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*A部門入選作発表*

当季雑詠*全41投句(入選30句)

【特選】

一席
●あめんぼう水くぼませる重さかな=水音


◎葱、雪、夏、前○二、資、香、百△男、木=22点
(葱:なんで沈まないのか不思議〜! 雪:不思議なアメンボの姿形、でもそれ以上の驚きは水の僅かなくぼみにアメンボの重さを知ったこと。 夏:「くぼませる重さ」がとても的確で、なお且つ詩的! 前:表面張力ですね。 資:7月28日の俳句王国のお題があめんぼうでした。その中の句にも負けないよく観察された句だと思いました。 香:あめんぼうの浮く様子様子がよく描かれています。 百:その陰がいいんですよね。 男:細々としたアメンボウの命を感じますね。)


二席
●サイダーの泡ひとつずつ恋話=雪絵


◎男、資○二、五、君△水、喋、砂=15点
(男:サイダーの懐かしさです。 資:一つ一つ消えていく様が心に響きます。ユーミンの歌を思い出しました。 五:下五をもう一工夫かなと思ったが、あわい恋はなしとよくマッチしている。 水:無数にあるということですね。)


二席
●向日葵や母背伸びしてタオル干す=資料官


◎香○雪、五、砂、君△二、木、メ、ス=15点
(香:背丈を越すほどに伸びたヒマワリとお母さまとの対比がおもしろいですね。 雪:つい最近、私より背の高かった母が小さくなっていることに気づきました。なので、しみじみ読ませてもらいました。 五:向日葵の伸びたところと、母の背伸びとが、競争しているようで面白い。 君:私は年老いた母の危うい足元を想ってしまったのですが・・・。 メ:向日葵の迷路に行ってみたい。 ス:お母様に対する愛情が感じられます。)


【入選】

●玉蟲の渦巻く空やインク壷=葱男
◎君、メ○雪、ス△二、喋、百=13点
(君:何やら妖しい雰囲気に惹かれました。 メ:壷の中の宇宙が玉蟲色に輝いている。 雪:玉蟲の羽の色、乾いたインクのあやしげな光沢、何かミステリアスな空間を感じます。 ス:わかりませんが・・ついつい。)

●いっぱいに虹映したる雫かな=水音
◎二○夏、砂、香△雪、ス=11点
(夏:小さくて大きな景ですね。 ス:うんうん、見たことあるある。 葱:写真に撮っておきたい決定的な瞬間ですね!)

●海開き少年高くたかく飛ぶ=スライトリ・マッド
◎五、水○男、夏△砂=11点
(五:海開きの光景がダイビングで飛び込む少年を通して伝わってくる。 水:高くたかくと言う言葉で青い空まで連想させ、海開きという季語で少年の初々しさが強調されて爽やかな句だとおもいます。 男:夏の腕白ボウズの豪快さ。 夏:どんな場面でしょうか?でも躍動感!)

●木苺の在り処腕白秘密基地=雪絵
◎砂○水、メ△二、五、夏、喋=11点
(水:映画のワンシーンのようでありますが、いまどきこんな子どもがいれば楽しいですね。 メ:昭和のノスタルジーだなあ。 五:昔を思い出す。ただ、在り処は在りしでもよくないか? 夏:夏休みの子供達の様子が見えるよう。 葱:子供の頃の郷愁。 )

●千ピース真白のパズル巴里祭=夏海
◎ス○喋△二、水=7点
(ス:ジグゾーパズルは苦手ですが・・。 水:イマイチよく分からないけど何となくパリ祭と取り合わせると様になる、のかな?)

●月涼し杜の寝息のシルエット=スライトリ・マッド
◎木○葱△五、夏=7点
(葱:絵本の中の一ページみたい。 五:暑い一日を終えて、月の光の涼しさの中を杜も生き物も寝息をしている。真夜中の光景? 夏:「寝息のシルエット」面白い。)

●はしり藷並ぶる店主眉老ひぬ=夏海
◎百○男△葱、資=7点
(百:着想のユニークさを基準にしてみました。 男:昔はもっと元気そうだったのに。 葱:歳をとるとなんでか眉毛だけ伸びるんよねえ、村山富市元首相みたく。)

●ひざ掛けや蝉の鳴こうと鳴くまいと=香久夜
◎喋○水△雪、君=7点
(水:お年よりは冷えますからね。鳴こうと鳴くまいとという表現が面白い。 雪:何があっても動じない心、見習いたいです。)

●雹たたくコロラドの午後走り抜く=ひら百合
△五、夏、君、前、ス=5点
(五:コロラドに行ったことがありません。ワイオミングからサウスダコタに出て、デトロイトに帰りました。その思い出を辿って頂きました。 夏:雄大な自然!! ス:夏のヴァカンスの光景でしょうか?)

●露地トマト温きをかじる散歩道=君不去
○木△男、メ、百=5点
(男:冷やしてないのもまた美味いんですよ。 メ:温かいトマトもおいしいぞ。 葱:日向の味がしたなあ〜!)

●雪渓や一万尺を富山湾=五六二三斎
○前、ス=4点 (ス:涼しげで雄大なお句ですね。)

●水差しの 桔梗二輪に 手を合わす=久郎兎
○葱、メ=4点
(葱:深い哀しみがジンと胸に迫りました。 メ:墓参りに行かなくては。)

●湯帷子秘色の海を映しけり=葱男
○百△資、君=4点
(百:「ひそく」はじめて知りました。 資:ゆかたびらと読むのでしょうか。花火でもなさそうだし,その風景を想像するだけでもちょっと惹かれた。 君:”秘色の海”ってどんな海でしょうか?)

●河童忌に大往生の人の居り=君不去
○喋△雪=3点
(雪:人生それぞれです。 葱:特別の才能なんかなくても、大往生できたらそれが一番幸福な人生!)

●巴里祭の代々木駅前ビラ配り=資料官
○木△砂=3点

●喉渇き入道雲もかき氷=喋九厘
△メ、前=2点
(メ:夏らしい空です。)

●蓮の葉のようやく浮いて夏深し=ひら百合
△木、香=2点

●猛暑道よしず格子を風抜けぬ=喋九厘
○資=2点
(京都でしょうか。暑くて夏は出かけたくない京都ですが,こういう風情涼しげであります。)

●甘き香と潮風を切るパイナップル=スライトリ・マッド
△香=1点
(葱:沖縄旅パックのキャンペーンに使えそう。)

●語らずと同じ窓辺に月見草=五六二三斎
△前=1点

●後悔の数齧りつく李かな=雪絵
△葱=1点
(葱:グッときました。女性ならではの可愛らしい句、男だったらどないしょ?)

●子らの声虚ろに響くプール脇=メゴチ
△百=1点
(百:虚ろというのが実感。)

●梅雨明けや今度帰るのメールあり=香久夜
△男=1点
(男:その日が来るのが待ち遠しいですね。)

●堤防のすくむ高さや夏の夕=五六二三斎
△前=1点

●テラスにてキンと歯に沁むかき氷=メゴチ
△資=1点
(資:最近テラスにご無沙汰して心がキンと痛む。 葱:小さい頃はそのキンキンが嬉しかったなあ〜。)

●街なかのタニシ棲む田に鴨涼し=木陰
△香=1点
(葱:「かるがも農法」ですか?)

●店戸下りしまま日盛りのポーチュラカ=夏海
△二=1点


【無選】

●朝顔と早起き競ふ蝉軍団
(葱:蝉は元気やなあ〜。思いっきりの一回生やね。)


A部門入選作

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