*A部門入選作発表*


当季雑詠=全投句(入選句)

【特選】

一席
●天窓に空の貼りつく寒暮かな=秀子


◎十、メ、香、淳 〇久、砂、清 △秋、裕、水=21点
(十:部屋の暖かさと対称的な寒暮。冬の月までもが見えてきそう。香:寒そうな空、何かと思えばどんよりとした雲。淳:空が貼りつくって言う表現がおもしろいですね清:天窓は晴れた日は良いが、特に冬の夕暮れは孤愁をもたらす。裕:冬は暮れるのも早いけど、空も低いですよね 水:貼りついているのは曇天ですね。北陸に住んでいるとそう思います。)


一席
●鳥の羽ほどの残光冬木立=秀子


◎秋、雪、紅、ラ 〇メ、水、砂 △裕、や、葱=21点
(雪:鳥の羽ほどという比喩がたまらなくいいですね。 さっきまで鳥が止まっていたような気持にもなります。紅:モノクロの中に射す一条の光。絵になりますね。上五も素敵です。ラ:「鳥の羽ほど」という比喩が素敵です。水:「鳥の羽ほど」でいただきました。裕:寒々として冬木立の中のホッとする部分でしょうか や: ささやかな光すらここでは眩しい。葱:「鳥の羽」という比喩が気に入りました。冬の光ですから残光が繊細で美しいですね。)


三席
●木枯しや鬼の抜けたるかくれんぼ=清一


◎五、水、や 〇資、十 △玻、雪、砂=16点
(五:木枯らしが来て、鬼がいなくなったのか?子供のごろのハプニングを思い出す。水:残された子どもたちが木枯しの中でつまらなそうにしてる。や:鬼も見つからないと家に帰ってしまう。資:良寛さんのかくれんぼを思い出すようなユーモラスな風景 十:可笑しさと皮肉の句。何か現世を象徴しているような。多少既視感があるが先行句に負けていない。)


【入選】

●片側へ傾ぐ吊橋冬もみぢ=紅椿
〇五、メ、雪、十、葱 △香、裕、ま、や、水=15点
(五:吊橋のスリルが伝わる。十:リアルな句。写生句でありながら俳諧味もある。葱:祖谷峡の縄の吊橋を思い起こしました。怖いけど渡ってみたい。裕:橋の傾ぎが気持ちもあらわしているのかも ま:葛のつり橋を想像しました、私は怖いのですが、そこから見える紅葉の見事なこと!と。や:アナログの橋が谷風に揺れる。水:絶景を求めて、、、少し怖い状況。)

●水族館の玻璃よりあふれ冬の海=水音
◎久、秀 〇ス、ま、や=12点
(ま: 水族館にはいろいろな顔がありますね。圧倒されそうな感じがします。や: 熱帯魚がすいすいと泳いでいる。)

●この星に放り出されて枯葉ふむ=ぶせふ
◎ス、清 〇秀 △ぼ、茶、砂=11点
(清:詠者が異星人であったかのような不思議な感覚の一句、その背景には地球温暖化への警鐘もありそうな秀句。ぼ:さては、堕天使?茶:巨視的!その一点でとらせていただきました。)

●休館のロープ幾重に冬ざるる=雪絵
〇紅、水、ラ △茶、修、十、や=10点
(紅: すぐに光景が浮かびました。よく目にする景ですけど、立派な句になりますね〜。 水:せっかく来たのに冬の閉館期間って、積雪地ではよくあること。わびしい。ラ:「幾重」と「冬ざるる」が照応しています。茶:幾重の措辞と「冬ざるる」の「るる」の重なりでいただきました。十:折角来たのに、という口惜しさが中7、下5に表現されている。や:閉ざされて人気の無い寒さ。)

●欠礼の葉書の重さ木の葉髪=秋波
◎茶 〇久、清 △メ、砂=9点
(茶:実際に「木の葉髪」の重さをはかったとしたら、いか程なのでしょう。「欠礼」により気の重さがプラスされ、哀愁が漂っています。清:高齢の母親が亡くなり喪中の欠礼の葉書、詠者も高齢者で木の葉髪、実感の籠もった一句。)

●涸池のそこにムンクの顔のある=水音
◎葱 〇ぶ △久、ま、紅=8点
(葱:「そこに」、は「底に」ではなく、「其処に」と解釈しました。イメージが独自でユーモアもあります、他の人にはちょっと作れない句かも ぶ:面白いと思った。ムンクの叫びとしたいところを抑えているのもいい ま:そういう風に見えること、あるかもしれませんね。見てみたいです。紅:発見ですね!)

●黒七味探して京の片時雨=裕
〇秋 △五、ス、雪、清、ラ、十=8点
(五:黒七味に京を感じる。清:祇園原了郭が守り伝えた秘伝の味黒七味、その店を探す詠者の拘り。ラ:京都らしい風情が感じられます。十:祇園の「原了郭」のものが贈答に喜ばれるとか。胡麻、胡椒、唐辛子などの混在する色味が季語「片時雨」に合っている。)

●梟の後ろ姿を誰も見ず=清一
〇ぼ、ス、紅、ラ=8点
(ぼ:そう言われればそうだ、これも発見。紅:見逃すところでしたが、奥が深いと思います。ラ:言われてみれば、確かに!)

●木枯らしや山椒ちりめん売る親父=子白
◎白 〇裕 △ぶ、淳=7点
(白:家族を守るために、寒さこらえて。お父上か? 他の人か?裕:今時こういうお店があるといいですね ぶ:なかなか売れないだろうな〜と思いきや、なじみの人と会話を楽しんでそう。)

●大根を洗わぬ妻と三十年=裕
〇ぼ、や △喋、修、白=7点
(ぼ:ぼ:ははは、お姫様と結婚したに違いない。や:この奥様に一票! 白:面白いです。)

●踏みしだく音も光も朽葉色=秋波
◎資 〇白 △五=6点
(資:落葉の散歩道,目と耳で朽葉を感じるところが良い。白: 踏みしめる落葉。音・光・色のコラボが良いですね。五:音も光も踏みしだくが良い。)

●風呂吹の箸はすとんと落ちにけり=十志夫
◎ま 〇雪 △ぼ=6点
(ま: 相当やわらかく煮込んであるのでしょう、食べてみたい!すとんとがとても素直に入ってきました。ぼ:勿論熱燗付き、旨そう!)

●けあらしの海や眠らぬ桜島=五六二三斎
〇香 △ま、ぶ、葱=5点
(ま:鹿児島もけあらしがふくのですね、厳しい自然に思いを馳せます。ぶ:今なお火山活動を続ける桜島とけあらしのエネルギーで磁場調整をされている句だと思う 葱:「けあらし」の仮名表記がいいと思います。)

●凍て空や涅槃に住まふひとの影=白馬
〇秋、玻 △メ=5点

●ジンジャーの花の白き香冬を待つ=スライトリ・マッド
◎喋 〇茶=5点
(茶:「花の香」とせず「白き香」としたところが妙だと思いました。)

●新蕎麦や足しびらせて待つ座敷=資料官
◎裕 △紅=4 点
(裕:何を待ってるんでしょうか?頭は新蕎麦で一杯なんでしょうね 紅:注文を聞いてから、茹でるんでしょうね。おいしいに違いないです。)

●釣瓶落としイートコートに本忘れ=修一
〇秀 △茶、資=4点
(茶:「釣瓶落とし」と「イートコート」の語感のミスマッチが、逆によく働いているなと思いました。資:気がつけば外は黄昏,あわてて読んでいた本を忘れたか。)

●二冊目のお薬手帳寒波来る=資料官
△久、秋、雪、ラ=4点
(ラ:どうぞ、くれぐれもお大事に・・・。)

●初雪の第二楽章始まりぬ=ラスカル
◎ぼ △秀=4点
(ぼ:だんだん本降りになって来た、中七の比喩おみごと!)

●火に触れておいでよ僕は落葉掻=弧七
◎砂 △五=4点
(五:擬人化の句。面白い。)

●待つことにすると焚火に独り言つ=葱男
○玻 △久、ぶ=4点
(ぶ:いったいどんな人が焚火しているのか想像が膨らむ。けっこう若い女性だったりw)

●山霧に私は灰舟は白=弧七
◎ぶ △ス=4点
(ぶ:床の間に飾る軸に欲しいと思った!こんな破調の句を私も目指したい)

●一塊の押しくら饅頭として級友=葱男
〇香 △ス=3点
(香:同窓会?同じような悩みをもって。)

●風花やおうなの瞳光りたる=修一
◎玻=3点

●気嵐や錆ているもの多き陸=水音
〇五 △喋=3点
(五:気嵐という季語を知った。陸が錆びているとは風刺か?)

●騒ぎたる血中のあを皇帝ダリア=玻璃
〇ま △ラ=3点
(ま:あをと皇帝ダリアが響き合い、強いものを感じます。ラ:「赤」ではなく「あを」なのですね。)

●夕映に艶めく君よ冬紅葉=ぼくる
〇白 △メ=3点
(白: 彼女はまごうことなき美人です。)

●落葉掃く静かに微笑(わら)う古老かな=子白
〇淳=2点

●お茶の花染め歩きして四の坂=スライトリ・マッド
〇喋=2点

●枯葉舞ふその一瞬のエクスタシー=ぶせふ
〇子=2点

●ギター背負ふ初老のデニム冬日影=雪絵
△ぼ、秀=2点
(ぼ:小林旭の渡り鳥もいつか初老に。)

●グァルネリ弾く指たくましき寒北斗=葱男
〇修=2点

●木枯やひとりの宿にひとり酌む=ぼくる
〇喋=2点



●信仰の人は神なり冬木の芽=十志夫
〇葱=2点
(葱:「言い切る」気持ち良さが俳句のひとつの魅力ですね。

●スーパームーンオリオンシリウス一直線=白馬
〇子=2点


●絶望も希望もなくてなめこ汁=ぶせふ
△修、白=2点
(白: 平穏無事が一番か? なめこ汁なめなめ思う。)

●床の中雪見障子をそっと上げ=白馬
〇裕=2点
(裕:快方に向かっているんですね)

●何度でも燃えつきるまで冬紅葉=五六二三斎
〇資=2点

●バカボンのパパ揺るる街冬うらら=スライトリ・マッド
〇ぶ=2点
(ぶ:クリスマスツリーの飾りになってるのかしら?商店街のマスコットか?見つけたのがラッキー!)

●冬の雷三面鏡に黒子の背=まさこ
△秋、十=2点
(十:オドロオドロしさを秘めた句。一点に句を収斂させるためには「背の黒子」のほうがいいような。)

●冬を越す覚悟の蛹くの字して=秋波
〇茶=2点
(茶:人間なら唇をきゅっとへの字なのでしょうが(^J^))

●星空へ流るる祝詞神の旅=ぼくる

△白、秀=2点
(白: 神様も鼻歌(祝詞)を歌いながら年一度の旅へ。)

●雪の夜の鏡ひたすら闇流れ=秀子
△玻、葱=2点
(葱:「闇流れ」がいい!失礼かとも思いますが、鏡に映る自分の老い、過ごして来た長い年月を感じました。)

●腕抜きの出納係の大くさめ=十志夫
△水=1点
(水:今の朝ドラの時代かも。豪快ですね。)

●落葉より地霊囁き且つ呻き=やんま
△喋=1点

●枯蟷螂けふの居場所の定まらず=やんま
△清=1点
(清:枯蟷螂が風に吹かれてあちこち彷徨っている姿にもののあわれを感じる。)

●銀色のシェーバー唸る時雨かな=ラスカル
△清=1点
(清:髭剃りは男の日課、特に今日はやけにシェーバー音が高鳴る。)

●金粉を散らすネイルやクリスマス=まさこ
△淳=1点

●くまモンに笑顔戻るも霜注意=喋九厘
△資=1点
(資:くまもと頑張れ!)

●木枯らしに熊本城の天守閣=喋九厘
△子=1点

●木枯や風化を急ぐ虫の骸=やんま
△淳=1点

●霜の夜の眼つむりて聴くハープ=紅椿
△香=1点

●短日や母の背と子の平らかに=茶輪子
△香=1点

●晩秋の手のぬくもりやサイン会=メゴチ
△子=1点

●平林寺七色仮面の冬紅葉=メゴチ
△資=1点
(資:丘ふみ散歩会のお仲間か?本当に色々な色の紅葉がすばらしかった)

●武蔵野の広き古刹や冬紅葉=資料官
△子=1点

●夜明け前自重無きかな雪の精=久郎兎
△玻=1点


A部門入選作〈back number〉

創刊号 2号 3号 4号 5号 6号 7号 8号 9号 10号 11号 12号 13号 14号 15号 16号 17号 18号 19号 20号 21号 22号 23号 24号 25号 26号 27号 28号 29号 30号 31号 32号 33号 34号 35号 36号 37号 38号 39号 40号 41号 42号 43号 44号 45号 46号 47号 48号 49号 50号 51号 52号 53号 54号 55号 56号 57号 58号 59号 60号 61号 62号 63号 64号 65号 66号 67号 68号 69号 70号 71号 72号 73号 74号 75号 76号 77号 78号 79号 80号 81号 82号 83号 84号 85号 86号 87号 88号 89号 90号 91号 92号 93号 94号 95号 96号 97号 98号 99号 100号 101号 102号 103号 104号 105号 106号 107号 108号 109号 110号 111号 112号 113号 114号 115号 116号 117号 118号 119号 120号 121号 122号 123号 124号 125号 126号 127号 128号 129号 130号 131号 132号 133号 134号 135号 136号 137号 138号 139号 140号 141号 142号 143号 144号 145号 146号 147号