*B部門入選作発表*

B部門/『季:浴衣』『漢:一』=全43句 入選35句


【特選】

一席
●思ひきりかひなをとほす糊浴衣=白髪鴨


◎メ○五、葱、前、秋△砂、夏、水、香、入、ス=17点
(五:着想がユニーク。 葱:子どもの頃、旅先の宿で浴衣に袖を通したときのわくわくした気持ちを思い起こしました。 秋: 糊のきいた浴衣のごわごわ感と心地よさと。よくわかります。 水:母が制服のブラウスに過剰に糊付けしてたのを思い出しました。私は擦りむかないようにそっと腕を通していましたが、思い切り通す気持ち良さもわかります。 ス:清潔感があって若々しくていい感じがします。)


一席
●ハンモックここはあおぞら一丁目=スライトリ・マッド


◎夏、葱、雪○砂、五、入△二、喋=17点
(葱:あっけらかんといい詠みっぷりです。 夏:おおらかな詠みっぷりが良いです。 雪:ダントツの二重丸!ハンモックに乗ってみたい! 五:あおぞら一丁目一番地かな?佳句です。昔、ラジオ番組にありましたね。)


三席
●トロンボーン腕のぞかせて浴衣の子=雪絵


◎資、前、ス○葱△砂、水、小、入=15点
(ス:お祭りでの演奏でしょうかね?!健康的な色気を案じます。 葱:子どもならまだ二の腕には脂肪がついてないのかなあ〜、高校生ぐらいだともう色っぽい。 小:こんな姿は見たことありませんが、浴衣姿のブラスバンドもおもしろそう。 入:中句を二の腕黒し?とか、、、。せっかく袖で見え隠れするんだからあ。)


【入選】

●一両車ゆく踏切の山法師=夏海
◎入○水、雪、小、君△葱、白=13点
(入:私だったら、初句を一車両としか言葉が浮かばず、平凡に終わったかも。 雪:山あいのローカル電車でしょうか。贅沢な眺めですね。 葱:景色がすがすがしい。 白:かつてローカル線の駅にはどこにもコスモスが咲いていたと仮性の記憶にあります。そして踏み切りには月見草が…。そんな淡さを感じさせるところが気に入りました。)

●祭果つ役者一人を失うて=葱男
◎水○砂、香、白△二、雪=11点
(水:原田芳雄さんのことでしょうか。祭果つ・・・しみじみ寂しい感じです。 白:本当は時事的な句はあまり好きではないのですが、ツィゴイネルワイゼンのラストシーンとの重なりで、うまく彼の訃を捉えているように感じます。本当に彼はうまい役者だったのか、実は今でも疑問なんですが…。)

●浴衣下駄まだ見ぬ南十字星=夏海
○香、資、入△二、五、葱=9点
(五:沖縄の海から南十字星が見えるんでしょうか?確か、屋久島辺りから地平線ぎりぎりに見えるんじゃなかったでしょうか? 葱:下駄を取り合わせるところが俳句モード。)

●ゆかたには赤き口紅山鹿の灯=雪絵
◎君○喋△二、五、資=8点
(君:山鹿灯籠の灯ですね。 五:山鹿の灯籠まつりの女性の口紅は色っぽいですね。実物は見たことありません。風の盆などと比較して化粧に違いがあるのか調べてみたい。)

●浴衣著て闇のにほひを嗅ぎ合へり=葱男
◎砂、白△夏=7点
(白:A部門と同様、◎の句なんですが、さて何故と問われるとこの選句も答えに窮する所があります。「闇のにほひを嗅ぎ合へり」、きっとこれが強度となっているのでしょう。 )

●一文字結びの浴衣肩かぶき=入鈴
◎五○夏△秋=6点
(五:お題を2つ入れて、しかも出来映えよし。「かた」のリフレインもいいですね。 夏:お祭りと言わずに祭りを想像させる巧みな句。)

●一切の苦厄念経蝉の声=五六二三斎
◎秋○喋△香=6点

●浴衣着て祭りにゆかぬ反抗期=水音 
○君△雪、小、入、ス=6点
(ス:行けばいいのに、でもきっと訳があるのでしょう。)

●青葡萄便り一つもあれば良し=水音
○雪、メ△夏=5点
(雪:まさにその通り! 便りはやっぱり手紙に限るけど。) 

●一手先百手先読み茄子の花=夏海
△二、雪、香、喋、君=5点

●浴衣をのこメトロの扉さっと開き=入鈴
○夏、ス△白=5点
(夏:花火見物か?男性の浴衣姿、なかなか良い。爽やかさが伝わる句。 ス:浴衣姿の若者が颯爽と歩くのもいいかも。 白:句としてはどうかよく分かりません。しかし妙に非日常的なおかしみを感じさせます。  葱:☆アパレルメーカーのCMって感じ。)

●直線は一次関数夏の塾=君不去
○資△水、小=4点
(水:当たり前のことを当たり前に書くのも俳句なのかな。季が動くような、動かないような。 小:おもしろーい。)

●野良猫に御機嫌を問ふ浴衣の娘=砂太
○前、秋=4点
(秋:猫の姿に思わず歩を止めて…。絵になる構図です。)

●初浴衣風にひかりし素足あり=白髪鴨
◎喋△メ=4点

●一時の自己主張あり半夏生草=資料官
○水、小=4点
(水:「一時の自己主張」というのがいいですね。 小:視点を変えれば私たちの一生も同じですよね。 葱:すみません、発音は「いっとき」でしたね。ノミネートの時はなるだけ内容を読まないようにしているので時々アイウエオの順番が狂います。)

●碧眼のユマてふ少女浴衣着る=スライトリ・マッド
◎香△喋=4点

●睡蓮や一糸乱れず今朝も咲く=資料官
◎小=3点
(小:とても清浄な花ですよね。水のなかでも咲けるなんて凄いです!)

●できたての雲は綿菓子夏一番=秋波
△二、メ、前=3点

●一番と二番の間追山笠=メゴチ
△砂、白=2点
(白:その間(ま)から追い山を見つめる目線がいいですね。)

●一人前(いっちょまえ)おれおまえらと5才の夏=秋波
○メ=2点

●運動場誰一人ゐぬ夏休み=雪絵
○ス=2点
(ス:福島の光景でしょうか?!)

●叱られし子の染浴衣影おぼろ=白髪鴨
△メ、君=2点

●どの木にも蝉鳴いてをり声一つ=水音
  ○白=2点
(白:蝉時雨を大きくひとつに捉えた感性がいいですね。句としてもまとまりがあるように感じます。 )

●爆音のレースに合わぬ浴衣かな=メゴチ
△葱、君=2点
(葱:レースクイーンってやつでしょうか?似合わんよねえ〜。)

●葉脈を辿り行く蟻一歩一歩=君不去
△秋、ス=2点
(ス:ファーブル昆虫記みたいですね。)

●一ノ滝二ノ滝越えて大滝へ=五六二三斎
△資=1点

●お揃ひの旅浴衣にて姦しく=君不去
△前=1点

●およど日の茅の輪くぐれ浴衣童子=喋九厘
△資=1点

●かわらんべ一人二人とさらはるる=葱男
△五=1点
(葱:「河童祭」の傍題に水神祭、河童、かわっぱ、かわらんべ、かわたろう、かわこ、等も季語になっています。 五:季語がないように思いました。カッパの人さらいでしょうか?それとも幽霊?人さらいの季感は夏ですね。)

●ここ一本気力のお面夏盛る=砂太
△二=1点

●世界一盛夏忘れたをなごたち=メゴチ
△秋=1点
(秋:なでしこの活躍、本当にさわやかでした!)

●はなやいで帯を選びし染浴衣=秋波
△前=1点


【無選】

●蔦の湯や浴衣の君は色っぽいね
(葱:拓郎かあ〜!)


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