*A部門入選作発表*


当季雑詠*全45投句(入選36句)

【特選】

一席
●雪を抱く花ひとひらの重さかな=君不去


◎月、久、二○ス、資、砂、百△里、喋、澄、前=21点
(月:淡雪を頬ばるほほに手をあてて。 ス:雪の苦労もさぞや大変でしょうが、雪を愛でるのも一興ですね。 百:花と雪ってのは、絵になりますね。 澄:雪を抱く花きれいでしょうね。)


二席
●侘助や落ちて茶筅の動き止め=水音


◎資○月、里、澄△木、五、砂、百、香、二=15点
(水:侘助はお手前をしているときにボトリと落ち音の大きさに驚いたので何とか句にしたいと思ったものです。落ちた音とお湯がたぎる音のみの茶室でした。 資:侘助の清楚な花とピーンと張り詰めた茶室の風景が目に浮かぶようです。 月:風雅とはまさにこんな情景。 里:静寂の中では周りの音が印象深いです。 澄:鮮やかな詫助目に浮かびます。 五:お茶を嗜まれる方の句ですね。この句は無作法者のごろにゃんには無理! 百:ちょっと付きすぎの感もあるけど。 香:出来すぎのような、完成度の高い好きな句です、びったり来過ぎて△になりましたが。)


三席
●寿限無とふ名の石影に藪柑子=月下村


◎五、君○資、二△ス、砂=12点
(五:じゅげむじゅげむ〜何を思って唱えているのか?山の石影に薮柑子!聴覚、視覚に訴える句ですね。 ス:やぶこうじの木の実の赤がくっきりと見える感じ! 君:や〜ぶらこうじ、ぶらこうじ・・ 面白いです。 資:「じゅげむじゅげむごこうのすりきれ〜ちょうきゅうめいのちょうすけ」の高い墓が東京の四谷にあったそうですが?面白い。)



【入選】

●綿雪や車窓の雫他人(ひと)親し=入鈴
◎喋、香、水△君、百=11点
(香:雪が降るとつい回りの人に言いたくなるよね。 百:優しくなるのかなあ。)

●初大師風信帖を寿命とす=月下村
◎ス○里、五△水、二=9点
(ス:空海のお手紙なんだ!昔の人はどうしてあんなに達筆なんだろ? 五:風信帖とは、空海の書信の一つ。日本書道史に残る逸品。京都・教王護国寺【東寺】所蔵とネットにあり。これは、本場の方の句ですね。歴史の香りがします。)

●炬燵寝や心の角も丸くなり=木笛
○百、入、香△久、メ=8点
(百:こたつ、いいねえ。 入:わかり易いお句で、中7以下がぴったりきます。 香:本当に疲れてたんですね。 メ:つい丸くなります。)

●福笹やゆれて地下鉄混み合へり=水音
○砂、前△木、資、百、入=8点
(資:鉄道ものを採る。七隈線かしら? 百:こういう季節感懐かしい。 入:小さいころの箱崎宮初詣。西鉄香椎貝塚線?だっちゃそうやったもんね。)

●冬茜凍てつく矢先に射抜かれて=君不去
◎里○喋△月、メ=7点
(里:寒! 月:鋭い寒さ!ちびしいい〜! メ:ぴしって感じ?)

●冬日向ブロンズの息聴こえけり=スライトリ・マッド
◎入○五△月、二=7点
(入:五感をフル活動させてくれます。 五:ブロンズの息!誰の銅像なのかな?東京の上野公園の西郷さんかな? 月:ごろにゃんに、「水仙の息聞こえたり」ってのがあったな。)

●凍る朝 六千余の灯 ちぎれ燃ゆ=香久夜
◎木△喋、入、前=6点
(入:様々なことを思い出されたことでしょう。 前:ちぎれ燃ゆ、関西にいると、この時期どうしても震災に思いが行きますね。 )

●大寒や猫のひる寝に膝を貸し=水音
○木、澄△里、入=6点
(里:流れてる時間がイイですね。  澄:いいですね。猫の笑顔って癒されますよね。 月:こっちがアッタカイものね。 入:だから、猫。)

●爆竹(とんど)の火鬼の足音遠のきて=スライトリ・マッド
○君、入△五、二=6点
(入:とんど、火、鬼、足などの言葉力に惹かれました。 五:どんどの火で、今年の鬼も退散!いい句ですね。)

●家族みな詰め合わせたる節料理=ひら百合
◎砂○喋=5点
(月:母のお節の味が家族の好みを作る、それが文化ってもんじゃろね。)

●絵は生きて没後三十年(みそとし)月冴ゆる=五六二三斎
○月、ス=4点
(五:弧高の画家、高島野十郎没後三十年展にて。 月:野十郎のサクランボ、上品で甘味が濃いそう〜、佐藤錦って言ったっけ? ス:野十郎の蝋燭も絵の中でともり続けていますね。)

●来ぬ便り 灰緑の中 紅椿=久郎兎
○メ、水=4点
(メ:雰囲気がいいです)

●末の子の勝つまで止まぬ歌かるた=資料官
◎前△香=4点
(香:これ位の根性があっていいよね、私も末っ子だったけど。 月:子供の頃って、飽きることを知らないよなあ〜。)

●初日の出宝満山の人清(すが)し=五六二三斎
△里、ス、資、二=4点
(里:なつかしくて思わずです。 ス:清新な感じで年の初めに相応しい。 資:宝満下り天満宮参拝梅ヶ枝餅食べて太宰府線でうたた寝して帰る。うらやまし。)

●福沸かす釜の初音に鵯の声=五里
○メ、香=4点
(メ:きんって感じ?  香:初釜としないで、初音としたところがおしゃれ。茶の湯では、いつもいい句がありますね。 月:おめでたい、ありがたい絵。)

●目覚めれば夢の香甘し水仙花=五六二三斎
◎澄△前=4点
(澄:ホントにリアルな夢ってありますよね。この世が夢か?)

●アマデウス善男善女に睦月かな=入鈴
○君△五=3点 (五:モーツアルト生誕250年!善男善女に幸あれ! 月:健康にも大変良いそうで。)

●遺伝子の性(さが)を知らずや冬蛹=五里
○前△君=3点

●うらうらと初日もかるき明けの空=ひら百合
○水△澄=3点
(澄:初日の出ってやはり感激しますよね。)

●寒鯉や息をひそめて冬篭り=澄響
◎メ=3点
(メ:ひっそりと)

●寒の雨に花柄の傘スィギニンザレイン=月下村
○二△ス=3点
(ス:なんかいいことあったかな?!)

●寒梅に静けさ積もるぼたん雪=メゴチ
◎百=3点
(百:季語が二つかなあ、と思ったけど・・・かまわないよね。)

●豚汁の 主役はわしじゃ 冬牛蒡=香久夜
△喋、君、砂=3点
(君:ほんと、ほんと、牛蒡大好き。)

●うっすらと現われ消える冬の虹=澄響
○二=2点

●男坂駆け上がり来て息白し=資料官
○久=2点

●終い柿 上目横目に 発つカラス=久郎兎
△木=1点

●墨の香の漂う部屋や賀状書き=スライトリ・マッド
△水=1点

●外は雪大寒らしく雪見酒=メゴチ
△澄=1点
(澄:雪見酒と洒落こんだんですね。)

●中三とため口軽し日向ぼこ=君不去
△月=1点
(まあ、仲が良いと、諦めますか、これも御時世。)

●南天の実のうさぎかな雪の朝=木笛
△メ=1点
(メ:雪だるま最近見ないですね)

●羽子板や梨木神社の御空舞う=木笛
△資=1点
(資:御所の横に梨の木神社があるそうですが,カチーンという音が聞こえるようです。 月:綺麗な絵。)

●冬枯れし 揺れ摺る枝間 風の歌=久郎兎
△水=1点

●臘梅に目白愛しや名残り雪=喋九厘
△香=1点
(香:蝋梅早くみたい、きれいな句。)


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