*A部門入選作発表*

当季雑詠*全33投句(入選28句)

【特選】
一席
04●子ら行きて一人あたたむ春炬燵=君不去

◎前、平○月、入、久△ス=13点
(前:おばちゃんの句? 月:ほっとひといき感。 入:来て好し行って好しの心持、わかるわあ。 久:都会へ旅立った後、寂しい気持ちを打ち消すかのような言葉がいいですね。 ス:ちょっぴりさびしいけど子どもさんへの温かいまなざしが感じられる。)

二席
17●花の雨紺のスカート脚そろふ=入鈴

◎月、喋○前、君、二=12点
(月:こういうのがいっちゃん好きです。 前:若い女性の風景?おばちゃんの情景ではないでしょう? 君:女子高生の風情、それも、ちょっと長めのスカート?)

三席
28●木蓮や白き心で旅立ちぬ=五六二三斎

◎資○澄、君△久、平、二=10点
(資:ようやく開いたハクモクレン。青い空に良く映えて。彼岸に旅立った方々の顔が思い出されました。澄:いつも新たな旅立ちですね。 久:偲ぶ心が伝わります。)


【入選】
02●気狂いも魔法も似合う弥生月=平百合
◎入、君○ス△資=9点
(平:madnessも magicも似合うMarchかな。 入:朧月夜はなんでも、似合うっちゃあ似合う。 君:弥生の妖しい雰囲気にピッタリ。 ス:なんか自分のことのよう!でも好きな句です。 資:25日26日博多の夜の連ちゃん。見上げると満月。博多の夜は最高。)

32●連歌師にからめとられて春の月=月下村
○五、資、喋△ス、二=8点
(五:連歌師とはどなたの事か?おつな感じの句ですね! 資:なぜかとても良い。 ス:連歌のメンバー<?>に敬意を表して!洒脱だ。)

10●田起こしの土が天地の境なり=五里
○月、久△入、君、二=7点
(月:なんかミレーの晩鐘が目に浮かびました。 久:天地の境目など考えた事がなかったが、それを「田起こし」とした発想がいいですね。 入:さっぱりとした気持ちの良いお句。土{や}?)

11●田を返す寒耐えあらわる土の顔=君不去
○平、二△月、澄=6点
(月:お百姓さんの生物として確かなる存在の顔。 澄:なんだか土の香りがしそうです。)

19●春霞三段ぼかしに山重ね=前鰤
○平△里、資、二、喋=6点
(里:この風景を写真に撮りたくてウロウロしてましたが、休みの度に曇りや雨で、光の加減が合わずに断念しました。 資:墨絵のごとある白黒写真。シルエットの蒸気機関車が走り行く背景だ。)

23●宝珠寺(ほうしょうじ)ヒメシダレ満ち季節(とき)巡り=喋九厘
◎ス△君、資、平=6点
(ス:人の一生は短く儚いもの、だから充実した人生を送りたい。 君:花巡りとき巡り・・・・ 資:26日の朝日新聞に掲載された,しゃべ栗ダンナご推奨の世界。一心行も良いが静かな世界も捨てがたい。)

20●春の風ふうわりと友来たりける = スライトリ・マッド
○喋△澄、入、久=5点
(澄:風のようなおつきあい。いいですね。 入:おるおるそんな奴、西よりふうわり友来たり。トトモキタリケルの語呂? 久:「ふうわり」が効いています。)

25●見上ぐれば蕾潤(ほと)びて春時雨=平百合
◎五○資=5点
(五:ほとびてという表現が気に入りました。蕾に春時雨のたっぷりの水が開花を期待させてくれます。 資:毎朝毎朝見上げてごらん。ゆっくりゆっくりほころびてゆく。来週末(4/9)だろうか。)

07●春色のブナの林に残り雪=五里
◎澄△平=4点
(澄:なんだか林にいるような臨場感。)

08●春雷や生きる標と記す今日=五六二三斎
○ス△月、君=4点
(ス:ガーンと来る句です。 月:日々是反省の積み重ね。)

09●禅の牛見つかるまではと歩く春=月下村
○澄△前、ス=4点
(澄:求めると見つかります。きっと。 ス:いいなあ、禅のこころですね、私も見つけたい。)

12●厨房の弥生の窓辺皿白し=入鈴
○里、二=4点
(里:日常の風景の中に春らしいイメージを感じます。)

01●うっかりに苗床萎(しお)る春の霜=平百合
◎久=3点
(久:自分が植えた苗ではないことが感じられる。「うっかりに」としたところに 自戒がこもる。)

29●やぶ椿ひょっこりあなたに会えそうな=君不去
○前△喋=3点
(君:子供の頃に遊んだ、父の田舎のそれは大きなやぶ椿を思い出しています。)

31●雪柳宝石のごと雨の粒 = スライトリ・マッド
◎二=3点

05●里歩き ご機嫌如何 花霞=久郎兎
△月、里=2点
(月:ほっと和みの時。 里:春の里歩きは気持ちの良い一時で、道行で挨拶を交わすことも多いです。感性の豊かさを感じました。)

13●父詠みし乙女椿の逸話かな=五六二三斎
△前、二=2点

30●雪柳散歩者の羽ひろげたり=月下村
○入=2点
(入:散歩者がちょっと夢うつつになれる瞬間。)

33●をさな顔春蘭の見え隠れする=入鈴
○五=2点
(五:をさな顔に、春の装いは、将来の美貌を醸し出しているのか?いい句!)

15●軒先の白連眩し余震あり=資料官
△澄=1点
(澄:今回の福岡地震お見舞い申し上げます。)
16●花散らす 南風背にして われ飛行機=久郎兎
△二=1点

18●春の雨追い掛けのぞみ東京へ=資料官
△久=1点
(久:鉄道ネタ登場。雨を追うというのもなるほどで、しかも、さりげないのでg oodです。)

22●春の夜の窓の揺れにも慣れにけり=資料官
△入=1点
(入:早く慣れなゐまま去って欲しいもの。)

24●待ちぼうけのらりくらりと桜にも=喋九厘
△前=1点
(資:ほんなごつ。2日土曜日の東京,ソメイヨシノはまだ蕾。)

26●めくるめく 苦楽人生 止めは春=久郎兎
△喋=1点


27●目にさやかりんと黄色に水仙の花=澄響
△里=1点
(里:昨日、菜園に3週間ぶり行くと見事な水仙が咲いていました。この歌の如く、凛とした黄色に家内も思わず声を発していました。)

A部門入選作

創刊号 第二号 第三号 第四号 第五号 第六号・新年号 第七号 第八号