*無法投区/師走*

〜目で鯛!目で鰤!目で鯣(するめ)!〜

 

●ツーバイフォー 鉄骨マンション住む子等に 「大黒柱」教えても無駄=前鰤

父親の威厳が無くなりました。
 

●俳句的年間感想(半年ばってん)=久郎兎

1.お題が、とつけん、難しかあ。
難しかった順。。。。聖、災、芸、食、紫、丘
特に「聖」は意味が極まっていて超ムズイなぁ、苦し紛れで一句「年の瀬の聖林映画に季語を添ゆ」
2.色、音の表現で、ナルホドぉ。
金木犀⇒甘色(ス)(オレンジ色を飛び越えて香りと結びつけたところがいいです)、枯れ葉→セピア:踏む→音(月)(音がセピアというのがオツ)、金緑色(資料官殿の名付け)→僕は玉虫の色を俳句に入れられなかったけど、評で納得。
3.韓流ブーム。ことしの清水寺の漢字一字で惜しくも第二位になった「韓」だが、個人的に韓国語で俳句に挑戦したい。ここでは投稿しないからご安心を。で、ハンリュウとは中国語読みではないかな?日本語ではカンリュウで、韓国語ではハルリュウとなります。
 

●土壁の樹脂製といふ地下洞に アジアの低き椅子と人々=入鈴

(地面下の家さんにて)

●目を細む鳥と吾ゐて ベランダにふわりかさりと落葉まひこむ
「目を細む鳥と吾との小春日や」を薄く展ばして短歌のお勉強会に出したところ以下のように添削されました。  
●目を細む鳥とわがゐるベランダに音かすけくて落葉まひこむ
 以上、報告っぽいC詠でした。

*顔見世投句=五里

☆聖夜
●辻辻を きよしこの夜 回り来る(神戸の賛美歌活動)
●ふたりきり ローソクひとつの 聖夜かな
●クリスマス 天使の笑顔に 眼をほそめ
●鐘の音に おだやかなるも 君を待つ
☆駄句
●はよせいや せかるる声で 飾りつけ
●もうねよう 友の声で 飲み収め

*お正月に贈る/ごろにゃん娘かおるの俳句幼稚園=選句・句評/月下村

●ひまわりさんなつがすんだらさようなら
(そうか、あっさりとさよならなんだ女の子は、こんなちっちゃい時からすごいのね!)

●せんぷうきいつもすずしさありがとう
(ありがとう、の言葉をいつまでも忘れないでいてね。)

●なつやすみもうすぐおわるさびしいな
(さびしいことはさびしいんだ、よかったあ、おじさんちょっとほっとしました。)

●うんどうかい今どはぜったい一ばんだ
(負けん気、ここから始まるよ、生きるってことの道筋は。)

●かぜひきそううがいをすればよくなった
(ひとつひとつ学んでいってるんだね。)

●よるの川ほたるがいたよきれいだな
(はじめて見たの?おとうさんに教えてもらったの?。)

●金木せいちぎればき色のじゅうたんだ
(おもしろいからちぎってちぎってちぎりまくってるんだろうな、だれにもとめられないね。)

*初冬 句作 散策 五句=五六二三斎

暖かい今年の冬、西公園や大濠公園などを散策しました。その中から五句をご披露し ます。

●冬の風 受けつつ友と 湖(みず)の中
(中学の同級生(川崎在住)と六本松で飲んで、友人が長浜ラーメンを食べたいとい うので、歩いて移動しました。途中、大濠公園の中道を歩くことを思い付きました。 友人は一度も渡ったことがないそうで、驚きました。この夜も晴れて、ほろ酔いの二 人には、ちょうどよい寒さの風が吹いていました。水面に映える夜景は、二人の目に 焼き付いて離れませんでした。)

●ブラインド 下ろし行くバス 冬日和
(西鉄バスに乗ったら、お客がいっせいにブラインドを下ろし始めました。冬にそん なことあり?という光景でした。)

●熱燗の銚子も吾も 共倒れ
(忘年会たけなわ!こんな姿がごろにゃんさいには、ぴったしかな?)

●ペダル踏む 足もとまでも 息白し
(これは、想像の句です。残念ながら、まだこんな日は福岡ではありません。でも、 そのうちに、冬将軍がやって来ることでしょう。)

●ボーナスが 結ぶ親子の日曜日
(ボーナスが支給された後の日曜日。家族連れが多いなと思いました。)

*はやては北へ2004年初冬(ああ松島や松島や)=資料官

初冬の頃みちのく仙台へ。原教授が訪ねたという松島を巡る。潮風匂う仁王丸にて260余の島を巡る一時間。俳句は難しい,あの芭蕉すら1句も詠めず,原教授も3句と3川柳を残した。

● はやてなり 冬のみちのく一眠り
(仙台までは新幹線「はやて」で100分。うつらうつら居眠りすれば昼寝の間に到着するようなもの)

● 北風に 女車掌の声はっらつ
(仙台から石巻に向かう仙石線。なぜか女性の車掌にめぐり合う。溌剌としたアナウンスが心地よい)

● 冬の日や ガラス越し見ゆ島の影
(寒くてとてもデッキなどには立てない。大きな窓ガラスに額をつけて島を眺める)

● 冬浪に酔う(仁王)暇もなく 島一周
(遊覧船も一瞬外海に出るがそれもつかの間。)

● 寒風に足早や巡る 五大堂
(記念撮影のポイント。寒い寒い,走り去る)

● 杉並木冬雲流れ 瑞巌寺
(参道の杉並木の間を冬雲が流れる。時雨が来るか。)

● 白壁にナナカマドの実映えにけり
(国宝庫裡の白い壁に真っ赤なナナカマドの実が映えていた。)

● 短日や 足元寒し大伽藍
(それにしても日も短くなり,とにかく寒い。)

● しぐるるや 本線の駅街外れ
(行きは仙石線,帰りは東北本線に乗ろうとしたのが大間違い。松島駅なんて行けども行けども着かず。そのうち時雨模様に)

● 冬日向 農協二階の窓辺かな
(田舎の農協の二階から周りの田畑を一望。米どころ)

● 初氷初霜のニュース 平和なり
(朝のローカルニュースを聞いていると,初氷・初霜の話題。)

● 冬の朝眩しき歩道 我も行く
(眩しい朝の仙台市内。)

● 街路樹のイルミネーション 師走なり(杜の都)
(ケヤキ並木に光のページェント。まもなくクリスマスの杜の都)

● みちのくや ひと足早き年忘れ
(仕事も先が見えたら少々早いが忘年会)

以 上

【注】 ゴミ箱
● おじさんも一人で嬉し ミレナリオ
● 並べども列は動かず ミレナリオ
● 歳末の寒さ忘れし ミレナリオ
● おとなしく酒も誘わず 冬至の湯
● 柚子風呂や 酒を断る口実なり
● この年を振り返りつつ 冬至の湯
● アルバムの顔を浮かべて 賀状書き
● 一筆に想い託しつ 賀状書き
● 物見遊山 丸善まわり日記買ふ
● 新しき丸善探し 日記買ふ
● 丸善に物見遊山や 日記買ふ

*クロウタドリの唄=スライトリ・マッド

僕はシュバルツバルトのクロウタドリ
カラスほど大きくないし、羽の色もカラスみたいにつやのある黒じゃない
くちばしだって黄色い
鷹や鷲からはいつも馬鹿にされるし、今日もミミズを食べようとしていたら
「ちょっと待って!クロウタドリさん」とミミズが身の上話を始めたのさ
そしたらカラスが直滑降で飛んできてミミズを横取りされたよ
きっとあいつらぼくのこと笑ってるだろう

でも僕は昔歌い手だった
ピアノを弾いて歌ったものさ
僕の声で幸せな気持ちになれた人は数え切れない
リムジンもスイスの別荘も欲しいものは何でも手に入れた
何度も恋をして浮名も流した
これが最後の恋と思ったとき
神様は僕に不治の病を与え二人を引き裂いた

僕は昔兵隊だったこともある
スペイン戦争でフランコ軍と戦った
人民戦線軍が負ける前に僕は戦死した
ケンブリッジの義勇兵を助けようとして流れ弾に当たってしまった
こんなはずではなかったのに
ママは泣いた

また僕は昔鯨だった
マッコウクジラだ
水深3000メートルぐらい楽に潜った
深い深い海の秘密の場所で愛を語りあったものさ
尾びれを、ジャンプするとき、海面に強く叩き付け、海中ではしなやかに動かすのさ
大海原を旅したときのことは僕のDNAに刻み込まれてる

今の僕はしがないただの鳥
歌だってうまくない
みんなの笑いもの
でも僕だって誰かを恋して心がひりひりしたり、誰かの役に立ったり、幸せにしてみたい
今からだって遅くないはずだろ

■編集後記
この居心地の良い場所に甘んじないためにもと、白川砂太、小山二六斎の両先輩に句評をお願いした。
およそ句作に関しては、キャリアもボキャブラリーもステディーも、我らヒヨッコ倶楽部員ではとてもかないっこない両先生である。
今後とも飴と鞭の二刀流で存分に私達を愛し、可愛がっててくださるに違いない。

さてと、新しい年度が始まります。
淑気満来! 人体の細胞はおよそ50年で全身の新陳代謝を終え、2クール目のダビングにかかるそうである。
もう3回目ってのはないそうで、少々ぼやけ気味、かすれ気味でもうまく使えばあと50年、人生を録画できることになっている。
がんばりまっしょ!
はい、くり返して!♪♪〜感動(貫道)。気力(喜力)。工夫(句風)。健康(軒昂)。好奇心(高貴心)。
ちょと危なかった? アシュラムっぽいからやめといたほうがいいかな?(中島、文責。)

無法投区

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