*A部門入選作発表*

当季雑詠*全46投句(入選40句)

【特選】

一席
●神主はジャズピアニスト風光る=スライトリ・マッド


◎澄、砂○葱、夏、香△五=13点
(葱:そんな人、いるいる。医者で俳人とか俳優で絵かきなんてわんさかいますね。 夏:意外性!季語の取り合わせもピッタリ。 香:このミスマッチが何とも素敵ですね。 五:最近の宗教関係者は多才だから、あり得ることかな。現代俳句として面白い。)


一席
●女風(めかぜ)来て膝へ花びらまた一つ=夏海


◎五、君○男、二、喋△前=13点
(五:色っぽい句ですね。天位にしましたが、気になるところは、「また一つ」。ここを一工夫ほしい。 君:艶っぽい! 男:女風ってわかりませんでしたが、そんな風に乗って。)


三席
●はにかみの中にそばかす風光る=水音


◎夏○五、砂△葱、雪、資=10点
(夏:初々しさが「風光る」と良く響き合ってます。 五:そばかすに青春時代を垣間見ました。地味だが光る句。 葱:これは絶対、ポニーテールの少女でしょう。)


【入選】

●唇に綿菓子溶けて花堤=夏海
◎水、喋○前△二=9点
(水:綿菓子と桜って、いい組み合わせ。 葱:なんかちょっと可愛い色気もあっていいですね。)

●月曜の静かな桜中継車=雪絵
◎葱、二○水=8点
(葱:「月曜」が効いています。日曜日の狂騒を離れ、同じ桜のもとにも静かな日常と確かな仕事の日々があります。素晴らしい一句だと思いました。 水:前日の喧騒との対比が際立って感じられます。)

●行く春や小さき箒で卓を掃く=水音
○葱、雪△男、久、ス、メ=8点
(葱:春は「埃」を感じさせる季節でもあります。この春の間、作者はお茶に読書に、寛ぎの時間をこの卓の前に過ごしたのでしょう。 男:花びらがふわりと。 ス:きれい好き、きちんとした性格、見習わなければ!)

●裏庭に客久かたのカタツムリ=久郎兎
◎香○砂△葱、夏=7点
(香:最近なかなか見ないですよね。 葱:もうカタツムリが出ましたか?昔からまひまひは「キモカワユイ」の代表格。 夏:小さな生き物に目を止めた優しさ。)

●桜蘂ふるや日に日にみどりなす=資料官
○前、メ△香、久=6点
(香:季節の変わり目を、うまく表した句ですね。)

●芝桜陽射し集めて庭の隅=メゴチ
○久、百△夏、男=6点
(久:陽射しと隅がどうしてもすんなり収まらないけど。 百:そこだけが明るい。 夏:ピンクが輝いて。 男:陽射し集めがいいですね。)

●新緑の目にも入らず滑り台=香久夜
○久、ス△五、君=6点
(久:運命にして新緑は花に負ける? ス:動きを感じさせる句でいいですね。 五:滑り台の早さをうまく句にした成功作。孫を連れたおばあさんの句か?)

●D51(でごいち)のひた走りけり桃の花=資料官
○五、雪△澄、砂=6点
(五:鉄道句はあんまし採らないようにしていますが、この句はよい。最近、岡山に行くことがあり、岡山のSLを想像しました。桃太郎伝説の地、岡山です。 葱:まだ走っているところがあるんですね、すみません、鉄道音痴で・・・。)

●満地球春の月より眺めたら=スライトリ・マッド
○澄、喋△五、前=6点
(五:新聞で見ました。話題性あって頂きました。 葱:「満地球」はちょっと無理かなあ〜(^O^)。)

●幼子の行方を探す潮干狩り=男剣士
◎百○君△香=6点
(百:ちょっと不安な、危うい感じがいい。 君:連休中、木更津は潮干狩りの子供連れがたくさんでぴったり。 香:貝どころではなくなった!!!)

●アレッツオの羊がくれた春ショール=葱男
△澄、水、雪、百、君=5点
(百:羊にもらったショールって物語みたい。 君:分葱さんの春ショール、見たかったな。)

●川風に菜の花ダンスツービート=久郎兎
○澄、香△二=5点
(香:すごく気持ちのいい句で、惹かれました。)

●しどけなく散りはてにけり紫木蓮=香久夜
◎資○百=5点
(資:白と紫が入れ替わり散る様をうまくあらわしている。真砂女の句を思い出した。 百:私も同じ思いでした。)

●春霖の都府楼跡や夢の夢=君不去
◎男○水=5点
(男:まさに夢の跡…春の実感。 水:「夢の夢」が春霖で霞んだ現実的でない情景と呼応して歴史の大きい景を感じさせる。)

●潮干狩り子供の足のはしゃぎおり=男剣士
◎メ△夏、久=5点
(夏:「足」が「はしゃぐ」とは面白い。)

●浅蜊売島の案内しておりぬ=雪絵
○夏△葱、ス=4点
(夏:春の行楽シーズン、島の賑わいが見えてきます。 葱:旅の外国人から見たら断トツに「人の良い」日本人。特に少し田舎の農村や漁村に行けば、親切で人なつっこいおじさんおばさんがいっぱいです。 ス:どこの島?能古の島?)

●夏近し喉にはじけるラムネ菓子=水音
◎久△メ=4点
(久:ラムネ菓子なつかしい。綿菓子もいいけど。)

●プリン百個食べてみたい子供の日=葱男
◎ス△砂=4点
(ス:ニュースで見た、米で手術を受けた難病と闘う宗太郎君を想起して。)

●いつの間にまたジャンケンや花水木=香久夜
○資△喋=3点
(資:花水木はいつの間にか咲いている花水木とじゃんけんの組み合わせが妙。)

●確率は千に一の蝌蚪だまりひら百合
○君△香=3点

●くつ下につきたる草や遠足子=スライトリ・マッド
◎雪=3点
(葱:一家族の、ほほえましい日常のヒトコマ。)

●盛りなる花を横目に苗木市=君不去
◎前=3点

●春の月父母といる帰り道=五六二三斎
○ス△澄=3点
(ス:お月さまにご両親がいるみたいですね。)

●ひとひらの桜花にも息吹きあり=男剣士
△百、資、メ=3点
(百:そうなんだ。)

●淡みどり木立萌え来る雨水かな=喋九厘
○メ=2点

●学生の訛り飛び交ひ残る花=五六二三斎
△男、ス=2点
(男:青春ですね。 ス:新学期の不安や期待の入り混じった雰囲気が伝わっていい感じです。)

●隠れファン源平桃や二軒先=メゴチ
△百、君=2点
(百:そういうご近所の木ってあるもんですよね。)

●空気なるものキャンバスに春の海=五六二三斎
○二=2点

●古戦場の砂にやさしき櫻貝=雪絵
△水、資=2点
(水:古びたセピア色を思わせる古戦場に対する淡い櫻貝がいいです。 葱:「古戦場」はなんと読めはいいのでしょう?ひっくり返して「櫻貝砂にやさしき古戦場」としたら「こせんじょう」とすんなり読めたような気もします。)

●春の野に菜の花摘みて夢心地=澄響
○男=2点
(男:菜の花摘みの風情が。)

●綿毛よりあたまでつかち葱坊主=葱男
○資=2点

●膿むごとくあふれ散りゆくマグノリア=ひら百合
△二=1点

●夏近し指に躍らすピッツア生地=夏海
△雪、砂=2点
(葱:中七、下五はとっても良いと思いました。「夏近し」が他にも何かありそうな感じ。)

●惜春や鷺背伸びして待つは誰=砂太
△水=1点 (水:先日しばらく川の中の鷺を見てましたが、確かに何かを待っていた!)

●垂る糸に縦の旅立ち蜘蛛連れり=久郎兎
△喋=1点

●どぅるかまら島を探して春の夢=ひら百合
△喋=1点
(葱:「どぅるかまら」の持つ音の楽しさをもっと下五に繋いでほしい気がしました。)

●葉桜や火宅の人の歌碑に声=砂太
△前=1点


A部門入選作

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