*無法投区/長月*

〜悲願、懇願、哀願、祈願、嘆願したい此岸花〜


●恋、してる? して欲しいよな 親心=前鰤

●平凡を 願えどアダ咲く 華非凡=久郎兎

(僕が子供の時、暖かい家庭の団欒に憧れて、平凡で平和な家庭を望んだが、人間って難しいなあ。望む方も望まれる方も。世の中、二八の法則で動いているという説がある。二が頑張って、八は適当にやっているらしい。働きバチの中にも働かないハチがいるそうだ。
優しさは 思いやる力 甘じゃなく=今考えれば 学生のとき 辛口の助言をしてくれた友達、親切にしてくれた友達などに、あまり関心を示さず、礼も言わず、甘い方向ばかりに 目がいっていたことを悔やむなあ。)

●やめとこう、安い和民 のさんま刺=政談

(9月9日の夜、小柳浩一と居酒屋和民で飲んでおりましたら、さんまの刺身が安くてうまそうなので私が注文して二人でたべました。ところが夜中の一時頃急に腹痛、吐き気、下痢じんましん、をもようし救急車で中央病院へ入院。私一人と思ったら小柳 も同じ症状で内視鏡検査までしたとの事、和民と治療費と慰謝料の交渉やっています。)

●葦原に鷺羽ばたきて 扇水=入鈴

(人間と動物の暮らしについての深い洞察、なんちゃって。詫びをいれているんです。遊んだらいけません看板を無視して溜池に侵入したら、主の白鷺ちゃんを怒らせてしまったのです。
短歌[これでも詠んだつもり]=山菜採りよ 代替品無いですか 可哀想な月の輪熊こそけれ)

*松島における俳句と川柳 平成16年9月4日=五六二三斎

*俳句三句
●松島の狭き木陰もまたさやか
●秋の海記念写真は五大堂
●渡る月京と松島で味わえり

*川柳三句
●松島は潮の香りが仁王丸
●松島の船にかもめの群れ来たり
●えびせんをナイスキャッチのかもめあり
(平成16年9月4日に日本三景の一つ−松島に行って来ました。ご存じ、松尾芭蕉 が「奥の細道」で、どうしても松島の月が見たいと言って、東北旅行のきっかけとな ったところです。芭蕉は松島の美しさに感激して、句ができなかった!ようし、 芭蕉を思いつつ、句をひねろうと大それた事を考えました。ここに、俳句三句、川柳 三句をご披露します。)

*琉球の風2004年秋彼岸=資料館

●沖縄便スーツ姿はただ一人
(沖縄行きのANA便は家族連れ,アベック,女友達同士ばかり。)
●那覇の街S字に走るゆいレール
●ゆいレール空から巡る那覇の街
●芭蕉布の曲が流れて首里間近
(沖縄都市モノレール(通称ゆいレール)は那覇の街をうねりながら首里の街に向かって上る。駅ごとにその地ゆかりの曲のメロディーが社内に流れ,首里の一つ前の儀保駅は「芭蕉布」。約40分の空中散歩。栗原隆司「九州・鉄道の旅」154〜155ページ参照)
●那覇の街「かりゆし」着ればウチナンチュウ
●「かりゆし」着スーツネクタイ出番無し
(沖縄では「かりゆしウェアー」(いわゆる県産品アロハシャツ)を着ればスーツネクタイは不要。誠に便利で,カラフル。)
●農協の隣は緑基地の街
(農協の窓から普天間基地の滑走路が目の前に。)
●横向けば釣瓶落しの窓の外
●ジリジリと国際通り秋暑し
●たそがれの牧志壺屋に秋の風
●タクシーで日暮れを語る島の秋
●るるぶ持ち八重山そばの店探し
●まず乾杯麦酒の銘柄ためらわず
(迷わずオリオンビールを注文する。)
●顔知らぬグルクンタマンに舌鼓
(グルクン,イラブチャー,ミーバエ,タマン等々知らない魚が登場する。)
●酔うほどに布泡盛作りもてーげーに
(てーげー博多弁でおおまんかなぁ)

*ウオッチ アウト!=スライトリ・マッド

気をつけろ
一人でいるとき
学校へ行くとき、帰るとき、学校、それに家の中もだ
自分の周りに誰かいないか
気をつけろ
やさしそうな仮面の下に潜むナイフ
知ってる人でも牙をむくことだってあるんだ
気をつけろ
知らない人と話すとき
腕の長さ分以上、離れろ
何故って?
つかまれないようにするためさ
相手が近寄ってきたら、距離を置け
危険を感じたら、叫んで逃げろ
気をつけろ
自転車に乗るとき
道路は狭く我が物顔に車が通る
公園、運動場も乗り入れ禁止じゃ乗るとこないけど
気をつけろ
友達と話すとき
近頃の子は、すぐ切れる
傷つけぬようするには、あたらずさわらずだ
なんだか淋しいもんだけど
やっぱり気をつけろ
君をねらってる黒い影

*丘めーる/彼岸花シリーズ

●アトリエに 願い一輪 彼岸花=月下村
●思い出の 彼方に誘う 彼岸花=木笛
●紅の海 樹々裾化粧 曼珠沙華 =久郎兎
●彼岸花 あんたは偉い!秋日和=喋九厘
●彼岸花 意に添わぬげに 群れてをり=木更津
●百万本あなたは見てる曼珠沙華=資料官
●昼下がり とんがり蕾の 彼岸花=入鈴

*僻むばな=平百合
曼珠沙華は中国からの雑草らしいですが、球根の5%しか花が咲かないとかで100個球根が地中にあればそのうち花が地上にでるのは5本だけだそうです。三倍体で種はできない(「ふしぎの植物学」田中修、中公新書)。
ちなみに、こちらではLycoris radiata(学名は同じですが)Red Spider Lilyとかいてちょっとかっこ悪い、似て非なるものが園芸カタログに載っています。
温暖な地方でしか育たないようで、イリノイの冬は越せませんし、鉢に入れて冬だけガレージに置いたけど、難しい。
九州、花の旅では、正光寺、天徳寺(築上郡)、長安寺(大分)などのがいいですね。 浮羽町の棚田も壮観ですね。
西鉄のカレンダーの9月、(実家から送られてきました)この地方では、モグラがあぜ道に穴をあけるのを防止するため、毒のある彼岸花を植えてあるのだそうです。
アニメ「犬夜叉」のタイトルに描かれた彼岸花がいい。 このアニメ4年続いて、おしまいになりましたね見てる方などおらんでしょうね。
失礼しました。

■編集後記
喋九厘さんのロケハンから突然始まった彼岸花談義。木更津さんからのの秀句に続いて倶楽部々員には資料館殿から百万本の曼珠沙華が届きました(写真やけどね!)。久郎兎さんの質問には平百合女史が彼岸花植物学的見地から適格な説明もありました。
個性の強い花だけに大勢の皆さんの心にもなにがしかの記憶と重なってその花は蘇ってくるようです。 私事で申し訳ないが、筆者はアトリエに一輪挿して11月の個展の成功祈願。ひがんばな=悲願花で、え〜〜い、みんなまとめて神だのみでござる。
(中島 文責  05/AUG/2004)

無法投区

創刊号 第二号