*無法投区/次元上昇月

〜新玉の年駆け抜ける左馬〜

*「クリスマス色したベスト」=五六二三斎



*


ハイジャン男のブログより

写真のベストは今を遡ることほぼ30年前の1984年8月にニューヨークのダンヒル本店で買い求めたもの。確か150ドルした。夏真っ盛りにこのような毛糸のベストが売っていたのは不思議だ。もしかしたら、ディスカウント品だったかもしれない。当時、1ドル260円の頃だったが、39000円になる。明るくて、まさにクリスマスシーズンにぴったりのベストだ。30年経っても毛玉一つない。着るとあったかい。ハイジャン男のお気に入りの服の一つ。

最近、着ていなかったので、ハイジャン男思い切って若返ろうとこの12月に大学にまた着て行くことにした。今年の正月に福袋で一万円出して三越で買ったカシミアのグレーのベストとセーターは3月には擦りきれた状態になってしまったせいもある。おそらく中国製。服は少々高くても質の良いものを買うべきだ。

このベスト、大学でたいへん評判になり、女子学生の目利きの良いのには驚いた。「先生、可愛いベスト着てますね。」と講義終了後に言われたことが五回は下らない。おかげで学生たちと写真撮影になったり、終いにはツィッターに写真を載せられたりもした。ベストのおかげで人気上昇と相成った。ベスト様々だ。

大学の教育だが、今時の学生たちに難しい理論をさもインテリぶって振りかざして教えることが教育だろうか?先ずは、学生たちにこちらに注目してもらわなければ講義にならない気がする。そういう意味で、このベストはハイジャン男の正に分身みたいなものだ。

国立大学では、ノーネクタイでラフな私服で講義する先生も多い。ハイジャン男の出身の某国立大学の恩師の教授は、講義と教授会の時だけはネクタイをして出かけておられた。身なりをちゃんとして講義に臨むのは決して悪くはなく、寧ろ、気を引き締め、学生たちにも緊張感を持たせることにならないか?

今日はクリスマス当日。このベストのおかげでとんだ教育論議に発展してしまった。このベストで若返り、情熱ある講義を続けたいものだ。

「クリスマス色したベスト若返る」

ハイジャン男


*都電が走る街=資料官

東京の街中を走る都電が消えたのは昭和47年(1972年)11月である。正確にいえば現在荒川線が残っているが,その太宗は専用軌道である。この年の夏休み,まだ全国的に蒸気機関車が走っていた頃であるが,都電撮影のために上京した。すでに都心の路線はかなり廃止になっていたが,須田町日本橋を起点とした隅田川の東側の墨田区と江東区方面への路線が残っていた。

23系統 福神橋−緑町一丁目−門前仲町−月島
24系統 福神橋−本所吾妻橋−雷門前−上野駅前−須田町
28系統 錦糸町駅前−東陽公園前−門前仲町−永代橋−日本橋
29系統 葛西橋−境川−水神森−錦糸堀−両国二丁目−須田町
38系統 錦糸堀車庫前−錦糸堀−水神森−東陽公園前−門前仲町

今では頻繁に出かける秋葉原も日本橋も街中を歩き回ったのはこの時が初めてだった。都電の路線が交差する門前仲町にも始めて足を踏み入れたが,最近は深川不動尊・冨岡八幡をお参りしてから飲みに行く場所でもある。浅草は雷門前から吾妻橋にかけて2日間もうろうろした。まだおおらかな時代で,雷門前の住友銀行(現三井住友銀行浅草支店)は屋上に上がることを許可してくれ,雷門前を通過する都電の俯瞰撮影ができた。周辺には高いビルもなかったので,東武浅草駅がある松屋百貨店の屋上からは,隅田川を渡る東武電車や都電をすっきりと見渡すことができた。3年前の修学旅行で失礼した浅草の観音様はまたこの時も参拝していない。当時東京写真大学に通い,飯田橋の鉄道ジャーナル社でバイトしていたしゃべ栗も一日撮影に付き合ってくれた。  

*1 *


1:昭和47年7月24日
上野駅前 左手を上ると上野公園

2:昭和47年7月24日
上野広小路方面  

*3 *


3:昭和47年7月24日
秋葉原 上を横切っているのは総武線のガード

4:昭和47年7月26日
日本橋

*5 *


5:昭和47年7月26日
門前仲町交差点 銀行の看板が目立つ  

6:昭和47年7月26日
雷門前

*


昭和47年7月26日
住友銀行浅草支店屋上から

当時の都電の写真は撮影しっぱなしだったので,私の記憶も次第に薄れていたが,あらためて昔のネガを取り出してみると,こんな写真を撮ったのかと思うような懐かしい昭和の風景が次々と出てきた。思わず今年(26年元旦)の年賀状に隅田川を渡る都電の白黒写真を使ってしまった。写真にある吾妻橋(昭和6年),駒形橋(昭和2年),厩橋(昭和4年),蔵前橋(昭和2年)などの隅田川橋梁群は関東大震災の復興工事として昭和初期に続々と完成されたもので,隅田川は今や「橋の博物館」と称されている。浅草をはじめとした街の変貌振りには目を見張るばかりであるが,隅田川に架かる橋だけが昭和から平成の長きにわたって当時のままの姿で鎮座している。

●あしたまた会ふ輩あて賀状書く

*


平成26年年賀状


【編集後記】

新しい一年が始まりました。
今、世界では大きなアセンションが始まっています。
これまでとは全く異なった世界へ飛び込む心構えがすべての人間に必要な時が来たようです。
あらゆるものの様相が変わってゆくでしょう。
天変地異も、イデオロギー、民族、宗教、文化の相克も大きな変動を迎えようとしています。
大きな犠牲を払って、たくさんの苦しみや困難の先に、ひとつ階梯を上り、人間は新しいステージを迎えることができるのでしょうか。

俳句という極小世界もまたしかり、新しいアセンションが始まっています。
「丘ふみ」も次元上昇の時を迎えたようです。

 (文責 葱男)


■風信

阿Qさん:TBS系のラジオ番組「嶌信彦のエネルギッシュトーク」に出演、今月(1月)12日、19日(日)の二週連続です! 放送は23:00〜23:30です。

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十志夫さん:「俳句界」2014年新年号、大文字2句、ゲット!
●長き夜の起き出してくる腹の虫  (俳句ボクシング/岸本マチ子選 決勝進出! 準優勝!)
●理科室の隅に消化器秋暑し (雑詠 伊藤通明 秀逸)

砂太先生:同じく大きな文字
●歳時記を替へて吟行真葛原 (兼題/原 名和未知男 秀作)

葱男さん:じぇじぇじぇじぇ〜!! よたび、ごたび「徹子の部屋」に葱男の「セレネッラ」作品が登場しました!12月24日は「クリスマス特集」、28日放送は毎年年末恒例のゲスト、タモリさんでした。

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