*無法投区/雪待月

〜こぞことし白に真白の降り積もる〜


*ファッションショー=葱男

まさか、自分のデザインしたものでファッションショーを開けるとは夢にも思ってもみませんでした。
2010年12月11日、「ポートメッセなごや」の特設会場で「セレネッラの咲くころ」の30分のショーが行なわれました。(「セレネッラの咲くころ」とは細君と私で作っているハンドメイドフェルトのブランドです。)
「23thクリエーターズ・マーケット」は出店ブース1300、11〜12日の二日間でのべ37000人の入場者を記録しました。

その模様をホームページにアップしましたので、どうぞご覧ください。

「セレネッラの咲くころ」は自宅の1階を改装して、今年1月21日(金)にハンドメイドフェルトのお店をオープンいたします。
みなさま、京都にお越しの節は是非一度、遊びに来てくださいね。


*東北新幹線新青森開業物見遊山紀行=資料官

東北新幹線新青森開業の12月4日(土)会社の青森出身の先輩夫婦と4人で青森まで行ってきました。一年以上前の酒の席での開業当日青森に行こうという話がとんとん拍子に進み,鉄の軽い思い付きに非鉄の人が盛り上がってしまった結果です。4年前の18年8月に誘われて青森ねぶたを見に行ったことは「丘ふみ游俳倶楽部」の18年9月(第25号)の無法投区に掲載されています。その先輩です。
開業日の一番列車の指定席取ることも難しかろうと,三番列車の8時28分発新青森行きはやて17号の指定席を一月前に確保しました。午後の列車は空きがあったようでしたが,このはやて17号は大宮で満員となり,いつもどっと人が降りる仙台や盛岡ではほんのわずか下車するだけで,降りた分だけ人が乗ってきました。やはり,この列車の乗客の大多数が終点の新青森を目指していたのです。八戸を過ぎて開通区間を走り新青森が近づくと先輩たちはそわそわうきうき,見慣れた風景を新幹線から眺められる感激に浸っていたようです。途中福島県内を通過する際に強風でスピードダウンしたため若干の列車の遅れはあったのですが,ほぼ定刻に新青森に到着しました。その後の列車が強風の影響で大幅に遅れたことを聞き,本当にラッキーだったと思いました。新青森駅での地元の歓迎振りは想像以上のものでして,新幹線の乗客には立派な青森リンゴを1人づつ手渡し,地元東奥新報は大きな写真入の号外を刷って配っていました。

1 2 3

1:しばし冬の虹と並走 まもなく盛岡到着
2:新青森駅に到着するはやて号
3:新青森駅前広場 大きな青森ヒバの木が鎮座

●木枯らしも浮き足だてり開業日
●いつまでも車窓に残る冬の虹
●冬の虹新青森まで旅続く
●津軽へと夢橋渡す冬の虹

出発前に,先輩から新青森着いてからどうすると聞かれたので,そのまま津軽鉄道に乗りたいと答えると,すぐその気になってくれた。列車の時間を調べると,奥羽本線から五能線と津軽鉄道の接続も絶妙にぴったりでして,さらにその津軽鉄道が名物ストーブ列車ということもわかったので,もう大人の遠足の雰囲気ムンムンでした。開業初日ですから東京からの乗客が相当そちら方面に向かっているだろうと思っていたのですが,奥羽線や五能線は混雑はなく,なんとなく拍子抜け・・・のんびり五所川原までたどり着くことができました。



4:五能線の車窓から林檎園 木守の林檎も発見
5:五能線の車窓から津軽の光芒 天使のはしご
6:津軽鉄道の五所川原駅 ストーブ列車到着のシーン
年末年始のNHK「ゆく年くる年」も登場していた



7:ストーブ列車内 するめの焼ける匂いを満喫 ワンカップ片手の乗客もちらほら
8:金木駅に到着した五所川原行きストーブ列車

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9:太宰治記念館「斜陽館」前の丸型ポスト もちろん現役
10:津軽鉄道からのプレゼントは箱入り林檎

津軽鉄道は,五所川原から津軽中里までの私鉄。そのまま終点の津軽中里まで行けば,津軽鉄道全線制覇できるのですが,今回は同行者の視線を感じて,金木で下車し太宰の生家「斜陽館」に出かけることにしました。津軽鉄道の行きはストーブ列車(ストーブ料金300円が必要)のストーブの横の席の座り,帰りはディーゼルカーの「走れメロス号(乗車券のみで可)に乗って五所川原−金木間を往復しました。ストーブ列車では,青森リンゴのプレゼントがあったし,ストーブで焼くするめのにおいを満喫させていただいたうえ,おすそ分けも少々いただいた。金木では帰りの列車までの約1時間の間,太宰生家「斜陽館」をゆっくり見て回ることができました。乗り残した金木−津軽中里間が心残りだったけど,新幹線開業日は太宰治にたどり着くことで良しとしましょう。残した区間は,またなんかの機会に乗ることとします。

●乗換の駅の待合日向ぼこ
●本線からスイッチバック枯野道
●木守りの林檎寒かろ五能線
●乗り継ぎのストーブ列車やするめ焼く
●はつらつとストーブ列車のアテンダント
●正座して太宰生家のいろりばた
●寒夕焼太宰生家の丸ポスト

そうして,また同様にのんびりと青森まで戻りました。青森では先輩の高校の同窓生が夫婦で待機,県庁そばの寿司屋で新幹線開業祝賀会と称して美味しいお酒を頂戴しました。
なんとなく博多駅前の「てっ平」ミニ同窓会の青森バージョンに参入したような気がしました。しっかりと青森の海の幸を堪能できたので,記念すべき新幹線開業の一日がさらに充実したものになりました。宴会の前に東奥新報の夕刊を買おうと思って,青森駅をあちこち探し回ったのですが,どこも売り切れており,ようやく宴会場の寿司屋で夕刊見ることができました。やはり,開業祝賀ムードの記事が一杯の紙面でして,昭和50年3月10日の西日本新聞(夕刊)はこんなではなかったことを思い出しました。

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11:駅で配布されていた東奥日報の号外
12:「三九鮨」の刺し盛り
ひらめ,黒そい,赤がれい,あいなめ,〆鯖,黒鯛,えぞツブ,蛸(頭),てんから,イカ 10種類
13:泊めてもらった先輩自宅の冬紅葉
まだ散らずに待ってくれていたのです・・・

●冬紅葉一番列車の人待てり
●開業の時をひたすら冬紅葉
●縄文の遺蹟行き交う冬帽子

翌日日曜日,朝歩いて津軽新城駅に行き大阪発の寝台特急日本海を撮影,
三内丸山遺跡と青森県立美術館を見学してから,青森駅横のアウガで買い物をして,新青森駅から16時08分のはやて34号で無事帰京したのであります。
この道中の足取りは,同行した先輩夫婦がそれぞれブログにアップしていますのでそちらをご覧ください。掲載時期はおおよそ,12月3日~18日です。珍道中の有様が手に取るようにわかります。

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14:三回丸山遺跡 すぐ横を新幹線が走る 新幹線からも新青森駅到着寸前の右側に見えます
15:県立青森美術館のあおもり犬 これえらいでかいのです
16:新青森駅 はやて32号(左),はやて34号(右)

東北新幹線はさらに函館まで延長される計画ですから,新幹線の駅はどんずまりの青森駅に併設されず4kmほど弘前方面に離れた場所に新青森駅を設置しました。地元の歓迎振りは相当のもので,4日(土)と5日(日)の新青森駅の人出は多かったが,青森駅付近の街中では何となくしらけたムードも漂っておりました。新青森と青森,函館開通までは終着駅としての存在感があのですが,開通すれば単なる通過駅となると危惧している人が多かったようです。新青森駅は青森駅から約4km列車で6分(距離的には大阪−新大阪間ぐらい)タクシーで2000円弱,周辺は何もなくて新駅周辺の開発が進むのはこれからでしょうか。
来年3月12日(土)には博多−新八代間が開通し,新青森から鹿児島中央まで新幹線がつながります。直通列車はありませんが,はやぶさorはやて+のぞみ+みずほorさくらと乗り継げば日本列島縦断できます。この日にどう振舞うかはまだ決めていませんが,何とかしたい気持ちはあります。それにつけても,はやぶさが東北を走ること,九州新幹線早い順にみずほ→さくら→つばめなんてどうも納得がいかない。はやぶさは鹿児島に向かってほしかったし,この九州新幹線の名前は逆だろうね。


かごんま日記:「林と思想」= スライトリ・マッド

2011年1月5日(水)
*天日干しさるるちりめん息白し

そら ね ごらん
むかふに霧にぬれてゐる
きのこのかたちのちひさな林があるだらう
あすこのとこへ
わたしのかんがへが
ずゐぶんはやく流れて行つて
みんな
溶け込んでゐるのだよ
こゝいらはふきの花でいつぱいだ

今日の新聞のローカル面に昨年の鹿児島県内のグーグル検索急上昇キーワードが載っていた。第1位、「マルヤガーデンズ」。天文館の三越デパートが閉まった跡地に出来た商業ビルだ。第2位、「ビックカメラ」。JR鹿児島中央駅ビルの商業施設『フレスタ鹿児島』の新装開店に合わせ核テナントとして開業したもの。第3位、「徳之島」。米軍普天間飛行場移設問題で揺れた島。徳之島は闘牛の島としても有名。お正月は全島一(ぜんといち)の牛を決めるので盛り上がる。第4位、「パワースポット」。県内には霧島市の霧島神宮と鹿児島神宮(うちの近く)、鹿児島市の八重山など多くのパワースポットがあると言われている。第5位、「セブンイレブン」。今年3月に県内初進出となるコンビ二。なぜかセブンイレブンは鹿児島にはなかった。しかし、私はどの言葉も検索した ことがないなあ。お店は次々と目まぐるしく変わるし。まあ今日グーグルで見たのは「チリモン」かな。同じく今日の新聞に鹿児島水族館の冬のイベント情報が載っていて。特別企画展『チリモンをさがせ!』2011年2月28日までとある。子どもが虫眼鏡を 覗くイラストも。チリモン=チリめんモンすたーず。温暖な気候と豊かな海に恵まれた鹿児島は農水産物の宝庫。カンパチ、カツオ、カツオ節、ブリ、ウナギ、ハモなどに混じってチリメンジャコも作られている。昔ながらの製法。港近くの加工場で水洗いし熱 湯で1,2分ゆでる。その後すばやく天日干しにされるというもの。水揚げから天日干しまで30分足らず。このスピードが甘みやうまみの秘訣らしい。ふつう市販に流通しているチリメンジャコのパックは、あらかじめ混入されている他生物を取り除く作業が行わ れているそうだが、その作業をあえて行わず、たっぷり他生物が混入された状態のまま商品化したものがちびっこたちの間で人気なのだそう。アジ、サバ、タツノオトシゴ、アナゴ、カニ、エビ、シャコ、イカ、タコ等の稚魚たち。タツノオトシゴなんぞ、モンスターの貫禄十分だ。今度チリメンの中をよく見てみよう。

*「林と思想」 宮澤賢治『春と修羅』(1922) より引用


■編集後記

京都、去年今年はずっと雪が降りつづきました。
京都に住んで30年以上になるけど、大晦日、元旦に雪が積もったという記憶はない。
一年に2〜3回降雪はあるものの、庭の草木を真っ白に覆ってしまうような積雪は節分のころ、1日あるかないかである。
やっぱり、このところの異常気象は地球規模での話なのだろう。

大晦日に田舎(徳島)に帰省しようと思っていたのだが、流石に断念して、ひとり京都で元旦を迎えることにする。
焼酎をチビリチビリとやりながら庭の雪を愛でる。
今年の紅白の選曲はなかなかよろしいではないか。
若いころは「紅白」なんて退屈で馬鹿馬鹿しいだけだったが、このところその演出が妙に胸に沁みるのは何故だろうか?
我等と同じ年代のディレクターが演出しているからか。
アーティストの定義はよく分りませんが、いずれにしても若き表現者、というのはいいもんですね。
「ゆく年くる年」は雪の知恩院から除夜の鐘の中継である。
商店街に面しているショーウィンドウに「正月飾り」をセッティングして、夜中の12時を過ぎたところで点灯する。



みなさま、明けましておめでとうございます。



(文責 葱男)


■消息

水音:『俳句界』1月号/「兼題/福」【秀作】(山崎十生 選)
●月代や手料理ひとつお福分け  山下水音
『俳句界』1月号/「兼題/福」【佳作】(石井いさお 選)
●月代や手料理ひとつお福分け  山下水音

葱男:『俳句界』1月号/「兼題/福」【佳作】(山崎十生 選)
●お多福の悲しいときのラ・フランス  中島葱男

五六二三斎:『俳句界』1月号/「めーる一行詩」【佳作】
●柊の花や坂道カーブする  原たかゆき

スライトリ・マッド:『俳句界』1月号/「めーる一行詩」【佳作】
●しぐるるや稲荷町渋滞2キロメートル 島小みかん

「筑紫丘高校同窓会会報」(48号)に「丘ふみクラブ」の記事が掲載されました。





■句友のページ
俳人・金子敦の小部屋俳句と主夫の間で♪<なを>の部屋空とぶ猫俳句魂海渡の海馬向後崎ふみ(十月桜)の気まぐれ歳時記俳句と写真で綴る日記「日々好日」nemurinn主義


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