*B部門入選作発表*

「兼題季語:秋寒」「兼題漢字:高」*全48投句 (入選37句)


【特選】

一席
●秋寒やほろりと薄き揚げ衣=夏海


◎砂、水○雪、二、ス△白、君、前、香、秋=17点
(水:ほろりと薄きで頂きました。 雪:健康には薄いほうがいい! ス:美味しそうですね。 白:日常句。しかし揚げ衣の薄さを「ほろり」と表現する視線がいい。)


二席
●秋高くでんでらりゆうば輪唱す=スライトリ・マッド


◎二、白、喋○入、前△夏=14点
(白:実はくんちを見たこともないし、この歌も聞いたことがない。しかし、それでも力強く祭りの情景が浮かんでくる。それとも数人でひそかに輪唱しているのかもしれない。 前:刑務所を出たくても出られない囚人の歌だと聞いたことがありますが、本当ですか? 夏:面白い! 葱:長崎のわらべ歌のようですね、今、流行ってるみたい。)


三席
●秋寒や弁財天の石の笑み=砂太


◎雪、資○澄、メ△水、君=12点
(雪:「石の笑み」、この着眼がすごい!どんなに笑っても冷たそう。 水:寒いより冷たい。 葱:俳句らしいと言えば俳句らしいけど、なんか、どっかで見たことあるような・・・、類想、類句ありそう。)


三席
●落し物画鋲に吊るすそぞろ寒=雪絵


◎香○水、喋△葱、五、二、砂、前=12点
(水:吊るされた落し物が寒々しい。 葱:教室の風景でしょうか?季語が合ってるかどうか、よく分かりませんがなんかひっかかりました。 五:小学校時代のトラウマみたいな感じがしました。)


三席
●ソーサーにカチリと戻すそぞろ寒=水音


◎ス○葱、白、君、香△雪=12点
(ス:リーフティの紅茶でしょう?! 葱:真っ白な陶器が触れあう音、暖かい飲み物が恋しい寒さです。 白:カップを置く瞬間-現在は無限に下位分割され、循環的であるが故に無限でもあるという。何故だかきっぱりとした未来-過去への決意のようなものを感じる。)


【入選】

●肌寒や小鯵百尾のわたを取る=香久夜
○雪、夏、喋、秋△資=9点
(雪:どこか小さな漁港でしょうか。黙々と、作業の光景が浮かびます。 夏:壮観ですね!)

●堰落ちて泥の匂の秋寒し=砂太
◎秋○五△澄、メ、夏=8点
(五:これは、なかなかの実景句?秋のつるべ落とし?いい句です。)

●秋寒に焼き芋食らふ野分かな=喋九厘
◎前○澄、秋=7点
(葱:ありゃりゃ、季語がいっぱい!)

●天高し曲がって見ゆるスカイツリー=資料官
◎夏○久△入、五=7点
(夏:実景ならでは!伸び行くスカイツリーの迫力が伝わってきます。 五:付き過ぎか?ポピュラーな題材にこれからもなることでしょう。 葱:そうですか、くらくらするんでしょうね。)

●秋寒やヘッドライトの頼りなさ=入鈴
◎久△小、水、白=6点
(水:心情ですね。 白:頼りないヘッドライトが秋寒の夜をよく表象している。冷たい霧-雨の中、暗い田舎道を一人で走ると暖房さえも心もとない気がする。)

●新しき土饅頭ありそぞろ寒=スライトリ・マッド
○小、香△久、水=6点
(小:甘いものが美味しい季節です! 水:おお 寒い。)

●袖口に秋寒迎ふ朝の駅=久郎兎
○小、前△メ、秋=6点

●にぎりめし正午の空の高きこと=前鰤
◎葱△砂、久、ス=6点
(葱:にぎりめしを食っているのはおそらく中高年のサラリーマンではないでしょうか、しかし、彼は自分が子供の頃遊んだ、秋の空を思い出しているのかもしれません。 ス:秋晴れの1日の休憩時間でしょうか。)

●水栗の気高き黄金比率かな=葱男
○二、白△資、夏=6点
(白:形の美しさが数学的にも理解されうるという事実。この不思議な自然。)

●虫籠の宿主去りてそぞろ寒=久郎兎
◎入△メ、君、秋=6点

●秋寒にロココの匂いするおんな=白髪鴨
◎五○君=5点
(五:秋寒とロココの女の取り合わせ。不思議な句。予定不調和が良いのでしょうね。 君:どんなおんなだ!!)

●水澄みて高き空をゆらしおり=小夜女
◎メ△澄、喋=5点

●秋寒や父のKenko虫メガネ=五六二三斎
○入△資、喋=4点

●秋高し焔あやつる術を知る=水音
◎君△五=4点
(君:心中の焔と感じました。 五:この句は「烽」なら間違いなく天位でした。秋高しに「焔」は解りません。これも予定不調和?)

●消印に新宿都庁天高し=雪絵
○砂、水=4点
(水:寒い句ばかり採ったので この句は爽やかで救があります。)

●そぞろ寒学生寮はチヂミ焼く=入鈴
○ス△葱、砂=4点
(ス:おなかが空くとみんなである物出し合って食べたものです。 葱:葱の大活躍です!〈笑〉)

●山珊瑚いだく高嶺を鳥渡る=夏海
○メ△小、二=4点

●ゴンドラの支柱に遠く高き峰=君不去
◎小△葱=4点
(小:とても爽やかな気分にさせてもらいましたよ葱:先日白馬でそんな風景に出逢ったところです。」

●秋寒にわが意を得たり夜半の月=秋波
△前、喋、香=3点

●秋寒や三日月きりり家恋し=秋波
○葱△入=3点
(葱:家の暖かい明かりが恋しい時刻・・・。)

●薄紅葉雨中の静寂そぞろ寒=秋波
◎澄=3点
(葱:そういう感じ、分かります。)

●天高し筆と着物と六文銭=スライトリ・マッド
○夏△白=3点
(夏:生きとし生けるもの免れ得ぬ死ですが、見送る人々の胸中を思いました。 白:思いはあるのだろうが意味は分からない。取り合わせの妙で選。 )

●びつしりと手帳の文字やそぞろ寒=雪絵
○砂△ス=3点
(ス:故人のものでしょうか?几帳面な方ですね。)

●青柿に竹のさすまた高き空=久郎兎
△澄、香=2点
(五:秋寒とロココの女の取り合わせ。不思議な句。予定不調和が良いのでしょうね。)

●うそ寒やクライマックスある限り=五六二三斎
○資ー2点

●すずろ寒国の涯なる島灯台=夏海
△雪、ス=2点
(雪:「すずろ寒」、初めて知りました。 ス:どこの島でしょうか? 葱:「へちまへちま領海権と制空権」。どうにかならないものか?? )

●高々と逆サイフォンの秋の水=水音
○五=2点
(五:サイフォンは珈琲?小さい視点に○。)

●百段の雁木高きに登りけり=五六二三斎
△小、入=2点
(葱:雁木は冬の季語なので、選からは外しました。)

●父祖の地の秋空高し滝の前=砂太
○資=2点

●松茸の香り高きやサイフ見る=メゴチ
○久=2点

●秋深む筑高二十三期生=葱男
△雪=1点 (雪:まだ冬の一歩手前!頑張ろう!)

●天高く大根凍えそぞろ寒=喋九厘
△久=1点
(葱:おりょりょ! 季語だけ!!)


【無選】

●このところ抜け毛のおほしそぞろ寒
(葱:共感はするものの・・・〈笑〉。)


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