*B部門入選作発表*

兼題「鳥・関連」*全47投句(入選38句)


【特選】

一席
●文鳥と月てのひらに乗せてキス=葱男


◎久、入、メ、ス○砂、五△雪、香=16点
(久:鳥目だからやはり夕方でしょうか。 メ:きれいに決まりましたね。 ス:月をバックにニクイ!でも窓越しでないと無理かな?!うちも鳥飼ってます。 五:詠みなれた作者の句ですね。これが俳諧なのでしょう。)

二席
●鶺鴒の個独の常や陶の里=砂太


◎資○葱、メ、百△前=10点
(葱:「孤独」を「個独」としたところが力業! ずっしりとした重みのある句となりました。 メ:そういえば1匹でチョコチョコ動いているイメージだな。 百:孤独の常じゃないんですね。)

三席
●鳥の歌奏づるチェロや魂送=スライトリ・マッド


◎前、百○君△雪=9点
(前:パブロカザルスの国連での演奏会を思い出します。「鳥は、peace peaceと鳴いている」という言葉を、今でも思い出します。 百:カザルス聞いたことないけど,無伴奏チェロは好きです。 葱:なぜか「鳥の歌」で杉田かおるの顔が浮かんでしまいました、誠に申し訳ありませんでした。)


【入選】

●小鳥来る友と旅出の話など=雪絵
◎夏、水△入、君=8点
(夏:旅に出るのに良い季節、気の合った友人と一緒なら尚更! 水:いい季節になりましたもんね。)

●青空も白いかもめも長崎忌=資料官
◎砂○百△入、ス=7点
(百:みんな平和を願う。 ス:平和を青と白の清冽な感じにたとえていいですね。)

●色鳥や暗号コード解読す=水音
○夏、雪、五△久=7点
(夏:「暗号コード」にはドキリッ。 雪:謎めいた感じがいい! 五:何の暗号コード?私なら遺伝暗号を思い出す。 久:色鳥がなぞめいていますね。ゆえに暗号がしっくりくるのでしょう。)

●フラミンゴTシャツを着るほしづくよ=スライトリ・マッド
◎五○雪△入、資=7点
(五:アイデア賞というところでしょう。 雪:フラミンゴには何故か星が似合います。 入:フラミンゴはホシヅクヨに飛ぶのかしら?とか色々展開あり。)

●啄木鳥や沈思黙考する場合=水音
○夏、久、香=6点
(夏:啄木鳥のけたたましいさと沈思黙考の対比が面白い。 久:下五がユニークですね。時間がぴっと止まった感じがします。)

●嘴にジュラ紀の記憶月ぞ知る=久郎兎
◎君○資△香=6点
(君:時間・空間の大きさに圧倒され決まり!)

●色鳥来阿修羅の像の赤き顔=雪絵
○資、香△砂=5点
(葱:「色鳥」の「色」と「赤」が重複したのが残念。)

●かちがらす恋に焦がれし尻尾かな=五六二三斎
○前△葱、メ、ス=5点
(葱:ほのぼのと、ユーモアもあって良い句です。 ス:恋が出てくると、かささぎと言うよりかちがらすの方がいいですね。)

●十歳とねんれいさしょうす百舌鳥のゐて=入鈴
◎喋△メ、五=5点
(メ:百舌鳥ってこんな鳴き声? 五:惜しい。「す 」がなくてよくないか?)

●地球(テラ)といふ名の方舟のかちがらす=夏海
◎香○水=5点
(かちがらすは神の使い?かささぎの橋と関係が?よく判らないんですがなんとなく。)

●鳩いづる帽子の闇やすすき原=水音
○入、ス△夏=5点
(入:寺山修司の演劇のようなところに惹かれますが、何のこっちゃ。 ス:ほんと手品の鳩はどこから出てくるんでしょう?!)

●実り盗る一画足らずの鳥の知恵=久郎兎
○メ、前△五=5点
(メ:うまい!◎にするか悩みましたが・・・。 五:少しなぞなぞのような句ですが、面白いので採用しました。烏のことかい? )

●神の国へ一人を加え色鳥来=夏海
◎葱△砂=4点
(葱:語感、語法も素晴らしい! 「K音」の使い方が上手い! 上六の字余りも気になりません。)

●ジョナサンってかもめが居たね秋の海=君不去
○砂△葱、水=4点
(葱:なんだかほっこりとしてしまいました。 水:水いましたねぇ。)

●ツツピーの声に招かれ墓参り=君不去
○入△久、ス=4点
(久:ツツピー、初めて知りました。 ス:シジュウカラかヤマガラですか。)

●鳥神の猛き眼に秋暑し=夏海
△水、雪、資、五=4点
(水:鳥神は天狗のことですか? 五:鷲か鷹を思い浮かべました。 葱:「待宵にみやびなるかな巨き鳥 葱」。)

●鳥コトバたとへば百舌の羞恥心=葱男
◎雪△砂=4点
(雪:面白いし、納得させられます。旨い!)

●ポケットに亡き雛入れてスイカ食う=小夜女
○君、ス=4点
(ス:鳥の死と空腹の取り合わせがなんとも悲しくて人間のサガなんでしょうね。 葱:なんだかとても怪奇的な情景を思い浮かべます。 そのままスイカを喰うとはシュール!)

●鶺鴒を追ふをさな子や二歩三歩=君不去
△水、資、香=3点
(水:かわいらしい。)

●小さき庭小さき幸せ小鳥来る=五六二三斎
○水△メ=3点
(水:ささやかだけど、すばらしい。)

●はとつばめかもめはやぶさ夏果てぬ=資料官
△君、前、百=3点
(前:特急は、鳥だったのですね。はくつる、はくちょう、ときなどもありましたね。 百:ははははは,笑っちゃいました。 葱:「はやぶさは不死身ブルトレ処暑を駆く」とどちらが情報として正しいのでしょう?)

●仏前の玉子の三つ雁の秋=スライトリ・マッド
○葱△前=3点
(葱:玉子がみっつ、仏壇に御供えしてある、というだけの景ですが、鄙びた田舎町の実家の風情や侘びしい風景が「雁の秋」という季語によって美しく昇華されてゆくようです。)

●鴉鳴く日や少年の夏が逝く=砂太
○久=2点
(久:キバドリのカラス、なるほど。宿題をしていない少年の8月31日でしょうか。)

●燕去る巣をそこそこに壊えさせて=砂太
△葱、百=2点
(葱:「そこそこ」という措辞の働きよって、一夏の燕の親子の生活が偲ばれます。 百:「そこそこに」というのがユニーク。)

●夏空のオリーブ畑やアベ爽快=資料官
○喋=2点
(資:AVE=鳥。)

●秋夕べ大木の中けたたまし=香久夜
△百=1点
(百:います,うちの近くでも 。)

●コトドリやカワセミ真似て笑う秋=香久夜
△喋=1点

●新型のワクチン鳥や流れ星=メゴチ
△喋=1点

●神殿まで五つの鳥居秋暑し=雪絵
△夏=1点
(葱:写生句としては出来上がっている句ではないでしょうか。ホトトギス系なら文句なく入選の句。)

●砂浴びに夢中なすずめ秋日陰=五六二三斎
△久=1点
(久:砂浴びは見たことがありませんが、惹かれる句です。)

●立つ秋やナブラの向こうに烏帽子岩=メゴチ
△夏=1点

【無選】

●ベランダに鳥と我ゐるカナカナかな
(葱:「カナカナかな」はどうじゃろかな?)

●はやぶさは不死身ブルトレ処暑を駆く
(資:まあ気持ちはよく分かる)


B部門入選作

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