い出しました。)

●初場所や四股の音落つ砂かぶり=砂太
◎雪○男△君=6点
(雪:「四股の音」、に参りました! 葱:佳作。しかし、これが「音楽」の句かどうか?となるとやや疑問。)

●春を待つ湖畔のディスク・オルゴール=夏海
◎ス○葱△水=6点
(ス:なんだか明るくていい感じがしました。 葱:たまにはこういう懐旧の句もいいでしょう。高峰三枝子の「湖畔の宿」ですな。 水:ディスク・オルゴールに春の予感が。。。)

●貧貧と雪降りやまずイムジンガン=葱男
◎百△久、資、喋=6点
(百:雪に「ひんひん」の音が合ってます。この歌も因縁深い。 久:心が凍りますね。)

●柏手のアレルゴアルゴ四方の春=砂太
◎葱△二、メ=5点
(葱:「アレルゴアルゴ」のリズム、「四方の春」の空間の広がり、新春に晴れ晴れとする句でした。)

●じやんと来いもんや爺さん春隣=スライトリ・マッド
○五、喋△入 =5点
(ス:富山に伝わる三つの民謡「むぎや」。 五:これも、オリジナリティーがあり、採用しました。)

●大寒の哀愁に乗るブラームス=五六二三斎
○澄、砂△ス=5点 
(五:四番を聴く。 澄:私も好きです。 ス:ハンガリー舞曲しか知らなかったですが、4番ホ短調も渋くていいですね?!)

●炬燵寝や沢田研二の歌聞きつ=資料官
○久、入=4点
(久:年月を感じさせます。最先端を行く歌も還暦なんだなあ。 入:還暦ジュリーの句、やられた、ぴったり。)

●思案かな七草ナガサキ今日も雨=喋九厘
○メ△二、資=4点
(資:歌謡曲の歌詞のような句です。雨の長崎の超低床電車に乗りまっくたことに敬意を表して。)

●ツェーをぽん何を弾こうか初稽古=入鈴
○葱、香=4点
(葱:三味線? まさか小鼓? なかなか情緒のある江戸前の句ですね。)

●飛梅や乙女の祈り届きけり=葱男
◎メ△夏=4点
(メ:どんな願いなんでしょうね。「けれ」のほうがいいのでは? 夏:ようやく咲き始めましたね。)

●鳴り響く「新世界より」春を待つ=五六二三斎 
○澄、小=4点
(五:オバマ大統領就任。 澄:新世界始まりましたね。 葱:アメリカにはまだ「希望」がある。日本には「希望」すら持てない。)

●おとなしや音なき音の雪の舞い=メゴチ
○男△資=3点
(男:音の韻がいいね、雪も音があるんよね。シンシンと。)

●新年会独唱となる校歌かな=五六二三斎
△百、雪、ス=3点
(五:中学卒業40年。 百:仲間が少なくなったのでしょうか。 雪:校歌を覚えているのは一人だけ!?そういう私も覚えていません。 葱:みんなうる覚えでちゃんと最後まで歌えるやつがいないのでしょう。 資:昭和43年4月丘に登る,40年かぁ! ス:私はどこの校歌も最初と最後のとこしか覚えてません。)

●スメタナにプラハの春を重ね聴く=久郎兎
◎小=3点

●転調のユーミン天晴れ若き雪=久郎兎
◎五=3点
(五:音楽というお題ですから、うわべだけでなく、それを強く印象づける必要あり。転調をもってきたのは成功! 葱:「転調」がいいですね、「若き雪」が分かるようで分からないような。)

●凍らずも臨津江の固き水=久郎兎
△香、君=2点
(久:イムジン河。 葱:佳作。「固き水」の表現が素晴らしい。上五がスッキリすれば三光です。)

●コンサートチケット二枚春隣=雪絵
○ス:2点
(ス:その恋の成就や如何に? 葱:ん〜〜ん? 誰とデートですかあ〜?)

●旅の宿そぞろ歩いて寒の雨=メゴチ
△五、男=2点
(五:旅の宿は夏かな?と思いながらも、なつかしさを呼び戻してくれて、頂きました。)

●ふーがするインヴェンションの冬芽かな=入鈴
○百=2点
(百:「フーガ」と「冬芽」に「風雅」を感じ。)

●深雪晴山古志村に応援歌=資料官
△二、香=2点
(葱:佳作。)

●iPodサザン響かせ松の内=ひら百合
△澄=1点

●北国のおふくろさんよ春よ来い=喋九厘
△久=1点
(久:虎屋の羊羹を一度食べてみたい。死して春が来たのか、口なしで解決したのか、わかりましぇーん。)

●人生に扉はいくつ初御空=水音
△澄=1点
(澄:また新しい扉開けたいですね。)

●地吹雪やマタイパッション曲きしみ=入鈴
△喋=1点

●無伴奏チェロ夢うつつ春を待つ=ひら百合
△五=1点
(五:「夢うつつ」がやや平凡か?題材はよい。)

●「めぐりあひて」かるたを唄う声震う=香久夜
△砂=1点

●竜の玉恋わずらひのケルビーノ=スライトリ・マッド
△五=1点 
(ス:フィガロの結婚「恋とはどんなものなのか」。 五:「龍の玉」が本来の季語か?「竜の玉」にして、ケルビーノというカタカナと調和させたつもりか?喜劇的な感じの句ですね。)


B部門入選作

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