*B部門入選作発表*

B部門/『季:隙間風』『漢:片』=全46句(入選35句)


【特選】

一席
●隙間風座禅の膝に抱いており=入鈴


◎葱、夏、雪○資、ス△二、メ、水、秋、白=18点
(葱:いかにも「禅寺」の風景にふさわしいお題です。 夏:膝に抱く隙間風、上手い表現。寒そう! 雪:座禅をしたことはありませんが、きっとこんな感じかな!?寒そう!)


二席
●ふるさとの湯屋に昭和のすきま風=葱男


◎入、白○久、秋、君△五、二、百=15点
(五:私も「昭和の隙間風」の句を詠もうとしていました。誰の句か?水音さんかひら百合さんかな?故郷から遠く離れている人が浮かびました。)


三席
●片恋の行方は知らず冬木立=君不去


○五、雪、百、メ、香△前=11点
(五:恋ものは部長句と思います。ダークホースは雪絵さんか?片恋は冬木立のように終わりというお話ですね。ご愁傷さまでした。 雪:冬木立がいい!)


【入選】

●首筋を通ると決めて隙間風=夏海
◎喋○砂、百、白△二=10点

●全きを一片残し六の花=夏海
◎百、ス○二△メ、喋=10点

●ありたけの片意地はって着膨れて=水音
◎砂△葱、資、雪、入、香、白=9点
(葱:「着膨れる」のほうが面白いかも。 雪:何となくおかしい!)

●ライオンのなにを想へる隙間風=水音
◎五○葱、入、ス=9点
(五:今回、一番の予定調和しない句ではないでしょうか?作者は、部長、水音さんあたりかな?私なりに解釈すると百獣のライオンにも陰があるということか?翻って、人間勝ち組にも、いずれ陰が訪れるみたいな感じですかね?いやはや、高尚な句でした。 葱:動物舎の檻を吹き抜けてくる冷たい風に震える、老いた牡ライオンを思いました。)

●母ひとりなれば広きや隙間風=雪絵
◎メ、秋△ス、君=8点
(秋:一人暮らしのお母さんを思いやるかすかな痛みを伴った気持ちが伝 わります。)

●凡人の片言隻句師走かな=メゴチ
◎資○五、前△水=8点
(五:片言隻句を作るのは誰か?意外に非凡人、いりりんさん句か?何故、師走と関係あるのか?分かりません。予定調和してないのが面白いです。)

●これよりは片道切符虎落笛=五六二三斎
◎君○喋△葱、雪=7点
(君:強い覚悟が感じられて。 葱:「還暦」過ぎたら、ってことかな? 雪:「還暦行片道切符今年去年」とどちらにしようかと悩みました。行き先がない分、色んな広がりがあるかな、と。)

●片方の銀の長ぐつクリスマス=雪絵
○夏△五、前、水、君=6点
(夏:確かに、片方だけのサンタブーツはどこか切ない。 五:小さいものに目が行き届く雪絵さん句か?付き過ぎかもしれませんが、プレゼントが入りそうな長靴です。 葱:☆プレゼントへの夢と希望を映し出す、その色と形です。 水:考えてみれば、クリスマスの長靴は左右どちらでもない、必ず片方なんですね。)

●雪片の宙にありては邪心なく=水音
◎前○資△秋=6点

●六角の雪片儚き万華鏡=秋波
◎二○メ△久=6点

●片言の起こせる波紋枯蓮=五六二三斎
○久、水△夏=5点
(水:外国人の片言とするとどんな事件があったのか。枯蓮のようにうなだれ、生気まで失うような?)

●極といふ四十八乗の隙間風=喋九厘
○葱、秋△ス=5点
(葱:「極寒」の48乗、みたいな意味にとりました。やや乱暴な物言いが魅力。 秋:極風のこと?隙間風というのかと思いましたが、面白い表現です。)

●隙間風酒を温めて間をつめて=秋波
◎久○入=5点
(久:人の心理を感じさせる隙間風ですね。)

●隙間風共に入り来る家出猫=砂太
◎香△葱、君=5点
(葱:「家出猫」に物語を感じます。)

●隙間風魔法のラムプ擦られて=スライトリ・マッド
◎水△喋、秋=5点
(水:負のイメージの隙間風をプラスに変えるのはやはり魔法のお陰なんでしょう。面白い。 葱:面白い取り合わせですが、もうひとつ、ピンと来ませんでした。)

●閉店の小さき貼紙隙間風=雪絵
○香△五、百、白=5点
(五:「貼り紙の多き横丁クリスマス」め〜る一行詩12月投句。この句は潰れて閉店の貼り紙ですか?寂し過ぎですね。「休業」くらいで誤魔化したら、読後感が救われます。スライトリマッドさん句?)

●洋館を背にひと片の帰り花=入鈴
○二、前△砂=5点

●隙間風ストーブ列車の火をゆらす=資料官
○喋△入、前=4点
(葱:☆「鉄道ロマン」がその筋の人達にはたまらんのでしょうね。)

●初明り片瀬江ノ島行き電車=資料官
○砂、雪=4点

●吹かれゆく落葉一片地平線=砂太
○水△二、資=4点
(水:壮大なイメージです。落葉となって地平線まで転がって行きたい。)

●天使にも片翼の天使にも初雪=葱男
○白△夏=3点

●一片のことばに解ける雪しずく=香久夜
△夏、百=2点

●片隅に置き忘れたる日記果つ=前鰤
○君=2点

●還暦の忍び寄る音隙間風=五六二三斎
△砂、香=2点

●還暦行片道切符今年去年=資料官
△喋、香=2点

●なほ薄くフクの牡丹の花一片=夏海
△久、ス=2点

●冬の欠片でんぐり返りして見つく=スライトリ・マッド
○夏=2点
(夏:童心には、こんな一瞬がありそう。 葱:☆これまた面白い取り合わせですが、いまいち「欠片」の中味が想像できませんでした。)

●ものわすれひどくなりけるすきまかぜ=白髪鴨
△雪、入=2点
(雪:我が脳も隙間だらけ。)

●赤一片今年は終りポインセチア=白髪鴨
△資=1点

●片手間に火の用心と糸車=喋九厘
△久=1点

●隙間風入りて音楽奏でける=スライトリ・マッド
△メ=1点

●雪片や踊る子犬の鼻の上=メゴチ
△砂=1点


【入選】

●隙間風ティーコージーにダージリン
(葱:☆「ティーコージー」ってポットにかぶせる布のことなんですね、知りませんでした。)


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