*A部門入選作発表*
当季雑詠=全86投句(入選60句)
【特選】
一席
●新人のナース全身春の色=虹魚
◎子、五、修、喋○葱、村△砂、朱、ぼ=19点
(葱:生きようとする力が湧いてくる。本当に若くて優しい女性の力は偉大です、ピンクサロンちゃうよ^^; 村:希望に満ちた初々しさ。 朱:そのままの素直な心情がストレートな佳句。 ぼ:初々しくて、いいな。)
二席
●京の町上がる下がるの花万朶=清一
◎遊、水○資、ぼ、香=12点
(遊:美しく面白く、また技巧的で、憎い! 水:心はずむような、旅心を刺激されるような。 資:京都の上ル下ルをうまく活用。 ぼ:花の京都が彷彿と。 香:京都独特の住所表記を詠み混んで、どこも桜がいっぱいの様子が見えます。花万朶、、垂れ桜なんですね。)
二席
●桜二分キッチンカーの新メニュー=紅椿
◎葱、ラ○水△十、資、五、ス=12点
(葱:カラフルにペイントされたボックスワゴンが見えるようです、がんばれ!若者の起業家たちよ!ラ:どんなメニューなのか想像すると、心がワクワクします。 水:花にも新メニューにも期待が膨らみます。 十:現代的な素材。如何にも春の趣き。 資:桜の木の前のキッチンカー。年度替りで新メニュー。)
二席
●とんがつた怒りを春の炉にくべて=虹魚
◎し○秀、メ、村△朱、雪、秋=12点
(し:春の炉がぴたりと合う不思議。まるくなって穏やかな春を過ごせそう。 秀:ちょっと口やかましいことを書きますが、この句、SNSで拝見しました。句会で選をうけた後ではだめですか。SNSで見た句はとらないと決めているんですが、この句はあまりにも素晴らしく惜しいとおもいましたので、頂きました。 村:そういう若い時もあったなと共感。 朱:陰と陽の措辞の成功。 雪:私もそうしましょう!(笑))
【入選】
●崖にみる地球の履歴つくしんぼ=水音
◎資、香○茶△清、砂、ま=11点
(資:ブラタモリのイメージ,つくしんぼが効いている。 香:履歴ということばがいいですね。そして、地上の小さなつくしんぼへ視線が集中。 清:断層で見る地球の歴史、現時点でその崖の上に悠然と生えた土筆との対比。 茶:見る人がつくしと重なって、またそれらが履歴の一つとなる。悠久の詩ですね。 ま:なるほど履歴、ですね。つくしんぼがなんとも良い感じです。)
●火星への移住計画目刺焼く=清一
◎村○紅、ま、ス△朱、雪=11点
(村:壮大さと卑近な季語の離れ方の意外性。 紅:壮大な計画と現実とのギャップ、微笑ましいです。 ま:壮大な計画と現実の目刺とのギャップがとても良く、おかしみもあり、楽しく魅かれました。 朱:目刺の季語としてユニーク、大小の景の対比。 雪:日常とのギャップの大きさが面白い!)
●昭和とはきのふのことよ春炬燵=十志夫
◎清、入○朱、秋△遊=11点
(清:時代が変わり令和だがついこの間昭和の春炬燵だったとの刻の流れを端的に表現。 朱:言い回しが上手い。春炬燵の季語が秀逸。 遊:私もまた昭和世代に生まれて幸せでした。)
●海底に眠る軍艦花盛り=五六二三斎
◎ぼ○秀、喋△紅、修=9点
(ぼ:ヨモツヒラサカスミレサク のオマージュ。好みです。 秀:寂しくて華やかで。 紅:海底に眠り続ける軍艦と地上で咲き継いでいる桜の対比。平和に感謝です。)
●左手が他人(ひと)の手めきて花の冷=秀子
○清、雪、修△虹、水、喋=9点
(清:花冷のときの感覚の上手い言い表し方。 雪:今年は花冷えが長く続きました。この感覚よくわかります。 水:利き手ではないほうの手ということ?。良く読めないけど心惹かれます。)
●囀りや投函口に銀の屋根=ラスカル
◎雪○紅△秀、十、朱=8点
(雪:確かに「銀の屋根」ですね!囀りとポストが呼応してる感じです。 紅:俳人ならではの発見に脱帽です。 秀:ものでしっかり押さえました 十:なるほどと思わせる句。やや既視感あり。 朱:春、囀り、銀色はとても写実として美しい。)
●花時のヘルパー花の匂ひして=虹魚
○葱、資、遊△朱、修=8点
(葱:「新人のナース全身春の色」と同じ作者でした^^;、ふたつとも○でいただいてしまいました。同じ情景でたくさん句が詠めるという見本ですね。 資:花好きのヘルパーが来ると母が喜んでいた。 遊:感謝の気持ちが伝わります。小さな幸せの有難さ。 朱:春の優しさを全面に感じる佳句。)
●まんまるの卒業写真ブーフーウー=資料官
◎砂○入△葱、雪=7点
(葱:セレネッラ18号への挨拶句ですね、ありがとうございました。 雪:ちょっと笑ってしまいました。頑張り屋の「ウー」は黒柳徹子さん。知る人ぞ知るの世代です(笑))
●店じまひしたる豆腐屋鳥ぐもり=資料官
◎ス○ぼ△入、茶=7点
(ぼ:また一つ昭和が消える。大事にしたい個人の店。 茶:高齢で後継もなく仕舞うしかない。まさに鳥曇ですね。)
●ロザリオをそつとまさぐる春袷=ぼくる
○朱、五△十、ラ、資、ス=7点
(朱:読み手の想像力を掻き立てる秀句。中七の成功。 十:実景かもしれませんが、隠れキリシタンの趣きですね。 ラ:洋と和のミスマッチが面白いです。)
●朧夜や通らぬ糸をにらみつつ=秋波
○虹、メ△遊、香=6点
(虹:由利徹の裁縫芸。 遊:実感・共感。 香:夜は特に見えにくい!)
●耕人の背(そびら)に伝ふ初音かな=入鈴
◎虹○香△朱=6点
(虹:表現が美しい。 朱:風景としてとても美しい一句。 香:背、そびらという表現で、重みがでます。)
●桜より明けゆく谷の湯宿かな=ぼくる
○雪、喋△砂、朱=6点
(雪:幻想的な夜明けの光景が見えます。 朱:上五中七がなんとも美しい。)
●種選りや母の字薄き茶封筒=紅椿
○ラ、ま、茶=6点
(ラ:「茶封筒」がリアル。 ま:茶封筒が効いています。お母様は何の種を入れておられたのでしょう。 茶:封筒に種を分入れているのでしょうか。薄きに穏やかさをみました。)
●拡げつつ卒業証書見せに来る=ラスカル
◎紅○砂△葱=6点
(紅:読んだ人が100%同じ光景を思い浮かべる。それも動画のように・・。
葱:小学生でしょうか、中高だとこうはなりませんね。)
●リラの香や均一棚に初版本=茶輪子
◎ま△村、朱、修=6点
(ま:古本屋でふと見つけた初版本が、この値段?!と、本の香りとリラの香の中にわくわくした気分が伝わって来ます。 村:掘り出し物か、季語が意外。 朱:何でもない生活の発見が美しい一句になっている、お手本のように感じた。)
●父祖の地にフレコンバッグ囀れる=修一
◎秀△遊、茶=5点
(秀:フレコンバッグという俳句には入れにくいカタカナを上手く消化し、哀しみが伝わります。 遊:現代の悲鳴。 茶:東北でしょうか。少しずつではあるが復興の兆しを感じました。)
●忘却の花びらの舞ふ余光かな=しゃが
◎メ○清=5点
(清:詠者の桜に対する心象風景が上手く表現されている。)
●緑の火点して島の芽紫陽花=砂太
◎十○ス=5点
(十:上5の「緑の火を点す」が写生の効いた表現です。)
●居酒屋のちぎつただけの春きやべつ=まさこ
△葱、メ、水、し=4点
(葱:これが美味いんだな!! 博多の焼き鳥屋は昔、キャベツはフリーで食べ放題でしたが、今はどうなのか?? 屋台も減ってきているようで、、、 水:ちぎっただけに瑞瑞しさが感じられる。 し:シャキッと美味しそうなキャベツ!)
●うららかや餃子のひだに等差列=茶輪子
△ラ、メ、秋=4点
(ラ:「等差列」という言葉、俳句では初見です。)
●春昼や花眼は活字置き去りに=十志夫
◎茶△ま=4点
(茶:「活字置き去り」にいただきました。季語との取り合せもぴったりです。 ま:活字置き去り、とは巧い表現ですね。)
●外つ国の人も交じりて花遍路=ぼくる
○子△香、し=4点
(香:最近は外国人も多いのですね。 し:今どきのお遍路ですね。)
●花冷や伽藍の夜の鯉静か=朱河
○遊、し=4点
(遊:時間と生き物と芸術の出会い。 し:景がとても美しいです。鯉静かがいいですね。)
●起きしなのコップ一杯春障子=十五
△五、茶、秋=3点
(茶:春の芽吹きにしっとりとした障子が浮かびました。)
●蝌蚪の紐ペットボトルに絡まりぬ=ラスカル
○修△ぼ=3点
(ぼ:現代の風景、アイロニカルに。)
●雉子鳴くや片付け上手探し下手=十五
◎秋=3点
●さへづりや去りては人の来るベンチ=雪絵
△虹、村、朱=3点
(村:場所の良さがあれこれ想像できる。 朱:囀りを背景として面白い佳句でリズムも良い。)
●定跡を踏まぬ一手やあをきふむ=スライトリ・マッド
△葱、朱、ま=3点
(葱:ちかごろ「将棋モノ」の映画をよく見かけるが、ヒフミンの人気にあやかってのものか? 青鞜は藤井七段?? 朱:この様な取り合わせもあるのだなと新鮮。 ま:季語の斡旋がお上手です。)
●棄て去れぬ名刺の重さ雁供養=十志夫
○水△紅=3点
(水:もの悲しいというか、うら寂しいというか。 紅:下五に感動を覚えました。)
●鳥帰るコミック本の束ねられ=紅椿
△秀、資、ぼ=3点
(秀:括られたコミック本って、人間臭くてさびしい。 資:身辺整理の姿が身につまされる。鳥帰るが効いている。 ぼ:冬の間籠って、読み漁っていたのでしょう。)
●妃殿下を名で呼ぶ民や風光る=葱男
○十△清=3点
(十:確かにそうですね。いつからの習慣なのでしょうか。 清:民間から来られた妃殿下だからこその愛着。)
●“勉強しなっせ”先師の声が春の句碑=砂太
◎朱=3点
(朱:上五の言葉が春の勢い、暖かさを表現していて好きな句。これはきっと実際の景色なのでしょうね。)
●幾春を愛でて長寿の5元号=喋九厘
△紅、ス=2点
(紅:おめでたい事です。)
●穏やかな日もある能登や雪割草=水音
○虹=2点
(虹:そんな日に行ってみたかった。)
●行儀よく鴉止まれる初桜=修一
△五、喋=2点
●生前葬のいのちの在り処亀鳴きぬ=葱男
○し=2点
(し:とても重い意味のある言葉ですね。)
●鳥毛立女屏風図大桜=五六二三斎
△葱、子=2点
(葱:古が蘇る、「大」の字付いて桜に歴史を加わった。漢字ばかりの並びも美しい。)
●波の来て舟の軋むよ島の春=砂太
△虹、香=2点
(香:舟の軋む音が、穏やかな海を連想させていいですね。)
●花追ひて知らぬ道へと出でにけり=雪絵
○五=2点
●春疾風三小節のピチカート=朱河
△十、入=2点
(十:ピッチカートと季語がうまく合っている。)
●夜更けてや保健室守るヒヤシンス=茶輪子
○入=2点
●私を切ってごらんなさい春の苦みが迸る=遊歩
○子=2点
●落椿地球に赤きカーペット=雪絵
△喋=1点
●胸中に一本の虹老いゆくか=秀子
△葱=1点
(葱:メッチャ好きなんだけど、「夏の季語」なんで△。)
●空海の立てたる杖や山椒の芽=修一
△子=1点
●啓蟄や町工場から月目指す=秋波
△水=1点
●源じいの桜看取りて仁王立ち=喋九厘
△遊=1点
(遊:職人の生き様が生きてゐる)
●春愁や二人芝居の長台詞=しゃが
△清=1点
(清:芝居の長台詞を聞いているうちに何となく気が塞ぐよくありそうな心情。)
●夫殺しの浄瑠璃粛と忘れ雪=しゃが
△朱=1点
(朱:粛と言う一語で締まった一句。忘れ雪が良い。)
●妻の愚痴聞き流しをり桜餅=清一
△秋=1点
●手の平の雪虫を見る拡大鏡=白馬
△し=1点
(し:雪虫をまじまじと見てみたい。)
●鳥風や展望台に望遠鏡=葱男
△秀=1点
(秀:季語がよく効いています)
●涅槃西終の棲家を建立す=白馬
△朱=1点
(朱:季語が良い。建立す、が大袈裟か?そこが良いのか?)
●花の風ひかる素足となりにけり=遊歩
△メ=1点
●紅椿一葉旧居跡に井戸=資料官
△十=1点
(十:うっかりすると見過ごしてしまう本郷の路地の奥にありますね。)
●宿の宴了りし広間の古雛=スライトリ・マッド
△ラ=1点
(ラ:宴たけなわの頃は、気がつかなかったのですね。)
●山笑ふ三十年越しの告白=まさこ
△入=1点
【選外】
●春北風や土の香りの備前焼=玻璃
○十、ラ△子=5点
(十:備前焼の素朴さがよく出ています。 ラ:中七下五のフレーズがとても魅力的。)
●囀りの在来線に海を見て=玻璃
△葱、朱=2点
(葱:熟練者の俳句。類句はありそうだが言葉に無駄がなく、景が美しい。 朱:音と視界の流れが見える美しさ。)
●鳥雲に夜はたつぷりとカレー煮る=玻璃
○砂=2点
※今月の玻璃さんの投句は、大森理恵さんの推敲句であると判断し、私の責任で選外とさせていただきました。
俳壇に於いて、師の推敲による弟子の句の著作権については意見が分かれるところです。
詳しくは今月の俳句の著作権をお読みください。
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