*B部門入選作発表*


兼題『流星』『漢字:裏』=全95投句(入選66句)

【特選】

一席
●最果ての島の断崖流れ星=五六二三斎


◎白、ま○子、香、葱△十、紅=14点

(白:北海道かそれとももっと北の島か。大きな景。 ま:知っている限りの島の断崖を思い浮かべ、そこから見る流星はさぞや素晴らしいだろうとみてみたくなりました。 葱:イメージすりと壮絶な光景! 香:凄いところで流れ星を見たんですね。 十;景が見える。 紅;サスペンスに出てくる断崖が浮かびました。)


一席
●聞き取れぬ終の言葉や流れ星=まさこ


◎裕○十、し、白、朱△資、水、修=14点
(裕:終の言葉と流れ星 泣けちゃいました。 十;誰しもが、肉親の最期に経験することですね。 白:何とか聞き取ろうと耳を近づけても---。 朱:これも季語が近過ぎるかなとは思いましたがそれでもいいのか?と言う気もして頂きました。 し:短い言葉の中に込めた悲しい思い伝わります。 資:集中しないと分からない。)


三席
●口づけや流星群のほどけゆく=しゃが

 
◎メ○清、ぼ、喋△十、茶、葱=12点
(清:青春のロマテックな句。 ぼ:こういう恋してみたかったなあ。(笑) 十;星合の雰囲気とも呼応している。 茶:情熱とその余韻。ロマンチックです。 葱:それは素晴らしくロマンチックですね。新しい誰かと付き合ったばかりの頃のファーストキスの感覚でしょうか?)


三席
●手のひらに掬ふ流星露天の湯=まさこ

 
◎清、資○虹、メ、葱=12点
(清:夜の露天風呂に映った流星幻想的な一句。 資:最高の気分,至福の時。 虹:至福の時。 葱:よろしいなあ^^)


三席
●駅裏に漏るるカラオケ敬老日=十五

 
◎久、茶○始△十、ラ、紅、朱=12点
(茶:敬老祝いに家族でカラオケに。お孫さんの可愛らしい歌声を感じました。 十;今や老人たちのたまり場に。 ラ:お孫さんと一緒にカラオケ? ほのぼの♪ 紅;駅裏にはカラオケ屋さんがたくさんありますね。お年寄りは元気です。 朱:現代の平和な敬老の日としてこういう景色なんでしょうね。)


【入選】

●裏木戸の大きく軋む盆の月=紅椿
○十△虹、遊、智、子、五、ぼ、メ、香、葱=11点
(十;盆提灯に誘われて先祖の帰ってきた音でしょうか。 虹:その重みで軋むほど大きなお月様。 遊:裏木戸の描写で月がくっきりと。 智:雰囲気が良く出ている。 ぼ:故人の霊が来たに違いない。 香:強い夕風。台風の前ぶれ? 葱:俳句上手な絵。)

●裏返る金波銀波や稲つるび=やんま
◎朱○遊、裕、ス△喋=10点
(朱:稲つるびと有るからこれは田んぼの景色なんでしょうか。稲光の瞬間として写生の一句ですね。 遊:琳派の屏風になりそうな・・凄い。 裕:情景描写がすごい。)

●星飛ぶや男に止め刺すことば=遊歩
◎や、ぼ△清、白、五、葱=10点
(や:俳人殺すに刃物は要らぬ「それがどうした」と聞けば良い。 ぼ:何だろう?ドラマあり、想像大いに刺激される。 清:男に止めを刺すことばとはあれしかないか。 白: 中七が切ない。 葱:傷つきやすいのよ、男性はほぼ「女性のために」生きてるんだから(笑))

●鍵盤の裏より新涼響きけり=香久夜
◎虹○メ△茶、ま、ス、水=9点
(虹:裏というお題をいちばんうまく使ったのではないか。 茶:「裏」で「鍵盤」に着眼した点にいただきました。 ま:微かな秋の気を、こういう風に感じるかもしれないと思いました。 水:きっとショパン。)

●月の裏のクレーターに落ちた気分=スライトリ・マッド
◎始、葱、修=9点
(葱:う〜ん、良いほうか、悪いほうか、微妙だけど、こんな比喩、見たことない。そんな言葉を発する女の子がいたらキュンとするな。)

●手裏剣のかたちに咲いて薮からし=ラスカル
◎雪○五、秋△十、清=8点
(雪:確かに手裏剣!その発想がすばらしい。 十;裏の席題で「手裏剣」を措いたところが巧み。清:手裏剣の形をした手強い害草。) ●流星の雫集めて瓶に詰め=スライトリ・マッド
◎し、喋△遊、子=8点
(し:とってもロマンチックで大好きです。こんな想像力私も欲しいです。 遊:ファンタジー。)

●秋深し葉裏の脈のどきどきん=茶輪子
○虹、喋△し、メ、葱=7点
(虹:思い切った一句。 し:葉脈も血管のようですもんね。どきどきんがオリジナリティがあっていいです! 葱:血は水であり、水は「バイブル=記憶)である。)

●裏を読むこと易からず濁り酒=十五
○資、茶、秋△ラ=7点
(資:濁り酒が効いている。 茶:易からずの分、お酒も進んでしまいますね。 ラ:確かに! しみじみ共感。)

●きちこうや千家の侘びに裏表=葱男
◎十○修△ま、水=7点
(十;裏千家と表千家。季語とも合っている。軽妙洒脱で手練れの方の作品。 ま:裏を、上手に使っておられますね。 水:意味は色々あって深い。)

●草原に大の字星の流れけり=裕
◎ラ○砂、ぼ=7点
(ラ:とても気持ちよさそう♪ ぼ:そう、至福のひとときと言えましょう。)

●天高く声裏返るチアガール=智雪
○や、裕△子、紅、し、雪=7点
(や:ああ青春の喜びに満つ。 裕:天高く声裏変える がいいです。  紅;季語とよく合っていると思います。 し:元気なチアガールが眩しい。)

●流星や螺鈿細工の硯箱=ラスカル
○村、茶△雪、ま、裕=7点
(村:季語と物がしっかり取り合わされている。 茶:取り合わせがよいと思いました。 ま:流星と螺鈿のきらきらが響き合って美しいです。 裕;螺鈿細工が星に見えるかも。)

●裏道の異界めきたる良夜かな=十志夫
○や、遊△清、葱=6点
(や:月が導く路地裏迷路ぞ。 遊:ワタシまでその場に引き込まれるような…。 清:何かおどろおどろしい裏道。若いころは毎晩酔っぱらってこんな感じで帰宅してました。)

●大学に裏口のあり桐一葉=水音
○始、朱△十、清=6点
(十;俳諧味あり。 清:ちょっと季語と離れているがこれもありか。 朱:社会詠なのかも知れないけど季語の選択が成功と思って頂きました。)

●八月の雲の裏よりエノラ・ゲイ=十志夫
○ス△久、五、香、葱=6点
(葱:なんちゅうことをしてくれるねん!!)

●八月の雲の裏よりエノラ・ゲイ=十志夫
○ス△久、五、香、葱=6点
(葱:なんちゅうことをしてくれるねん!!)

●流星は銀色の龍かもしれぬ=ラスカル ◎智○し△砂=6点 (智:そうかもしれない‥。 し:銀色の龍だと思います!!) ●裏返しのやうなTシャツ秋うらら=雪絵
○久、ま△ス=5点
(ま: こういうの私も持っています。秋うららが効いていますね。)

●秋灯下路地裏琉球料理店=雪絵
○水△遊、ス、朱=5点
(水:漢字ばかりのカチッとした見た目が秋です。食欲をそそります。 遊:作った時気持ちが良かったろうなぁ、押ししそうな匂いや音まで聞こえます。 朱:リズムが良いし、これが割烹料理店なら尽きすぎで採らなかったかなと。琉球料理店だから成功。)

●だるまさんがころんで星流れけり=資料官
◎遊○雪=5点
(遊:こんな風に楽しく、有無を言わせぬ俳句があるとはw 雪:(楽しくなりますね。)

●掌に流星一つ種の起原=清一
◎五△遊、茶=5点
(遊:納得。 茶:空に手を差し伸べている。そんな景が浮かびました。)

●寝袋からかほ出して待つ流星群=資料官
○ラ△砂、葱、修=5点
(ラ:「寝袋から」がリアル。 葱:山の冷気に包まれながら。)

●星飛んで交換日記の終りけり=十志夫
○資△ぼ、メ、葱=5点
(資:なぜだろうと想像が広がる。 ぼ:青春のひとこまか、それもまた人生と。 葱:儚い時間でした。)

●夢もまた命の一事星流る=やんま
○砂、白△秋=5点
(白:夢を命と---。)

●裏切りの言い訳一つ星流る=智雪
◎香△白=4点
(香:言い訳したい時もある、、。 白:心冷えながら。)

●神のタクト赤き軌跡の流れ星=水音
◎砂△や=4点
(や:運命はかく扉開らけり。)

●給油所の掘削跡や星流る=十五
○ラ、修=4点
(ラ:着眼点がユニーク。)

●流れ星願ひ事さぞ重たかろ=虹魚
◎水△し=4点
(水:流れ星側の事情を斟酌するなんて面白い目の付け所。 し:そう思います、たくさん願い事してます。(笑))

●法師蝉境内裏で奉仕する=メゴチ
◎子△始=4点

●惜しげもなく地球の民へ流れ星=虹魚
○村△ぼ=3点
(村:スケールの大きい句。 ぼ:天はまだ人類を見捨てていない。)

●かすめたる恋のことふと流れ星=ぼくる
△虹、雪、始=3点
(虹:一瞬の気の迷い?)

●九回の裏の終わりて涼新た=白馬
○雪△智=3点
(雪:きっと熱戦だったのでしょう。終わってふと涼しさを感じて・・。 智:ナイターの後の静寂と暗闇‥。 )

●銀漢や裏表なく生きて来し=ぼくる
○紅△や=3点
(紅;こう言い切れる人生は素晴らしいです。 や:単細胞のアメーバもどきよ。)

●廚うら母の凉みし風恋し=入鈴
○香△始=3点
(香:お母様の働く姿、ひっそりと休む姿が思われますね。)

●月灯り銭湯裏に猫の妻=朱河
◎ス=3点

●どつぷりと暮れし裏山虫の声=五六二三斎
○紅△葱=3点
(紅;私も裏山で詠みたかったのですが、できませんでした。まさにこの感じです。 葱:地球全体を「虫の土鈴」と詠んだ人もいたような。)

●廃線のアーチ橋梁星走る=資料官
○智△村=3点
(智:一幅の絵のよう‥。 村:文化遺産として大切に保全されているような。)

●初恋や月の裏にもゆけそうな=しゃが
△村、葱、秋=3点
(村:ロマンチックに舞い上がっている愉快さ。 葱:ゾゾタウンの社長に連れていってもらうのは嫌やけど(笑))

●星飛ぶよ飛ぶよ大草原の真夜=ぼくる
◎紅=3点
(紅;スケールが大きい。リフレインが効いてます。)

●流星や恋はどうして覚めるのか=朱河
△十、村、葱=3点
(十;本当にどうしてでしょうねぇ(笑) 村:そうですよねと同感。 葱:たいがいは結ばれると覚めますが、その後上手くいけば「情と愛着」が醸造されはじめます。)

●流星やますらをぶりの古墳群=茶輪子
○五△ラ=3点
(ラ:「流星」と「古墳」の取り合わせが魅力的。)

●流星を見てそれからの闇深し=やんま
◎村△朱=4点
(村:それからの措辞に深い心理が込められている。 朱:一物仕立ての写生句として素直に佳いなと思いました。)

●アラフィフの吾子の将来ながれ星=紅椿
△久、白=2点
(白: 未婚の---。)

●裏通り暗闇の中花火散る=淳一
○子=2点

●裏比叡色なき風の疾走す=清一
△葱、秋=2点
(こんな混乱の時代にも、修行僧は山を駆け回っている。人間の精神って不思議。)

●裏窓に佇むをんな赤のまま=葱男 ○久=2点

●十薬の匂ふ故郷の裏通り=砂太
△虹、裕=2点
(虹:何といっても命の源。 裕:小さいころ、十薬が結構匂ってました。)

●高崎発熱海行き電車星流る=スライトリ・マッド
△喋、修=2点

●溜息と言い訳一つ星流る=秋波
○清=2点
(清:世知がない憂き世関係なく流星は降る。

●通勤の路上熊蝉裏返る=香久夜
○ま=2点
(ま:少しコミカルでリアルで、裏返るがとても印象的で好きです。

●星飛んで七里ヶ浜のシーグラス=まさこ
○水=2点
(水:シーグラスは流れ星の残骸だったのですね。)

●身に入むや手背に裏返しのコイン=虹魚
○智=2点
(智:一か八か、ドラマのワンシーン‥。)

●裏返る声夕暮れの法師蝉=五六二三斎
△智=1点
(智:声裏返る程一心不乱に夏を鳴く蝉。)

●裏木戸を覆ふ朝顔風そよぐ=久郎兎
△資=1点
(資:さぞかし見事な朝顔,最近あまり見なくなった。)

●裏門にもたれ君待つ秋夕焼=紅椿
△喋=1点

●送り火や母の面影眼裏に=清一
△資=1点

●ひとの世の裏表知り盆の月=白馬
◎秋△砂=1点
(秋:作者の心情と季語の取り合わせに無理がない。)

●流星に願いのことば間に合わず=香久夜
△や=1点
(や: お金健康友達と羽。)

●流星や届くねんきん定期便=智雪
△裕=1点
(裕:ねんきんも流れ星のように消えちゃう?)

●流星や人気俳優移住せり=水音
△久=1点

●流星を歯牙にもかけず彷徨えり=始祖鳥
△香=1点
(香:アフリカの猛獣?)


B部門入選作〈back number〉

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