*A部門入選作発表*


当季雑詠*全50投句(入選41句)

【特選】

一席
●花時雨路面の色に歩み止め=五里


◎資、メ△前、君、男、水、喋、百=12点
(メ:ピンクの色が浮かびます。 男:枝にある桜もよし、降り注ぐ桜を受けとめた路もまたよし。 百:雨に散った花びらも素敵な景色ですよね。)


二席
●千里来て竜とやなりぬ黄砂舞ひ=君不去


◎夏、水○里、メ=10点
(夏:「竜とやなりぬ」ピッタリ!今年の黄砂は手強い。 水:スケールが大きいですね。 メ:ちょっと困りますね。)


三席
●春霖や食べんしゃいにぬくもりぬ=香久夜


◎入、百○君=8点
(入:春霖のほうが、時雨より寂しいかんじがする。 百:わかるなあ、その気持ち。 君:博多弁には弱いな〜。)



三席
●すかんぽや風吹き渡り山揺らす=スライトリ・マッド


○前、水△里、資、夏、喋=8点
(前:すかんぽを知らないのですが、知らないということが恥ずかしいことなのかどうかもわかりません。 夏:「山揺らす」、この感性いいな!)



三席
●蓬餅ふしぎな動物右にをり=月下村


◎木○入、水△砂=8点
(入:楽しい。何故粉だらけの右手に?蓬についてきた青虫?泥だらけの頭の黒い動物?  水:なに?この句は!意味が分からないけどめちゃくちゃ気になる。)



【入選】

●雨に耐え残りし花もさだめ知り=前鰤
◎香、澄△男=7点
(香:奥深い表現に参りました。 澄:いよいよの時はいさぎよくですね。 男:咲きに咲いた頑張りもこれまでか、季節を全うした桜でもまだまだ未練がありそうな。)

●小気味良くパスタは春を奏でおり=夏海
◎砂○五、香=7点
(五:どんな旬入りのパスタか?楽しい句! 香:春のリズムがきこえます。 月:ペペロンチーノ+アスパラかな?)

●禅寺に白人濡るる春の闇=月下村
◎ス、二△澄=7点
(ス:Zen は東洋の神秘。ストイックさとエロティックな感じが混ざって不思議な世界を・・。 澄:ちょっとよくわかりませんが、そこがいいです。)

●雨上がり傘でチャンバラ黄色帽=男剣士
○月、喋△夏、入=6点
(月:今の子でもちゃんばらやるのかな? 僕らの頃はチャンチャンバラバラがスリルもあって一番面白かったなあ〜。 夏:「傘でチャンバラ」元気が良くて、クスリ。 入:学童保育での思い出が浮かび上がってきます。)

●丘一つ丘もう一つ茶摘時=夏海
◎五△入、君、喋=6点
(五:29日に今宿野外センターで茶摘みの会をやってました。丘一つの繰り返しに何とも言えぬポエジーあり!丘句に反応したのもちょっぴりありかな? 入:もう一つというのがいいです。)

●楠の杜きみどり風と衣替え=喋九厘
○五、メ、ス=6点
(五:詠み慣れた方の句とわかる。やや技巧にはしりすぎか?しかし、レベルは高い! メ:もうそんな季節かと・・・。 ス:いつの間にか変化していく自然を素直に捉えた感じがいい。)

●のろのろとさくらなみきのじょうようしゃ=五六二三斎
◎月○百△ス=6点
(月:大和言葉はひらがなですねえ〜、乗用車のひらがな表記が上手い! ボンネットが曲線してるレトロな車が絵に浮かびます。それが櫻並木の中を堂々と、ゆうくりと走って行く。貴族趣味だけど、鈴木清順の世界ですね! 百:ひねりがない、素直すぎる句だけど、共感できるし感じが出てる。 ス:さくらはうつくしくてかなしいですね。)

●春更けて何をか告げむ床の母=香久夜
○木、君△入、ス=6点
(入:何をおっしゃりたいのでしょう。春の思い出かしら。 ス:母ものに弱い!)

●さくら散る都電ゆるりと飛鳥山=資料官
○木、男△砂=5点
(男:横揺れしながら進む路面電車から観る桜はのどかでした。面影橋から荒川遊園まで、当時は子供も親についてきたのですが。)

●人去りて桜大樹に鳥あそぶ=水音
△月、五、資、前、香=5点
(月:櫻の老木、薄墨か? 人よりも鳥が真美を知るのかも。 五:一心行の大櫻のことでしょうか? 香:今度は木陰を作ってくれますね。)

●八重桜真新し荷のそぞろ行く=木笛
◎前○資=5点
(前:下宿を始めた頃を思い出します。)

●雨やみて 薄紅タイルの小径かな=前鰤
○香△里、資=4点
(香:雨上がり、雪のように一面真白だったね。)

●観覧車てっぺんにをり街おぼろ=水音
○入、砂=4点
(入:気持ちよさそう。 月:観覧車という、不思議で人工的な乗り物からは、「永遠」が見えるような気がする。)

●黄砂吹き霞キャンパス浮かぶビル=前鰤
◎男△里=4点
(男:黄砂の向こうに霞んで見える街並み、春の風物ですね。黄砂の後の雨はサイアクですが・・・。 里:東京の夕暮れに太陽を背にしたビルの景色が印象的です。 月:大都会を舞台に月9ドラマのオープニングみたい!)

●それぞれの旅立ちのとき朝桜=資料官
○男、澄=4点
(男:朝の到来が、それぞれの新しい生活の始まり。桜の花もこのときばかりは、楽しい気分で観ることができないのが親心か。 澄:それぞれに花咲かせたいですね。)

●蝶はいや触れると壊れそうだもの=君不去
○砂△月、夏=4点
(君:ごろにゃん様、資料官様、ごめんなさい! 月:ヘップバーン調、好きやなあ〜。まどかなんかに負けるな! 夏:本当に「壊れそう」で触れません。)

●釣りの手を休めて春の防波堤=男剣士
○夏△砂、百=4点
(夏:「春の防波堤」気持ち良さそう。ノンビリ感が好き。 百:防塁の春の海とどちらにしようか迷った。)

●翔びたたむ空を目指さむ花楓=夏海
◎里△木=4点


●花びらの土産残すや春の客=木笛
△前、君、水、百=4点
(百:思いがけぬ所に見つける春。)

●雨まぢか青き柳の風に揺れ=資料官
○百△メ=3点
(百:春の嵐の予感が心地よい。)

●アレルギー薬うらうらうつら春=ひら百合
◎君=3点

●筑紫野の友ローム層の蝌蚪見入る=入鈴
○ス△二=3点
(ス:虫へんの言葉って、何これ?って感じですねぇ。お勉強になります。)

●夏隣戀の味するママレード=スライトリ・マッド
○資△香=3点
(香:恋の味でしたかー忘れそう。)

●花の雨曇りガラスの車窓かな=五六二三斎
◎喋=3点

●メール開け咲きこぼれたる花に酔ふ=水音
○前△メ=3点
(前:資料官殿東京発写真ですね。 メ:今風の句です。)

●角張りてエリオツトの詩四月尽=スライトリ・マッド
○月=2点
(月:四月ほど残酷な月はない、だっけ?この四月を残酷だと感じる感性だけど、感受性の深さであって、単なる個人的な事情じゃないよ!)

●クレソンのたねソンソンとはぜにけり=入鈴
△メ、澄=2点
(メ:音感がいいね。 澄:リズム感がなんとも素敵です。)

●寝転べば花の絨毯芝桜=メゴチ
○澄=2点
(澄:芝桜はやさしくて強くって、大好きなんです。)

●春の句は悩む間もなく色変わり=五里
○夏=2点
(夏:同じ悩みがありましたよ。)

●春の星明るくまたたく宴かな=澄響
○里=2点

●稜線に雨つ簾や雁の風呂=月下村
○喋=2点
(月:雁風呂=春、簾=夏、の季重なり。)

●安全に それのみ願ふ卯月なり=君不去
△香=1点
(香:あんな悲惨なことはない!)

●息切らし高良の石段ツツジ満ち=喋九厘
△澄=1点
(澄:ツツジがせまってくる感じです。きれいでしょうね。)

●耕運機傍に憂ふる白鷺かな=入鈴
△月=1点
(月:田んぼの白鷺ってのが写生を感じさせてくれますね、関係ないけど、白鷺は徳島の県鳥です。)

●たくましく芝刈り生き抜く綿毛飛ぶ=ひら百合
△水=1点


●蓮華田や童の昔今もなほ=喋九厘
△男=1点
(男:蓮華畑で寝転んで遊びまわる子どもを最近はあまり見ません。昔遊んだ大人だけが、童心に戻るのか。 月:小さい頃はそろいら中に蓮華田、女子と一緒に遊べたもんね。)


A部門入選作

創刊号 第二号 第三号 第四号 第五号 第六号・新年号 第七号 第八号 第九号 第十号 第十一号 第十二号 第十三号 第十四号 第十五号 第十六号 第十七号 第十八号 第十九号 第二十号