*B部門入選作発表*
兼題『鼬』『漢字:正』=全84投句(入選59句)
【特選】
一席
●正月の顔して座るペルシャ猫=清一
◎雪、ま、葱○遊、虹、水、し、秋△十、砂、ぼ=22点
(雪:どんな顔でしょうかね? 葱:そう言われれば、そうとしか見えません、「正月の顔!!」ま:わかる気がします。きっと猫も感じ取っていることでしょうね。 遊:ごもっともでございます。 水:端正なペルシャ猫ですが、お正月はもっと端正なんでしょうね。 し:どんな顔か分かる気がします。ペルシャ猫がいいですね。 秋:ペルシャ猫に納得。正月の顔とは言いえて妙。 ぼ:いかにも、いかにも。 十:ペルシャ猫の凛々しい様子が伝わってきます。)
二席
●正体は誰も知らない雪だるま=メゴチ
◎清、始○遊、水、葱△智=13点
(清:謎めいた正体不明の雪だるまそれに託した表現が面白い。 遊:ご尤もで御座います。 水:そこまで考えたこと無かったけど、確かに知らない。 発想が面白い! 智:通りにポツンと溶けかけた雪だるまが見える。)
三席
●熱燗や妻の正論躱しつつ=ぼくる
◎砂、し○ラ、ま△雪、裕=12点
(し:可笑しいですね!! ラ:やはり、正論は躱したいところですね(笑) ま:目に浮かびます、きっと奥様は正しいでしょう。 裕:身につまされます。)
三席
●鼬にも逢瀬ありけり月の坂=朱河
◎資、ぼ○虹△入、茶、メ、裕=12点
(資:影絵の世界を見るような光景。 ぼ: そう、世界はロマンに満ちている。
虹:営みはあちらこちらで盛ん。 茶:「坂」とした点にいただきました。絵になりますね。 裕:いつごろでしょうか?)
【入選】
●すっぴんの軽き鼾や小正月=やんま
◎茶○雪、ぼ△資、砂、ス、裕=11点
(茶:落語の一場面のようで、微笑ましいです。 雪:そばで見守る夫の愛を感じますね。 資:面白い。 ぼ:ははは。 裕:最近はこういう光景は減ったかも・・・)
●空向いて猫背正せり冬帽子=やんま
◎智○清、し△ラ、入、秋、ぼ=11点
(智:トントンと後ろ手に腰を叩く老翁の姿が目に浮かぶ。 清:普段猫背に気が付かないがふとしたことで気にし出した詠者。 し:冬帽子が効いていて情景が良く分かります。 ラ:晴れ渡った冬空が見えます。 秋:信号で止まった時とか自分でもやってます。日常の何気ない光景をうまく切り取っていると思いました。 ぼ:はい、後期高齢者みな同じなのです。)
●女正月ていねいに取るしつけ糸=雪絵
◎久○智、香、五△水、朱=11点
(智:正月忙しく立ち働いて、やっと晴れ着を着るのだろうか。慎ましくきちんとした暮らし。 水:母の生きた時代のよう。)
●一瞬にして残像となる鼬=葱男
◎虹、紅○清△水、智=10点
(虹:勢いを肌で感じるような佳句。 紅:鼬は三度ほど見た事があります。まさにこんな印象でした。 清:素早い鼬の動きに残像のみ写る。 水:たしかに。 智:すばしっこさの描写が見事。)
●をんな湯にこゑの弾ける女正月=清一
◎朱○メ、裕△十、香、葱=10点
(朱:女正月に銭湯を持ってくるとは面白い。取り合わせの愉しさ。 裕:板塀越しですかね。 十:新年二日の初湯の景。洗い桶の音まで聞こえてくるよう。 葱:女性が屈託なく笑っていられる国にしたいですね!)
●正妻に猫を迎へし御慶かな=葱男
◎喋○水△入、修=9点
(水:猫ちゃんと二人暮らしということですか。猫にかしずいている? 修:う〜ん何とかさんの「百物語」みたい。)
●初富士やどこから見ても真正面=十志夫
○ラ、智△雪、修、ぼ、葱=8点
(ラ:初富士への讃歌ですね。納得です! 修:大発見てす!! 智:富士山はどこで見てもおめでたい。 ぼ:そう、富士は最高です。 葱:表も裏も右も左もさかさまも!)
●躙り口正座の膝の冴え返る=まさこ
◎秋○資△遊、清=7点
(秋:膝で感じる冷気。実感です。 資:下五の冴え返るが良いですね。 遊:いつもなら特選に頂きたいくらい、今月ばかりで・・・ 清:茶室でのよくある体験。)
●雪国や鼬横切るローカル線=資料官
◎裕○修△雪、始 =7点
(裕:この光景、とてもいいです。 修:風格あり。風景がよく見えます。)
●鼬ではないかも知れぬ横切りぬ=雪絵
◎遊○入△=6点
(遊:とぼけていて驚くような正確で余韻のある句)
●正絹をもて荒星を磨きけり=ラスカル
◎十△ス、喋、水=6点
(十:視覚、触覚を駆使したオシャレな一句。 )
●卓に伸ぶ正午の光春隣=まさこ
◎修○雪△メ=6点
(修:静かな明るいリビング。)
●にょろにょろにちょっと似てゐる鼬かな=しゃが
◎ラ○ス△久=6点
(ラ:あはは☆ 面白〜い! 類句は一切無いでしょう!)
●八百万の山々正す淑気かな=葱男
○虹、朱△ラ、五=6点
(虹:古風だが俳句らしい俳句。 ラ:スケールの大きさに惹かれます。)
●狐は神鼬は妖怪とやぬぬぬ=ぼくる
○砂△十、茶、香=5点
(十:兼題季語「鼬」に皆さん苦労したようですね。 茶:「坂」とした点にいただきました。絵になりますね。)
●タピオカよりつぶらなものは鼬の目=秋波
○紅、ぼ△始=5点
(紅:本当に鼬の目はつぶらです!タピオカと比べたところが新しい! ぼ:なるほどタピオカねえ。面白い。)
●夕暮れの後ろの正面鼬影=水音
◎メ△遊、修=5点
(遊:おそろしや・・・ 修:こわ〜い。意外と街中でもいるらしいですが。)
●板の間に正す背筋や寒日和=紅椿
○メ△茶、清=4点
(茶:凛とした空気が伝わってきます。 清:寒い日板の間に立って思わず背筋を伸ばす。)
●恵方向く子等みな背筋正しうす=十志夫
○香△資、紅=4点
(資:家族で恵方巻をくわえる微笑ましい風景。 紅:恵方巻を食べている子供たちがうまく詠まれています。)
●神様のご加護と言いて寝正月=裕
○朱△砂、喋=4点
(朱:こういう呑気なとぼけた句も好きです。)
●銀の鶴折り目正しく小正月=秋波
○喋△清、朱=4点
(清:折り鶴とは小正月らしい仕草。)
●正客を模する作法や笹子鳴く=紅椿
○十、茶=4点
(十:ユーモラスでいかにもありそうな茶会風景です。 茶:まだ不慣れなのだけれど一生懸命な様子が浮かびます。取り合せがいいですね。)
●正の字を書き足してをり初句会=まさこ
○久△十、朱=4点
(十:新年点景句会の一喜一憂が伝わってきます。)
●正座して肘のあひづち春浅し=茶輪子
○砂、喋=4点
●正式なルールは知らず雪合戦=ラスカル
○葱△し、秋=4点
(葱:競技としての「雪合戦」があると聞きましたが、いったいどんなルールなんでしょう?? し:そう言えば私も知りません。 秋:楽しげな情景。歓声まで聞こえて来そう。)
●ぬすっとの毛並み正しき鼬かな=入鈴
○久△五、葱=4点
(葱:頬被りが似合いそう!)
●屁の用心二本足立ちする鼬=資料官
◎五△秋=4点
(秋:川柳的ですけど面白い。)
●六道の脱兎の如き鼬かな=始祖鳥
○資△虹、し=4点
(し:六道の脱兎が分からなかったのですが惹かれました。)
●甘辛く煮たる鶏置く鼬罠=五六二三斎
○十△し=3点
(十:見たコトはありませんが、リアル。 し:なんだか美味しそうな罠ですね。)
●鼬の眼光るシリウスカノープス=智雪
◎香=3点
●鼬守る爺守る畑の水路かな=茶輪子
◎入=3点
●着膨れし正眼の父若き侭(ママ) =朱河
○裕△メ=3点
(裕:歳を重ねてもこういう人いらっしゃいますよね)
●ジオラマの小さき正月日脚伸ぶ=十志夫
◎ス=3点
●正客の作法あやしき初茶湯=水音
○紅△香=3点
(紅:「あやしき」に俳諧味がありますね。)
●夢うつつ鼬のしっぽ見たやうな=秋波
○ま△紅=3点
(ま:なかなか見ることのできない鼬、リアルな景です。 紅:一瞬の出来事!)
●うるさいゾ屋根裏走る鼬ども=喋九厘
○五=2点
●境内をはたまた庫裏をいたち逃げ=紅椿
○始=2点
●政治家の言ふ正論や寒波来る=ラスカル
△ス、ま=2点
(ま:まさにその通りですね,寒さ厳しいですね。)
●天井を走る鼬の母の里=砂太
○入=2点
●寝静まる側溝一転鼬の世=香久夜
○茶=2点
(茶:中七の瞬発性、フレーズの小気味好さにいただきました。)
●正夢か逆夢かと探梅行=茶輪子
○修=2点
(修:不思議な説明しがたい心の感じが季語と合っていると思います。)
●闇を袈裟懸け韋駄天の鼬の気=智雪
○秋=2点
(秋:本当に鼬は逃げ足が速い。ちょっと固い気はしましたが、袈裟懸け、韋駄天と畳みかけるように一瞬の出来事を表現して上手いと思いました。)
●鼬敏し金切声の塀の空=入鈴
△虹=1点
●追ひかけて行けば鼬の最後っ屁=砂太
△五=1点
●弟のつん裂く叫び鎌鼬=五六二三斎
△ま=1点
(ま:叫んだのは現実なのか、夢なのでしょうか。)
●オリオンや時を正しく煌きぬ=虹魚
△智=1点
(智:正確に永遠の時を刻む冬の星。)
●閑静な住宅街や鼬過ぐ=修一
△遊=1点
(遊:取り立てて目立つことではないけれど素晴らしいとおもった)
●寒荒れや正邪ごちゃ混ぜネット社会=しゃが
△久=1点
●自転車も速度を落とす鼬かな=始祖鳥
△清=1点
(清:突然姿を現した鼬思わずブレーキを掛けるが。)
●正の字を四回書きて大寒日=メゴチ
△喋=1点
●棲み付かば天にも地にも鼬かな=虹魚
△紅=1点
(紅:あちこちを駆け回っている様子が伝わってきます。)
●大正の気概満ちたり宝船=久郎兎
△ラ=1点
(ラ:大正生まれの方に敬意を表して一票。)
●番犬の鼻に鼬の最後つ屁=清一
△資=1点
(資:動物同士の面白い組み合わせ)
●真つ白な修正テープ春隣り=雪絵
△ま=1点
(ま:光が変わってきて白さが際立ってきますよね。)
●妖怪と呼ばれ生き抜く鼬かな=しゃが
△久=1点
B部門入選作〈back number〉
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