*A部門入選作発表*
当季雑詠*全55投句(入選42句)
【特選】
一席
●一礼はピアノに触れてクリスマス=雪絵
◎葱、夏○砂、紅、水、前、ス△二、資、白=19点
(葱:どんな曲が演奏されたんだろう?清らかさの二乗です。 夏:クリスマスコンサートの一こまを鮮やかに写しています。 水:可愛らしい景が目に浮かびます。 ス:辻井伸行さんもそうしてましたね。 白:きっと○○さんの句なんだろうな〜と、勝手に思いつつ。何気ない句ってやはり説得力がありますね。自然体の目線なんでしょうか。)
二席
●雪を待つやうに待ちゐる人のあり=葱男
◎紅、白○雪、二、百、資△砂、ス=16点
(紅:この作者は暖かな地方に住んでおられるのでしょう。北国の雪とは趣を異にするロマン溢れる雪のお句です。 白:いいですね〜。雪国の人がどう感じているのか分からないけど、私もやはり待ってます。でもそれはただのワクワク感じゃない。内から湧き上がる憧れのようなもの…。 雪:上向き加減でうつろな目?いろいろ想像してしまいます。 百:やはり冬は雪が見たくなる。 ス:北の国の人にとってはあんまり待ちたくないものかもしれませんね。)
三席
●短日の絵硝子にあるうさぎの目=雪絵
◎香、水、喋○砂△葱、十、ラ、夏=15点
(香:師走の慌ただしい句の中で、ほっとする可愛い風景で好きです。 水:小さな兎の目がこの時期の弱々しい太陽を表している。でも回帰の希望でもある。 葱:なんでしょう、この俳句的な「現実との微妙な距離感」は?何も詠んでいないようでいて、すべてが切なく悲しい。 十:びーどろ絵は、描き終えた絵を反対面から翳して見るとか。短日の日差しにくっきりと浮かぶ、うさぎの不気味な赤い目。 ラ:中七下五のフレーズは、とても魅力的です。季語が、あまり利いていない点が惜しい。「風花や」などにしては如何でしょうか? )
【入選】
●小指より折つてひふみや年の暮=雪絵
◎久、君○喋、ス△五=11点
(久:小さい子供が数えてるんですね。ひふみよ、のほうがいいかも。 君:意のありどころが面白くて。 ス:そんな折り方する人もいるんでしょうね?! 五:普通と違う指の折り方。大晦日が迫る様をうまく詠んだ。)
●冬至湯やフォークボールの握りして=十志夫
◎ラ、二、ス△砂、五=11点
(ラ:柚子を握りしめているのでしょう。「冬至湯」の句として、類句は全く無いと思います。 ス:フォークと言えば野茂さんかっこよかった!変化の兆しありか?期待かな? 五:柚子湯の柚子を握って遊ぶ湯船。かなり通な野球ファンらしい。 葱:☆発想が愉快、男の子の句か?)
●丸火鉢今や昔に手をかざす=メゴチ
◎阿、満○葱△十、君、前=11点
(阿:家族の思い出話が聞こえてきそうな夜ですね。 満:使わなくなった古き良き時代の道具に思いを馳せ古い物のよさや思い出までも思い出し日本ってやっぱりいいなと思う感じが伝わって来ます。 葱:中七がなかなか詠めるようで詠めない措辞です。 十:とんと見なくなった丸火鉢。中七にその思いがこもる。)
●なゐ果てて蜜柑むく手の動き出す=十志夫
○五、水、夏、君△ラ、百=10点
(五:関東、東北は相変わらず地震か続いている。蜜柑をむく手に恐怖と安堵が垣間見られる。 水:ようやく日常が戻ろうとしている様を蜜柑むくとしているところがいい。 夏:地震の緊張感とその後のホッと安心した様子の対比。 ラ:それほど大きな地震ではなかったようですね。やや散文的なのが気になりますが、心情の動きを、正確に表現しています。 百:小さな地震が割としょっちゅう起こってるんですね 。 )
●百日をシュレッダーにかけ年惜しむ=水音
◎雪、前○ラ△十、メ=10点
(雪:1年のうちで100日消してしまいたい日があるということでしょうか?笑えます!同感! ラ:百日という「時間の流れ」を、シュレッダーにかけるという発想がユニークです。十:百日は厳密な数ではなく、多くの〜というほどの意味だろうか。年の瀬の慌ただしさがよく出ている。)
●開戦日お菓子の家のウェハース=夏海
○葱、十、五△久、喋、ス=9点
(葱:上手すぎて見過ごしそうでしたが、「開戦日」の思いを本当にさりげなく表現しています。ある種の「国民的熱狂」に附随する「儚さ」は、まるでお菓子のウェハースのようにもろく、滋味滋養のないものかもしれません。 十:かの大戦から70年。いまや米国の文化にどっぷり浸かる我が国の現状へ複雑な思が滲む。 五:お菓子の家の板はウェハースで出来ているらしい。開戦日との距離が何とも言えなく良い。お菓子の家はアメリカンドリームみたいだし、戦後の日本のアメリカナイズなのかもしれない。戦争はこりごりだと言いたいのだろう。 久:ウェハースを破壊する!? ス:季語とウェハースの取り合わせがいい。)
●冬至の湯形にならぬ物思ひ=秋波
◎資○二△メ、水、百=8点
(水:こんなことありますね。 百:何だか物思いに浸る。 葱:☆「形にならぬ」のは湯舟に漂う柚子の群れでしょうか?)
●風花やうつろとなりて湯にひたる=白髪鴨
◎百○メ△香、資=7点
(百:家事にくたびれた主婦かな。 資:北国の露天風呂でしょうか。気持ち良さそうです。)
●数へ日の龍帰る空遥かなり=葱男
◎五○君△香、喋=7点
(五:記念すべき還暦の辰年はあとわずか。あっという間の一年だった。龍は何処へ帰るのだろう?また、12年後に逢おう。 香:龍帰ると表現するんですね。還暦の年、名残惜しいです。)
●流れゆく寡黙の影やみぞれ駅=十志夫
◎メ△阿、紅、百、白=7点
(阿:高倉健の世界かな。 百:皆、身が縮こまってる。 白:いいシーンですね。)
●星冴ゆる宇宙は何をたくらむや=白髪鴨
○十、紅、メ△香=7点
(十:冬の夜空を眺めながら、異常気象、大地震などを振り返りつつ地球人としてのさまざまな不安がよぎる。大景。 香:果てしない夜空を見ていると、こんな大きなことをイメージできるんですね。 葱:「俳句」も分らんが「宇宙」も分らん。「自我」という存在はもっと分りません。)
●人々より神々多き村雪気=スライトリ・マッド
○夏、白△二、満=6点
(夏:静かな村の情景が見えてきます。まるで児童文学のよう。「々」は無いほうが語調が整うのでは? 白:日本の神々はエホバやアラーのように超越的ではなかったし、ギリシャの神々のように人間的でもなかった。さながらあるがままの神々が日本の神々だった。そこにあることが属性であり形相である神々。確かに人の数よりも多いかもしれない。 満:ジブリのものの け姫を思い出しました。雪が降る山々を見ていると神の存在を感じる事があります。)
●女子会と称し還暦闇夜汁=スライトリ・マッド
○ラ、満△紅=5点
(ラ:還暦という年齢であるにも関わらず、「女子」と言い張る気概に、圧倒されます。 満:いくつになっても女子は女子でいたいのが凄く共感しました。)
●電飾の限界集落クリスマス=水音
○久△雪、君、白=5点
(久:誰が飾ったのか、似つかわしくないところが何か問いかけているようで。 白:風刺的ですが、あまり皮肉になっていない点に好感もてます。昨今、やりすぎと感じているのは私だけでしょうか。 葱:☆「限界集落」という言葉が深い諧謔を示してくれます、佳句。)
●遍路道そろりそろりとクリスマス=喋九厘
○前△阿、二、資=5点
(阿:巡ってみたい四国、そして温泉にでも浸かりたい。 資:この時期日本列島クリスマス一色ですもんね。納得。)
●聖夜めく都心巡回シャトルバス=資料官
◎十△雪=4点
(十:夜の街をゆくシャトルバスの明かりがトナカイの曳く橇のように見えるのだろう。景が鮮明です。)
●母と娘の酔うてほてって柚梅酒=ひら百合
○阿、喋=4点
(阿:お父さんは離婚したか、この世を去ったか、あるいはまだ、接待で忙しく働いているのか。)
●不器用をはにかむ爺や雪の驛=久郎兎
○香△水、君=4点
(香:映画の一場面のよう。 葱:☆面白い光景ですね。^^;)
●数え日の心とりのこされしまま=夏海
◎砂=3点
●先立ちし息子出迎へ冬の川=五六二三斎
○香△ス=3点
(香:とても悲しい句です。句に詠むことで、何かプラスに向かうといいですね。 ス:子に先立たれる親の気持ち考えただけで胸が痛みます。)
●静けさや心ひとつの師走かな=喋九厘
△葱、阿、前=3点
(葱:本来せわしないのが「師走」なんですが、ここは「静けさ」を師走に詠んで、今年の日本の世相を上手く言い表わしている。 阿:月を見ているのか、星を見ているのか、雪が降ってきたのかな、離れている人を思っての句かな。)
●漂ひつ居場所求むる暮の街=君不去
○百△久=3点
(百:にぎやか過ぎる年末の街。 久:ちょっと切ない。)
●歳の市俎上に乗らぬ小魚づれ=砂太
○白△二=3点
(白:近所の西鉄ストアでも、暮れになると普段は置いてないものが続々登場します。60回も正月を迎えると、特にめでたくもなくなります。今時は元旦から営業している店もいっぱいあるので、特に買いこむ気にもならないし、逆に普段のものがなくなることのほうが憤りを感じるくらい。)
●大鍋のホットワインや聖誕祭=スライトリ・マッド
△雪、ラ=2点
(ラ:「ホットワイン」は冬の季語なので、季重なりになってしまいますが、「大鍋」から、イメージが広がるところが好きです。 葱:☆どこかで「ドイツ祭」をやっている光景をテレビで見ました。)
●元気かな見上げる夜空白い息=満癒姫
○阿=2点
(阿:遠く離れている人を思っての句ですね。 葱:☆素直な良い句です。口語的な印象が句の内容を薄くしているのが残念。)
●シンシンと白き闇降る聖夜かな=阿Q
○久=2点
(久:雪も闇にしてしまうところがいいです。)
●歳の市電話片手の髭男=砂太
△夏、満=2点
(夏:「髭男」という視点が面白い。 満:葱男さんを思い出しました〈笑〉)
●歳の瀬にわが師は逝きて空青し=阿Q
○満=2点
(満:慕っていた方の最期を思い出し、自分は生きていることを感じている様なきがします。)
●なにごとも物語りめくクリスマス=水音
○砂=2点
●冬の川不動一点鷺の勢=砂太
△久、水=2点
(久:一点不動の、でもいいかも。最後の勢が効いている。 水:日本画のよう。 葱:「一点」は「一転」では?)
●冬日向ほっこり思ひ起こす夢=君不去
○雪=2点
(雪:還暦を迎えた今、何となく昔抱いた夢を思い出しているのでしょうか?)
●見つめ合ふラストシーンは冬木立=君不去
○資=2点
(資:空までスカスカの冬木立というのが面白い。)
●焼き鳥の串の数だけ年忘れ=前鰤
△五、喋=2点
(五:かなりの健啖家らしい。食べる人は健康。博多のお薦めは「とり福」。丘ふみ有志と行きたいなあ。)
●唯一無二それぞれのもの年を越す=ひら百合
△葱、夏=2点
(葱:「それぞれのもの」、読めば読むほど深い・・かな?)
●行列のうちにある夢空も冱つ=白髪鴨
△メ=1点
●年の暮蟹が陣取る冷凍庫=満癒姫
△紅=1点
(葱:☆「台所俳句」ですが、楽しい気持ちにさせてくれます。)
●冬暮れて龍年去ると命舞ふ=喋九厘
△前=1点
●夕凍みや灯の星々と煩悩と=夏海
△二=1点
●ゆーたりと話す無垢女と日向ぼこ=メゴチ
△満=1点
(満:多分、可愛らしい娘さんがいらっしゃるんだろうなぁと、心がほっこりしました。)
【無選】
●討ち入りの主と役者酌み交はす
(葱:気持ちは分ります。おそらく吉良役の役者と内蔵助役の役者が仲良く呑んでいるような風景だろうとは思いますが、中七の表現がちょっと分りにくい。)
●風花やおすまし決め込む鴨の群れ
(葱:☆目線が可愛い。)
●船荷着く島の正月孫の声
(葱:景色としては「心和む」ものがありますが、類句もありそう。)
A部門入選作〈back number〉
創刊号
2号
3号
4号
5号
6号
7号
8号
9号
10号
11号
12号
13号
14号
15号
16号
17号
18号
19号
20号
21号
22号
23号
24号
25号
26号
27号
28号
29号
30号
31号
32号
33号
34号
35号
36号
37号
38号
39号
40号
41号
42号
43号
44号
45号
46号
47号
48号
49号
50号
51号
52号
53号
54号
55号
56号
57号
58号
59号
60号
61号
62号
63号
64号
65号
66号
67号
68号
69号
70号
71号
72号
73号
74号
75号
76号
77号
78号
79号
80号
81号
82号
83号
84号
85号
86号
87号
88号
89号
90号
91号
92号
93号
94号
95号
96号
97号
98号
99号
100号