*B部門入選作発表*
兼題「初蝶」「草」*全63投句(入選46句)
【特選】
一席
●初蝶や少女の髪を切り揃へ=まさこ
◎十、紅、前○砂、資、香、満、二△雪、白=21点
(十:新一年生なのだろうか。季語の初蝶と相まって少女の初々しさと親の喜びが表現されている。 紅:今回、「初蝶」の句がどれも素晴しく、感激でした。中でもこのお句は清潔感があって、季語ともうまく合っていて好きでした。 満:可愛い句。おかっぱ少女が浮かびました♪)
二席
●絹糸をはじけば初蝶ふるへをり=水音
◎メ○久、夏、ま△阿、二=11点
(久:絹糸を弾く状況がよくわかりませんが初蝶の弱々しさが表現されていて良いです。 夏:絹糸は楽器の弦?いや縫物の時に絹糸をピンと弾く動作か?振動と音を感じる句。 ま:繊細で素敵です。ただ、はじけば〜が気になります。 阿:この絹糸は三味線の糸でしょうか。)
三席
●初蝶来鷹の字太き句碑の上=砂太
○十、水、百△資、雪、二、ス=10点
(十:猛禽を象徴するかのように太く刻まれた「鷹」の文字と、ひらひらと舞う蝶の姿の取り合わせが見事。 資:ありきたりかも知れませんが句碑と蝶の組み合わせは納得感がある。鷹は芭蕉か誓子か。 ス:石碑の句は有名な句なのでしょうか?!)
【入選】
●スカートのフリルひらひら初蝶来=ラスカル
◎砂、阿○ス△五=9点
(阿:しりひっからげてつんのうていこうごたる。 ス:フリルとチョウが合っている。 五:春らしい明るい出来映えになった。)
●初蝶のモールス信号受け取りぬ=白髪鴨
◎ス○十、二△葱、メ=9点
(ス:ハルガキタと知らせているのでしょう。 十:蝶が発する電磁波の存在に妙に納得。ただし下5の「受け取りぬ」が少し緩く感じる。蝶の発するモールス信号を形容した方がよかったかも。 葱:なんらかの形で蝶とコミュニケーションがとれた、ということですね!)
●初蝶や洗車の飛沫きらきらと=ラスカル
◎ま○葱、雪△十、百=9点
(ま:とても美しく好きです。何か良いことありそうな! 葱:感覚的に鋭いものを感じました。 雪:初蝶のまぶしさが水の飛沫のまぶしさへ・・。 十:飛び散る水の輝きと初蝶の取り合わせが美しい。)
●薬草を二枝入れよと春レシピ=スライトリ・マッド
◎夏、百○白△水=9点
(夏:冬の間に貯めこんだ体内の毒を排出するレシピでしょうか。いかにも春らしい。)
●草餅や澄み渡りたる鳶の笛=紅椿
◎香○水、君△喋=8点
●初蝶の十五線譜を渡りけり=葱男
◎喋、白△メ、君=8点
●目鼻立ちとれし地蔵や草朧=雪絵
○五、喋、君△久、ま=8点
(五:草朧と地蔵の取り合わせがいい。草朧は4月の季語の早詠みなので減点。惜しい。 久:可哀想だが、これも自然なのかな? ま:格調高いお顔に思わず手を合わせたくなりますね。)
●日本画の余白の如く草萌える=秋波
◎満○メ△資、ラ=7点
(満:震災で、どんなに沢山の方がなくなっても、春は同じように来て・・・。再生と別れ。絵をかいていたこともあってキャンパスや画用紙は人生を表している様にとっています。資:日本画の大きな余白と捉えたところが良い。 ラ:情緒豊かな「草萌」ですね。)
●初蝶や声弾ませて地図広ぐ=秋波
◎ラ△夏、紅、二、白=7点
(ラ:これから始まる、旅への期待感が感じられます。 紅:春が来た喜びが随所に感じられます。)
●草青み少年の城出来上がる=夏海
◎葱○紅△香=6点
(葱:「少年の城」とは暗喩なのか、それともプラモデルのようなものなのかはわかりませんが、「少年の世界観」の象徴でもあります。大人の階段を上ってゆくのでしょう。 紅:私も「草青む」と「城」で、詠もうとしたのですが、出来ませんでした。中七が何ともいいですね。)
●雑草の根つこ長々鳥帰る=紅椿
◎雪○ラ△香=6点
(雪:長い根っこと鳥の長い列が響きあっているような。 ラ:取り合わせの妙を感じます。)
●スコップの泥を落とせば初蝶来=紅椿
◎二○ラ、雪=6点
(ラ:春の季節感に溢れています。 雪:何の因果関係のないおもしろさ。きっと紋白蝶かな?)
●手を握る母子ランナー春の草=雪絵
◎君△十、ラ、ま=6点
(君:母子ランナーはきっと小さい子と若いお母さん。 十:最近は市民マラソン花盛り。順位は関係なく、母子でのんびりと。 ラ:「母子ランナー」を詠んだ句は、初見です。 ま:春の草と合っていて、微笑ましいです。)
●初蝶よ村を見渡す峠まで=五六二三斎
◎久○ス△阿=6点
(久:初蝶の道案内、最高ですね。何かの物語のような感じです。 ス:郷愁を感じる句。ところでチョウの行動範囲はどのくらいあるのでしょう?阿:旅立つのかな。春ですね。)
●あくがるる魂の行方や初の蝶=君不去
○メ、満△阿=5点
(満:燃える春でもありますね、新芽がぶわぁ〜っと勢いづくのを隠している季節。初蝶が舞い穏やかだけど…。 阿:春の息吹を感じます。)
●手話語る円座の中へ初蝶来=ラスカル
◎資△前、ス=5点
(資:手話も初蝶も視覚の世界。この優しさのあふれた組み合わせに共感しました。 ス:チョウもやってきて語っているようです。 葱:☆やや作為的な感じもしますが。)
●その瞳のキャッチライトには初蝶=夏海
◎水○砂=5点
●まぼろしの邪馬台国や初蝶来=水音
○葱、香△砂=5点
(葱:歴史ロマンの彩りに蝶は美しい!)
●言い訳は薄っぺらくて草の餅=君不去
○夏△喋、白=4点
(夏:言い訳と草餅の繋がりは理屈では判らず!でも、不思議に合います!!)
●薄紅の草履一足花の宴=五六二三斎
○資△雪、前=4点
(資:上も下も華やかですね。)
●草の名をくりかへしつつ草摘めり=水音
○百△葱、久=4点
(葱:うまい! これが俳句。 久:老人の繰り言なのでしょうか。それともここは一つ真剣に覚えてみようとのことかな?)
●春光や草の座蒲団凹みをり=スライトリ・マッド
△紅、資、香、ラ=4点
(紅:草の柔らかさが伝わってくる春らしいお句です。 資:座った跡の凹みをうまく表したのでしょう。 ラ:猫が寝ていた跡でしょうか〈笑〉)
●菜の花にタッチの初蝶芯逃す=久郎兎
○喋、前=4点
●初蝶はをみなごに添ふ耳飾り=夏海
△五、水、二、百=4点
(五:初蝶の可憐さをうまく詠んでいる。)
●草臥れてあまねく春の果てにけり=十志夫
△紅、メ、百=3点
(紅:兼題「草」をこんな形で使っていただき、出題者冥利につきます。 葱:☆静かな共感を憶えます。)
●草木瓜のくるくる丸い笑顔かな=満癒姫
△砂、喋、君=3点
●年ごとに一日会ふ人草萌える=まさこ
○白△砂=3点
(葱:同窓会かなにか?)
●初蝶のふとあらはるる草千里=資料官
○阿△君=3点
(阿:のどか。そういえば春休みを利用して倶楽部で阿蘇の国立青年の家で合宿した。)
●初蝶の見えざりしもの越え行かむ=十志夫
○五△ス=3点
(五:深い句になった。 ス:チョウの眼に世界はどう映っているんでしょうかね?!)
●初蝶や沖にま白き大き船=まさこ
◎五=3点
(五:初蝶と白い大きな船の対比。スケールが大きい佳句。)
●初蝶や時を忘るる子のやうに=雪絵
○紅△満=3点
(紅:うまいですね〜!まさに初蝶。 満:柔らかな優しい句。)
●草むらに寄れば土筆の盛りなり=香久夜
○久=2点
(久:昔、土筆の群れを見ましたが、根元には馬糞がありました。自然のサイクルですね。)
●草餅や命からがら夢を見る=喋九厘
△夏、満=2点
(満:喉につまったのかしら・・・と笑みがこぼれました。)
●校庭の四隅かぐはし草の夢=葱男
○阿=2点
(阿:のどか。)
●初蝶や命受け継ぎ舞ひ初めぬ=喋九厘
○前=2点
●初蝶やちびっ子力士が四股を踏む=秋波
△十、ま=2点
(十:初蝶からすると神社の奉納相撲か。痩せ細った体のふんどし姿で懸命に四股を踏む姿が愛らしい。 ま:蝶がぴったりですね。)
●浅草や詰襟の列うららけし=十志夫
△五=1点
(五:浅草は何時でも修学旅行で溢れかえっている。うららけしが決まっている。)
●摘草や老ひし母親若がへる=メゴチ
△満=1点
(満:春・恋は若返りの秘訣かも♪)
●解けてのち花顕はるる雪間草=ひら百合
△久=1点
(久:雪と花が同時期にあるのでしょうか。興味あります。)
●初蝶一緒に舞う君ゆかい=満癒姫
△葱=1点
(葱:愉快、愉快!)
●初蝶やメキシコ湾を越える頃=ひら百合
△夏=1点
●ベビーカーの子犬誉めるや草若葉=砂太
△水=1点
●花に舞う初蝶のごと咲くや散る=阿Q
△前=1点
【無選】
●草餅を調子に乗つてもう一つ
(葱:☆素直でよろしいが、カロリーオーバーには注意しましょう!)
●踏青や素足に草の弾みをり
(葱:「季違い=素足=夏」が気になります。)
●初蝶来モンキモンシロツマキチョウ
(五:☆蝶マニアとして採りたい句。資料官さんの句だろう。)
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