*A部門入選作発表*

当季雑詠*全33投句(入選26句)

【特選】

一席
●柿たわわ実一つもぎて天弾(はじ)く=木笛


◎月、入、喋、前、二○五、ス△メ=20点
(月:この句だけが燦然と光って見えました、何も云う事なし! 入:元気ええわあ! 五:柿のたわわさに柿の枝がもぐとはじける様!私の家の柿も豊作です。 ス:柿の木の風情が好きなんです。実のほうも! メ:熟した柿が好きです。)


二席
●踏む土の去年の葉音や柿紅葉=木笛


◎資○喋、君、メ△五、前、ス、砂=13点
(資:良いなあと感じました。葉は落ちで土になりそこを歩みて紅葉を愛でる。 メ:紅葉のハイキングいいですね。 五:踏む土には去年の柿の葉が含まれているということ?ややつき過ぎですが、句は完成されています。 ス:今年の葉っぱはサクサク、去年のはふんわりかな?)


三席
●柿と栗 熊ならずとも里の秋=喋九厘


◎里○月、入△前、久、木、メ=11点
(月:山の動物達が里に降りて来てます。しっかたなかんべさぁ。 入:そうなんですよ、熊達に罪はなかよ。 久:「ならずとも」の使い方に感心しましたが、熊がいなくても、という意味なのかなあ。 メ:栗拾いに行ってみたい。)


三席
●虫の音を止めて我が家の門を開け=前鰤


◎君○入、久、メ△月、資=11点
(君:日常からフッと秋を実感する一瞬。そしてまた日々の生活へ・・・。 入:音を止めるという言い方がなるほどなあと思いました。 久:普段の暮らしの一場面なのに「止めた」というところで、一石投じますね。なるほど。 メ:こういう時間に帰りたいものです。 月:少々罪悪感あり、やめられへんのよ、お酒が・・・ 資:広い家なんですね。)


【入選】
●椿の実拾ふはしより夕まぐれ=入鈴
◎木○君、砂△月、二=9点
(月:つばき油を作れるのか、この作者は?)

●みちゆきといふ道を行く秋の山=月下村
◎五○資△久、二、木、ス=9点
(五:リズムがよろしい!そして、二人の道がそこはかとなく感じられる!感傷的でもある句です。 久:初老の夫婦の暮らしなんかが見えて、いいですね。 ス:単なる旅なのか、駆け落ちの意味なのか、思わせぶりなところが面白くて。)

●おいらかに山粧ひて円通寺=月下村
○喋、五、資△入、木=8点
(五:おいらかにという表現がよかった。 資:良寛さんゆかりの倉敷の円通寺と思いきや,知らんかった京都にもあるんだ。山は叡山なんですね。 入:借景の寺?とにかく洛北の秋の早いお寺だったと。)

●からくりの人形笑ひ山澄みぬ=五六二三斎
◎ス○二、砂△君=8点
(ス:飛騨のからくり人形かな?静謐な笑い、澄み切った空気が感じられます。 月:これぞ俳句のお手本みたいな句ですが、ごめん!6句しか選べないもんで。 君:菊人形でしょうか。)

●秋うらら出来立て豆腐ふふみけり=スライトリ・マッド
○前、木△月=5点
(前:春ではなく、「秋うらら」という言葉は初めて聞きました。 月:「ふふむ」古語辞典で調べてみます、可愛い語感ですね!)

●振り向けば金木犀の夜道かな=資料官
◎メ○二=5点
(メ:まさに香ってきます。)

●破れ蓮茎とがりけり濁り水=君不去
◎久△二、資=5点
(久:「破れ」「とがり」「濁り」と美しくないものに対して句が詠める作者の力を感じます。 資:これまたやれはちすと読むまで時間がかかった。無知なのは辛い。)

●秋の旅化粧する娘に見入りつつ=君不去
◎砂△喋=4点

●紅玉やキュビスムリンゴ演じをり=入鈴
○里△前、ス=4点
(前:キュビスムリンゴって何? ス:酸っぱい紅玉にはキュービズムが合いそうですね!)

●そこと指す先から落ちて零余子飯=五里
△入、喋、資、君=4点
(入:零余子飯って何?おいしそう。 資:無知な私はむかごが読めんかった。おいしそ う。)

●ニュートンの甘き重さや郁子(うんべ)の実=スライトリ・マッド
○久△五、砂=4点
(久:まだ辞書を引いてなくて、うんべがわからないまま、ニュートン→重い、りんご →甘さで選 びました。 五:ニュートンの法則はどの実にも適用されり!)

●吹き上げる風民の声秋の山=五六二三斎
○前、ス=4点
(前:遠足ですか? ス:雄大な景色が目に浮かびます。言葉の並べ方がなんかいい! 月:今の御時世をうまく季節に詠み込んでいますね、ああ、これも点盛りしたいんだけど・・・)

●亀虫やあらまだゐたの 塀温し=入鈴
△里、久、君=3点
(久:口語が出てきましたね。温いところにカメムシ、僕も見ました。 君:「塀温し」いいですね。)

●錦繍の季節(とき)の契約 山下りぬ=喋九厘
○月△二=3点
(月:「約束の青」の入鈴露草を憶い出すなあ!)

●櫻紅葉てっぺんの葉の二三枚=五六二三斎
△喋、里=2点
(月:俳味を表現する気持ちは伝わるんですが、まだそこに達して欲しくない感じ。)

●陽に翳す 血潮の一葉 爪燃ゆる=久郎兎
△入、二=2点
(入:まぶしくて立ち眩みがしそう。)

●ボス猫にネコジャラシかな秋日和=喋九厘
△木、砂=2点

●実る里 浦島の夢 知らぬが世=久郎兎
○里=2点

●秋雨がスウェーターを連れて来た=メゴチ
△里=1点

●秋燈しまた欠席のはがき書く=資料官
△二=1点
(月:これも心情的にとても共感した句ですが、佳い句がたくさんありすぎて!)

●うそ寒や屋形船待つ人の居り=君不去
△五=1点
(五:この寒空に屋形船を待つ!その思いがけない取り合わせがよかった!)

●長き夜のメール眺めて同窓会=資料官
△メ=1点
(メ:すみません。今年も欠席です。)


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