*無法投区/初霜月

〜十三夜道長取りの絵羽上がる〜


第27回友労染展 =葱男

今月の17(土)〜18(日)日、平安神宮の南、京都勧業館に於いて恒例の「染住民の祭り」が開催されます。
今回出品するのは「月下村俳句帯」と名付けた六寸の染帯とその細帯に合わせた付け下げのきものを2セットです。

春のアンサンブルは題して「やよひ猫」

拾はれてやよひてふ名の猫になる

やよひ猫 やよひ猫


秋のアンサンブルは題して「秋燈」

表札に母の名残る秋燈

秋燈 秋燈


そろそろ紅葉も色付き始めます。
週末の休み、関西方面にお住まいの方、並びに旅行で京都にお越しの方は是非とも展覧会に足をお運び下さい。
近くには平安神宮、京都市美術館、動物園、南禅寺等、散策するには見どころ満載の観光スポットです。

それではご愛嬌に、つたない五・七.五で葱男お薦めの京都を御案内しましょう。


つづれさせ


つづれさせ 戀にあやなし 紫野
みちづれに 山よそほひて 円通寺

さざめくは 光のせおと 雲母坂
かたはらに 幻のきみ 光悦寺

いたづらに 髪もてあそぶ 高瀬川
しのぶれど 色にでにけり 曼珠院

たへまなく 思ひはつのる 南禅寺
やすらはで 衣にてぞめの 小倉山

わびぬれば 書にてなぐさみ 詩仙堂
あやかしを 月のまうらに 孤篷庵

とめどなく 涙あふるる 葵橋
おひつけぬ 秋をおしみて 鹿苑寺

あてどなく 彷徨ふこころ 高台寺
とこしへに 静こころなく 比叡山

さはあれど 悲しからずや 竜安寺
ひとのよの 無常はいかに 源光庵

なぐさめに 酒をふくみて 鷹ケ峯
ただひとり 庵をむすぶ 月下村




*2007年 丸ビルも新丸ビルも十三夜=資料官

【丘ふみ蜻蛉の巻】

今月は23日の勤労感謝の日に能古島で丘ふみ会福岡大会が開催されます。昨年は東京でしたし,久しぶりの能古島集合ですので楽しみでもあります。原田先生を始めとして先生方の鬼籍に入られた方が多くなり寂しい限りですが,この丘ふみ游俳倶楽部には毎回白川先生がご登場していただきありがたいことです。今度も能古島で先生にお会いすることができるのでしょうか。

◎とどまればあたりにふゆる蜻蛉かな  中村汀女

とんぼさんへ
私は残念ながら小林孝三先生の担任クラスになったことはありませんでしたが,3年間大変お世話になりました。3年間お世話になったのは,トンボさんのほかは森元さん(英語),赤田さん(古文)の3名の先生だけです。
1年 9組   29番  中楯 潔  英語1
2年10組   33番  中楯 潔  英語2
3年 3組   14番  中楯 潔  英語3

●赤とんぼ記念写真の空を飛ぶ
この写真は1年生の秋の遠足,佐賀県は鏡山山頂であります。1年9組原組は寺沢・金山・隈本・古賀・梶原・小松の諸氏が写っています。赤とんぼが一緒に写っていたはずだけどよく見えない。まだ可愛らしい少年たちでした。

写真6人

●しゃべりくる友の頭に赤とんぼ=資料官(丘ふみ游俳倶楽部 第2号より)

◯久,木,△月,ス=6点
(資:夏も盛りを過ぎるとトンボの季節。喋り止まぬ友人の頭にうるさくないのか赤トンボが止まる。 月:それにも気が付かずに喋りまくる友。 五:しゃべくり君を思う友の気持ちがよーく伝わってくる!とりたいところだが,いい句がいっぱいでごめん! 久:シャベクリさんを思い出してしまいました。物怖じしない赤とんぼに脱帽。 )

●汽車行けばあたり一面赤とんぼ
昭和49年秋,会津地方で汽車を追っかけていた時代。6×6の大判カメラを借りて汽車を待っていたシーン。まさに気がつくとあたり一面赤とんぼという風景でした。写真の上のほうにトンボが写っているのですがこれも見づらいか。

写真機関車

写真先生4

写真原田

●不忍の池すれすれにぎんやんま
●山道を行ったり来たりおにやんま

●トンボてふ教師おりけり丘の春
高校3年生の予選会は九電体育館で開催。先生方は我々卒業生のために村田英夫の「王将」を歌って下さいました。楽譜を持たずに歌うトンボさんの姿が印象的だったのです。


●ぶつぶつとハプンツービーサムシング
高校出てから3年過ぎ,昭和49年夏のなぜかトンボとカバの1年5組の同窓会。皆さん方たいへんお若こうございますね。
●腹ばいのカバの鼻先トンボ跳ぶ

写真団体



かごんま日記:" THE FAIRY FELLER'S MASTER-STROKE "= スライトリ・マッド

2007年11月1日(木)

*城山を背の銅像や冬近し
He's a Fairy Feller
The fairy folk have gathered round the new-moon shine
To see the Feller crack a nut at night's noon-time
To swing his axe he swears, as it climbs he dares
To deliver...
The master-stroke

鹿児島は銅像が多い街だ。「若き薩摩の群像」の薩摩藩士17名、西郷隆盛、大久保利通、調所広郷、小松帯刀、島津久光、斉彬、龍馬とお龍、川路利良、東郷平八郎等々。鹿児島市内の西郷隆盛の銅像は、3つだろうか?空港前の着物姿、私の家の近くの西郷屋敷跡の座像と中央公民館前の軍服姿の像。上野にある西郷さんも有名だが。そちらは、詩人、彫刻家の高村 光太郎の父の高名な仏師、彫刻家であった高村光雲の作。筒袖に兵児帯の着流し姿で桜島犬を連れている。鹿児島の銅像の中で、一番人気は城山のふもとの西郷隆盛像だろう。日本で最初の陸軍大将の軍服を纏った西郷さんの製作者は、地元の作家、安藤照。渋谷の忠犬ハチ公の作者でもある。今年の4月、鹿児島工高の生徒たちが、これまではっきりと知られていな かった像の寸法を計測し、話題になった。身長が5メートル25センチ、路面からの高さは約14メートルとのこと。観光客が記念写真を撮るのには、国道10号線を渡って中央公民館前の広場に行かないと西郷さんとツーショットでとれない。コーラス練習がある中央公民館の行き帰り、ゆっくり歩いていると、よく「シャッター押してください」と頼まれる。

*西郷どんの紬のマント古希祝ひ
Ploughman, "Waggoner Will", and types
Politician with senatorial pipe - he's a dilly-dally-o
Pedagogue squinting, wears a frown
And a satyr peers under lady's gown, dirty fellow
What a dirty laddio
Tatterdemalion and a junketer
There's a thief and a dragonfly trumpeter - he's my hero, aah

Fairy dandy tickling the fancy of his lady friend
The nymph in yellow "can we see the master-stroke"
What a quaere fellow

今年はセゴドン(かごんまではそう呼ばれる)の生誕180年、没後130年にあたる。また1937年に作られた城山の銅像は、今年で70年目に。すなわち銅像の古希!そこで城山町で呉服店を経営している能勢さん(62)が、持ち出し(車1台分くらいとのこと、国産車かな?外車かな?)で、セゴドンにマントをプレゼントする計画を立てた。私の所属する和装学苑のプロの和裁師のボランティアの力を借りて、縫うこととなり。裏地の両脇に麻の部分をつけ、約600名の署名をそこに入れ。皆でそれぞれの文字で「敬天愛人」と書き氏名を記した。マントは裾周り6.9m、丈3.8m、重さ8K。屋久杉のボタンには、西郷家の家紋を入れ。ボタンをつなぐ組みひもも紬の糸を編んで作ったものというから念が入っている。使用した大島紬は12反、普通大人の1名分の着物が1反で足りるので、10人以上分ということだ。奄美のセゴドンの島嫁だった愛加那の出身地の龍郷で生まれた柄「龍郷柄」も入っている。セゴドン喜んでくれるかしらん?

*大マント行き往く人の目を奪ひ
Soldier, sailor, tinker, tailer, ploughboy
Waiting to hear the sound
And the arch-magician presides
He is the leader
Oberon and Titania watched by the harridan
Mab is the Queen and there's a good apothecary-man
Come to say hello
Fairy dandy tickling the fancy of his lady friend
The nymph in yellow
What a quaere fellow
The ostler stands with hands on his knees
Come on Mr. Feller, crack it open if you please

今日の夕方のテレビで、およそ5ヶ月かかった巨大マントが完成し、県庁に飾られたというニュースが流れた。ニュースキャスターがマントの右側をめくってみると、まあ、びっくり、見覚えのある自分の名前と敬天愛人の文字が目に入って来た。やったー!私はただ字を書いただけなのだが。しかし、ニュースによれば、銅像を管理する市の公園緑地課は、「ふまじめとみられかねない」と一度は許可を断っており、否定的とのこと。たまたまネット上で、見つけた若い人のブログにも「しっかし、最近せごどんせぇ〜、紬を着そかいち言うしがあらわれきおっど!!ないを考えちょっとかね〜!!軍服に紬は似合わんど〜!紋次郎じゃねたっでやな〜!?どげん思な?△△ピーどん。」「○○マンさん、単なるパフォーマンスでしょうね!!つむぎのマントはこの銅像に似合うとは思いません」という意見が・・。弁明するわけではないが、大島紬は鹿児島の誇る伝統産業。写真やテレビで見る限り、紬のマントもとてもおしゃれだ!!12月7日がセゴドンの180回目の誕生日ということで、その日に1日だけ、着せられないかと市に、申し出ているそうだが、はてさてどういう判断が下されることやら?

*"THE FAIRY FELLER'S MASTER-STROKE" by QUEEN (1974)より引用


■編集後記
あっという間に11月。

55才になって思う事は、昔だったら停年の歳だなあ、という事。
今の雰囲気では、55才なんてまだまだ現役、とても隠居させてもらえそうな雰囲気は周りを見渡してもありそうにない。

五木寛之のエッセイの「林住期」というものがあるが、古代インドでは、人生を四つの時期に分けて考えいたという。『学生期』(がくしょうき)、『家住期』(かじゅうき)、そして、『林住期』(りんじゅうき)と『遊行期」』(ゆぎょうき)。『林住期』とは、社会人としての務めを終えた後、すべての人が迎える、もっとも輝かしい「第三の人生」のことである。」 と冒頭にある。
人生百年として各期25年、すなわち、林住期とは50歳から75歳までの間だそうで、そろそろ、今までの人生に於いて身に付けてきたものから余分なものを削ぎ落として行く時期なのだろう。
俳句に於いてはまだ学生期には違いないが、いずれ、俳句にもそのような方程式が当て嵌まるのかもしれない。

人生では「林住期」を意識して、少しづつ余計なものを削除して行く心構えをして、さて、俳句に於いてはそろそろ「家住期」に向かって安定したものを見い出さなければならない時期なのだろう。 (文責 中島)


無法投区

創刊号 第二号 第三号 第四号 第五号 第六号.新年号 第七号 第八号 第九号 第十号 第十一号 第十二号 第十三号 第十四号 第十五号 第十六号 第十七号 第十八号 第十九号 第二十号 第二十一号 第二十二号 第二十三号 第二十四号 第二十五号 第二十六号 第二十七号 第二十八号 第二十九号 第三十号 第三十一号 第三十二号 第三十三号 第三十四号 第三十五号 第三十六号 第三十七号 第三十八号