*A部門入選作発表*
当季雑詠=全88投句(入選62句)
【特選】
一席
●クリップの曲線きらり燕来る=茶輪子
◎清、砂〇玻、ラ、水△ぶ、修、ス=15点
(清:身近なクリップの曲線に燕の姿を浮かべる秀句。 玻: 燕はとにかく「反射」が似合う。飛び込むように生活空間に入って来てはきらりとした存在感を残して去ってゆく。 燕の「風」とスピード感をクリップの曲線で受け止めた対比の景が素晴らしい佳句です。 ラ:下五の展開が鮮やかで、とても魅力的です。 水:クリップの曲線は燕の軌跡のよう。 ぶ:ツバメ返しだ〜!w 修:「曲線きらり」が真似できません。)
二席
●囀やわが静脈の洗はれて=玻璃
◎ぶ○白、智、資、水、茶△葱=14点
(ぶ:いかなる治療を受けられたのかわからないが、壮絶な命の現場に立ち会っている氣がした。 白:静脈を流れる血は汚れているか? 智:美しい小鳥の囀りを聞くと流れている血まで浄化されるような気がします。 水:静脈が洗われるというところが新鮮。 茶:透析でしょうか。血流の体感が囀と重なるイメージは分かります。 葱:「静脈が洗われる」という表現がとても詩的。爽やかな鳥の声に体も耳も透き通るようだ。)
三席
●一盞の酒一輪の紅椿=ぼくる
◎ま○紅、裕、入△砂、し、喋=12点
(ま:余分なことを一切言わないで、紅椿が鮮やかに浮かびあがっていて印象深い。 紅:ひいきはしていません<笑>。すっきりと詠まれていて、好みです。 裕:風流な感じがいいです。)
三席
●しやぼん玉の中に入りたる心地かな=清一
◎し、ス○秀、雪△葱、白=12点
(し:どんな心地なのかいろいろ想像しています。 秀:どんな心地なのでしょう。ちょっと浮いたところからこの世のことがよく見えるのかな。 葱:心もとなく、何かに囚われて、自分の意思とは関係なくフラフラ浮遊する不安な気持ちなのではないか? いつしゃぼん玉が破裂して、すってんころりんと地べたに尻餅をつくことになるやも。 白: うーん。どんな心地-----。)
三席
●滑り台経由シーソー行きの蝶=ラスカル
◎紅、裕○砂、ス△雪、茶=12点
(紅:公園を自在に飛び回っている蝶。お上手な表現ですね〜! 裕:滑り台経由シーソーが明るい春を感じる。 茶:子ども時分、こんな風によく公園で遊んだことを懐かしく思い出しました。)
【入選】
●うぐひすの声のさなかに郵便夫=雪絵
○清、玻△ぶ、香、や、資、淳、久=10点
(清:折角鶯のこゑを聴いていたが邪魔が入ったとの笑えない句。 玻:春が来たなぁと鶯の声に呆としている。虚を突いて「郵便夫」がポストに音を立てる。 郵便夫という措辞は何故こうまで牧歌的なんだろう? ぶ:うまいなぁ〜偶然か、フィクションか、、、いずれにしても春のお届け物。 香:まあ、楽しい! や:正しく春の便りなり。 資:ホーホケキョに郵便屋のバイクの音が近づく。手紙を待つ風景が良い。)
●しゃくしゃくと新玉葱を刻みけり=葱男
◎や○ぼ、淳△子、茶=9点
(や:涙が出ちゃいます。 ぼ:いいねえ、このオノマトペ。ぴったりで、美味そう。 茶:オノマトペでいただきました。)
●つくしんぼ爬虫類にもなりさふな=入鈴
◎水○し、ま△修、喋=9点
(水:そんなことは思ったこともなかったけど、言われてみればなるかもしれない。 し:確かに、私もそう思います! ま:私もそう感じます! 修:「ふ」は「う」?私も凄い数の土筆を見たのでそう思います。)
●真つ直ぐな男雛の視線受け止める=玻璃
◎香、智△ス、入、久=9点
(香:男雛の視線に目が行く、鋭い感覚だと思います。 智:真摯な殿方の求愛を受ける女性の覚悟を感じました。きっぱりと清々しいです。)
●路地裏にラードの匂ひ燕来る=ラスカル
◎雪○茶△ま、水、ス、メ=9点
(雪:燕のイメージが少し変わったような句でした。 茶:コロッケ、トンカツが食べたくなりました<笑>。 ま:とても臨場感のある景です。 水:中華料理屋さんの鍋振る動き見えてきそうな。)
●子を送るバスを待つ間のおぼろ月=まさこ
◎入○ぶ△ラ、淳、裕=8点
(ぶ:この季節巣立つ子を見送る親の目には涙か。 ラ:「おぼろ月」が利いていますが、ちょっと決まり過ぎかも。 裕:最近はこういう光景は減ったかも。)
●デイサービス無き日や夫の春炬燵=紅椿
◎秋○久△十、白、淳=8点
(秋:炬燵に潜り込む夫をあきらめ顔で見やる妻。でもその眼差しは暖かい。 十:明日は我が身と思える。 白 家に居られる幸せ。)
●彼岸餅山まだ白き湖北かな=秋波
○香、子、ぼ、ま=8点
(香:湖北の冬の厳しさを思わせます。 ぼ:いい景ですねえ。日本に生まれてよかった。 ま:湖北が良い雰囲気を醸し出いています。)
●階段に踊り場のある日永かな=ぶせふ
◎秀、ぼ〇や=7点
(秀:春の光が溜まっている踊り場。 や:ぽかぽか陽気で心地が良い。 ぼ:微妙な時間と空間の把握、空気感も。)
●河童来て春の魚を振舞へり=しゃが
○葱、喋、ス△秀=7点
(葱:のっけからのこの断定がいい!「河童」が目の前に現れたのだ。なのにそれほど驚く様子もないことから「河童」は釣り好きのご主人とも行きつけの料理屋の板前さんかもしれない。とても楽しくて気持ち良い句です。 秀:春に出会う河童なら、気がよさそうですね。)
●すり寄りし猫のくしゅんと花粉症=裕
◎子〇し△清、ぼ=7点
(清:飼主が花粉症だから猫にも移った様に感じた猫好きの句。 し:猫のくしゃみ可愛いでしょうね。 ぼ:可愛いや。)
??即興の今様で舞ふ雪柳=五六二三斎
◎喋○資△し、久=7点
(し:雪柳の舞を見てみたいです。)
●菜の花や光匂へる画用紙と=入鈴
◎ラ、メ〇喋=7点
(ラ:光の匂う画用紙、僕も欲しいなぁ〜♪)
●ミモザ咲く谷中銀座の屋根に猫=資料官
○秀△ぶ、砂、玻、智、裕=7点
(秀:この地名を選ばれたことで、成功! ぶ:先日、谷中を通ったばかりでリアル感が迫ってきた。 玻:「猫の聖地」谷中銀座。今では保護の手も入って「聖地感」はなくなったとのネット情報である。千駄ヶ谷や日暮里という「東京 下町」の代表的地名に想いを馳せながらミモザが咲いて猫が屋根でのんびり昼寝かとひたすらに長閑を感じる措辞に緊張感も緩む。あゝ猫になりたい。と感じた一句です。 智:谷中銀座には猫が似合う。そこに可憐なミモザの花。とても楽しい句です。 裕:谷中にミモザがおしゃれです。)
●スピーチのまだまだ続く春の雨=裕
○雪△香、砂、資、水=6点
(香:雨も早く止んでほしいですね。 資:長いスピーチも春の雨と思えば良いのか。面白い。 水:倦んだ心持。)
●初虹の淡きプリズム陽の吐息=智雪
○砂、修、メ=6点
(修:春の虹の新鮮な感じが伝わってきます。)
●ミキサーの鰆を食みて老ひてゆく=メゴチ
◎久〇五△修=6点
(修:「ミキサーの」で心をつかまれました。)
●檸檬忌やひとりにひとつ手榴弾=葱男
◎修○十△智=6点
(修:いのちも一人に一つ。自爆用?レモンは手榴弾そっくりですね。 十:中7がテロの横溢する世情を象徴している。手榴弾の檸檬への見立てはやや既視感がある。 智:梶井基次郎の檸檬の中身は手榴弾だったのか。鬱々たる思いは誰の心の中にも檸檬の種を蒔くのでしょうか。)
●陽炎やシルク着て撮るレントゲン=水音
◎葱△十、清=5点
(葱:「シルク」が眼目。薄手のコットンでもレントゲン撮影は可能だと思うが何故ここは「シルク」じやないと詩にならないのか? 「深窓の佳人」、もしくは「美人薄命」といった四文字が浮かぶ。 十:陽炎、シルク、レントゲンの三位一体感がいい。 清:絹の着物でレントゲンを撮ると陽炎の様に写るのだろう。)
●県境の看板はすに蕨狩=紅椿
○久、五△修=5点
(修:「はすに」がなぜかリアルでいいです。)
●子規庵に線路の響き鳥ぐもり=資料官
◎五○や=5点
(や:山手線外側の根岸には三平堂とか子規庵がある、実景実感。)
●修復の瓦積まれて草青む=香久夜
○ぶ、ラ△紅=5点
(ぶ:古い建築の修復工事だろうか…奈良あたりの朱塗りの塔などが見えるよう。 ラ:「修復」と「草青む」が照応しています。 紅:熊本地震から1年、復興はまだまだのようです。)
●春の風更地にホンプ井戸ひとつ=まさこ
○十△秀、水、茶=5点
(十:「ポンプ井戸」によって象徴される過去の景色が蘇るかのよう。 秀:懐かしいような、さびしいような。 水:取り残された井戸の切なさを春の風が救っている。 茶:何もない空き地ではなく、ポンプ井戸のみ。糧の象徴と春風の取り合せでいただきました。)
●パンケーキに蜜のさざなみ春の風邪=ラスカル
◎茶△秀、ま=5点
(茶:春風を「蜜のさざなみ」にたとえる。見事な発見だと思いました。 秀:春の風邪のあまり深刻ではない症状にぴったり。 ま:春の風邪が蜜とよく合っていますね。)
●フローラにゼフュロスのキス不意に春=葱男
◎玻△智、子=5点
(玻:リズム感溢れる措辞と歯切れのよい韻。ストーリー性が高い物語の「不意」の瞬時を切り取りながら「春」という季語で奥行きを拡げている。 スキップしたくなるような佳句です。 智:春はどうしてやってくるのでしょう。いつもある日突然春になる気がします。ゼフュロスの不意のキスのように。)
●黄水仙主なくとも庭に咲く=資料官
○子、メ=4点
●白木蓮(はくれん)や夜目に袖振る天女かな=智雪
◎白△清=4点
(白: 綺麗な句ですね。夜目が佳い。 清:はくれんが春の夜に天女の様に見えたのだろう。)
●母は子を婆は犬抱き梅仰ぐ=香久夜
○裕△十、入=4点
(裕:婆は犬 が面白い。 十:景が鮮明。)
●春雨の後(のち)のしじらの東山=智雪
○香、葱=4点
(香:しじら織りの雰囲気がいいですね。 葱:「しじら=織物の表面の縦糸の縮み」。春雨の後の東山の風景を雅な「しじら織」に喩える感性が美。)
●春の昼パンになりたい強力粉=水音
○紅△葱、修=4点
(紅:ユーモアがあって、春の昼にぴったりです。 葱:小麦粉は早くパンになりたいのでしょうが、作る側がなんとなくダラダラしているのかな? 修:物にも心があって愉しいです。)
●故郷の鉄路廃され土筆採り=久郎兎
○清、入=4点
(清:故郷はどんどん廃れてゆくが土筆はいつもと同じ様に咲く。)
●いかなごの高値に箸の迷ひけり=久郎兎
◎淳△し=3点
(淳:「箸が迷う」の表現が良いですね。 し:ー箸の迷いが面白いです。)
●イタリア製尻形の椅子めかり時=しゃが
△秀、香、雪=3点
(秀:季語がもっといいのがありそうな。 香:イタリア製の椅子、いいですよねー。)
●四月馬鹿マイナンバーは十二桁=ぼくる
△十、葱、や=3点
(十:ちょっとした発見、これも俳句。 葱:政府も役人も官僚もとんでもなく「表層の薄っぺらい小狡さ」で私欲、支配欲を膨らませる輩であることか、なんとも情けない。巷間の人々を侮っているとそのうち必ずしっぺ返しが来るぞおー。 や: どうでも良いと言えばどうでも良い可笑しさ。)
●花菜雨遺影の額を磨きけり=茶輪子
◎資=3点
(資:意外と仏壇の上で埃をかぶっている。遺影の目じりが下がって見えるかもしれない。)
●花の世の一期の酒に酔ふばかり=やんま
△ぼ、資、紅=3点
(ぼ:一期 に思いが込もる。 資:まさに然り。 紅:カッコイイです!)
●まだ揺れてゐるふらここを懐かしむ=清一
◎十=3点
(十:そこには幼年時代の忘れものがあるかのようだ。)
●闇に咲く椿の命猫走る=白馬
○秋△子=3点
●一歩づつ遊びながらの日永かな=ぶせふ
○秋=2点
(秋:帰るのが惜しくてつい道草を食う。子供の情景?否大人も同類か。)
●音もなく山茱萸の花朝告げる=香久夜
△入、五=2点
●鏡面の端に映りて春の月=玻璃
○智=2点
(智:夜化粧落としする女の後ろから月光が指している。振り返らず鏡面の端で月を見ている。妖艶な女の姿が浮かびます。)
●「黒髪」を舞う人卒寿恋の猫=しゃが
△ラ、ぼ=2点
(ラ:卒寿の方の「舞い」に敬意を表して一票! ぼ:おお、名曲 黒髪 。齢とともに増す艶もある。)
●春昼てふ空虚の中を歩みけり=清一
△玻、雪=2点
(玻: 白昼夢が似合う「春昼」。 決意の中で白昼夢という空虚を歩んでいる姿が見えます。現実は厳しいという想いも垣間見るシュールな佳句です。)
●春灯や妻を美人にする睡魔=ぶせふ
○白=2点
(白: 美人の妻がさらに美人に。春灯と睡魔の取合せが佳いですね。)
●春の夕指の間を落つる本=修一
○淳=2点
●雲雀野に巡る季節の万華鏡=やんま
△裕、五=2点
(裕:雲雀野がどこか知りませんが、素敵な場所なんだろうな。)
●病窓に一年振りの桜見ゆ=メゴチ
○修=2点
(修:「かな」と止めなくて、淡々と事実を述べておられ、胸に迫ってきます。)
●大粒の真珠のピアス春愁ひ=まさこ
△玻=1点
(玻: 真珠というのはなにかを「湛えて」います。透明感ある真珠には何色と名前をつけ難い大粒の真珠が湛えているもの涙でしょうか。「春愁ひ」松任谷由実世界を想う一句です。)
●衰へし耳目や春愁なるもまた=ぼくる
△白=1点
(白: 同感です。)
●鴨三羽残され春は刻こくと=砂太
△メ=1点
●北窓を開くやばさと鳥の影=紅椿
△ラ=1点
(ラ::「瞬間」をよく捉えています。)
●桜待ち右往左往の皆の衆=喋九厘
△五=1点
●少年も少女もおぼろ遠筑波=やんま
△ま=1点
(ま:そんな気分になることが増えたような。)
●卵かけご飯の口福春の宿=秋波
△メ=1点
●一人身の春めく日々の虚しさよ=淳一
△紅=1点
(紅:わかるなぁ。)
●ひるがおや弥生遺跡の丘に立ち=修一
△や=1点
(や: 栄枯の歴史をよそに花は咲き継ぐ。)
●わらびもち露天で売って二十年=子白
△喋=1点
A部門入選作〈back number〉
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