*無法投区/神有月

〜あそびたらずもう逆光のねこじやらし〜



*イタリアの真赤なシンカンセン=資料官

●還暦の一絵羅馬の秋の空
●鐘楼の傾くすがた天高し

*1 *2 *3 

1:2012年10月
ローマ・テルミニ駅
(左)ETR450 初代振り子電車「ペンドリーノ(Pendolino)」

2:(右)ETR460 ETR450の後継の振り子電車

3:2012年10月
ローマ・テルミニ駅 
ETR500 「赤い矢」フレッチャロッサ(FrecciaRossa)と呼ばれる
最高時速300kmで走るイタリアを代表する新幹線
前後に機関車を連結した11両編成(TGV方式)

●登高す世界遺産の丸い屋根
●ドゥオモへと休み休み登高す
●朝霧の包む運河へヴァポレット(Vaporetto)
●朝霧やトラムするする石畳
【注】 ヴァポレットとはヴェネティアの水上バスのこと

還暦の記念ということで10月にイタリアまで出かけた。すべてバスでの移動だったので新幹線乗車することはできなかったが,ローマやミラノの中央駅で真赤な新幹線を見ることができた。スリ置引きの多いイタリアでは,主要駅構内は各方面から特に危険な場所だと指摘されていたので,相当警戒しつつ出かけたが,何事もなく良かったと思っている。ホームの先端まで来ると人も少なく,ここまではスリもやってこない。ホームでは陽気な清掃の男が「お前はgiapponese(日本人)か?」と話しかけてくるし(イタリア語はまるっきし分からないが,たぶんそうだろう・・・),新幹線の運転手はサービスのつもりだろうか軽やかに警笛を鳴らし,手を振って出発して行った。イタリアのホームの先端は安全地帯のようだ。
新幹線は都市間の走行区間は新しく作られた高速新線(ディレッティシマ)であるが,発着する都市部では在来線の線路を走っており,既存の駅に在来線の列車と一緒に乗り入れしている。日本では新幹線と在来線の線路の幅が違うので,東京駅のように同じ駅でも線路やホームはまったく別であるが,ローマ・テルミニ駅やミラノ中央駅などでは同じホームに在来線と新幹線が発着している。広くて低いホームにゆっくり新幹線が入線してくるシーンはなんともゆったりとした気持ちにさせる。
 イタリアの高速鉄道はインフラ保有部門(RFI)が所有する既存の鉄道線路上を運行しており,従来はイタリア国鉄の業務を引き継いだトレニタリア社(Trenitalia)が運行していたが,2012年春からヌオーヴォ・トラスポルト・ヴィアッジャトーリ社(NTV)が参入し,2社が同じ線路の上で新幹線を運行するようになった。ただ,ローマとミラノではNTVとトレニタリアは別の駅に発着するので,NTVはローマ・テルミニ駅やミラノ中央駅には発着はしない。そもそも2社の新幹線が同じ線路の上を走って大丈夫なのだろうかと心配になるが,それが平気なのがおおらかなイタリアの国民性なのだろうか。
私が出かけたローマ・テルミニ駅やミラノ中央駅ではトレニタリアの新幹線しか見ることできなかったものの,途中のフィレンツェS.M.N駅では運良く両社の新幹線を見ることができた。良かった!良かった!

【注】新幹線とはトレニタリアのアルタベロチタ(AV)とNTVのイタロ(Italo)のことを指す。

*4 *5 

4:2012年10月
フィレンツェS.M.N駅(フレンツエ・サンタマリア・ノウ゛ェッラ駅)
バックはフィレンツェのドーモ

5:2012年10月
フィレンツェS.M.N駅
今年の4月28日から運行開始したNTV社のイタロ(Italo)
俗称「フェラーリ特急」

*6 *7 

6:2012年10月
(左)フィレンツェS.M.N駅に到着するETR600 振り子式電車「銀の矢」

7:フレッチャ・アルジェント(Frecciargento)
(右)フィレンツェS.M.N駅を発車するETR500「赤い矢」

*8 *9 *10 

8:2012年10月
フィレンツェS.M.N駅に停車中のETR500「赤い矢」

9:2012年10月
ミラノ中央駅に停車中のETR610 振り子式電車
SBBスイス連邦鉄道所属の車両である

10:2012年10月
ヴェネチアS.L駅(ウ゛ェネチア・サンタ・ルチア駅)へ向かって海上の橋を渡る
フレッチャビアンカ(FB)都市間長距離列車


かごんま日記:「東京ラプソディ」 = スライトリ・マッド

2012年11月2日(金)

*天高く東京ラプソディ響く

花咲き花散る宵も
銀座の柳の下で
待つは君ひとり 君ひとり
逢えば行くティールーム
楽し都 恋の都 夢のパラダイスよ 花の東京

現に夢みる君の
神田は想い出の街
いまもこの胸に この胸に
ニコライの鐘が鳴る
楽し都 恋の都 夢のパラダイスよ 花の東京

夜更けにひととき寄せて
なまめく新宿駅の
あの娘はダンサーか ダンサーか
気にかかるあの指輪
楽し都 恋の都 夢のパラダイスよ 花の東京

今日は、朝の8時に隼人の自宅を出て、車を空港の駐車場に預け、東京に。羽田に10:45着。明日明後日、用事のある横浜に荷物をまず置いて、阿佐ヶ谷に引っ越した息子のアパートへ。前に住んでいたところは狭かったので予備の布団等置くスペースもなく、泊まったこともなかった。今度の部屋は南向きで明るく広く静かで便利なところ。以前は車の騒音がうるさく日も射さないところだった。事前に布団を送り初めて泊まることに。息子のリクエストで法隆寺宝物館のある東京国立博物館へ行ってみることにした。6時を過ぎるともう上野の森は真っ暗。科学博物館のロケットランチャーやでっかいクジラを見ながら進む。8時までの開館なので足早だ。私がずっと以前ワシントンDCに行ったときのことをふと思い出す。夜の一人歩きをするなと言われていたのに、いつの間にか日がとっぷりと暮れて、駅までの道を急いでいると、見えるのは後ろに黒人の集団・・。心細くなってくる。ずっと前に白人らしきカップルが見えた。男性が女性の肩を抱いている。追いかけて「一緒に歩いてくれませんか?」と頼んだら、快くOKの返事が。話していたら2人は恋人でなく親子で。ジョージタウン大に入学したという息子さんの入学式を見に来たとのこと。きれいですてきなお母さんだった。当時の私は32歳のDINKSで米国研修に。もしも子どもがいて男の子だったら、大きくなった息子と肩を並べて歩けたらいいな〜!なんて思ったものだ。法隆寺宝物館の建物は素晴らしかった。閉館まで本館の展示を見る。高円宮コレクションの根付展が2階でやっていて、特に現代ものの根付はユニークで見てるだけで楽しかった。閉店間際の地下のショップでなんと筑波大の恩師安井泉先生にも遭遇。お元気そうだった。おなかもぺこぺこになり駅に隣接したぶんか亭で夕飯。いい1日だった。

 *「東京ラプソディ」 (1936)  作詞 門田ゆたか、作曲 古賀政男 より引用


【編集後記】

99号にしてついに新記録が出た!
A部門、葱句3句、オール「無選」という記録である。
これは大変に喜ばしいことであります。つまり、「小手先でひねりだしたような句」は、もう誰も取ってくれないということ。つまり、メンバーの選句眼が相当に肥えてきているということの証拠でもあります。A部門、ノミネート全46句で入選が29句、B部門も43句中29句の入選、という結果を見てもそれが分かります。単なる「趣味嗜好」や「奇抜な手工」だけで句を選ぶことがなくなった、ということです。
あ〜、9年が経って、「丘ふみ游俳倶楽部」は本物の俳句倶楽部に成長を遂げたなあ〜!

今、机の上にはいろんなところに発送するべく、「記念句集」の「ゆうパック」がずらりと並んでいる。「め組」関係、「百鳥」関係、「はるもにあ」関係、「つぶやく堂」関係、多くの俳人たち、文学的、芸術的、文化的交流のある知人や友人、「書籍封筒」で送る個人宛のものまで含めるとどうでしょう? 50個ぐらいの包み箱が並んでいます。
500部印刷したものが、数えてみると残るのは大体50部ぐらい。それだけ多くの人が(多分)この句集を手にしてくれるでしょう。それはとても大きな喜びです。
何故なら、この「百号発刊記念句集」に詰め込まれた俳句や文章は、すべてがきらきらと輝いているように感じているからです。

 (文責 葱男)


■消息

砂太
●梅雨晴間ただそれだけで旅立ちぬ  白川砂太 
  『俳句界』11月号/「兼題/旅」【佳作】(橋爪鶴麿 選)

●海底の夢の色して浮く海月  白川砂太
  『俳句界』11月号/「雑詠」【佳作】(有馬朗人 選)


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