*A部門入選作発表*

当季雑詠*全23投句(入選22句)

【特選】
一席●忘られぬ道きっぱりと夾竹桃 =一木 
◎喋、湯◯月、澄、ス、資△久、五、平=17点
(久:夾竹桃は決意するのに似合う花? 平:ナンのことかわからないけど、何かありそうで思わせぶりなのがなんともいえず。 五:きっぱりとが、効いている!夾竹桃の咲く並木道は確かに目に焼きつく!)

二席●蔭得たりヴィオラかそけく夏の午後=一木  
◎五◯平△月、ス、資=8点
(五:かそけくが何とも言えないくらい上手い!文句なし、特選! 平:何とも雰囲気がよくて、そういうのもいいだろうなあと言う気分にさせられました、住宅街を歩いていると、開け放した窓からもれてくるかすかな音。 月:ええとこの娘に憧れる少年時代、ん?今も?)

二席●半夏生いくら飲めども暮れぬ空=資料官 
◯五、ス、湯△久、喋=8点
(五:夏の暮れぬ中の酒。夏の夜は長くてさびしいのか?酒が飲めればいいやないかと思うけど、なかなかセンチメンタルな男の作品か? 久:早くから呑んでいるんだね。呑みすぎに注意!)

【入選】
●墨色に白雨(はくう)暮れゆく五十年=月下村
◎ス◯平△喋、資=7点
(平:墨色と白雨のモノトーンが悟りの境地の一歩手前を思わせるような・・・)
●天の川数えてごらん星の数=喋九厘 
◎久、澄=6点
(久:大人にではなく、まだ物言わぬ子に夜空を指差して。)
●サマーカットかきあぐる指に躍る銀鱗 =久郎兎
◎平◯一△澄=6点
(平:これは実感)
●素足から数えるほどの十五歳=月下村
◎一◯喋△湯=6点
(久:深い意味があるのでしょうか?意味がわかれば選びたいところです)
●病める床雷雨はるかに夢うつつ=平坦百合
◎資○湯△五=6点
(五:病気の人には、遠くに響く雷雨も恐怖に感じるのか?健康が大事だと教えられる一句!)
●アイロンに流れ落つ汗遠き母想ふ=スライトリ・マッド
◯久△平、一=4点
(久:夏のアイロンがけは大変、乾いた布に汗が。 平:誰の句か想像できるし、その気持ちよくわかる。)
●天の川見上げてごらん男泣き=喋九厘
◯月△澄、湯=4点
(月:九ちゃんの歌、思い出すなあ〜、生きてるって辛いよね、でもそれも命の香り。)
●携帯も子供とお供夏休み=五六二三
◯一△ス、平=4点
●風きって下る自転車ナウシカ気分=平坦百合
◎月=3点
(月:自由律の風がナウシカと重なって、爽やかな映像を結んでくれる。)
●ゴーヤーの苦みこそ旨さ作りける=スライトリ・マッド
◯澄△久=3点
(久:苦いだけのゴーヤーから一歩前進、旨さの領域へ。)
●鯖くろぐろと背を並べいて瞳悲しき=一木 
◯久△ス=3点
  (久:魚屋で氷の上に立ててあったのであろうか。うつろな目であることは間違いなさそう)
●夕顔をながめて待てど闇の中=五六二三
◯資△喋=3点
●足首のミネルヴァ恋し納涼水=月下村
◯五=2点
(五:ミネルヴァとは何かわからんやったとばってん、カタカナが出てくるとハイカラな感 じ!)
●働けど寄せては返す夏の海=喋九厘
△月、湯=2点
  (月:若者よ、遊ぶだけの所じゃないのよ、夏の海は。)
●日の盛り由布を仰ぎて汽車を待つ=資料官
△五、一=2点
(五:作者は2人のうちの一人、どちらかが作者かも丘メール通には一目瞭然だね!)
●盆帰福子の父として父母がいて=久郎兎
◯喋=2点
●六月灯願いを込めしそれぞれに=スライトリ・マッド
△澄、資=2点
●心残りし追い山の朝の門出かな=資料官
△一=1点
●夕顔や君待ちにけり夜の闇=五六二三
△月=1点
(月:一夜でしぼむ夕顔の花、無常感にはかなさや美を見い出すのは「今は昔」の人生観、恋愛観でしょうか。)