*無法投区/お正月

〜福水をちびり吟醸酒をぐびり〜


*新年ご挨拶句=葱男

二六斎宗匠に砂太先生、及び部員の皆様、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

新年のご挨拶代わりに皆様に一句づつ献上させて戴きます。
お気に召すやらどうやら、不愉快なところがございましたら何卒ご容赦!
お目出たい席での酔狂と、どうぞ軽く受け流して下さい。

砂太先生(先生の教えに従い、主宰に媚びず我が俳句道を歩きます。)
●松納め恩師とお題競い合ひ

白髪鴨さん(貴兄の文学性をこのまま眠らせてしまうのは友人としていかにも勿体無いよ!)
●休場の横綱を待つ初相撲

五里さん(写生句を詠める環境にないなら空想句を!周りに自然がなくてもカメラはやめないんでしょ?)
●初富士に復帰祈願の二拝かな

澄響ちゃん(五次元宇宙の摩訶不思議句を詠んで下され!)
●初神楽五次元文庫読破せり

雪絵姫(母として女としての哀愁とロマンを、なにより純真な魂を言葉に翻訳願います。)
●たちまちにしてあやかなる春襲

水音さん(深化する俳句精神は「丘ふみ」の良き道標、真実の言葉は個人の或を超えて行く。)
●初昔湯の香を纏ふ美の化身

君不去さん(日溜まりの歌を唄って、忘れかけている人の暖かみを思い出させて下さいね。)
●きやつきらこ丘を巡りて舞ひ踊る

久郎兎さん(たまにはみんなのコメントも聞いてみて!共鳴してくれる人、理解してくれる人は必ずいますよ。)
●太箸や三の重から平らげし

男剣士殿(男の選ぶ男の句、男の選ぶ女の句。剣士の選ぶ剣士の句。武士の一分でしょうか?)
●土竜打いささか腕におぼえあり

喋九厘さん(旅ありて句あり、機関車ありて詩情あり、口ずさむ童謡みたいな甘栗団栗くりっくり。)
●旅始め線路は続くどこまでも

ひら百合さん(なんだかへんてこでどこか哲学的、うーーん、気になる〜〜けど、よく分からない句を楽しませてもらってます。やはり国際人の感覚なのでしょうか?かな?)
●地球軸半周まはり初御空

香久夜姫(時期がくれば月に還れる日も来るでしょう。それまではたとえ1句でも2句でも、ぼちぼちやって行きましょう。忙しい時は経験と才能をじっくりと眠らせて、来るべき熟成を待つ、です。)
●初夜明あまたの香り兆し来る

木影様(文学を志したものはひとりきりでもその道を行く、妥協せずに追い求めるしか他に道はない。「17文字の地獄」だと思ってます。)
●絵硝子の光と影や初のミサ

資料官殿(素直さと勤勉さがあれば行く手を何も遮るものは何もありませんぞ! 前世で善行を積んだ人にはかないません。)
●玉せせり大ブレイクの予感かな

メゴチさん(無選がいくつあってもくじけず、毎回投句してくれるメゴチさんに励まされて、私も毎回無選の「百鳥」 句会に皆勤しています。本当にありがとうございます! それにしてもメゴチさんの句、葱とは逆にあまりにも素直すぎるから・・・。)
●ホールインワンに弾ける初笑

前鰤会長(いつも本当にお忙しい中、さすが「関西一杯呑もう会」きっての付き合いのよさと人の良さ。サラリーマン俳句、いつも哀愁があるなあ〜。)
●因果かな仕事始にほつとせり

五六二三斎教授(サラブレッドの血筋も最近不調なのは本職の研究に没頭しているからでしょうか。王道を行く人は堂々としていればいい。)
●宝船金の大豆を積み上げて

入鈴様(短歌と俳句はどこがどうなんでしょうかね? 31文字がなんだか全く作る気がしないのはなんでだか? マルチタレントに国境はないのでしょうか? ある訳ないか。)
●初音売りときおり猫と遊びけり

スライトリ・マッド妹(女性は凄い! あなたは凄い! これだけ続いている「かごんま日記」をはてさて、どうしたものでしょう?)
●餅花や真白き玉の華やげり

夏海さん(人間には持って生まれた才能というものがある。何かを持って生まれて来て、その何かをちゃんと生きて来た証が、こんなにみんなから支持される夏海句の原点なのでしょう。)
●七種や薬効千変万化なり

二六斎宗匠(今生の、一献の、地霊と血と遺伝子とニュートリノに捧げる、静かで少し寂しい人間の一生の事なんですね、つまり、俳句とは。)
●歳徳神手の包丁を離さざる


*平成19年師走の風景=資料官

●富士山の姿が嬉し寒日和





●丸善の窓の灯りや日記買う
丸善が東京駅前オアゾに移って4回目の冬になるが,東京駅から大手町方面に行くにはオアゾの中を通り抜けるのが良い。丸善の4階にある喫茶レストラン(エムシーカフェ)コーナーは線路に面していて,目の前を中央線や東北新潟長野方面の新幹線を眺めることが出来るので,一度ゆっくり座ってみたいと思っているがまだ実現していない。鉄道少年探偵団の面々が上京した際には案内しようかと画策しているところ。
【案内】「JR東京駅に出入りする鉄道各線を一望できる開放感溢れる空間で,丸善伝統の元祖「ハヤシライス」をご賞味ください。お仕事やお買い物の合間に,寛ぎと安らぎのひとときを!香り高い珈琲と共にお楽しみください。」

●青信号見て銀杏落葉散る
●メトロへも神田川へも散る紅葉
今年の春に御茶ノ水のホームから神田川の向こうの桜を撮影していたので,今度は桜紅葉の頃にチャレンジしたいと思っていた。狙いは湯島の聖堂の紅葉,手前を東京メトロ丸の内線,ホームに人。松本清張の「点と線」は東京駅13番線から15番線が見通せる時間帯に着目したトリックであるが,ここ御茶ノ水は中央線と総武線が頻繁に通る要所でして,2番線,3番線,4番線に電車が入っていない時間帯に川向こうの東京メトロが通らなければ成就しない厳しい条件であります。この写真30分近く突っ立ってようやく撮影できたもの。










●日本酒も並べてメリークリスマス
●寒満月千鳥足元照らしをり
●明日また酒飲む人あて賀状書く
会社の仲間と毎年クリスマスイブに忘年会をする約束ごとがいつの間にか出来ていて,もう今年で5回目になるはず。昨年のクリスマスイブは休日でしたので,やむを得ずクリスマス本番に設定したが,誰一人その日の開催には異論なくむしろ歓迎された。忘年会が引けてからゆっくり霞ヶ関の丸の内線の駅まで歩いて行きまして,日比谷公園が近づきますと十六夜の月がたいへん綺麗でした。
メリークリスマス=満月だったのですね・・・・
月がこんなに冴え返るように美しいのに,お酒を飲んでふらふら歩く姿がなんとなくわびしくなりました。今年は久し振りに24日のイブに開催できそうです。


かごんま日記:"You're My Best Friend"= スライトリ・マッド

2007年12月7日(金)

*CGの凛凛しきマント銅像に

Ooh, you make me live
Whatever this world can give to me
It's you, you're all I see
Ooh, you make me live now honey
Ooh, you make me live

Oh, you're the best friend
That I ever had
I've been with you such a long time
You're my sunshine
And I want you to know
That my feelings are true
I really love you
(ooh) oh, you're my best friend

先々月に書いた、西郷さんの銅像に着せるマントの後日談。今日が西郷隆盛の誕生日(130周年)で、また今年が銅像の古希(70年目)に当たるとして、NPO法人が、12月7日の今日一日だけ、12反の大島紬から成るマントを銅像にプレゼントして着せたいとの要望書を市の公園緑地課に申請していたが、4日に回答が。返事は「ノー」。理由は「銅像は芸術作品だから」とのこと。計画はすべてオジャンに。もしもお隣の東国原知事が鹿児島県知事だったら、知事自ら大島紬を着て、ゴーサインを出したかもね?!しかし今日は朝からあいにくの雨。許可が出たとしても今日は無理だったろうとの話。両者痛み分けの結果に。私もマントの裏地に署名するなど多少かかわりがあったので、大島紬のマント姿のセゴどんを見ることが出来ず残念だったが・・。夕方のテレビニュースでは大きく扱われ、CGでマントを着たセゴどんを映し出してくれ満足。なかなか似合っていた。マントは世界一大きなマントとしてギネスに登録したとのこと。

*寒晴や小さきブロンズ佇みて

Ooh, you make me live
Ooh, I've been wandering round
But I still come back to you
In rain or shine
You've stood by me girl
I'm happy at home
You're my best friend

Ooh, you make me live
Whenever this world is cruel to me
I got you, to help me forgive - oo oo ooh
Ooh, you make me live now honey
Ooh, you make me live

西郷隆盛の盟友、大久保利通の銅像も、観光スポットとして有名だ。電車通りに面した西千石町甲突川河畔の高見橋のたもとに建っている。フロックコートを颯爽と翻した利通像は正面から見ることが多い。周りをかん木や棕櫚やフェニックスが囲んでいて近づけない。私もつい最近知ったことだが、銅像後ろ側の利通の足元に不思議なオブジェがあるのだ。台座の上に銅像がのっかっていて台座自体が高い。背も届く高さでなく、肉眼ではっきりと見えないが、何か動物のようなものと人間らしきもの。誰かが悪戯して置いたものか?これは一体何だろう?と思って調べてみたら・・。

*蒸饅頭喧嘩のあとで頬張りぬ

Oh, you're the first one
When things turn out bad
You know I'll never be lonely
You're my only one
And I love the thing
I really love the things that you do
Oh, you're my best friend

Oh, ooh, you make me live

I'm happy
You're my best friend
Oh, oh, you're my best friend
Ooh, you make me live
Oo oo ooh
You, you're my best friend

大久保は言わずと知れた明治の草創期の立役者の一人。3つ年上の西郷とは薩摩藩の郷中(ごじゅう)教育で育った竹馬の友で、喧嘩もよくし、助け合っても来た仲だが。大久保は1877年の西南戦争で政府軍の指揮を取り、西郷は非業の死を遂げた。その1年後に大久保は石川県の不平氏族によって紀尾井町で出勤途中に暗殺される。その二頭立て馬車の御者と馬も斬られ大久保とともに無念の死を。銅像の後ろにあった不思議なオブジェとは、この馬と御者だったのだ。青山の墓地にも、馬車夫と馬の墓が利通の墓の傍に建てられているそう。鹿児島の利通像の作者は中村晋也氏。鹿児島中央駅前の「若き薩摩の群像」を作った人。大久保には、周囲を圧する威厳があり冷徹な理論家であったと言う。その反面、子ぼんのうで下の者への思いやりも持ち合わせていたとも。そういう隠れた人柄を彫刻家中村晋也氏はミニチュアのオブジェに込めたのだろうか?ついでに出てきた雑学的事柄!大久保の子孫にはロッキード事件で有罪判決を受けた丸紅専務だった大久保利春、東大名誉教授の歴史家大久保利謙、官僚牧野力、政治家麻生太郎、皇族の寛仁親王妃信子、作家の吉田健一などなどずらり。大久保には8男1女の子がいたというが、正妻に愛妾もいたとのこと。西郷どんと似たとこない?!

*"You're My Best Friend" by QUEEN (1976)より引用


■編集後記

11日の夜のバスで東京へ行って来ます。
12日は「はるもにあ」、13日は「めじろ遊俳クラブ」の初句会に参加します。
物か話か、何になるか分からないけど、お土産持って帰りますので乞う、御期待!

それから来月からは新たに大物出句者が増えるかもしれません。
ただいま、画策中でこれも期待してて下さい。
(文責 中島)


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