*B部門入選作発表*
兼題『季語:穴惑ひ』『漢字:竹』=全79投句(入選64句)
【特選】
一席
●新蕎麦や竹の割り箸竹の猪口=資料官
◎秀、村、子、十○紅、香△砂、ラ、ぼ、ぶ、し、修、裕、弧=24点
(秀:おいしそう!!! 村:リズム、俳味あり、竹のリフレインもよく美味しそう。 紅:絵柄がはっきりしていて、とても美味しそうです。 香:竹という兼題漢字でしたが、新蕎麦にピッタリ! ラ:リズム感のよいところが好きです。 ぼ:いかにも旨そう。 ぶ:誘われているような。 し:蕎麦が食べたくなります。 修:贅沢だね! 裕:新そばが香ってきます。)
二席
●竹尺に母の旧姓ひがん花=紅椿
◎資、修、喋、秋、香○や、ぼ△葱、ぶ、ス=22点
(資:昔の人はものを大事にしていた。ふと見つけた母の旧姓,季語が効いている。 修:自分を産む前、娘時代の母。ひがん花で生々しさも感じない。 秋:私の実家にも年代物の竹尺があります。 香:旧姓ということで、その年代を感じさせます。よく見つけられましたね。ひがん花とかな書きです。季語を優しく控えた感じで詠まれたのでしょうね。 や:手書き家系図細々続く。 ぼ:しみじみと追憶、彼岸花が効いてます。 葱:類句はありそうですが、「旧姓」にはキュンとしてしまいます。 ぶ:私の家を覗き見られたかのように驚いたw)
三席
●かけつこの曲遠くより穴惑ひ=修一
◎ぼ、雪、入○砂△虹、ラ、ぶ=14点
(ぼ:とろいものへの応援だ。温かみある句。 雪:いかにも「穴惑い」らしからぬ、「穴惑い」でした。 虹:動静の対比の上手さ。 ラ:速いリズムと、遅いリズムの対比ですね。 ぶ:運動会の季節がなまなましい。)
【入選】
●みどりごの握る強さよ竹の春=まさこ
◎清、裕○砂、茶、淳、△し=13点
(清:みどりごの生命力と真っ直ぐな青竹の生命力が一句の中で調和している。 裕:竹のようにどんどん育つ赤子が頼もしい。 茶:「みどり」と「竹」、「強さ」と「春」こちらも重層性がよいと思います。 し:季語がとても効いていると思います。)
●穴惑ひ暫し夕日を背負ひけり=虹魚
◎紅、淳○ラ、資△久、秋=12点
(紅:秋の蛇ならではの句だと思います。こんな蛇なら見てみたいです。 ラ:「暫し」という一語が、よく利いています。)
●古民家の土間のうねりや穴惑=雪絵
◎ラ○虹、村、修、ス△久=12点
(虹:土間のうねりとの取り合わせの妙。 ラ:「土間のうねり」が、蛇のうねりと響き合っています。 村:ひんやりとした暗さの存在感。 修:土間の土の湿りや光り、昔はふつうにあったけど。)
●穴まどひ四時から開く立ち飲み屋=資料官
○や、葱、白、五△村、ぼ=10点
(や:ワンコイ ンでもOKです。 葱:四時というのが一番迷いますね、五時過ぎたら即、立ち飲みです。 白: さて、入ろうかどうしようか。 村:たぶん入って一杯か、長居はしないかも。 ぼ:ははは、待ち切れずうろうろ。)
●草の香やコツリと戻す竹柄杓=葱男
◎砂○ぶ△や、子、ま、香、十=10点
(や: どこかで秋の声が囁く。 ぶ:音が立っている。茶室での一期一会か。 ま:視覚、臭覚、聴覚が刺激され、 田舎の神社の景が鮮やかに浮かんできます。 香:コツリと、で石の硬さ、冷たさがわかります。)
●シャンシャンといふ名に決まり竹の春=ラスカル
◎葱、白△紅、雪、香=9点
(葱:時事句は何かと地球規模の暗い世情を取り上げがちですが、見事にタイムリーなニュースを捉えて清々しい句を成立させています、流石!と思わせられる俳句です。 白: パンダの赤ちゃん。元気で育ってね。 紅:タイムリーです。季語もよく考えていますね。 雪:おめでとうございます! 香:パンダということばを出さずに、まとまってていいですね。)
●筮竹の鳴る音に霧深まりぬ=ラスカル
○清、葱、村、ぶ△資=9点
(清:占いに使う竹が鳴って結果が分かるまでの間に霧が深くなる。 葱:感覚的な句、今時の占い師は筮竹なんぞ使わないのでしょうが、そこに文学性を感じます。 村:都会の街角の夜のさみしさ、不安感。 ぶ:その通りだなと思ふ。)
●竹林を渡りきりたる月の船=紅椿
◎し○子△虹、白、ぼ、茶=9点
(し:ロマンチックで美しいですね。渡りきりたるというのが素晴らしい。 虹:夜通し巡行するんですね。 白: 何時間も見つめていた。 ぼ:水墨画の世界、「舟」の方がいいかな。 茶:月を船に見立てた着想がよいと思います。)
●運針のリズムのごとく蛇穴に=十志夫
○秀、紅△葱、雪、ま、五=8点
(秀:チクチクと蛇が穴に入っていくなんて、ちょっとおもしろい。 紅:「運針のリズムのごとく」が新鮮です。 葱:坦々と淡々と。 ま:蛇の様子をうまく表現されています。)
●戒めを解いてまた巻く穴惑ひ=ぶせふ
◎メ○十△香、ス=7点
(香:迷う姿がよく表われているとおもいます。)
●期限切れの引換券や穴惑ひ=まさこ
○久、十△清、茶、喋=7点
(清:冬眠の用意でもたついている間に期限切れになったのだろうか。 茶:私事ですが、毎月必ず何かしらが期限切れとなっています。人としての賞味期限もいずれ。そんな想像がふくらみました。)
●爽やかな風のかたちや竹人形=清一
◎ぶ○秀△子、十=7点
(ぶ:(職人芸にふれた俳人の戦慄。 秀: 納得。)
●穴惑ひ更地となりし体育館=香久夜
○清、雪、裕=6点
(清:更地になり蛇の縄張りが増えたようだがいずれそこには新たな建物が建つだろう。 裕:空き地に蛇がいる、じっと見入る光景です。)
●穴惑ひ返事のこない頼み事=しゃが
○ま、喋△清、十=6点
(清:冬眠の準備で忙しく返事が来ないのだろうか。 ま:もどかしい思いが季語と合っていてよく伝わってきます。)
●穴惑まだ居てもいいかも知れぬ=弧七
◎ま○し△秀=6点
(ま:この優しい視線がご自身の周りに向けられていると感じました。私もこうありたい。 し:状況は分かりませんが心情は分かる気がします。 秀:この場合、季語を下5に持ってきたほうが、リズムがいいのになんか、理由があるんですかね。)
●竹の春首にたつぷり化粧水=まさこ
◎五△葱、白、雪=6点
(葱:たつぷり、が効いています。断言君、暴言君は俳諧師。 白: 私だって華やぎたい時もあります。 雪:竹のような長い首?気になるところは同じです。)
●竹林に埋もるる墓つづれさせ=修一
○喋、秋△紅、五=6点
(秋:鄙びた日本の風景! 紅: 目に浮かびます。季語に虫の声をもってきた所も秀逸です。)
●町内が我がテリトリー穴惑ひ=秀子
○久、ま、修=6点
(ま:ちょっと切ない、ユーモアのあるお句ですね。 修:諧謔味いっぱい。老境のわけしり顔の穴惑い。)
●就活のよく似た服や穴惑い=白馬
◎ラ△や、砂=5点
(ラ:現代世相を風刺しているような感じがします。 や:人事尽くして天命を待つ。)
●竹筒を鼻迎へゆく今年酒=十志夫
◎茶△砂、紅=5点
(茶:酒好きの小生としては喉の鳴る景です。ただ、新走は竹の香を移さず、新米の香りを楽しみながらいただきたいとは。 紅:中七がいいですね。)
●秋日和じいじの手になる竹とんぼ=秋波
◎や△茶=4点
(や:孫と遊ぶがじいじの極楽。 茶:孫につくってあげられる「じいじ」は少なくなって行くのでしょうが、それだけに貴重なほほえましさを感じました。)
●穴まどひ足の欲しくば竹の馬=砂太
◎久△喋=4点
●穴惑いあたしゃ百まで恋します=ぼくる
○白、入=4点
(白:ま だまだ入りませんよ。)
●云ふまいぞせんなきことは穴惑ひ=秋波
○淳、香=4点
(香:日々葛藤することを、うまく詠まれていると思います。)
●竹の春自分のことはわからない=ぶせふ
◎ス△修=4点
(修:終りに近づかないと…。)
●竹藪は風生みつづけ秋思なほ=秀子
○し△虹、久=4点
(し:風情があって素敵な句だと思います。 虹:命の弛みなき継続。)
●踏み入れば青き暗がり竹の春=雪絵
○資△メ、裕=4点
(資:青き暗がりが良い。 裕:青き暗がりが面白い。)
●穴惑ひアリスの影を見失ふ=葱男
△秀、ぼ、五=3点
(秀:俳人って、アリス好きが多いですよね。 ぼ:面白い。俳句による迷宮。)
●穴惑ひ舌は炎となりにけり=ぶせふ
◎虹=3点
(虹:ゴジラが火を噴くような。圧巻。)
●会へずして沼銀に竹の春=入鈴
◎弧=3点
●寒村の学校の鐘竹の春=茶輪子
○裕△清=3点
(裕:寒村と青い竹の対比が寂しさを増幅する。 清:全校児童11名教師1名の二十四の瞳のような小学校の回りの竹林。)
●伎芸天ほほえむ庭や穴惑ひ=修一
○ぼ△秋=3点
(ぼ:天女と蛇の取り合わせ、技芸天なればこそ。)
●竹竿のぴくぴくびくん秋高し=茶輪子
△村、淳、修=3点
(村:楽しく開放的。 修:秋高しはおおらかな世界。祖父の時代には夜這いの習俗があったそうです。)
●天空の雲の変幻穴惑ひ=やんま
○雪△メ=3点
(雪:いつまでも眺めていたくなる、そんな雲ですね。)
●墓参り石の温もり穴惑ひ=久郎兎
○メ△白=3点
(白:ご先祖さま、一度出てこられたのかな?)
●詫びること日に八つづつ穴惑=弧七
○秋△入=3点
(秋:八つという具体性が効いています。それにしても8回は多すぎない?)
●穴まどひ追ふ夕暮や杖を振り=砂太
○弧=2点
●ざわざわとおしゃべり好きな竹の春=メゴチ
○五=2点
●市役所の苦情窓口穴まどひ=紅椿
△秀、入=2点
(秀:ちょっと理屈がみえてしまいましたが。)
●深海のサーチライトや穴惑ひ=十志夫
○ス=2点
●竹垣のほつれ目秋の蚊のひよろり=秀子
○茶=2点
(茶:「ひよろり」は微妙な感じもしました。擬態語じゃない方がいいのかなと。あと竹垣の場合「ほつれ目」がなくとも蚊のサイズなら通られるのではとも。「目」を「や」にするとよいのかとも。いろいろ考えさせられていただきました。)
●竹伐りて枝打ち払い天を突く=白馬
△し、喋=2点
(し:勢いがあっていいですね。)
●竹筒に野菊一輪骨董屋=雪絵
△ラ、村=2点
(ラ:下五の展開がユニークです。 村:いかにもという感じで野菊がぴったり。)
●竹取の姫さま天へ蛇は穴へ=ぼくる
○虹=2点
(虹:わが師、渚男を彷彿とさせる好句。)
●竹林に光る名月かぐや姫=喋九厘
○子=2点
●竹林を曲がれば岬月明かり=久郎兎
○メ=2点
●はんなりと風と戯る竹の春=清一
△メ、淳=2点
●ベルギーの友の庭にも竹の春=しゃが
○弧=2点
●夕冷えや竹輪麩なるもの知らざりき=秋波
○入=2点
●秋彼岸竹林抜けて銀の道=喋九厘
△子=1点
●穴惑ひ後姿に愁あり=ぼくる
△淳=1点
●穴惑ひ駅まで行って引きかへす=弧七
△資=1点
●穴惑ひ希望の風の吹く方へ=五六二三斎
△ス=1点
●穴まどひにも速さあり思ひあり=砂太
△秋=1点
(秋:ちょっと理屈っぽいけど蛇を観察すればその通りですね。)
●新涼や竹籠を編む白き指=ラスカル
△弧=1点
●竹伐るや我が家に生れよかぐや姫=葱男
△入=1点
●竹の春揃いて清き大徳寺=白馬
△資=1点
●竹輪焼きホロ酔い加減の秋の海=喋九厘
△裕=1点
(裕:竹輪焼きで一杯、秋を惜しむ いいですね。)
●手入れせし裸の庭に穴惑ひ=虹魚
△弧=1点
●土手は今万華鏡なり穴惑ひ=やんま
△ま=1点
(ま:万華鏡という比喩が素敵です。)
●名前入り竹の孫の手敬老日=資料官
△や=1点
(や:当方は紅白饅頭、松竹梅の方が、、、)
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