*B部門入選作発表*

B部門/『季:向日葵』『漢:顔』=全44句(入選33句)


【特選】

一席
●似顔絵を請ふて一時祭り笛=夏海


◎砂、五、君、秋、二○雪△水、白、ス=20点
(五:祭りに似顔絵を書いてもらってるのか?老境の自己主張? 君:祭のさなかの穏やかな時が感じられて。 雪:こんな光景、見かけます。「祭り笛」がいい! 白:何かまったりとした田舎の夏祭りのようですね。その間延びした情景がうまく伝わってきます。)


二席
●引き算で数える齢日輪草=白髪鴨


◎メ○砂△葱、夏、喋、資、百=10点
(葱:共感するところ大です。 資:親の享年,定年,何から引くのか思わず考えた。)


三席
●ぬつと出る顔は女や夜釣りの灯=砂太


○葱、ス、秋、二△久=9点
(葱:感触、で戴きました。 秋:夜釣りの主が女性だった意外さが伝わります。)


【入選】

●朝顔や過ぎたる昨日を摘みとる=香久夜
◎ス○百、君△メ=8点

●蒲の花吟行の顔集めけり=砂太
○香、君、白△夏、ス=8点
(白:先生の句でしょうか。かつて私に写真の撮り方を教えてくれたプロのカメラマンがこう言っていました。「フレームが決まったと思ったらそこですぐにシャッターを切らずに、もう一歩前に出てみなさい」俳句の場合、前に出てみたり後ろに下がったりすることで視点〈思点〉ががらりと変わってくるようです。)

●夏の宵髭の顔あるウヰスキー=スライトリ・マッド
○夏、喋、五△葱、雪=8点
(夏:お酒を飲まない私でも直ぐに思い当たる、あの壜の顔。グラスの中の氷の音が聞こえるようで楽しい句。 五:髭の顔あるウヰスキーはブラックニッカ?単身赴任の寂しさが感じられた。 葱:軽み、で戴きました。 雪:酒豪の御仁の句?)

●向日葵や井戸の水脈掘り当てり=スライトリ・マッド
○水、喋△五、雪、秋、二=8点
(五:向日葵のあるところ良き水脈あり?井戸といい、向日葵といい、縦の線を感じる。 雪:手押しの井戸があった頃の夏を思い出しました。 秋:向日葵の逞しさ!)

●緑陰の横顔細き青年僧=雪絵
○久、メ、白△君、秋=8点
(白:僧の涼やかな表情が感じられます。「緑陰の」と「細き」がそれを者がっているようです。詩の語り口が秀でています。 秋:勿論イケメンなのでしょうね。)

●向日葵を挿せばゴッホの色遣ひ=資料官
○葱、メ△水、百、雪=7点
(葱:ギラついた感じは本物の向日葵を超えてる。 雪:やはりひまわりといえばゴッホですね。)

●Blumine向日葵のごとゆれる愛=白髪鴨
◎葱○資、百=7点
(葱:マーラーの「花の章」にまつわる恋物語が背景にあるようですね。一句が知識への興味をそそらせてくれるのも「俳句」のひとつの愉しみ。 資:マーラーの花の章のことでしょうか,うまいなあ。マーラー聞きたくなる年頃。)

●向日葵の青空微か月うさぎ=久郎兎
◎喋○夏△メ=6点
(夏:猛暑の中で、昼の月を見上げる気持ちにならずに過ごしている自分を反省。)

●ひまはりの大輪メインスタジアム=五六二三斎
◎雪○資△二=6点
(雪:ひまわり、大輪、スタジアム、ピタッとはまった感じです。 資:まさにLondon五輪真っ最中,夏の五輪はひまわりなんだ。)

●ひまはりや居ぬ子に届くメール便=雪絵
◎夏△水、砂、香=6点
(夏:子が親元を離れ、ちょっと寂しい日常が見えてくる。)

●行けども行けども向日葵の迷路=夏海
◎水△資、ス=5点
(資:山頭火の自由律のトーンですね。 葱:「分け入っても分け入っても青い山」)

●甚平の袖に抱かれし孫の顔=メゴチ
○香△五、メ、君=5点
(五:孫自慢が窺える句。)

●向日葵やいつも笑つてばかりゐて=雪絵
○水、砂△夏=5点

●船渡御の船も橋にも晴の顔=秋波
○ス△資、君、白=5点
(資:大阪天神際ですか。晴の顔が関西らしい。 白:40番、41番ともに祭の人の顔の描写でした。その躍動感はそれで句のテーマなのです。でも、祭を哀しげな表情でみている人がいる方が俳句的かもしれません。 葱:☆「晴の顔」は「ハレの顔」。)

●朝の陽に破顔一笑蓮開く=君不去
○五、資=4点
(五:仏教の念仏のリズム感ある句。 資:あははは!!ポンポンと明るいタッチ。)

●戦没の写真の学徒顔白し=久郎兎
◎香△葱=4点
(葱:凄みのある句になりました。)

●ひまはりやいまだに冷めぬ句の火照り=葱男
◎白△喋=4点
(白:自らの句作の火照りではなく、ある秀句との出会いを想像しました。その感動がこの季節の象徴である向日葵に凝縮されているようです。象徴の使い方が妙です。)

●ひまわりや循環急行ひとまわり=資料官
○雪△五、二=4点
(雪:普通に花のひまわりとして読みましたが、とてもいい句だと思います。 五:大きな線路のひまわり。 葱:「ひまわり」という列車の名前を知らない人は二句一章の句とも思えます。)

●ひまはりを遺して逝きし人のこと=スライトリ・マッド
◎百△香=4点

●歯ブラシをくわえ笑む子や日輪草=君不去
○二△喋=3点

●向日葵やこちらばかりをむいており=香久夜
◎久=3点

●丈低き向日葵そっと主張する=君不去
△砂、メ=2点

●向日葵に見詰められをり囲まれて=砂太
○秋=2点
(秋:圧倒的な向日葵畑。)

●昼顔も猛暑に負ける午後の2時=喋九厘
○久=2点

●水法被男の顔の美しきかな=夏海
△砂、白=2点
(白:40番、41番ともに祭の人の顔の描写でした。その躍動感はそれで句のテーマなのです。でも、祭を哀しげな表情でみている人がいる方が俳句的かもしれません。 資:思わず,オリトカオルモウツクシキと思ってしまう。)

●御老体炎暑に負けずすまし顔=喋九厘
△久=1点

●徒然にヒマワリの種十三四=ひら百合
△秋=1点
(秋:徒然に種を蒔いた?それとも食べている?)

●堤防を護る向日葵五万本=五六二三斎
△香=1点

●生ぬるき風にも昼顔負けてゐぬ=秋波
△久=1点

●ハンモック顔に木漏れ日揺れてをり=メゴチ
△百=1点
(葱:類想がありそう。)


【入選】

●夕顔やソース顔よりしようゆ顔
(資:郷ひろみよりは東山紀之てことね。面白い。)


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