*B部門入選作発表*
B部門/『季:芙蓉』『漢:金』=全44句(入選32句)
【特選】
一席
●金箔の残る天衣(てんね)や天の川=雪絵
◎秋、君、白○メ、夏、前△喋、水=17点
(秋:穏やかな静寂。どこか温かいのがいい。 君: 夏:天衣に微かに金箔が残っているということは、逆にいえば相当年代を経た木彫なのでしょう。趣のある句。)
二席
●金箔を打ち伸ぶる音秋に入る=夏海
◎香○久、雪、ス△水、五=11点
(雪:こちらの金箔に脱帽です。 水:金箔の製造は金沢がほぼ100パーセントです。その音たるや凄い騒音です。この句はそういう音を詠んでいるのですか? 五:金箔細工士の秋。仕事も頗る順調そうだ。)
二席
●弟の還る気配や花芙蓉=砂太
◎水、五○白△久、雪、ス=11点
(水:弟を思う気持ちをはかない芙蓉に託しているところに惹かれます。 五:弟さんは亡くなったのだろう。雰囲気のある佳句になった。)
二席
●新涼や経を写すに金の文字=夏海
◎雪○水、秋、前△二、資=11点
(雪:新涼との取り合わせに、写経と金の文字は見事です。 水:金文字の滑らかさや艶が秋と呼応するのでしょうね。)
二席
●花蜜の苦くもありぬ紅芙蓉=葱男
◎久、前○五、百△秋=11点
(五:芙蓉の蜜は苦いの?試してみよう。まさか、毒じゃないよね?)
【入選】
●紙芝居残り一枚酔芙蓉=五六二三斎
◎喋、資○秋△二、砂=10点
(資:紙芝居の読み手と酔芙蓉のピンクに萎んだ姿が妙にマッチしている。)
●金秋の孤独宙よりあふれけり=葱男
◎メ、ス○砂△雪、夏=10点
●金管は頬ふくらませ星祭=雪絵
◎夏○葱、白△水、秋=9点
(夏:七夕祭りのコンサートでしょうか?見過ごしがちな場面を切り取っていることに関心しました! 葱:「頬ふくらませ」が若々しくて、そのまま好感をもったまま「星祭」につながりました。)
●金沢の金の茶室や秋暑し=水音
○葱、砂、雪△久、喋=8点
(葱:季語とうまくまとまった感じ。 雪:確かに金の茶室は暑そう!)
●白猫の金目銀目や秋涼し=スライトリ・マッド
◎砂○夏△葱、メ=7点
(夏:左右の目の色の違う猫、たまに見かけます。それにしてもお題の「金」からこの句が生まれたのが素晴らしい。 葱:色がたくさん出て来るけど、白ネコならなんだかゆるせる。)
●天金の句集を開く秋初め=スライトリ・マッド
○水、君△雪、五、白=7点
(水:豪華な装丁の句集が似合う秋。 五:俳句の秋。まだ勢いがある。)
●日本画のをみなふつくら紅芙蓉=雪絵
◎葱○百△君=6点
(葱:線が美しい、日本画の女性は。特に鏑木清方と上村松園が好きだけど、ふっくらとしてるのは鈴木春信でしょうか?)
●金色の光子集めて秋立ちぬ=白髪鴨
○メ、香△秋=5点
●金の風両手に優しき文庫本=君不去
○喋△百、資、白=5点
(葱:☆「両手」がいい。)
●白金の子ら消えし路秋の風=前鰤
◎百○久=5点
●チョロQのゴジラ火を吐く花芙蓉=夏海
○君△葱、砂、メ=5点
(葱:取り合わせの妙ですね。)
●夏期保育くびに銘々金メダル=秋波
◎二△ス=4点
●酔芙蓉踊りはてたる山の町=水音
○ス△資、香=4点
●塀越しに夢想の果ての芙蓉かな=秋波
○五△百、前=4点
(五:芙蓉は庭の塀からそっと顔を出している。何年か前、近所の意地悪おばさんから道にはみ出しているから切るように注意されたことがあった。大きくなりたいと願ってみても、はかない夢の芙蓉だ。)
●雷雨過ぎ不知火海の金の雲=喋九厘
○香△久、君=4点
●ささやかな祝いめでたや金絲草=五六二三斎
△喋、夏、君=3点
●驟雨にもパステルピンクの芙蓉哉=秋波
○資△百=3点
(資:そうなんです私が今年見た芙蓉はパステルピンク。)
●酔芙蓉夕べのことは聞かないで=資料官
○喋△白=3点
●芙蓉咲くフランスパンのBLT=白髪鴨
○資△ス=3点
(資:昼下がりの遅いランチョン。漢字カタカナアルファベットの組み合わせの妙。 葱:☆これも「取り合わせの妙」。)
●古本カフェ開店まぢか金の秋=葱男
○二△夏=3点
●金印の島に黄金の西日さす=資料官
△二、香=2点
●人吉の地蔵飾りて酔芙蓉=喋九厘
△五、香=2点
(五:人吉のお祭り?盆地は暑いかな?季語にぴったり。)
●芙蓉咲く解体ショーのピアノかな=スライトリ・マッド
○二=2点
(葱:☆これも「取り合わせ」が面白い句。)
●ペティキュアの金のひかりや芙蓉咲く=白髪鴨
△二、前=2点
●悠然と大和の気品花芙蓉=五六二三斎
△葱、前=2点
(葱:花の日韓戦は芙蓉と槿のどちらに軍配があがるか?)
●遠来の酒夫と酌む紅芙蓉=君不去
△砂=1点
●酔芙蓉ほんのり変わる夕間暮れ=ひら百合
△メ=1点
【無選】
●底紅やクレオパトラに老いはなし
(資:面白いけど木槿と芙蓉は同じアオイ科ですが違います。)
●庭の隅ハグロトンボに木芙蓉
(資:やはりオハグロトンボとかオハグロと表現するのでは。)
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