*A部門入選作発表*

当季雑詠*全36投句(入選32句)

【特選】

一席
●一口で江戸頬張りぬ月の秋=五六二三斎


◎ス、資○喋、前、百△里=13点
(ス:ユーモラスなところもあってうまい! 前:月餅饅頭? 百:「江戸を頬張る」がスケール大きい。なんだったんだろう?)


二席
●逆光にとき止めし街秋日かな=スライトリ・マッド


◎里、澄△久、資、入、君=10点
(久:逆光は車のライトか?何か想像が大きくなる句です。 入:一瞬の醒めた時間のことだと。銀座の裏通デジャヴュかな。)


二席
●緋の一念 土穿つ朝曼珠沙華=月下村


◎久、二○里、メ=10点
(久:自然界の「必ず」を感じさせます。 メ:曼珠沙華は1週間で咲くそうですね。)



【入選】
●けむる湯のタトゥー女や秋の蝶=スライトリ・マッド
◎百△木、二、前、五、君=8点
(百:意外性とドキッリ度で二重丸。 五:秋蝶のタトゥー?蝶句に反応!)

●温め酒栂の梢の夜雨かな=入鈴
◎五○前、資△二=8点
(五:今回、一番洗練されてた句です。 前:何かリズムが好きです。)

●点描の車窓に過ぎし九月尽=木笛
◎入○ス、メ=7点
(入:空気が乾燥してくると、車窓の景色ってゴッホとかスーラの絵に似てきます。でも作者は旅の印象を籠めたい? ス:列車の旅の風景か?)

●踏んばりて芋引く子らや泥の靴=君不去
◎喋、前△二=7点
(前:幼稚園児の恒例行事ですね。洗濯、ご苦労様でした。)

●十五夜を君詠む季語と封じけむ=月下村
○五、百△里、前=6点
(五:十五夜と恋と俳句!いいですね! 百:フムー、そういうこともあるんだなあ。)

●繋ぐ生 雌蟷螂や 揺れ葉先=久郎兎
○里、入、君=6点
(入:かあちゃんとうろうってなかなか詠みづらいのですが、揺れ葉先が優しい止め方で。 君:どんな生物も雌の方が強靭、または、しぶといと思う)

●野分中足踏ん張りて退院せり=木笛
○月、久△入、君=6点
(月:リアリティは俳句のひとつの軸だと思う。 久:いろいろあるんでしょう。「逼迫」感がよく出ています。 入:野分中が効いていて。退院ス?入院すると、まず足腰が弱くなります。ああ共感!)

●野分晴 津軽野鬱金のゴッホだば=入鈴
○月、喋△澄、ス=6点
(月:津軽出張で仕事も一段落、地の旨いもんも喰ったって感じで少し棟方が入ったか? ス:面白くて、なんか気になって・・)

●故郷に小(ち)さき山あり彼岸花=五六二三斎
○木、入△月、ス=6点
(入:つつましいお句なのだけど、詠み易さに惹かれます。 月:句の持つ品位とでもいいましょうか。 ス:慎ましい感じがしていい!)

●川水流(かわずる)の鉄路無惨に秋気配=喋九厘
◎君△木、前=5点
(君:喋九厘様 応援しています。)

●秋刀魚焼き 懐かし暮れの 豆腐売=五里
◎メ△月、喋=5点
(メ:豆腐売りの声久しく聞いてません。 月:今年の秋刀魚は特に脂がのって旨い気がする。週一ぐらいで、もち、奴付。)

●てんゆかばさんぼんのしろまんじゅしゃげ=月下村
○二、五△ス=5点
(五:かなにしてユーモラスですが、なかなかおつな句。 ス:平仮名書きが面白い!)

●秋萩や濃き紫のまま落ちにけり=君不去
○資△久=3点
(久:中の句を9字にした意図は?。たぶん、溜めを効かせて「落ち」につなげた のでは。)

●休耕田 コスモス色に染まりけり=前鰤
△澄、木、百=3点
(百:「休耕田」は、ちょっと寂しげで、だけどそれなりに人を和ませる。)

●牙をむく五ヶ瀬川にも秋近し=喋九厘
◎木=3点

●暗き隅こほろぎ響く夕まぐれ=ひら百合
△里、久、メ=3点
(久:「夕まぐれ」は新しい響きですね。意味は大方わかります。 メ:最近聞きませんねえ。)

●涼しげに秋桜(こすもす)揺らす風便り=メゴチ
◎澄=3点

●凛々と 静かにあるは 月下村=五里
○澄△喋=3点
(月:なんちゅうか、そんな村があれば、まさに理想郷なんですぐぁ・・・)

●赤青黄信号の上月今宵=五六二三斎
○ス=2点
(ス:月は何色に見えたのでしょう?全部並ぶと面白そう!)

●石畳風駆け抜けて夏終わる=資料官
△メ、百=2点
(メ:風に秋を感じます。 百:ちょっとひんやりした風の感じ。)

●おはぎ食べ飲む茶も熱き墓参り=メゴチ
○久=2点
(久:穏やかな日差しを感じる句です。)

●高千穂やレール赤錆びて鰯雲=喋九厘
△資、入=2点
(入:無残な様なのか。それとも999の秋篇にもとれて広がります。)

●七隈線都心に秋風運びけり=資料
○木=2点

●ヘリが飛ぶ絹層雲の9.11(ナインイレブン)=ひら百合
○君=2点

●蔓珠沙華急行通過赤く揺れ=資料官
△澄、百=2点
(百:この25年、実物を見ていない。)

●秋の日やゆさゆさと舟繋がるる=入鈴
△月=1点
(月:水墨画にしてみたいような情景。)

●おにぎりをほおばる顔や秋日和=木笛
△喋=1点

●風流れ胸さわぎけり秋彼岸=君不去
△資=1点

●山辺で 寝て見る月に 感嘆符=五里
△メ=1点
(メ:ビル街で見る月よりはいいよね。)  


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