*A部門入選作発表*

当季雑詠*全44投句(入選33句)

【特選】

一席
●託されし夢の在りかや木守柿=夏海


◎資○木、喋、二、前△里、水、砂、香=15点
(資:ぽつんと一つ実が残っている「木守柿」という言葉が良い。来年の豊穣を願うか,小鳥を呼ぶか。絵になる風景ですね。 葱:ひとつ採り残した柿の実には物語を感じます。)


二席
●マドンナのままのほほゑみ実むらさき=資料官


◎砂○葱、二、雪△ス、夏、君、香=13点
(葱:神の子となりし少女や冬の窓。 雪:実むらさきが今のマドンナ、かな?! ス:ラブレタ〜みたい。 夏:美しい実ですから マドンナの連想頷けます。 君:だよね。コメント無しです!)


三席
●凩を追いかけランドセル揺れる=葱男


○五、水、夏、香△男、前、砂、百=12点
(水:寒さに負けない子どもらしい生き生きとした姿がいい。 五:句またがりの句!負けるなちびっ子!風の子だ! 夏:元気な子供たちの情景が浮かびました。 男:そういう時代もあったっけ。)



【入選】

●アカンベをしたい日もあり根深汁=君不去
○葱、砂、夏、百△木、ス、雪=11点
(葱:嫌いも好きも紙一重、同じ心の表裏。 夏:上五が楽しい。これを句に仕上げる腕前に敬服。 ス:あかっんべーがちょっと甘い感じもしたけど、採りました。 雪:私なんて毎日です。)

●冬茜ようよう出来た逆上がり=夏海
◎水○砂、君、入△五、雪=11点
(水:逆上がりの満足感と冬茜の余韻が交じり合ったふっくらとした印象の句。 君:可愛い句ですね。&優しい作者の眼差し。 入:冬茜にぴったりの光景だと。 五:冬はあったかい句がいいですね。)

●彩が滅ぼされゆく暮早し=水音
◎前○ス、香△砂、君=9点
(ス:わかるわかる。 葱:「滅ぼされる」という形容は新しいけど、朝になっても、もう復活しない感じがしてしまいます。)

●枯尾花いっせいに放たれる夢=入鈴
◎葱、君○ス△夏=9点
(葱:芒が原には何故か幻のような気配がありますね。 君:破調と句のイメージがピッタリ! ス:幻想的ですね。映画のワンシーンみたい。 夏:飛び立ったのは次なる命、目の前に情景が浮かびました。)

●小春日や子に叱られて心地よし=君不去
◎入○百、雪△五、前=9点
(入:わかるようでいまだに、極意の覚えなき境地であります。 君:久々に娘が帰ってきて嬉しいのですが。 雪:そんな歳になりましたね! 五:小春日のなごやかな雰囲気を醸し出している。)

●月冴ゆるとげの青さで絹絎けて=スライトリ・マッド
◎里、木、香=9点

●灯台守去りて最期の月氷る=葱男
◎男○五、二△ス、香=9点
(葱:五島列島女島、日本最後の灯台守制度廃止。 男:あの歌はよかった。 五:おいら岬の灯台守は〜♪妻と二人で沖行く船を〜♪思い出します。幼き日! ス:昔見た映画を思い出しました「おいら岬の〜」♪ 資:「喜びも悲しみも幾歳月」の舞台ですね。おいら岬の灯台守は♪♪)

●冬日向幼子の目に映るもの=五六二三斎
◎ス、百○水△夏=9点
(ス:きれいなもの、楽しいものたくさん見せてあげたいですね。 水:子どもの頃縁側での日向ぼこを思い出した。あの頃何を見ていたんだろう。 夏:好奇心一杯の澄んだ瞳に何が映ったのでしょうか?!)

●お酉さま願ふは福をひとつだけ=スライトリ・マッド
◎夏○男△前、雪=7点
(夏:福をひとつだけ」の慎ましさに共感・好感。 男: 年末までには叶えてね。)

●冬夜行窓に留まる一灯の家=五里
◎喋○男△入=6点
(男:何かほっとする暖かさ。 入: いとど闇の深さや感ぜらる。 資:男はつらいよの中で寅次郎がリリー【浅丘ルリ子】のことをしみじみと語るシーンを思い出しました。)

●凍空の星の環揺らすアリアかな=スライトリ・マッド
◎雪△木、二=5点
(雪:視覚と聴覚を揺り覚ましてくれる、ステキな句です。)

●冬銀河ついの間近き昭和かな=葱男
◎五○里=5点
(五:悠久の流れを感じます。昭和もまるで明治のようになってくるのでしょう! 入:面白そうだが、ついの間近いってことがごめんなさい?です。)

●城垣の石蕗の小路に鳶の笛=夏海
◎二△里=4点

●龍田姫舞いさかる裾汽笛鳴る=香久夜
○資△葱、水=4点
(資:春,部長の佐保姫に苦しんだことを覚えている作者に頭が下がる。汽笛,関西本線かしら? 葱:蒸気機関車の煙りを舞い上がるきものの裾に例えた発想は面白いなあ〜。)

●求めても無き冬鍋に歳の味=五里
○前、君=4点
(葱:求めている味とな何だ? 鴨かも?)

●山紅葉俯瞰の鉄橋滲みけり=香久夜
○入△水、資=4点
(入:景色だけでなく、心象まで披露しちゃってません? 水:まさに滲むって感じ。 葱:そういう視点から鉄橋を眺めてみたいものであります。 資:作者決め打ちで採る。どこのローカル線か分かりませんが,あいにくの小雨の中を列車を待つシーン。レンズもめがねも曇り,手も悴むか。)

●風に添ひ花びら舞ひし姫椿=君不去
○木△資=3点

●つぼみまでまんまるとまるお茶の花=ひら百合
○喋△葱=3点
(葱:「まんまるとまる」って意味はもひとつ分からないけど、音的にカワユイやん!)

●歳星や霜月の現在(いま)みな優し=入鈴
○里△葱=3点
(葱:「歳星」とどう読むのか分からなかったけど、言いたい事には共感できました。)

●鰤起し海をも身をも砕くごと=水音
△五、里、喋=3点
(五:この路線は、雪国に住むあの方か?)

●秋月の黒門染むる冬紅葉=雪絵
○資=2点
(資:久しく行っていませんがそういう所があったような。)

●落ち葉蹴りボールのゴール富士の山=五里
△資、入=2点
(資:サッカー王国静岡県の子供たち。あそこどこからも富士山が見える。 入: 豪快! 葱:これがよく意味が分かりませんでした。落ち葉がボールな訳ないし・・・。)

●落ち葉ゆく道をたどりて風生まる=水音
△木、百=2点

●道落ち葉過ぎる車にウェーブし=前鰤
△百、入=2点
(入:気をとられぬよう。)

●熟れ柿や忘れられたか枝の先=男剣士
△喋=1点
(資:うみ柿としたら良かったかなあ)

●帰り花見返り美人あと少し=入鈴
△喋=1点
(葱:「あと少し」どうなのか? あと少しで美人なの? それともあと少しで帰り花なの? そんな訳ないか...。)

●散紅葉フロントガラスに置土産=雪絵
△男=1点
(男:あまり欲しくない土産です。)

●電飾の黄昏待ちて廻りくる=ひら百合
△前=1点
(百:11月下旬から飾りが始めるので・・。)

●冬うらら五十の手習い俳句かな=雪絵
△君=1点

●約束の季節移ろひ冬もまた=喋九厘
△男=1点
(男:決まり事なのに心が変わる。)


A部門入選作

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