*B部門入選作発表*

兼題「水・関連」*全47投句(入選40句)


【特選】

一席
●羅の中の二の腕風そよぐ=五六二三斎


◎香○水、砂、雪△久、資、君=12点
(香:逆にたくましそうな二の腕を想像してしまいましたm(._.)m  水:涼風を感じます。 雪:涼しげな着物姿!? 久:深く手を入れると、そう言うこともありますね。)

二席
●話し込むお婆扇子で凪を切る=久郎兎


◎砂、君○香△二、喋 =10点
(君:ユーモアを感じて。 香:「お婆」が何とも雰囲気出してる。)

二席
●日の食の時も知らずに貝風鈴=夏海


◎メ、喋○入△男、雪=10点

二席
●目覚むれば祖母の添寝や団扇風=君不去


○入、メ、香△葱、夏、雪、前=10点
(香:その頃の記憶がなくても何か懐かしいです。 葱:帰省している田舎の夏休みでしょうか、「母」ではなく「祖母」であるところがなんとなく安らぐなあ。 夏:懐かしい!!)


【入選】

●潮風に群れ鉄錆のあきつかな=入鈴
◎男○喋、五、百=9点
(男:何だろう廃船の熱さかな。 五:「鉄錆のあきつ」とはよい表現。 百:赤とんぼ が鉄さびね。)

●大南風眼寄らせる針の穴=水音
◎小、雪○ス=8点
(ス:おもしろい取り合わせ。)

●風に逢ふ大観峯の夏景色=雪絵
◎資、ス△水、小=8点
(ス:雄大な景色が浮かびました。 水:気持ちの良い大きな景。)

●白南風やいちにち回る観覧車=雪絵
◎水○資△夏、砂、五=8点
(水:「いちにち回る」が、おおらかなゆったりとした感じで、白南風が効いてますね。 五:昨晩、飛行機の中から福岡の町の大観覧車を見ました。)

●川とんぼ盆地の風に舞いにけり=資料官
○メ、男、君△前=7点
(男:なんとなく涼しげ。)

●白南風や雲測る人屋根にたつ=水音
◎入○葱△二、ス=7点
(入:何を生業とする人?色々と想像発展の句。 葱:気象予報士もテレビだけじゃなく、地道な仕事をしているのでしょうね。 ス:よくわからないのですが実景なのでしょうか?!)

●ちぇすとーの湾泳ぎ切る大南風=スライトリ・マッド
◎葱○砂△資、雪=7点
(葱:「ちぇすとー」というかけ声で錦江湾を泳ぎきったのは、トライアスロンと大南風か? ネット検索したら「鹿児島(錦江湾)往復横断遠泳」っちゅうのが7月12日に行なわれたそうで・・・納得。 資:鹿児島の夏ですね。 雪:「ちぇすと」、初めて知りました。)

●風鈴やアボカドの葉の六枚に=スライトリ・マッド
○水△葱、入、資、五、百=7点
(水:アボガドの葉は固いけれど、それが涼やかに揺れる感じ。 五:何のことかわかりませんが、アボガドを育てているんですかね?風鈴との対比がよい。 百:私もアボカドの種を植えてます 。)

●風鈴や高麗人の無縁墓=雪絵
◎夏○小△男、百=7点
(夏:伊万里焼きの風鈴ですか?朝鮮陶工の望郷の念がしみじみと。 入:風鈴、銅鐸、渡来人の歴史に少し触れたりもできる。 男:どこの光景ですかね。 百:たくさんあるんでしょうね 。)

●船溜り風やむ町の星祭=入鈴
◎五○二△夏、百=7点
(五:星祭の晩はなぎでしょう。俳味あります。 百:星祭りと言えば賢治。)

●あさかぜに揺られ昭和の帰省かな=資料官
◎百△久、砂、澄=6点
(百:昭和は遠くなりにけり。「帰省」という言葉も私にとっては懐かしい言葉です。 久:南風、しおかぜも良かったけど、あさかぜにしました。 入:そうでした、あさかぜという風がありました。)

●風穴の彼方は異界のぞき穴=ひら百合
○君、前△メ、澄=6点
(君:不気味!不思議!な句。)

●睡蓮の葉をひるがえし吾にも風=入鈴
◎澄○資△香=6点

●枕から風の音する百物語=スライトリ・マッド
◎二○夏△五=6点
(夏:怖そう! 五:字余りが気になりました。でも着想はたいへんよい。)

●風死して網の浮玉砂の上=夏海
○葱、前△男=5点
(男:うちあげられた静かさですか。)

●風運ぶ子らの歓声草いきれ=メゴチ
○男、雪△ス=5点
(雪:この頃は外で遊ぶ子供たち、少なくなりましたね。 ス:明るい感じでいいですね。)

●ナポリ風テノールおらぶ油蝉=葱男
○久、喋△メ=5点
(葱:「おらぶ」は「謳ふ」ぐらいにしておけばよかったかな??? 久:博多弁OKは丘ふみ游俳倶楽部の特権ですね。私も関西でたまにオランダ人になります。関東では使えんばい。)

●風知らぬ迷い小雀何喰らふ=久郎兎
◎前△小=4点
(入:小雀と限らず、人の子にも思いが及びます。)

●月見草特急の風去りし駅=五六二三斎
△葱、入、砂、ス=4点
(葱:特急の止まらない小さな駅に似合う花ですね。 資:久大線の山の駅だろうか。 ス:小さな駅にひっそりと咲く月見草が合っていますね。)

●ビアガーデン風来末(ふうらいばつ)が束で呑む=葱男
○五、ス=4点
(葱:下五は推敲したほうがよさそうですね!「ビアガーデン風来末(ふうらいばつ)のよりどころ」。五:ルビがないと読めませんでした。ビアガーデンにはちょいワルおやじがお似合い? ス:寿限無ですかあ?)

●冷風に一息入れる扇子かな=男剣士
○小、百=4点BR> (百:暑いときもありました。)

●クマゼミの暑中見舞いや熱い風=喋九厘
○澄△メ=3点

●玄関を出て立ち尽くす梅雨嵐=砂太
○久△香=3点
(久:もう立ち尽くすしかないです。待つことが最重要事項。 香:今のうち、と思ってたら、大雨!今年は何回も。)

●コンコース冷風頼り軸緩む=香久夜
◎久=3点
(久:軸=我慢でしょうか。身体そのものでしょうか。日常を題材にしているのがグーです。)

●まっすぐに滝にラメ刷く風の来る=水音
○二△前=3点

●風と往く夏鶯やカルスト野=夏海
△香、喋=2点
(香:秋吉台?涼しそうですね。)

●梅雨晴間風の運びし人の声=砂太
△夏、水=2点
(水:遠くの声が間近に聞こえてはっとすることがありますね。梅雨晴間にありそう。 )

●日食を嫉んで暴る夏嵐=香久夜
○澄=2点

●ゆらぐ風のようにだまし絵蜃気楼=ひら百合
△久、君=2点
(久:だまし絵だけいただきました。他はダブっているようで、捕まえにくいです。)

●魚泳ぐギヤマン茶碗や風炉手前=君不去
△二=1点

●おかえりなさいふくよかに南風=葱男
△水=1点
(葱:これも推敲です。「おかへりなさいふくよかな南風」。 水:755の破調が効いて、ふんわりした感じになってる。)

●百日紅風に向かいてしがみつく=メゴチ
△喋=1点

●つむじ風消え沸き渡る熱平原=ひら百合
△小=1点

●バタバタと古扇風機やリズムなし=メゴチ
△君=1点

●仄かなる風の正体竹夫人=五六二三斎
△入=1点

●よろよろと線香花火のつむじ風=喋九厘
△澄=1点


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