*B部門入選作発表*

B部門/『季:冬眠』『漢:静』=全48句 入選39句


【特選】

一席
●真空の静けさが降る冬銀河=白髪鴨


◎久、資、五、前○夏、秋、ス△葱、砂、喋=21点
(久:この荘厳さを全身で受け止めたい。 五:冬銀河の真空が伝わってくる。成功の訳は「ん」音の韻にありか? 秋:ヤマトより銀河鉄道の世界。ぬくぬくとコートを着込んで冷気を頬にかんじながら夜空を見上げるのっていいですよね。 ス:グーグルアースの宇宙篇見るの好きです! 葱:「真空」が効いています。)


二席
●能古古窯沖に静かな冬がある=砂太


○葱、夏、水、白、資、二、ス△五、君=16点
(葱:いい句です。 水:冬の玄界灘は荒れているとかと思いきや。陶器の温かみを感じます。 白:能古と玄海島、毘沙門の間が今の私のゲレンデ。晴れた日の夕日はことのほかに美しい。冬の存在感が際立った句。 ス:能古に古窯があるんだ! 五:これも砂太先生句?アイランドパークにある窯?海がよく見える高台にある。)


三席
●朱欒(ざぼん)黄に能古の静かな休漁日=砂太


◎喋、二○久、水△葱、夏、雪、百、君=15点
(久:都会に程近いあの島をうまく表していますね。 水:冬に赤ではなく黄色のある風景が好き。 葱:色鮮やかな「黄」が「休漁日」ののどかさを惹きたてていて、いいですね。 百:ざぼんは南の香り。)


【入選】

●子の嫁きて心のどこか冬眠す=ひら百合
◎夏、香、小○資△久=12点
(小:母親の心境ですよね。 久:姑の知恵かな?)

●煮凝の静かですこし寂しかり=葱男
◎水、ス○小△資、喋=10点
(水:煮凝が寂しいとは面白い。 ス:冬はちょっぴりそんな感じがします。 小:昔、煮凝りをご飯にかけただけの朝ごはんありましたねエー。)

●踊と舞の分かれ目の静つわの花=夏海
◎白○砂、百△前、二=9点
(白:所作と様式の差異を表現する言葉を日本語は持っている。本来日本人は抽象的な人種なのだろう。 百:踊と舞の違いか〜〜。)

●静脈の蒼き流れや冬の雷=雪絵
◎砂、君△水、白、二=9点
(君:静かな不安が感じられる取り合わせに惹かれました。 水:冷たく硬い状況を想像します。 白:人生を見つめ直すときだろう。生きる意味を問い直すときだろう。そして何故自然はこうあるのか知りたい。)

●大根の静かなる白薄く切る=スライトリ・マッド
○葱、百△久、砂、香、白、喋=9点
(葱:「薄く」が効いています。 百:千枚漬けはカブだっけ。 久:白を感じられる限界まで薄く、ということでしょうか。 白:繊細な感性を感じさせる一句。あまりに繊細すぎてそこで糸が切れてしまいそう。 )

●雲海の静かな落暉神集い=水音
○喋、澄、雪△夏、砂=8点

●冬眠の蛇を抱きし神の山=資料官
○君△香、水、小、雪、百=7点
(水:神使たる蛇を守っているのでしょうか。 百:スケールの違いが面白い。)

●冬眠やビロードならば赤が好き =夏海
○砂、雪、二△葱=7点
(葱:真紅以外のビロードなんてあんまり考えられませんね!まあ中には「ブルーベルベット」っちゅうのもありましたが・・・。)

●冬眠やキンダーブックのクマとリス=雪絵
◎葱△水、二=5点
(葱:開けば立体が立ち上がる絵本を思いました。「クマとリス」には「クリスマス」もオーバートーンしています。 水:可愛らしく温かい感じ。)

●布団雲被りて山は冬眠す=前鰤
○喋、秋△雪=5点
(秋:雲を布団と見たのは納得。やがて雪でしょうか。)

●石くれの川原に丸まり冬眠す=水音
○久、小=4点
(久:石くれが寂しさを感じさせます。)

●榊換へ静かな朝の神迎=五六二三斎
○香△資、澄=4点

●静電気走るがままの木の葉髪=五六二三斎
○香△資、ス=4点
(ス:誰ですかあ〜?!)

●背をこごめ見上げる冬の虹静か=白髪鴨
○澄△五、メ=4点
(五:「こごめ」という「古語め」(>_<)参りました(>_<)。)

●冬日さす祖父の書斎の静物画=君不去
◎雪△五=4点
(五:お祖父さんの書斎?お父さんなら資料官さんの句だろうが。)

●まほろばの千年あちらへ冬眠す=喋九厘
○メ△澄、二=4点

●屋根の霜静かに朝日待って居り=ひら百合
◎澄△メ=4点

●龍馬伝静かに散りし冬紅葉=メゴチ
○五△澄、秋=4点
(五:龍馬伝は一回だけ見逃したのみ。福山龍馬はなかなか良かった。皆さんの感想は?弥太郎が上手すぎたという人が多いが、福山なりに頑張ったのでは?俳句も負けない出来〈笑〉。 「龍馬逝く神の留守なる誕生日〈ご〉」 11月15日が命日(>_<)神の留守じゃなく失敗句(>_<)めーる一行詩投句。 「弥太郎につんざくラッパ養花天〈ご〉」 4月に詠んだ句。 有難う。福山、香川。 秋:龍馬伝終わっちゃたね。)

●彩りの衣ぬぎさり冬眠す=香久夜
◎メ=3点

●音もなき最後の一葉冬眠す=香久夜
◎百=3点
(百:うちにも最後の葉が残ったまま 。)

●静々と神へ綿入れ奉じたる =夏海
○前△二=3点

●静やかに色やうつりぬ里の秋=秋波
○メ△小=3点

●檀一雄の眠る島なり冬の鳶=砂太
○五△ス=3点
(五:砂太先生の吟行句であろう。檀一雄を能古島に父と訪ねたことがある。大学三年生の時。檀一雄は父のことを俊之兄さんと呼んでいた。檀一雄の精霊はいつまでも能古島に漂っていることであろう。 ス:モガリ笛が聞こえてきそう。 資:A部門に娘,B部門に父が登場する奇遇。太郎さんは能古に行ったようですね。)

●展覧会終へて絵画の冬眠す=水音
○小△ス=3点
(ス:ごくろうさま。 葱:うちにもいっぱい、冬眠してる絵があります、きものもね。〈笑〉)

●一人居の静かな一日賀状書く=資料官
◎秋=3点
(秋:何故かいつもじたばたしている身からは、あこがれの自分の時間。)

●安静の日々は戒め年忘れ=資料官
△前、君=2点
(君:本当だ! 葱:前鰤さんの句かなあ〜?)

●神の留守社の庭は静かなり=メゴチ
△香、秋=2点
(秋:たしかに。)

●寒月の静かの海にランデブー=久郎兎
○白=2点
(白:メルヘンとは異なる趣が感じられる。寒月の冷たい色が感じられる。)

●熊の穴センサー抱えて静かなり=香久夜
○君=2点

●静静と離れ落ち舞ふいてふかな=久郎兎
△メ、百=2点
(百:銀杏はそんな感じ。)

●七五三静謐の世を願いつつ=君不去
○前=2点

●冬眠の電気リス頬ふくらませ=スライトリ・マッド
△白=1点
(白:アンドロイドは電気羊の夢を見るのか?  葱:「電気リス」って玩具ですか?よく分りませんでした、ごめんちゃい。)

●冬眠の龍まろくして玉抱く=葱男
△夏=1点

●ふるさとの夢前川に鳰静か=葱男
△久=1点
(久:関一呑のメンバーから姫路が故郷だと聞いたことがあるけど。夢前川ってそんなに大きくないけど、故郷を想う気持ちが伝わってきます。)

●杜静か散紅葉らの描く文字 =白髪鴨
△秋=1点
(秋:今秋永観堂の紅葉を見てきましたが、それを思い出しました。)

●公魚も氷下に眠らば釣られまい=久郎兎
△前=1点


【無選】

●冬眠の人類初の生還者
(葱:時事句に挑戦する気概がいいですね。)

●冬紅葉育ちし町の静ヶ丘
(久:選びたかったけど残念。静ケ丘検索で福岡市東区と出るんだけど。想像の街でも面白いです。)


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