*A部門入選作発表*

当季雑詠*全27投句(入選25句)

【特選】
一席
04● かほりたつ話はずみし柚子湯かな=スライトリ・マッド

◎前、資、里、君○月、五、平=18点
(前:寒い句が多い中で、温かそう! 資:しゃべ栗が望む混浴同窓会?それとも,今年が最後かと思いつつ,娘と一緒のお父さんかしら? 君:温かな湯気と柚子の香りに浸りました。 里:素直で、何か話し声が聞こえてくる様な雰囲気があります。 月:混浴露天風呂でこれですね。 五:温泉の柚子湯に仲のよいおばさん二人が入ってるところを盗撮しました。W大の教授より! 平:こちらまで暖かくなるような・・・)

二席
23● 冬晴れや富士近づきて対座する=君不去

◎月◯前、二△平、五=9点
(月:品格と雄大さが備わっていますね、さすがのさるとび? 五:正月も間近!一富士ニ鷹三茄子で、これもよし! 前:まさに関東地方ですね。 平:新幹線から見る「近づく富士」、やはりいつ見ても立派だと思わずにいられない。)

三席
05● 隠れしと 思えば翔びし 冬の蝶=五六二三斎

○資、入、久△君、二=8点
(資:列車と蝶の句には敏感に反応。枯葉に止まる立葉蝶はアカタテハそれともキタテ ハ。飛び立った時の赤い羽根が鮮やか。 入:力なく頼りないだけに、いとおしい気持ちが手に取るようにわかります。 久:寒空の蝶の定まらない行動を、「思えば」で繋いだのがいいですね。ここも「れし」と「びし」でそろえている。「落ちし穂」と同じ人かも知れん。)

【入選】
14 ●さらし竿 一人アパート つるし柿=久郎兎
◎喋◯前、君=7点
(前:なんか侘びしそうな感じ。 君:部屋の中まで想像されて・・・)

27 ●ゆらゆらと冬の朝陽の泳ぎけり=スライトリ・マッド
◯里、君△月、資、入=7点
(月:寒さの中の暖かさ。 君:なぜか惹かれる句 入:これはすぐに口ずさめるってのがいいなあ。)

06● かもしかの 足跡途絶え 山眠る=五六二三斎
○月、ス△前、入=6点
(月:かもしかの隠れし国よ日も落つる。もう日本はだめだあ〜! ス:冬の山の美しく静かなさまが見えるよう。 入:ちょっとこんな深山へ、いざなわれてみたいです。)

08● くろつぐみ刈穂ついばみ冬田かな=スライトリ・マッド
◯久△前、里、平、二=6点
(久:冬日は天気予報で聞くけど、冬田は初めて。「落ちし穂」の人と同じかな? 平:くろつぐみはstarlingといい、このアメリカにも群れ飛んでいます。)

09● 黒徳利 セーターに嗅ぐ 恋の崕(はて)=月下村
◯入、喋△五、ス=6点
(月:恋の崕にあるものは? 深く温かい友情の海に違いない。 五:いろっぽい句ですね!この路線は部長か?ごろにゃんと決まってますが?如何に? 入:なんかトリュフォーの映画テンコ盛りの感。 ス:昔、短くも美しく燃えなんて洋画があったけど、徳利とくると演歌っぽいね。)

10 ●黒猫の 背に霙のせ参ったぜ=入鈴
◎二△君、喋、ス=6点
(君:黒と白の対比もシャレてる。 ス:参ったぜには参ったぜ。)

19 ●太き手に 鰤わし掴み 訪人(ひと)ありき=五六二三斎
◎ス○二△資=6点
(ス:冬の光景だなあ、東北、北海道では鰤が鮭になる。 資:鹿児島産の養殖ハマチではなく,富山湾氷見港に上がった寒鰤だ。)

21 ●冬枯れの木立ちをよぎり星の行く=君不去
◎平△資、入、里=6点
(平:冬の星空も一興、流星も今年ならでは。 資:ふたご座流星群? 入:冬枯れ木と星は平板だけど、立ち、行くの動詞が効いていると思います。)

01 ●雨紅葉 最後の一葉 濃い雫=久郎兎
○資、平△喋=5点
(平:九州の12月? 「濃い雫」に思いがこもる。)

22● 冬空の 冴えて四万の月を見る=月下村
◎五◯ス=5点
(月:40000ケ月を12で割ると、人間の3300年の歴史が見える。  五:四万十川の月を想像しました。きっと、暖かさの残る月の夜でしょう! ス:四万の月って、発想がすごいなあと思う。)

07 ●曇り窓 枯れ枝の奥 雪の雲=前鰤
◎久△喋=4点
(久:この句は、見過ごしそうな句なんだけど、最初なんで「奥」なのかと思いました。「先」の方がよりいいと思ったのですが、何回か読んでいると、絵画を思い浮かべてしまいました。)

24 ●喪のはがき まだ手付かずや賀状書き=資料官
◎入△久=4点
(入:その落差に、却って重さを感じます。 久:まるで1月3日現在の自分自身です。リズムがあって、いい句です。)

13 ●歳晩の時も忘れし ミレナリオ=資料官
◯五△平=3点
(五:写真をもらって、すぐの選句だったんで、その残像が残ってしまったのか?素直ないい句です! 平:あの写真を見たら,もう冬の風物詩。)

16● 時るいるい 観世音寺の除夜の鐘=喋九厘
△里、久、二=3点
(久:るいるいで、選びました。観世音寺もなつかしい。)

03● 鬼火かと 明くるる彼方 鳥の影=月下村
△五、前=2点
(五:明け方の情景か?鳥の活動の早さを感じさせます。)

15 ●シルエット 枯れ木立編む 夕日の赤=平百合
◯里=2点
(里:自然観が好みに合います。)

20 ●冬枯れ木 眠りの前の 青ツリー=久郎兎
◯喋=2点

02 ●落ちし穂をついばむ雀に冬日やさし=君不去
△久=1点
(久:落穂にせず、「落ちし」と「やさし」の語尾の音をそろえているのがGood、さらに離れて使っているのがGood。)

11 ●凩の到りしか オリオン瞬く=入鈴
△月=1点
(月:自由律成功!!)

12 ●この一年良くも悪しくも 冬至の湯=資料官
△君=1点
(君:ふ〜〜来年は良い年でありますように。)

17 ●年の瀬の歯いしゃの椅子に汗掻きぬ=入鈴
△ス=1点
(ス:私の場合心臓が早くなる、あの歯を削る音どうにかしてくれぃ。)

28 ●わびとさび 色彩枯れる冬俳句=喋九厘
△月=1点
(月:春俳句ね、夏俳句はちょっとないか、秋俳句はいやだな、冬俳句、うん、なかなかいいね。)

A部門入選作

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