＊Ａ部門入選作発表＊

当季雑詠＊全３６投句（入選２９句）

【特選】
一席
●庭涼し条幅の書の余白かな＝月下村

◎君、五、前、資○木、久△ス、二＝１８点
（君：心洗われる涼しさですね。　五：心頭滅すれば火もまた涼し！書に取り組めば夏もまた涼し！涼しさが書の余白に感じられるようになるとは達感の域ですね。　前：なんだか格調が高いような感じがしますが・・・。　資：書には縁がないが涼しい風景が目に浮ぶ。　久：白が涼しいと、すぐに感じてしまった。錯覚かもしれないが、どうだろう。　ス：なんかワビ、サビ、ジャポニズムの世界！）


二席
●麓より雨脚来たり合歓の花＝五六二三斎

◎入、ス○月、喋、資、二△木、君、前＝１７点
（入：ただただうっとり。　ス：マーラーの大地の歌みたい。太鼓持った雷神が駆け抜け雨を降らし山の合歓の木を濡らす。　月：詩情が雨情になる、合歓の葉が雨脚に合掌する。　資：ねむの花には雨ですよねぇ。良い句だと思います。）


三席
●国蝶やとりて天下の夏を知る＝五六二三斎

◎木○里、ス△月、メ、二＝１０点
（里：オオムラサキは完璧に美しい、感動です。　ス：オオムラサキ盗ったのは誰ですか？　月：ちょっと大袈裟な言い振りが少年のような素直な喜びを表現している。）


三席
●撒水車通りて笑ふ田ん神さあ＝スライトリ・マッド

◎月○君、二△喋、久、資＝１０点
（月：なんともおおらかな感性！この句、常田富士男か下条アトムに朗詠してもらいたい。　久：東北ファンの作かな？撒水車は都会の道でだが、田の神って、田んぼの？　資：暑い暑い焼け石に水かなあ。）


【入選】
●草清水きららの石を積みにけり＝月下村
◎二○五△木、喋、澄＝８点
（五：きららの石という表現が気に入りました。　澄：すごく涼しげですね。）

●携帯に声張り上げる蝉嵐＝前鰤
◎メ○君、久△入＝８点
（メ：現代風な句です。　入：うわあ！暑苦しくも元気出る。　久：炎天下でバス待ちする営業マンか。セミも負けてないね。）

●朝顔の　ラッパ開くや　蟻の客＝久郎兎
○澄△月、君、前、二＝６点
（澄：朝顔大好きなので。　月：絵本的な世界！）

●台風の贈りし夏の富士を見ゆ＝資料官
◎久△月、木、澄＝６点
（久：夏に富士山を見るのは難しい。実感。台風は悪い面が強調されるが、こんな事も。　月：なかなか見れませんぞ！　澄：その富士山はどんな感じでしたか？）

●千日紅灯明のごと永き日を＝君不去
○入、ス△二＝５点
（入：千日紅って言われてみれば、お灯明だっきゃ。　ス：センニチコウ＝よくドライフラワーに＝色きれいですよね。　資：千日紅って？百日紅ではないの？？）

●たまらんぞ　てのひらを蚊に喰われけり＝前鰤
○月、メ△喋＝５点
（月：たまりません。　メ：微妙なかゆさなんだよなあ。）

●遠花火　不意にあなたのアリアかな＝月下村
◎澄△久、二＝５点
（澄：大空に響くアリアが聴こえてきそう！　久：見える花火と遅れて聞こえる音のタイムラグが、いいなあ。）

●窓つたう朝顔ゆれて母のこと＝木笛
○前、資△里＝５点
（資：鉢ではない庭に直に植えた朝顔のことを思い出しました。母を絡めたところが良いですね。）

●向日葵と高さを競うビルの影＝喋九厘
△五、ス、メ、資＝４点
（五：今年の向日葵の背の高いこと！ほんとにビルみたいな高さになっている感じがします。　ス：ひまわりはお日様をひたすら求め愛し、ビルは影を作る。その対比が面白い。）

●烈日や露店に並ぶ茗荷の子＝スライトリ・マッド
◎喋△資＝４点

●銀跳ねし　里芋葉傘　帰る畔＝久郎兎
○入△前＝３点
（入：表面張力の銀の雫、大きな里芋葉、そして畦畔と景色が浮かび上がってくるようです。 ）

●母の切るパパイア確かに父の夏＝入鈴
◎里＝３点
（里：愛情を感じます。こんな家族に恵まれたいな。）

●あかあかと眠れぬ夜の夏の月＝資料官
○澄＝２点
（澄：その感じよくわかります。）

●蟻の道小さきばかりがぞろりぞろり＝君不去
○メ＝２点 （メ：最近、庭でよく見かけます。）

●雲の峰白い特急駆け抜けり＝資料官
△入、二＝２点
（入：今の私の願望に似たものがあり。）

●小暑　大暑までは　中ビール＝メゴチ
○木＝２点

●再見と遠き島より土用波＝喋九厘
○五＝２点
（五：ツアイチェンという中国語を使ったところが新鮮でした。）

●月明かり琴座の星を照らしけり＝澄響
○里＝２点

●なつかしや網持つ母子夏木立＝木笛
△入、久＝２点
（入：とてもなつかしやの景なのですが、昼下がり？靄の朝？虫蜜と網とかパンチが欲しいです。　久：せがむ子に　そおっと網寄せ　蝉しぐれ＝返句失礼。）

●昼素麺　庭の大葉に卓和み＝木笛
○前＝２点
（前：我が家は茗荷です。）

●ゆふぐれてつむじ風吹く虫喰い葉＝スライトリ・マッド
○喋＝２点

●空蝉や葉陰に残る執着ぞ＝君不去
△ス＝１点
（ス：うーん、抜け殻＝執着か、面白い！）

●滝しぶき涼しげに虹立ちぬ＝澄響
△メ＝１点

●夏キラリ砂浜走れ白い風＝喋九厘
△澄＝１点
（澄：白い風がいいですね〜）

●新盆は　小暑の中で　しめやかに＝メゴチ
△君＝１点

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