*A部門入選作発表*
当季雑詠*全46投句(入選38句)
【特選】
一席
●立ち止まる春をはげましポン菓子屋=夏海
◎葱、香○澄、喋△二、白、砂、君=14点
(葱:「はげまし」がいい。先日、さる神社の縁日で小さなワゴン車のポン菓子屋さんを見かけました。お米だけでなく、穀物ならなんでもポンできるんですね。例えば、麦、蕎麦、大豆、唐黍、蚕豆、銀杏、栗なんか。 白:子供のころはあの爆発音に怯えた記憶がある。花や鳥ではなく音で季節を呼び込んだところに面白さがあると思う。)
二席
●飛梅や五言絶句の墨の色=雪絵
◎夏、澄、メ○水△砂、喋=13点
(夏:飛梅の白い花と墨の色、学問の神様と五言絶句が響き合って絶妙。 水:青っぽい墨の色が想像されます。 メ:さだまさしの歌を想い出しました。 葱:どんな漢詩だったのか、知りたいな。)
二席
●雛の間にみしりみしりと歩み入る=葱男
◎喋○白、資、久、君、ス=13点
(白:みしりという擬音がきいているよう。雛との対峙にはまるで伏魔殿に忍び入るような心地がする。〈実は本質的に人形が嫌いなのだ−−呪術への恐れか…〉 資:旧家の雛かざり,重たいわが身。 久:雛飾りのある部屋と解釈していましたが、人形の後ろからそおっと顔を覗かせたときミシリというのもありかなと思います。 ス:古いお座敷でしょうか?)
【入選】
●いぬふぐり双つ耳もつ由布の峰=五六二三斎
◎二、水○白△資、雪、ス=11点
(水:近景に小花の青、遠景に薄青い山 春の躍動が始まる序章のよう。 白:月見草の似合った富士、由布の峰にはいぬふぐりが似合っているのか…。単なる遠景と近景の対比に終わっていないのは双つ耳という表現の成果かも。 葱:朝の連ドラを思い出します。由布岳がよく映っていました。「いぬふぐり」はいい取り合せですね。 雪:由布岳、今度よく見てみます。 ス:なんだかユーモラスな景色ですね。)
●ぶらんこにおこりんぼうと泣き虫と=葱男
◎雪○砂、香、夏△水、喋=11点
(雪:かわいい!でも近頃、誰もいないブランコをよく見かけます。 夏:NHKの「みんなの歌」になりそうで好きな句です。 水:ほほえましい風景ですね。)
●二歩目には駆けだす子らや春の雲=水音
◎久○砂、香△夏、雪=9点
(久:二歩目が効いています。子供は堪え性がないものだけど、自分自身はそういう性格が羨ましい。 夏:よく観察された句で感心しました。 雪:よく子供の行動を捉えてますね。私もそのタイプでした。 葱:共感できる句ですが、その分、類句もありそう。)
●涙もろくなりて遺句集春立つ日=砂太
○小、五△葱、資、君、ス=8点
(五:誰の遺句集なのか?田中裕明かと思いました。 葱:岡部六弥太さんの句集でしょうか? 季語の斡旋がどうなのか、という疑問は少しありましたが、こちらもそろそろ涙もろくなって来ているので・・・。 ス:どなたの句集だったのでしょう?)
●春浅し豆腐屋ラッパ二タまはり=五六二三斎
○二、雪、ス△夏=7点
(雪:春とは名ばかりの寒い朝、なかなか外には出づらくて、豆腐屋さんごめんなさい! 夏:「二タまはり」が、一層春の夕暮れらしい。 ス:今もあるのでしょうかね?!)
●一人居の蚊の鳴くやうな鬼やらい=水音
◎五○小△二、砂=7点
(五:一人居の節分という設定に惹かれました。 葱:単身赴任でしょうか?侘しさと情けなさがよく出ていてペーソスのある佳句となりました。)
●かるがるとカノンとあそぶシャボンだま=白髪鴨
◎砂○二△葱=6点
(葱:音感とリズム感のお手柄。漢字を使わない文字構成も軽いタッチで好きです。)
●人恋し牡丹の芽の一寸に=砂太
◎小○澄△水=6点
(水:赤い牡丹の芽に情熱が秘められているようです。)
●冬枯れや手を振る母の融けてゆく=小夜女
○喋、君△澄=5点
(葱:母が「融ける」っちゅうのはどうなんでしょう???)
●鐘朧和して消えゆくアリアかな=白髪鴨
◎資△久=4点
(久:何だか気持ちよさそう。 葱:日本よりもヨーロッパの教会の鐘を想います。トスカーナの丘を眼下にアッシジの修道院とか。)
●草萌る朽ち家の朱い郵便受=夏海
○水△香、メ=4点
(水:淡い緑と色褪せた朱が印象的。 葱:緑と朱の対比がいい。)
●早春の七半アクセル徐々に上ぐ=雪絵
◎君△水=4点
(君:なぜか春の雰囲気にピッタリ! 水:スピードを上げて行く大きなオートバイと早春が妙にマッチする。)
●壮年の寒垢離満ちて陽の衣=久郎兎
○資、メ=4点
●二十二年二月二日のきっぷ買ふ=資料官
○夏△葱、澄=4点
(夏:ちょっとしたミーハー感も楽しい。 葱:22年2月22日だと語呂が悪いですもんね。)
●春一番終の日近き分校に=夏海
○五△香、メ=4点
(五:もう子供たちの見られない校庭。寂しい句ですが、春一番とともに新しい出発でしょう。)
●一刀彫り雛びな達と我二人=ひら百合
◎白=3点
(白:季語が春の部に入ったせいか、今月は卓袱台に乗るような句が多かったような気がする。そんな中、この句は緊張感のある語感に好感。個人的なことだが人形を前にすると落ち着かなくなる。愛でると言うよりも対峙してしまうのだ。)
●就職のお礼に行く日春の服=五六二三斎
◎ス=3点
(ス:明るい未来を予感できそうな感じがいい。)
●知らぬ子にあいさつされてあたたかし=雪絵
○葱△小=3点
(葱:一読、こちらまで暖かい気持ちになりました。)
●通されし雛の部屋の真紅=砂太
○葱△白=3点
(葱:座五の「ま・くれない」にシビれました。 白:これも「一刀彫」の句と同じような語の緊張感で選んだ。最後の真紅がいいのだが、実は逆に疑問も残っている。)
●雪礫投げてよぎたり昔事=小夜女
○久△メ=3点
(久:いつもしてないことをするとこういうことがありますね。年かなあ。)
●紙の旗振らるる中に春走る=スライトリ・マッド
△夏、五=2点
(夏:光の春を感じる句です。 五:マラソンの風景か?「春走る」がいいですね。)
●衣更着も新素材にてやり過ごす=君不去
△白、久=2点
(白:あんまりに日常なんだが、気楽な感じがよかった。俳句らしくないところも。 久:如月、今年は家での普段着にワイシャツ2枚重ねました。外ではしませんが。 葱:ヒートテックでしょうか?ユニクロは今や流行のファッションブランドになりつつありますね。)
●白映えのカルスト台地や野焼き跡=メゴチ
△資、君=2点
(葱:「や」はないほうがいいような。)
●節分のしつらえ終えし寺閑か=君不去
△久、ス=2点
(久:祭りの準備が終わったあとは長閑なのかはよくはわかりませんが、気分はわかります。 ス:祭りのあとの静けさですね。)
●変奏のテンポ早まり春立ちぬ=白髪鴨
○雪=2点
(雪:春、という言葉だけで心も浮き立つ感じ。)
●門前の光りの春に小僧笑む=久郎兎
○メ=2点
●雄と雌捩子にもありて二月尽=スライトリ・マッド
△雪=1点
(雪:どう違うのでしょうかね〜。)
●カルストに煙たなびき春浅し=メゴチ
△小=1点
●銀盤の傷に躓く余寒かな=水音
△五=1点
(五:あの傷さえなければ・・・。)
●白子干冥土の父に叱らるる=葱男
△喋=1点
●名残り雪来し方想う湯治宿=喋九厘
△澄=1点
(葱:ええとこ行ってまんなあー、羨ましい。)
●氷雨あと一カラットのダイヤたち=ひら百合
△小=1点
●山眠る妻籠の宿の格子窓=資料官
△二=1点
(葱:ほんま、ええとこを旅してまんなあ。)
●栗鼠駆けて樹液滴る楓かな=ひら百合
△香=1点
(葱:実景なのは伝わりますが、季語がちゃかちゃかしてる感じ。栗鼠は春の季語でしたっけ?)
●立春の座敷に広ぐ緋毛氈=香久夜
△五=1点
(五:雛祭りの色彩の緋色が飛び込んでくるような句ですね。)
【無選】
●春めくやロマンスカーの展望席
(葱:きもちの良い〜。)
●菠薐草湯掻き片手に乗るばかり
(葱:主婦の実感、主夫の驚嘆。)
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